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  月夜の雁
「源太郎の初恋」より  (平岩弓枝著:文芸春秋刊)
いつまでも暑いと思っていたのに、気がつけばすっかり秋めいてきましたね。秋の深まりとともに、月も星も美しい季節になりました。

夏季の「代々木野の金魚まつり」にはたくさんのご参加をいただき、ありがとうございました。読めば読むほど、ほだされる良いお話でしたね。
先季が良かったものだから、いっそのこと続けて「十三歳の仲人」にしようかと思わないでもなかったのですが(エヘッ)、今季は「月夜の雁」を選びました。

お話では、純粋な子どもの心を裏切る大人たちにハラハラさせられますが、いつものように東吾さんたちが駆けつけると、そこにはひと足早く駆けつけた人たちが……。
親兄弟(姉妹)の温かさが心にしみる一編です。
さあ、今季はどんな五七五になりましたでしょう。
(平成二十三年秋)

お題の発表があったときからヤバイと思っていたのですが
ずっと23巻の「源太郎の初恋」が紛失しています。
折を見て探していたのですが見つからず、
先週は図書館でも探して見たのですが借りられてしまっていて
残念ですけど、今回はパスとさせていただきます。
UPされた後の皆さんの作品楽しみにしております。
今日は夏のような陽気でしたが、この先かなり寒くなると言われています。
体調を崩し易い季節の変わり目、どうぞお身体に気をつけてお過ごし下さい。
(茜雲さん)



  あっちの管理人さんの五七五 

もう9月も中旬過ぎというのにまだ昼間は残暑で、秋が待たれる今日この頃。先日の台風15号は本州縦断で、首都圏は交通網が寸断、ちょうど帰宅ラッシュと重なって駅前でバスやタクシーを待つ長蛇の列に震災時を思い出してしまいました。
今年も残り3か月ほど、どうかこれ以上何事もなく無事に過ぎて欲しいと願っています。
宗匠、締切りから早々のアップありがとうございました。夜中にざっと拝見して今朝もう一度楽しんで来ました。久々の一番投句、なんだか嬉しい〜♪ やっぱりみんなの競作ポイント、あそことあそこでしたねw
(あっちの管理人さんの談)

「今も、過激なのはいけません」
「医者って奴は、凄いことをいうもんだな」
「大事なことなのですよ。赤ん坊が産まれてくるというのは、いい加減なものではないのです」
「わかった」
「月夜の雁」より
さて、お題発表の時にたまこ姐さんから出た「過激発言」で大いに盛り上がりましたが、そういえば、「麻生家の正月」で七重さんも東吾さんを赤面させる過激発言をしてましたよねぇ(笑)


夫婦とも過激発言 東吾愕


七重にも、乳の出がよくなるようにと漢方の薬を飲ませ
「乳もみまでして下さいましたの」
東吾の方が真っ赤になった。
「お前、赤ん坊を産んでから、凄いことをいうようになったな」
====================
という所ですね。ホントだ、夫婦揃ってですね。この「東吾愕」ってのが受けます〜。
(こでまり)



東吾、源さんと長助の男3人が額を寄せ合って事件の推理をするシーンは「かわせみ」お馴染みの場面ですが、いつもは「かわせみ」の居間で、るいさんが妊ってからは長寿庵の2階へと場所替え。こちらも「かわせみ」同様酒も料理もすぐ出て来るので場所的には好都合かも。
今回もそこで東吾さん、源さんをいたぶってましたねぇ。もて男の東吾さん、女の絡んだ事件では源さんの盲点、欠点をカバーして強力な助っ人ですね。


盲点は色恋うとし巻羽織

欠点は単純なりと友笑う





お俊と芳三郎が捕縛されたあと、長寿庵で晩餉を御馳走になり、いそいそと亀有へ戻って行った親子の頭上にあったのは半月だった。
「月夜の雁」より
お卯のを無事に助け出し、長寿庵で美味しいお蕎麦をご馳走になり、家族揃って 体を寄せ合うように亀有に帰っていった親子。


家路行く 半月の夜 親子影

十五夜の月に至宝の雁の群れ


日頃から風流とは無縁の東吾さんも、この日の月は格別な思いで見上げたようですね。
(こでまり)



  はなはなさんの五七五 

過酷な台風の後は、ぐっと秋の気配が深くなりました。
雁に託した家族愛が眼目のお話ですけれど、かわせみファンなら「にやり」ポイントがいっぱいのお話でしたね〜。ご本家でいきなりのおたま姐さんの「過激」発言にも触発されました(笑)
ざっとしか拝見できてなくて申し訳ありません〜(涙) 宗匠、アップありがとうございます&拙作に温かいお言葉ありがとうございました。
ドタバタしていてなかなかゆっくり拝見できませんが、「ブラたまこ改め健脚たまこ」も楽しみに拝見したいとおもいます。
(はなはなさんの談)

やはりここは押さえておきたいところですよね〜。もしかしたら一番の競作ポイントはここかもしれません。


秋さかり今も過激はいけません





それは小さな墨で、表になんの装飾もないが、如何にも使いよさそうであった。
「お目が高うございます。それは大和の墨師の中でも名の通った者の作で、見た目は地味でございますが、色も匂いも唐墨に負けは致しません」
香苗が嬉しそうに東吾をみた。
「月夜の雁」より
上質の墨のかおりは何ともいえない深みを感じます。墨は香料をいれて調製するのだと何かで読んだことがあります。薄暗い店の中でお俊と香苗さん、ふたりの美女の手を行ったり来たりする墨。それも男への贈り物としての墨。方斎先生はともかく、通之進兄上を思って選ぶ墨。女の手の中でほのかに香ったりしなかったでしょうか。持ってみると意外としっとり冷たく感じる墨に、秋の訪れを託しました。
それにしても、墨にまで官能を感じるはなはな(汗)


ほの香る手のなかの墨ひやひやと


ははは、墨にまで感じましたか。余談ですが、10月号のオール読物は「官能的」が特集で、すっごく売れているんですって。
ここははなはなさんの独占ポイントで、墨の香りと手ざわりに注目した感性にハッとしました。
(こでまり)
はなはなさまの「墨〜」、独占ポイント♪実際に書道の心得があるから、墨を情念系で、 こう詠めるのねぇ・・・なんて感心しています。
(すみれさん)
はなはなさんのように墨に官能を感じるまでにはなれませんが、墨の匂いは大好きです。はなはなさんらしい独占ポイントでしたね。
(あっちの管理人さん)
墨」のお句は、さすがはなはなさまですね!
(麦わらぼうしさん)



「源さん、急ごう」
源三郎がお卯のを訊問しなかったことで、芳三郎は安心しているのかも知れないが、
「お俊は気の廻る女のようだ。もしもという気がしないでもない」
「月夜の雁」より
夫を殺させ、お卯のまでも殺めようとするお俊はまさに愛に狂った鬼ともいえるでしょう。それも自分の手は汚さない。はたしてお俊は芳三郎を本当に愛していたのか。
木犀の、華やかな香りと金銀の粒のような花殻と、女の鬼。より凄惨だと思いました。


木犀の毀れて夜叉のあらわるる


お俊は、落着いた商家の内儀としての様子が描かれ、捕われて以降の描写がありませんが、凶悪な面を読者の想像にゆだねた分、じんわりとその怖さも伝わってきます。
(こでまり)



「るい、心配はいらないよ。お卯のは、そりゃあいい家族を持っている。あの子が人を信じられなくなるわけがないんだ」
大川端の夜は更けると共にひんやりとして来ている。
雁の姿はもう見えず、満月だけが皓々と輝いていた。
「月夜の雁」より
最後は、しっとりした秋の風情と東吾のあたたかい想いのこもった述懐が味わい深いですね。列を成して飛ぶ雁にこめた、家族への愛が心に染みます。
東吾とるいにやがてやってくる「家族」という形も暗示して美しいシーンだと思います。


はらからと仰ぐ軒端に満ちる月

雁わたる人の世信じはるばると





  たまこさんの五七五 

宗匠毎度のことながら取りまとめ御苦労様です!長かった残暑もようやく終わりを告げ、爽やかな秋ですね〜 今季も皆様の目のつけどころ詠みどころが楽しみです。
昨晩さっと見て、もう一度今朝じっくり見せていただきました。やっぱり「家族の絆」が大きなキーポイントで、季節ももちろん、今年のこの時期に日本人全体の琴線に触れる御作ばかりでしたね。改めて宗匠の選球眼に脱帽しました。
ところで、「お題発表時のおたま姐さんの過激発言」というフレーズがいくつかありましたが(^^ゞ 「過激がナントカという宗太郎先生の発言があります」という事をちょっとお知らせしただけなので、「過激な発言」をしたわけではありませ〜〜ん(笑)
(たまこさんの談)

たまこ姐さんの過激発言、いえいえ確かに姐さんが言った訳ではありませんが、宗匠のお題を見て即座に宗太郎先生の発言を思い出し、掲示板に書き込み。みんなに「ああ、あのお話・・・」と思い出させた辺りは、やっぱり姐さんの「過激発言」が発端かなと。
(あっちの管理人さん)
「売り手がずるいんでございますよ。もう、たいして残って居りませんから、おまけを致しましょうなんていうもんで、つい、じゃあ残ってる分、全部、買ってあげるからって申しましたら、まあ、あるの、あるの。ですけど、いったん買うって申しました以上、いやともいえませんし、なんでも子沢山で暮しが大変だっていいますもんで……」
「月夜の雁」より
いったん買うといったら意地でも止めたとは言えない、お吉さんの江戸っ子気質・・・商売人から見たら絶好のカモ?(かくいう私も、絶対に店頭で値切ったりは出来ない関東人) 紫陽花さんのオマケポイントはここかな?と思ったりしていますがたぶん、違うだろうな〜
「稲荷山」という地名、結構ありますよね。


大軍で攻めるも崩れぬ稲荷山


全部買ってあげるというところに、久々に食欲が戻ったるいさんのことを喜ぶお吉さんの気持も出ていますよね。それにしても、さぞかし大きな山に見えたことでしょう。江戸っ子は辛いねえ。(私も値切るの苦手)
そうそう、仕事帰りに寄ったスーパーで値引きされた稲荷鮨を見かけ、つい買ってしまいました。値引きは大好き♪
(こでまり)



女房子が出来て久しいというのに、まだ言われてる源さんですが、得意そうに年下男と年上女のウンチクをたれているわりには、東吾さんも、いつまでもおるいさんに頭が上がらない(^^ゞ


今更に「色恋うとい」と言うが野暮





源三郎が目許を笑わせた。
「お上も、馬鹿にされたものです」
「よく考えたにしては、底が割れているよ。すぐ近くで奉公人が茶碗を洗っている時に、女房の椀の中に毒をふりまけるものか。少し待っていりゃあ、奉公人は台所を出て行くんだ」
「月夜の雁」より
手代の芳三郎のようなケース、現代でもあるのではないかと思いました。主の妻との恋は世間の非難を浴びるには違いないけれど、自分一人の才覚で、愛する女と共に人生をやり直す覚悟があれば、道は開けたかもしれない。甲斐性なしの主と見くびって、不当な欲を出したのが運のつき。
いくらイケメンで仕事も出来るという自信があっても、人の道を踏み外しては墓穴を掘るのは当然ですね。


きちきちの飛び過ぎて落つ溝の中


きちきち(バッタ)は自慢げに飛ぶものの、その先までは見えていない・・・、芳三郎の本質を的確&上手に詠まれていて、さすがと感じ入りました。
(こでまり)



今夜、あの親子は亀有の中川の上に輝く十五夜を揃って眺めているのだろうか、と東吾は俄かに胸の中が温かくなって来るのを感じた。
「月夜の雁」より
不慮の災難を「家族力」で乗り越えている実例が私の友人にもあるので、このラストシーンは何度読んでも、感動をおぼえます。


天空に親子の雁の影一列

中川も大川端も今日の月





【おたま姐さんのブラたまこ】 今季も、申し訳ないくらい長い!「いや、楽しんでやってるのよ」と言われそうだけど、それにしても実際に歩いているいらっしゃることを、何度も頭で確認し驚きながら拝見しました。今季もスゴイですよ〜〜。
それでは、どうぞこちらからご覧下さい。
たまこ様、もうブラたまこの域を超えて、健脚たまこ先生とお呼びしたいです。歩数計をリセットしてからでも26000歩超えを踏破されたって・・・自分には考えもつかない距離です。絶対に歩けません!それにとっても詳しくフォト付きで解説して あるから、読むだけで、一緒に歩いている気持ちになりました。楽チンで申し訳ない。 ほんとうにありがとうございました。
(すみれさん)
しかし姐さんの健脚ぶりには驚きました!すみれさんがお書きのように「健脚たまこ先生」がピッタリ!居ながらにして「かわせみ」の舞台を旅している感じです。
何気ない一枚の写真に江戸を感じたり。やっぱり生の情報はリアルですね!
(あっちの管理人さん)
みなさまおっしゃるように、「健脚たまこ先生」に脱帽!こ、このルート、距離を歩かれたんですよね?たまこさまの足には羽が付いているのか?
本当に一緒に歩いているような気持ちになりました、ありがとうございました。
(麦わらぼうしさん)
たまこさんの相変わらずの健脚ぶりに驚かされましたが、いつもより更にパワーアップしていますね。なんだか下町中の川や橋を巡られた感ありで、びっくりしました。100円のかき氷や1800円のパフェにも反応してしまいました。麻生邸の謎にもまたひとつの解決をみたような気がします。
(浅黄裏さん)
たまこさんのブラたまこは本当に見習わないとと思います このままいけば江戸の町を網羅してしまわれますね
(ぐりさん)
それにしてもたまこさんはすごいなぁ。地図を買ったというところからすごいなぁと思いました。駕籠(!)に乗ればいいのにぃとわけのわからない感想を持ってしまいました。
(紫陽花さん)



  すみれさんの五七五 

彼岸以降、やっと秋本番の日和になりましたね。冷房が要らなくなってすぐに、朝晩は暖房が恋しくなるほどです。まだ模様替えはしていませんけれどね(爆) 大雨、台風と日本は苛められてばかりですが、当地は余り被害も無くて、ありがたいやら、申し訳ないやら、感謝あるのみです。家族も何とか過ごせていて、今月は孫の行事に何度か呼んでもらって、ささやかな楽しみを持てました。
今季のお話、よろしくお願いします。何度も読み返して、このお話の奥深さを感じることが出来ました。始めの方、東吾さんと宗太郎さんの会話・・・競作ポイントかも?他の方々のお句が楽しみです。
一通り拝見しました。競作ポイントは冒頭の「過激〜」会話と終わりの部分と、予想していましたが、源三郎さんの「恋うとし」部分もそうだったのですね。参加できなかった・・・
(すみれさんの談)

早い話が、外から帰って来て、今までは大小をるいが受け取って刀掛へ運んでいたが、
「重いものを持つのはいけないというから、自分でやることにしている」
「当り前ですよ」
宗太郎が笑った。
「月夜の雁」より
東吾さん、るいさん夫婦にやっとこうのとりが舞い降りてきて、二人に新しいスデージが始まりましたね。子供が生まれるまでの夫と妻の心情の微妙な違いが微笑ましいです。
頼れる先輩、宗太郎さんにしっかりサポートしてもらえて、心強いですね。


イクメンの処方お任せ秋うらら





このお話には色々な家族が描かれているのに気付きました。夫婦二人、子供がもうすぐ生まれる夫婦、子供が増えつつある家族、子沢山の家族、・・・愛と絆の強さは、人数の多少や、冨の多さには比例しないことがこのお話から伝わってくるようです。その象徴的なのは、るいさんが、わが子の産着を縫う様子を見て、東吾さんがしみじみ考えている場面かな


実る秋愛しき布よ進む針


この描写は一つ前の「迷子の鶏」の中にありますが、もちろん「月夜の雁」の頃のるいさんも、時間を見つけては針を運んでいたことでしょう。秋の夜長、冬に備えての針仕事もあったでしょうが、こんな幸せな針仕事をしながら過すのも、格別でしょうね。布までが愛しいとは、すみれさんご自身の経験かな〜。
(こでまり)



男は、客に対して軽く会釈してから、
「お卯のが、お前の薬を持ってうろうろしているが、ここへ持って来てもよろしいか。それとも奥へ行くか」
といった。
「それはすまないことを……失礼してこちらへ頂きましょう」
「月夜の雁」より
対山軒の主人、善右衛門の不器用さが読者にも解る場面は、善右衛門が、店でお客様、それもお武家さまに応対しているお俊に、薬湯を〜〜話かけるところだと思います。我が家も自営業で、一番気をつけているのが、お客様の前では公私混同しないように・・・です。なかなか難しいのですが・・・(汗)
東吾さんも善右衛門のこと、お卯のちゃんの行動などで、不審に思うのは納得できます。女房を、自分の独り勝手だけで大切にして、心のつながりを失くした夫婦は、哀れな末路になってしまいました。


思い込み飲ませて飲んで落ちる蝉


家族仲良く商売に励んでいる姿は、見ていて微笑ましくていいものですが、それでも「お客様の前で公私混同しない」って大事ですよね。善右衛門はお武家の出かしらと思うような態度ですね。こういう振る舞いをされるたびに、お俊は心の中で「チッ」と舌打ちしていたような気がします。
(こでまり)
すみれさんの解説も素晴らしかったです。この夫婦のかけ合わなかった雰囲気がなぜだったのかがよくわかったような気がします。「お客様の前で…」の視点はとても新鮮でハッとさせられましたし、納得しました。
(浅黄裏さん)



「姉ちゃん、姉ちゃんと小せえ奴らはとりすがるし、兄貴の丑之助が縄をほどいて、親子が抱き合って泣いているのをみてね、俺も源さんも、なんともいえない気持がしたよ」
「月夜の雁」より
お卯のちゃんは危ういところを家族の団結で救われましたね。貧しくても、病弱でも、家族の心の持ち様で明るく生きていけるでしょう。


何処までも強ききずなよ雁わたる





  麦わらぼうしさんの五七五 

今季の五七五送ります。いいお話だし、詠みどころもいっぱいあると思うのですが、さっぱり出来ず、時間だけが過ぎて… どうにか一つだけ出来たので、送ります。
自分のは置いといて(毎度の事ですが)、 みなさまが、どこをどのように詠まれるか楽しみです。
こでまりさま、UPありがとうございました&お疲れ様でした。やはり競作ポイントだった「家族の絆」、私はちっとも詠めなかったけど、心があたたまるお句ばかりですね(^.^)
(麦わらぼうしさんの談)

「大体、あの善右衛門って奴は、商売のことはわからない。役立たずと追い出されては困ると思ったのか、女房に惚れていたのか、やれ、薬は飲んだか、鯉こくを作ったから食べてみろとか、親切すぎるんだな。そいつがお俊にしては、うっとうしい。亭主を殺して芳三郎と天下晴れて夫婦になりたいと思いつめた時、そうした亭主の親切を利用しようとしたんだから罰当りな話だ」
「月夜の雁」より
商売は順調、まずは不自由のない生活、はたからみれば幸せを絵に描いたような妻、お俊。
でも、いまいちぱっとしない旦那に、心は満たされない日々…それが“恋”をすることで輝き、そして“鯉”で身を滅ぼすという、ダジャレでした(^_^;)


こいで咲きこいで散りゆく桔梗かな


麦わらぼうしさんは「ダジャレ」とおっしゃいますが、私は上手いなあ〜と思いました。
小さい頃から店を継ぐために育てられ、自分を抑えることの多い生き方をしながらも、決して家業が嫌いではなかったようなので、何かがもう少し違っていたらと思います。
(こでまり)
麦さまは一句でもピリッと効いています。
(すみれさん)



  紫陽花さんのおまけ 

こんばんは。やっぱりおまけだけとなってしまいました。
締め切りぎりぎりですみません。よろしくお願いします。
こでまりさんアップお疲れ様です&ありがとうございます。
ざっと拝見しました。またあとでゆっくり見ますね。
(紫陽花さんの談)

「産み月になったら、座敷に豆をまいて拾って歩くといいといいますよ」
「なんのまじないだ」
「胎児が下って来るようです」
なにをいわれても、東吾は素直にうなずき、宗太郎はそんな東吾を可笑しそうに眺めながら、本所の屋敷につくまで、妊婦の亭主心得を並べ立てた。
「月夜の雁」より
豆の色が変かな。

変ではありませんよ〜。豆の中によく似た色のお茶が一滴こぼれているのが、いつもながらにいいセンスです。この時は何豆をまいたのでしょうね。
(こでまり)
紫陽花さんのオマケポイントは今回ちょっと予想していた所もあったのですが、やはり見事にはずしました。
(たまこさん)
トリオお茶を一滴こぼしているところが目立ちますね
(ぐりさん)



  ぐりさんの五七五 

このお話すぐには思い出せなかったんですが家族のきずながいいお話ですよね
過激な場面もみなさん詠まれるかな?
こでまり宗匠UPありがとうございました お疲れ様でした
過激ーーはやっぱり競作ポイントでしたね読めませんでした。源さんも競作ポイントでしたね またゆっくり拝見します
(ぐりさんの談)

かわせみのことをお屋敷と言っている長助親分
毎度蕎麦を届けにこれは兄上のお屋敷とも連想できるんですが 新蕎麦の時期にはなからず背をって来るくらいですね


新そばを 抱えてくぐる 冠木門





「色恋というと、芳三郎が岡場所の女にでものぼ上って、それを主人に注意され、逆怨みということですか」
源三郎がいい、東吾が長助の運んで来た酒を取り上げた。
「源さんのお調べは、毎度のことながら、そつがないが、盲点は色恋にうといんだな」
「月夜の雁」より
源さん色恋には相変わらず疎くて


色恋は気が回らない 巻羽織





「十三で、もう奉公に出たのか」
「俺達の村では、みんな、そのくらいで奉公に出ます」
花世が、おしゃまな顔でいった。
「花も、十三になったら、とうたまのお家へ奉公に行きます」
「月夜の雁」より
かわせみでは花世ちゃんの描写お転婆だけど生き生きとして魅力的な子に描かれていますね そんなところが大好きです
東吾さんとのやり取りもかわいい
13歳になったら奉公に行きますという花世の言葉 旗本の御嬢さんがと江戸の世なら考えられないことですが 実際に働くことになりますね


幼子の 冗談から 真が出


はい、今回も「花世ラー」のぐりさんらしく、詠んでいただきました。明治の今ではバリバリの職業婦人ですものね。
それにしても「かわせみ」の子達は十三になったら奉公に行くとか、十三で仲人をやっちゃうとか・・・。
(こでまり)
「13歳になったら奉公」は、まったく思いつかない視点だったので、なるほどなぁ〜と思いました。
(麦わらぼうしさん)



「人を信じなくなるなんてことはありませんかしら」
るいが心配そうに呟いた時、長助と「かわせみ」のみんなは見た。
美しい満月の手前に、雁が長い列を作って飛翔して行く姿が、まるで真昼のように明るい夜空にくっきりと浮んでいる。
「こいつは、きれいだなあ」
「月夜の雁」より
とてもいい家族がいるから人が信じられなくなるなんてことはない という東吾さんの言葉
貧しくとも信じあえる家族いいですね


満月や ねぐらへ帰る 家族あり





東吾さんとるいさんがよろそって月を眺めるというのは白鷺城にもありますね
るいさんにとってわすれえぬおもいででしょうね


寄り添いて 眺めた月も いくたびか


これまで「城と月」「萩と月」「菜の花と月」「団子と月」「能楽と月」など、印象的なお話がいくつもありました。そろって月を眺める描写も何度かありましたが、それぞれに忘れがたく、見飽きることはなかったでしょうね。
(こでまり)
東吾さんとるいさんといっしょに眺めた月何度もあったんですね明治の代になってるいさんは月夜がめぐってくるたびに思い出しているでしょうね思い出が多くてよかったです
(ぐりさん)



  浅黄裏さんの五七五 

今季のお話のポイントは、宗太郎先生の「すごい発言」かもしれませんが、よく考えてみたらその発言も東吾さん常日頃の言動からきているわけで、宗太郎さんの発言に驚くとい うことは、東吾さんは自分の言動には無自覚なのかもしれませんね。
(浅黄裏さんの談)

「人間というのは、したたかな反面、もろいものだと思いますよ。昨日まで奉公人を叱りとばし、我が家の関白太政大臣とばかり、女子供を睥睨していたのが、朝方、厠で倒れてそれっきり三度の食事も下の世話も、女房の手を借りなければならなくなるなどというのは、実に因果な話です」
永代橋を渡って深川へ入りながら、宗太郎がいった。
「月夜の雁」より
難夫奸夫(なんぷかんぷ)は、勝手に作った言葉です。道々宗太郎さんが話した中に「ある日倒れてからは…」の夫と「女房の妊娠中に…」の夫が出てきますが、これは患家の中に実例があったのかもしれませんね。東吾さん相手だからふと口にしてしまったのかもしれないと思いました。


どの家の難夫奸夫やそぞろ寒


「難夫奸夫」……浅黄裏さんが言うと、そういう四字熟語があった気がしてきますです。東吾さんの気持をもてあそぶみたいに、次々と話を切り替える宗太郎さん、本当に面白〜い。
(こでまり)



るいと肩を並べるようにして雁の行方を見守りながら、東吾はふと、あの夜、亀有へ帰って行った親子の姿を雁の上に重ねて思い出した。
体の弱い上の娘までが、妹の重大事ときいて、どうしても一緒に行くといってきかない。それで父親が大八車に乗せ、親子兄弟七人が必死になって、お卯のを助けにやって来た。
「月夜の雁」より
兄弟たちが姉を(妹を)心配して駆け付けるという展開でしたが、必死な顔をよくみてみれば誰もがまだまだ幼かったのではないかと。


かりがねや並べてみれば幼顔





必死の形相で駈けつけてきた道を今度はゆっくりと語らいながら帰るのでしょう。


今日からは安堵の枕雁渡る


この日は半月の夜だったそうですが、再び家族が無事に揃うことができ、まるで満月の中を歩くような安心感を感じながら、家路についたのでしょうね。
(こでまり)



  千姫さんの五七五 

ついこの前まで暑い暑いと言っていたのが嘘のように朝夕が涼しくなってきましたね。
月夜の雁は大八車に寄り添い帰って行く親子七人の姿と雁の飛び様が重なって、思わず「平岩先生、うまいなぁ」と独りごちました。物語の最初から頭の中は情念系に占領されてしまって、事件そのもの経緯が何度読んでも分からなかったけれど、投稿前にやっと理解できました\(-o-)/
(千姫さんの談)

そうした東吾の気持を故意に無視したように、宗太郎が続けた。
「秋が深くなったら、房事も少々、慎んだほうが無難ですよ」
「なに……」
「月夜の雁」より
ここは競作ポイントでしょうね。私も絶対詠まなくっちゃ、と頑張りました。しかし、過激な房事ってどんなんやろう・・・と独り者の千姫は笑いが止まりません。
「爽やか」が秋の季語だと知ったのも「はいくりんぐ」でした。(使い方は間違っていても季語は入っていると・・・いい訳です)


房事もお口爽やか名医なり


慎むってのは止めとくってことか、控えめにってことかな・・・と、こでまりも思考が止まりません(あはは) こんな発言も、宗太郎さんなら確かにサラッと爽やかですね。
(こでまり)



子供を持ったことのない東吾に、そんな花世の気持がわかるのは、自分も次男で、両親も、決してわけへだてはしていなかったが、それでも弟の兄に対する態度や礼儀などを教えられて、ああ、弟とはそういうものだと気がついた時のなんともいえない感じというのは憶えている。だからといって、東吾もまた、弟という身分を情けなく思ったり、ひがんだりしたことはなかった。それ故、花世の微妙な心理に情が湧く。
「月夜の雁」より
明治になってからの花世を知っているから、「かわせみへ奉公に行く」という花世の言葉にかけた東吾の言葉がとても面白かったです。私がいたら突っ込んでるだろうなぁ「そう、周りが大変なんです。」
でもこの頃の花世ちゃんの気持ちを汲んでくれた東吾の心遣いが嬉しいです。


秋の風軽き重さがいじらしく


そうそう、「周りが大変」〜〜。でもその大変さ(?)を東吾さんは知らないというのが、何とも言えませんね。
(こでまり)
花世ちゃんを読んでくださった方がもう一方見えてうれしかったです
(ぐりさん)



「いい所へ援軍が来たぞ」
東吾が嬉しそうに呼びに来た。
「るいの奴が稲荷鮨を食いたいといい出してね、お吉が買って来たのはいいんだが、馬に食わせるほどなんだ」
「月夜の雁」より
「いくらやっと食べたい物があると言ったからって・・・」と呆れ顔のるいと、大事なるいに食欲が戻ってきて喜んではしゃぎ気味のお吉。
セリフがちょうど17文字になりました。


よくもまああヽいなりずしいなりずし





独り暮らしにも慣れて不便も感じなくなった今でも、家庭の団欒が羨ましいと思う事があります。朝や夕にふっと秋の風を感じると、こんな気持ちになるのです。


雁の群熱燗恋し人こいし





  こでまりの五七五 

秋の深まりとともに、本を読むのも句をひねるのにも、いい季節になりましたね。
お題を発表した直後の「月夜の雁」ならぬ「月夜の過激」発言には面食らいましたが、何だか面白くなりそうで期待度もUP!でも情念系に走るかと思われたものの、ラストの場面で「月と雁」「雁と家族」などの視点で多くの方が二句ずつ詠まれたのは、震災のあった今年ならではのことかと思います。
自分はというと、何故だか今季は男性のことばかり詠んだことになりました〜。
(こでまりの談)

「お産のあとは、暫く、おるいさんもお吉も赤ん坊にかかりきりになりますからね。俺の足袋はどこだ、下帯だ、襦袢だとおたおたすることになりますよ」
と脅すような顔をする。
「そいつは宗太郎の経験か」
「月夜の雁」より
「経験か」と訊く東吾さんに、「そうだ」とも「違う」とも言わずにさりげなくスルーしてることから見て、絶対宗太郎さんもうっかりやってると思うんですが・・・。それにしても、宗太郎さんの言うままに心を振り回されてる東吾さん、可愛いですね。


経験か?それには触れず秋の風





長助は釜場のところにいて、東吾にとって都合がよかったのは、町廻りの帰りらしい畝源三郎が片すみで蕎麦をすすっている。
「これは、とんだ世話場をみられてしまいましたな」
と源三郎が笑い、長助がぼんくのぼに手をやった。
「月夜の雁」より
「秋蕎麦」という言葉が本編にあったので、そのまま使ってみました。時分時を過ぎて、店の隅っこでひっそりと食べているこの時の源さんに、何となく合ってるように思いました。


昼下がり秋蕎麦すする巻羽織





「それにしても、お俊が善右衛門と夫婦になった時、芳三郎はもう対山軒で働いていたのでしょう」
東吾がいい飲みっぷりで盃を干した。
「そういう単純な所が、源さんの欠点さ」
今から十二年前、芳三郎はいくつだったと東吾にいわれて、源三郎が苦笑した。
「月夜の雁」より
今月は、ココがけっこうな競作ポイントかも。


熱燗や色恋の絵図読めぬ友





いつもなら事件の経過とともに、逐一話して聞かせる東吾さんですが、さすがにるいさんを気づかって、今回は一件落着してからのお披露目になったみたいですね。


片ついててん末明かす望の夜





中川の家族の影響が大きかったことは間違いないでしょうが、やっぱり東吾さん自身に、父親としての自覚が出てきたからこその感慨なのだろうと思いました。


雁の棹親子かと見る若き父