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  猫絵師勝太郎
「江戸の精霊流し」より  (平岩弓枝著:文芸春秋刊)
この冬は、普段あまり雪が降らない地域にどっと降って、渋滞が続いたり停電になったりと、混乱が続きました。寒波はまだこれからも来るようなので、気をつけたいですね。

秋季の「手妻師千糸大夫」にはたくさんのご参加をいただき、ありがとうございました。以前のヒロイン秋月さんが再登場して、長い連作ならではの懐かしさを味わいましたね。また千糸大夫、お秋(秋月)さん、お伊乃ちゃんなど、いろんな女性目線のお句やオマケ、若い麻太郎・源太郎の友情や、親を代表しての通之進さんのお話など、読みごたえもたっぷりでした。

さて、今季は「猫絵師勝太郎」を選びました。
今回は事件も起らないしお話も短めだし、何となく苦吟が予想されます。
そのかわり、久々にるいさんにスポットライトが当てられたお話で、あとは猫ちゃんのかわいさがポイントでしょうか。(←猫好き管理人の特権とか)

さあ、今季はどんな五七五になりましたでしょう。
(平成二十二年冬)

大変ご無沙汰しております。コシキブです。
今季のお題を以前拝見して、心に留めてあったのですが、
残念ながらやはり提出はかないませんでした。
元気にしているのですが家族のことで忙しく、
読書も句作もいまは時間のとれない状態なのですが、
また 必ず参加させていただきますので、その節は宜しくお願いいたします!
(コシキブさん)
小式部さんお忙しかったんですね またご一緒したいです
(ぐりさん)



  あっちの管理人さんの五七五 

今年最後のお題は、猫好きの宗匠にぴったりのお話ですね。お題発表に添えられた紫陽花絵師の猫ちゃん達も本当に可愛いらしくて、まさに長助親分家の6匹の猫ちゃんそのもの!
いつも締め切りぎりぎり滑り込みセーフ状態でお題提出していましたが、なんと今回は早っ!自分でビックリするぐらいに早いでしょー!(笑) こんなこと滅多にあることじゃないから、異常気象にならないといいけど。
今回のアップ、いろいんな角度から楽しめて読み応え充分でした。ブラたまこも猫好きには嬉しい縁の場所ばかりだし、紫陽花さんの猫ちゃんもみーんな可愛くてこれまた猫好きにはたまりませんねぇ。宗匠、お忙しい中アップお疲れさま&ありがとうございました♪
(あっちの管理人さんの談)

六匹の仔猫の名は、畝家へ行ったのが「おたま」、かわせみのが「おはな」、神林家のが「雉太郎」、麻生家が「虎之助」、江原屋が「おしろ」、文吾兵衛のところのが「大吉」と披露された。
「江戸の精霊流し」より
最初にこの話を読んだ時、思わず「おっとー、これはたまこ姐さんが喜んでるなぁ」と思ったところ、皆さんも姐さんの畝の旦那に対する熱〜い思いを知っているだけに、これも何かの運命?と思ったのでは(笑)


これも縁 畝家の猫はおたまなり


管理人さんもそう思いました?私も同じで、思わず一句詠みました〜。
(こでまり)



普通なら膝枕となるところですが、猫ちゃんだとご主人様のお腹あたりを枕にうとうとしてるのかなぁと。おたまのニヤケた顔が目に浮ぶ←姐さん これは猫のおたまですから!


猫でいい好きなお方に腹枕 byおたま


「おたま」から発想が進んで「腹枕」、面白いですね〜。私も経験がありますが、仰向けに寝ている時に猫にお腹や胸の上に乗られると、苦しいけど結構嬉しかったりします。でも気を抜いていると顔の上でくしゃみをされたりすることも (>_<)
(こでまり)
え〜〜みんな私が畝家に行ったので大騒ぎしてくれちゃってるみたいだけど、畝様は朝早くから夜遅くまで、お家にはいないし…昼間は源太郎とお千代にキャッチボールの代わりにされて大変(恐)ようやく夜になって腹枕と思えば、早速お千絵さんに見つかって逮捕監禁のはめに。いい事なんか何もないよぉ。大吉のかわりに髭もじゃもじゃの所に貰われて、いなせな若いおにいさんたちにチヤホヤされたり、優しい勝太郎さんにナデナデしてもらいたかったにゃん(涙)
(おたま猫の独り言)
おたま猫ちゃんの独り言に大爆です!そっか畝家に貰われていってもなかなか御主人様と2人っきりにはなれないってことなんですねぇ。若いいなせなおにいさん達に囲まれた暮しも良かったかもですね(笑)
(あっちの管理人さん)
おたま猫のつぶやきも秀逸ですねぇ〜。そうかぁ、お千絵さんに監禁されたか(笑)かわいそうなおたま猫。片や、おはな猫はイケメン絵師と大川端でフォトセッションならぬ写生会ってのが申し訳ないですわね(笑)だっておるいさん似の姉を持つ勝太郎は案外男前だったんじゃないかしら?(爆)
(はなはなさん)
畝家の猫がおたまだったなんて見逃していました――残念です でもおたまねーさんよろこんでいるかとおもったらいがいやいがい大吉を羨ましがっているんですね そうですね源さんは忙しい人ですものね
(ぐりさん)



かわせみも麻生家でも年末恒例の煤払い、東吾さんも宗太郎さんもマメな性格なので家にいたら結構役に立ちそうなんだけど、そこはお武家だし、おるいさんも七重さんもそんなことは頼まないし、さすがに掃除の手伝いはさせられないですよね!ということで、長寿庵の二階で暇つぶし。


煤払い 身の置き場なく昼間酒





「なんですか、自分の絵をみつけるためだと申しまして……必ず、自分の絵をみつけて江戸へ戻って来ると……なにも大晦日に出かけることはあるまいと随分、止めたんですが……」
「江戸の精霊流し」より
るいさんに亡き姉の面影を見た勝太郎さん。るいさんからかけられた「自分の心にかなう、本当に描きたい絵をかいたらいい」という言葉が本当のお姉さんの言葉のように響いたと思います。迷っていた生き方に一筋の道を見つけたようですね。
心が決まれば早くその道を進みたい、若者らしい性急さで大晦日に旅立って行きました。


道求め心急くまま師走尽





  たまこさんの五七五 

ストーリーもキャラクターも面白いお話ですが、現在でも日本の中にある二重構造というか格差についても考えさせる、社会派的おもむきのある話でもありますね。画壇のことはよく知りませんが、文化勲章を頂点とする芸術家としての画家と、アニメやイラストなどで一般大衆の人気を博す人たちは今でも、違う世界にいるような感じがします。将軍家や大名家のご典医と町医者の間の差が、現在も大学病院の「白い巨塔」と町の個人医院の間に残っているのも同じでしょうか。平岩先生ご自身、直木賞受賞後にテレビドラマの脚本の仕事をされた時に「テレビの仕事は一流作家になる為には不利、賞にも縁遠くなる」と周囲に言われ続けたと書いていらっしゃいます。それでも、キャリアに比べて遅い受賞ではあったかもしれませんが、「花影の花」で見事吉川英治文学賞、西遊記で毎日芸術賞、そして6年前には文化功労者となられました。どんな格差があるにせよ、人にも自分にも誠実に、日々の精進を重ねることが成功をもたらすという作者の強い信念を感じさせるお話でした。
朝の一巡りをしていて、ご本家が尽句なのでビックリ、そうか〜もう月末か〜〜そういえば昨日「笑点」で歌丸さんが「本年も残すところあと11か月となり」と言っていたな。昨年も言っていた、というか司会になる前も言ってたような気がする(笑) でもこの年になると、ほんとにそんな感じなのです。正月気分がそろそろ終わったと思うやいなや次の正月がやってくる… とまぁそんなことはどうでもいいんですが、皆様の感想、本編にも負けず面白いですね〜 なんか「自分の詠み逃し悔しがり大会」みたいで。
そういえば通之進様ファンの平岩先生は筋金入りの面食い(笑)ですよね。勝太郎さんも、もちろんイケメン絵師に決まってます!伊東昌輝先生イケメン「だった」なんて過去形にしてしまって(↓)すみません、「イケメンであることにビックリ」に訂正(もっとも最近のお写真は拝見する機会がないんですが…) でも、文庫の解説で、臆面もなく自分の女房殿を褒め上げているところなど、なんとなく「面白系」の印象を持っていたんですが、考えてみればあれも、東吾さんそのまんまってわけねぇ〜〜
(たまこさんの談)

「やられましたね」
手酌で飲みはじめながら、宗太郎が笑った。
「源さんもやきが廻ったな。女房子への土産の猫の七福神をみせびらかすなんぞ、八丁堀の風上にもおけないよ」
「江戸の精霊流し」より
江戸のイクメン競争(^O^)赤ん坊の世話ではぶっちぎりだった宗太郎さん、正吉や長吉を相手に保父さん(死語?)ぶりを発揮していた東吾さんに比べると分の悪かった源さんでしたが、今回逆転ホームランか。でもイクメンというより単なるマイホームパパ?


イクメンの逆転されて酒と蕎麦


2010年の流行語となった「イクメン」を取り入れての一句、さすがです。この時の源さんは、言いたいことを言って見せたい物を見せて、拍子抜けするくらいマイホームパパって感じが出てて、面白いですね。
(こでまり)



やっぱり「師走の蕎麦屋の二階」となれば♪


煤掃きを終えし我が家へ討ち入らむ





そこは往来からやや川寄にひっ込んだ空地で、一人の男が大川へむいて石に腰を下し、なにやら筆を動かしている。その脇に仔猫が一匹、ちょこなんとすわって男のすることを眺めていた。
虎縞の毛並に右の前足の先が白足袋でもはいたように白い。
「江戸の精霊流し」より
「おはなはけっこう好奇心の強い仔猫で」という所でニンマリしたご常連さんは多いことでしょう。もちろん私も(^−^)
「男が猫の動きに従ってこちらをむいた」というようなさりげない描写も、まさに情景がそのまま目に浮かぶようでいいなぁと思いました。


大川にうつる冬陽や猫と絵師


夕陽の河原に猫と絵師、穏やかな風景ですね。
あっちの管理人さんは「おたま」に反応し、たまこさんは「おはな」に反応して…。ご常連の皆さんも、さぞかしニンマリとしたことでしょうね。もちろん私も!
(こでまり)
平岩先生のエッセイ集「なかなかいい生き方」(講談社)を読んでいたら、平岩家の愛猫について書いてありました。なんとその猫の名前が「おはな」なんです。だから「かわせみ」に貰われたのがおはなちゃんだったのね〜。「けっこう好奇心の強い子猫で」という書き方が、妙にリアルで実際にその猫を知ってるみたい?と思っていたんですが、これで納得です。もっとも、平岩家には、貰われたのではなく、近所のお家の飼い猫だったらしいのが、その家が引っ越した時に置いてきぼりになってしまったのを(ひどっ)紆余曲折あって、平岩家で引き取ったということなんだそうです。なので、「おはな」の前に本名(?)があったはずだけれど、それが何だったのかは、いまだに不明なのだとか。そのあたりのいきさつが、実に生き生きと面白く描かれています。
まだ子猫だと思って近所の犬猫病院の老先生に来てもらったら「なにが子猫なものか、大年増だ」と笑われたとか、平岩先生のご主人は最初は猫を飼うのに反対だったのにも関わらず、おはなちゃんは旦那様のほうになついている様子とか。(そういえば、あっちの管理人さんがご紹介くださった読売新聞の記事で新婚時代のご夫婦のお写真を見ましたが、伊東昌輝先生ってイケメンだったのね!ビックリ(^^ゞ) このエッセイ集は、「極楽とんぼの飛んだ道」や「老いること暮らすこと」に続く、「大衆文芸」巻頭のエッセイをまとめたシリーズですが、木曾の木材と尾張家のことや、北前船を取材しての旅のことなど、他にも興味深い文がいっぱいです。
(たまこさん)



勝太郎は西に向けて旅立ったのかと思い、るいはさりげなく大川の下流の空へ目をやった。東吾はまだ軍艦操練所から戻って来ない。
千春が文吾兵衛を相手に羽根突きを始めた。
「江戸の精霊流し」より
旅の空にある若い絵師を思う、かわせみコミュニティの人々の人情が胸に迫るラストシーンです。維新を経て、画壇の動向も大きく変化しますよね〜 勝太郎さん、明治編にぜひ再登場してほしい人の一人ですね。


旅立ちし人は何処に年を越す



追い羽根の響く川面の先の空




年末年始の慌しい中にも、つい勝太郎さんの行く末に思いをかけてしまう「かわせみ」のみんなの心情が伝わる二句ですね。
(こでまり)



【おたま姐さんのブラたまこ】 今季も珠玉の一編が届いておりますですよ〜。
特にこれはぐりさんや私にとっては、たまらない内容です。さあ、皆さんもお楽しみくださいませ!
こちらからどうぞ。
ぶらたまこ猫編・・・猫ちゃんにまつわる情報が満載ですね。どんなにデジタル化 IT化の時代になっても、ご利益を願う気持ちは変わらずに、近頃はますますパワースポット巡りが盛んな様子です。そんな事も今回のブラたまこからは充分に伝わってきました。
(すみれさん)
ブラたまこ、楽しく拝見しました。猫つながりで、こんなに方々に展開されるとは、驚きです。また、たまこさんもお書きのように彦根とのご縁も深いお寺のご紹介も興味深く拝見しました。弊地彦根では何故かあまり世田谷とのご縁は深くは認識されていないようです。京都は見ていても東京はあまり見ていない滋賀県なのかもしれません。そういえば全国から(一部は海外から)届くひこにゃん宛ての年賀状が多すぎて、ひこにゃんが「体力の限界」を理由に全数の返信は無理との声明(?)を発表していました。
(浅黄裏さん)
「ブラたまこ」は入魂の猫づくしですね。東京近辺でもこんなに猫関連のポイントがあるなんて、やはり昔から愛らしく私たちの生活に安らぎを運んだ動物だったんですね。たまこさまの視野の広さ、守備範囲の広さはやっぱり脱帽です。もう少しゆっくり拝見してきます。
(はなはなさん)
ブラたまこ今回も丁寧な取材で本当に読ませますね今回は特に楽しかったです 猫の神社はあの人間の数より猫が多いというはつしまにはあるとテレビで見ましたが 全国にはまだまだありそうですね
(ぐりさん)



  すみれさんの五七五 

12月も半ばとなり、本日は討ち入り日・・・私的にこの日にお届けしたいと思いました(爆) 出来上がり具合は?・・・討ち入っても返り討ちにあうこと間違いなし(滝汗) 毎度の恥しいものですが、よろしくお願いします。
少し前まで、毎月だったことを考えると、よく出来ていたナァ・・・ 宗匠もさぞ大変な思いとお仕事をされていたんだ・・・と、改めて感じております。来年はどんな一年になるでしょう・・・かわせみの本編が再開されるのが、みんなの願いですね。
可愛い子猫たちとるいさんが中心のはんなりとしたお話しで、歳末の穏やかな暮らしのありがたさを感じられるのが、良いですね。あっちの管理人様が速攻投句されたのもわかる気がします。
先ほど、「猫絵師勝太郎」とりあえず拝見してきました。私的なうっかりは、畝家のおたまちゃん猫を見逃したことです(泣き) 「呼んだら誰かがはーいって返事する」←ここまで書いたならその時に気づきなさい・・・ 一人つっこみを入れました。(恥)おたま猫のつぶやきも大うけ(爆)あっちの管理人さま、宗匠の五七五も可愛いやら楽しいやら、にんまりしています。
今晩は大雪の予報がでていますが、来週になれば、節分、立春と春がそこまで 来ていますね。今年は特に寒い冬だから、春が待たれます。
(すみれさんの談)

6匹の子猫の名前、立派ですよね。呼んだら、どこか他の誰かさんが、はーい!って返事しそう・・・
6通りの毛並みの子猫の様子がとっても可愛いです。猫好きの方にはたまりませんね。


人並みの名前にかつぶしこたつ猫





「そういえば、昨年もここで宗太郎と飲んだんだな」
「残念ながら、そのようですね」
「おたがい、もう少し気のきいた逃げ場があってもよさそうなものだが……」
「江戸の精霊流し」より
「男子厨房に入らず」の時代のご主人様方は、大掃除の手伝いも無くて、よかったですね・・・
色気の無い長寿庵へ避難してくれるなんて、奥方様にとっても良いご主人様ばかりです(爆)


すすはらい猫の手以下の茶碗酒


煤払いの場面は皆さんいろいろな視点から読まれていてとても新鮮楽しめました 流石ですね 猫の手以下〜猫よりおじゃま〜には大笑いさせていただきました
(ぐりさん)



思い切って我が家への道をまがった。とたんに前方に人影がみえた。提灯を手にしている。背が高い。
「るいか」
「江戸の精霊流し」より
あっちの管理人さまもきっとここが発句ポイントではないかな?心細いるいさんをグットタイミングで迎えにくるご主人・・・東吾さんって、好きです。私も迎えに来て欲しいと思う奥様がいっぱいでしょうね。大好きな場面です。


討ち入り日夫の迎えの頼もしさ


それが、ここは独占ポイントでしたよ!追いかけられている様子を詠んだ句は他にもありましたが、その場に東吾さん登場というのはすみれさんだけでした〜。東吾さんなら、何が来ても迎え撃ってくれそうですよね。
(こでまり)
すみれさんの東吾さんが迎えに来るシーン、気になってはいましたが詠めませんでした。
(あっちの管理人さん)
るいさんを東吾さんが迎えに行くというところは全然読めませんでした
(ぐりさん)



「姉が生きていてくれれば、心にない生き方でも、それなりの立身を努力します。姉亡き今は、とても出来ません。するつもりもないのです」
生きるために、猫の七福神も描いた。
「狩野家で学んだ通りを描くより、ましだと思っています」
「江戸の精霊流し」より
勝太郎さんが、るいさんを思わず追いかけてしまった切ない心情が、最後に明らかになりました。るいさんが、彼の告白をじっと聞いている仕草、るいさんのしっとりとした優雅さや優しさが伝わってきます。
芸術の世界は、今も昔も才能の他に、修行にかかる金額が必要ですね。姉さんの期待と支援に応えようと頑張れば頑張るほど、自分の描きたい絵から遠のく・・・勝太郎さんの才能を生かせる絵の世界が見つかると良いのですが・・・関西あたりで猫絵師をできないでしょうかね。勝太郎さん。頑張れ!


冬入日忘れえぬ人会えそうで



野良猫で生きてみせます年の空


「野良猫で」のお句は、勝太郎さんの決意をうまく詠んでいてとても好きです。江戸時代といっても自由な画風が全くダメというわけでもないでしょうから、権威を嫌う大坂の町などで、絵師として身を立てているかもしれませんね。
(こでまり)



  浅黄裏さんの五七五 

かわせみには、その後どうしたかがとても気になる人物が出てきますが、この勝太郎さんもその一人です。上方へ旅して、尾張か京の都あたりで絵が評判になって、そのうわさがかわせみの泊り客からもたらされるというような展開が今後生まれたらいいのになあと妄想してしまいます。
るいさんが勝太郎さんに語った言葉は、きっと亡きお姉さんに言ってほしかった言葉そのものだったのでしょう。まるで亡きお姉さんが言ってくれたように勝太郎さんの心に届き、背中を押してくれたことで、本当の自分の道を歩み出せたのかなと思います。髭もじゃもじゃの居候となったのもるいさんとの縁が生まれたのも勝太郎さん自身の人徳であり、運の強さかもしれません。いじけず、横道にも逸れず、無意識のうちにじっとよい運気が訪れるのを待っていたような気がします。本当の自分ではないと弱弱しく悩みながらもこの人は、実はとても強い人なのではないかと思います。
拝見しました。やっぱり皆様、猫たちの出生から嫁入り先・婿入り先まで詠まれていて、嬉しくなりました。
今晩から明日にかけては大雪・風雪・雷注意報が出ています。エアコンつけても部屋があまり暖まりません。家の中でも洗面所や玄関は冷え冷えしていて、用のあるときはダウンコートを羽織っていく寒がり&モノグサ主婦です。こんな気候の中でのアップ作業は特に大変だったと思います。こでまりさん、ありがとうございました。すみれさんがお書きのように本当に春が待たれますね。
(浅黄裏さんの談)

「なんだ、宗太郎も追い出され組か」
「東吾さんも邪魔っけにされた口ですね」
長助が釜場から笑顔をむけた。
「大方、もうお出で下さる時分だろうとお待ち申して居りましたんで……」
「江戸の精霊流し」より
煤払いの間サボっている煤逃(すすにげ)という季語を見つけて嬉しくなりました。東吾さんたちのような人がこの季節になるといっぱい出てくるということですね。


煤逃や口に福あり今年もまた


「煤逃」は初めて知りましたが、本当にピッタリな季語ですね。私も嬉しくなりました。
(こでまり)
煤逃げ 素敵な季語ですね初めて知りました新しく見つけた季語は使ってみたいですね
(ぐりさん)
「煤逃」という季語も初めて知りました。これも面白いですね〜
(たまこさん)



それぞれの猫が玉の輿に乗ったということで、嫁入り・婿入りという言葉を入れたかったのですが、残念です。


足袋はいて鰹節背負って冬の猫


今回は白足袋を履いたというところに反応しました うちのミュウもソックスはいているんですピン子はあの通り口の周りだけ白いんですがそれも可愛いんですがソックスも可愛いです
(ぐりさん)



猫でつながるどの家々にも福が訪れますように。


どの家にも一匹づつの竃猫


小さい猫ちゃんを迎えた家は、きっとその子を囲んで幸せな気分が広がったと思います。猫ちゃんには兄弟がいて、しかも全部知り合いの家に引き取られている……。張り合うわけではないけれど、みんな「ウチの子が一番かわいい」「ウチに来た子が一番幸せ♪」と思っているでしょうね。
(こでまり)



大晦日の午後に、文吾兵衛が「かわせみ」へやって来た。
勝太郎が旅に出た、という。
  (略)
どうしてもいうことをきかないので、小文吾が心配して品川まで送って行ったと苦笑している。
「江戸の精霊流し」より
何かに追われるのではなく、逃げ出すのでもなく、こちらから迎えに行く気持ちが大晦日の旅立ちにさせたのだと思います。


新年を出迎えにいく旅支度


「新年を迎えに行く」というのはとても新鮮な視点でした。当時狩野派の門を出ることは、相当の重圧があったのでしょう。それを跳ね返して自分の絵を極めるのには、それくらいの前向きな気持が必要なんでしょうね。
(こでまり)



  麦わらぼうしさんの五七五 

今回は(も)難しかったです〜いろいろ詠みたいポイントはあるのですけど、全然出来なくてあきらめようかと思いましたが、どうにか一つだけ出来たので送ります。みなさまがどこをどのように詠まれているのか楽しみです。
あっちの管理人さまがおっしゃるように「いろいんな角度から楽しめて読み応え充分」ですね!たった一句しか出来なかった私は、なるほど、なるほど、と感服するばかり…
こでまりさま、お疲れ様でした&ありがとうございました。
(麦わらぼうしさんの談)

妾宅とまでは行かなくとも、吉原あたりに馴染の妓でもあればなあと東吾が笑い、宗太郎が片目をつぶった。
「長寿庵なればこそ天下泰平ですよ。七つ下りの雨と中年になっての色恋はやまないといいますからね」
「江戸の精霊流し」より
長寿庵に男三人が顔をそろえた場面はきっと競作ポイントでしょうね。その中で、宗太郎さんについて詠んでみました。
かわせみにも長寿庵にも遠慮なく立ち寄れるけど、やっぱり我が家が一番!でしょうね。(みんなもそうでしょうけど♪)


好きな場所宿屋に蕎麦屋でも我が家


ホントにそうですね〜。相変わらずの東吾さんとの会話も楽しいけれど、やっぱり七重さんの顔を見ているのが一番いい〜、とか思っているんでしょうね。
(こでまり)



  千姫さんの五七五 

今年も一年お世話になりました。今年はいろいろあって落ち着かず、五七五がまったく浮かんでこないジレンマに悩み、俳句の本を読めば読むほど自分の五七五に疑問が出てまとめられない、という悪循環の1年でした。
今日PCを起動させようとしたら変な画面になって、「今!?」って焦りました。週末にコメントを考えて送ろうと思っていましたが、明日、無事開ける保障がないので・・・ 焦りながらですがやっと完成です\(-o-)/
(千姫さんの談)

ともあれ、六匹の仔猫は乳離れを待って、各々、鰹節一本を背負って、
「まあ、人間でいえば玉の輿じゃないか。こんな幸せな猫は滅多にあるまいよ」
と近所の評判になって各々の新しい住み家へ抱かれて行った。
「江戸の精霊流し」より
そのままですが姿が頭に浮かんできてフフと笑みがこぼれてくるのです。


かつを節背中にくくりもらい猫


ここはやっぱり競作ポイントでしたね。みんなも「フフ」と微笑みながら詠まれたと思います。
(こでまり)



「猫の手も借りたい」ってよく言うのですがねぇね。


煤払い猫よりおじゃま東吾の手


ざっと拝見したなかで、千姫さまの「煤払い猫よりおじゃま東吾の手」がすごくツボでした♪
(麦わらぼうしさん)



空には満月に近い月が上っている。
気のせいかと思い直しながらるいは小走りになった。自分には尾けられるおぼえは全くない。
角を折れる時に見た、あの男であった。
「江戸の精霊流し」より
すれ違いざまに「姉さん・・・!?」とはっとしました。「姉のはずはない」と気付いていましたが、もう一度はっきりと顔を見たくてつい、後をつけてしまいました。こんな時間に女性が一人で歩いているのは物騒だとも思い、亡くなった姉に面影が似ていたので、無事に家に着くまで見守るつもりの気でいたのです。そんな私の存在が、怖い思いをさせていたなんて全く気が付かなかった・・・申し訳ないことをしてしまいました。


姉を追い夜道に影さす冬の月


お千ちゃんの解説で、勝太郎さんのあの時の気持ちがとてもよく伝わってきました。なるほど、るいさんを心配する余り、怖がらせているなんて気づいていなかったんだ〜。その後思いがけなくるいさんと再会した時には、どんな気持ちがしたでしょうね。
(こでまり)
「姉を追い〜」のお句の解説にも、そうか、そうだったのか〜とすごく納得しました。
(麦わらぼうしさん)
千姫さんのコメントに勝太郎さんるいさんをつけていただけではなく守ってもいたんですね なるほどと思いましたるいさんにお姉さんの面影を見つけたんですからそう思っても自然ですね
(ぐりさん)



大晦日に旅立ったのが勝太郎の決意の固さを表わしているみたいです。皆んな、何処で誰と聞いているのかなぁ。


独り発つ江戸のなごりの除夜の鐘





  紫陽花さんの五七五 

まだ締め切りまで余裕があるけどこれ以上出来そうもないしいじくるだけでたいして変わらないと思うので送ります。
(紫陽花さんの談)

山水、人物、花鳥、なにを描いても中途半端な絵にしかならない。
「例外が、猫です。猫を描いている時だけ、心が解き放たれます。好きなように筆が動きます。ですが、猫の絵だけでは藩のお抱え絵師にはなれません。弟子にも馬鹿にされます」
「江戸の精霊流し」より


旅立ちにお前も来ぬかと猫さそう


勝太郎さんなら旅の先々で猫たちが、どこからともなくやって来て出迎えてくれそうな気がしますね。
(こでまり)



母猫は四本とも白い四つ白だが、仔猫は前足日本だけが白いのが一匹、あとは前後左右各々、一本だけが白いのが四匹、残る一匹は母親そっくりの四つ白であった。
「江戸の精霊流し」より
オマケ…猫、並べてみました。肝心のあいつらを忘れたのであわてて付け足しました。たまとはな おしろに大吉 雉に虎  (順番に意味はありません)

△専属絵師の紫陽花さん、今季もかわいい絵をありがとうございます。こちらもとても生きいきしていますね。コメントの「たまとはな おしろに大吉 雉に虎」って、五七五になってるし……。
(こでまり)
紫陽花絵師の猫ちゃん達も可愛い・・・白足袋(ソックス)を履いてますね♪
(すみれさん)
紫陽花さんの一列並び猫もちゃんと白足袋が描き分けられていて、一匹ずつ名前を確認しながら拝見しました。可愛い〜ですよね♪
(浅黄裏さん)
紫陽花さまのおまけ、一列にならんだ猫の愛らしさは格別ですねぇ。一番左の子がお気に入りです。あれ?あの子がおはなかしら?もう一回後で見てこよう。彼らに興味があるのね♪
(はなはなさん)
紫陽花さんの猫ちゃんたちそれぞれに足袋の足を書き分けられていて楽しいですね
(ぐりさん)



  はなはなさんの五七五 

さて、今年最後のお題を提出しますね。もう少し練ればいいんでしょうけれど、もう時間切れなんです…わたし的には。(これから大掃除本番です)申し訳ありません。
このお話は思うことが多すぎて感情が先走り、季語もなかなか盛り込めず、客観的にもなれず、本当に困りました。でも、私なりの句になってはいるんじゃないかと今年最後のうぬぼれ(笑)ここで提出しますね。
猫絵師勝太郎」いたるところが詠みどころ満載で、皆様の御作を拝見して「うーむ、まだまだ私の読みが足らない…」とがっくり。第一「おはな」がかわせみにやってきて「好奇心の強い猫」なんて言われてたのに、全然気付いてないなんて…うっかりも極まれり(涙)
(はなはなさんの談)

「東吾さん、いくら手前が定廻りでも、そういつでも事件を背負って走り廻っているわけじゃありませんよ」
二枚の錦絵を懐中にして立ち上った。
「では、手前はもう少し廻る所がありますので、お先に……」
長助を従えて、颯爽と梯子段を下りて行った。
「江戸の精霊流し」より
長寿庵の二階はなんだか哀れな状況ですね(笑) 色気もなく男ふたりで指しつ指されつなんて、東吾さんのモテ男ぷりもはるか昔(大爆) お馴染みの3人が顔をそろえたと思ったのに、なんだか源さんだけがいそいそしてて可笑しいな〜。猫の絵をふところに町廻りに精を出して、今日だけは早く帰るんだろうなぁ。あわただしい年の暮れ、事件がなくて本当に良かった。


いろ事も居どころもなく酌む熱燗



猫の絵をあたため歩く巻羽織


「居どころもなく」いる二人と、その二人を置いて去る「源さん」の対比がよく出た二句ですね。「あたため歩く」から絵を大切にしている様子が伺えますが、あの源さんが流行の錦絵を奥さんのために持って帰るというのが、まったく面白いです。
(こでまり)
猫の絵を〜も温かでいいですね巻羽織句独占ですね
(ぐりさん)



「猫だけお描きになるのもよろしいのではございませんか。貴方様のお描きになる猫の絵は、たとい錦絵の七福神でも、みなが愛らしい、是非、手許におきたいと買いに走ります。難かしいことはわかりませんが、よい絵とはそのようなものではないかと思います。あなたのお心にかなう、本当にお描きになりたい絵をお描き続けなさることが、なによりもお姉様の御供養になると申しては、いけませんか」
「江戸の精霊流し」より
このお話は早いうちに読みなおしていましたが、平岩先生の芸術と人を描く筆力に感じ入ってしまいました。芸術とは、人生とは、その答えを、たったあれだけのエピソードで導き出してしまう。それを享受できる私たちは、なんて幸せなのでしょう。
弟を思う姉の深い愛をおるいさんに語らせ、芸術の持つ残酷さまでも描いてしまう…すばらしい。人は夢のために生きていくのだなぁ、と改めて思いました。
なんだか感想文みたいな句になってしまって恥ずかしいです。


誰がための道姉逝きて教えたまふ



つみふかき吾をゆるした姉がゐて



夢を見て求める私のいのちかな


失礼ながら、はなはなさんがこんなにもこのお話に感情移入されるとは思いませんでした。やはり一つの道にかけている人が見せる高みは、同じ高みを仰ぐ人に通じるのでしょうね。そんなはなちゃんのお句にどの部分を引用すればいいのか迷いましたが、勝太郎さんの背中を押したるいさんの言葉を添えました。
(こでまり)
はなはなさんの詠みは、さすが、志す所が同じ人への共感と応援がよく解ります。作者の平岩先生へのコメントも、なるほどなぁ・・・と唸ってしまいました。
(すみれさん)



  ぐりさんの五七五 

いつもお世話になりますいつもぎりぎりですみません でも今回は閉め切りすぎは避けたいと思いました 年初に遅れてではなんだか気まり悪いです(;一_一)
以前に鯉の絵ばかりを書くというお話がありましたが この時代猫のばかりを書くという絵かきさんはどうだったのでしょう 今は猫の絵作家さんや写真家さんでもりっぱなものですが 勝太郎さん修行してどんな絵を描くようになったのでしょうか気になります 私は勝太郎さんの優しさが可愛い猫の絵になっているんだという気がしますけど 勝太郎さんの描いた絵を見てみたいです
UPありがとうございました 最近は詠めないところはすぐにあきらめてしまってだめです 今年はもう少しじっくりと取り組みたいと思います
(ぐりさんの談)

この秋、深川佐賀町にある長寿庵の長助の家の飼猫が六匹の仔を産んだ。
父親はどこの誰やら定かではないが、誕生した仔猫はみな母親そっくりの灰色の虎猫で僅かに足首のところだけが白い。
「江戸の精霊流し」より
今回のお話は猫のお話でそれも殺伐したお話はなく大好きなお話です 今は白い手足で生まれた子はソックスをはいているといいますが〜


6匹が 白足袋を履き 生まれ来る





どの子もそれぞれにいい家にもらわれていきこんな運のいい猫たちも珍しいんでしょ うね


子猫たち 玉の輿にのり 幸せに


猫が好きな人は、飼い猫に兄弟がいるならやっぱりその子達のことも気になるでしょうね。
(こでまり)
兄弟猫やっぱり知っていたら気になると思います 我が家でも兄弟の猫を飼うのいいなと思っているんですけど〜
(ぐりさん)



「今日は在宅か」
「本所の麻生先生の所に、仔猫の写生に出かけていますんで……」
花世に頼まれたといった。
「実は、うちの大吉を写生した絵を、お姫さんにみせたら、どうしても虎之助を描かせろってんで……」
「江戸の精霊流し」より
花世ちゃんきかんきですものね いい出したらきかないでしょうね それほどかわいかったんでしょうね


お姫さん 子猫の絵見て 魅せられて


さすが花世ラーのぐりさん、ここを詠みましたか!
そうですね、かなり強く迫ったんでしょうね。
(こでまり)



勝太郎がるいをみつめた。今にも泣き出しそうにみえたが、泣かなかった。
僅かに頭を下げ、庭を抜けて裏口へ行く後姿がいじらしいようで、るいは縁側に立って、いつまでも見送っていた。
「江戸の精霊流し」より
勝太郎さんるいさんのことばをお姉さんの言葉と思い 胸に秘めて旅立ったのでしょうね


冬野ゆく 心は晴れて 姉の影


勝太郎さんは姉さんが亡くなったことを、自分が苦労をかけたせいだと思い込んでいたかもしれません。そんな時にるいさんと出会って、元気だった頃の姉さんの言葉や笑顔を久しぶりに思い出せたのかもしれませんね。
(こでまり)



大みそか 庶民は一家で掃除したでしょうけど 武家の東吾さんや宗太郎さんはいつも行き場所に困っていたんでしょうね


煤払い お邪魔虫は 長寿庵





  こでまりの五七五 

今季の話は早くから送っていただいていたのに、UPが遅くなってしまって本当に申し訳ありません。こんなことなら送られたのにと思っている欠席組の方もいたはず……。本当にごめんなさい。
今季のお話は、けっこう競作部分がハッキリしていて面白かったです。それから勝太郎さんはけっこう人気があるみたいで、明治編でも何らかの形で触れてもらえたら嬉しいですね。
(こでまりの談)

あっちの管理人さん同様、私もこの名前には激反応!こんなことってあるのかしらん。姐さんの一途な思いに、平岩先生の筆もついつい動いたか!


冬ひなた畝家の猫の名はおたま





畜生のことゆえ、どこまでわかっているか定かではありませんが、6匹の仔猫たちがそれぞれに良いお家へ貰われていくことは、長助さんたちの様子から、見送る母猫にも伝わっていたのではないかと思います。


鰹節負ふて行く仔ら初春(はる)間近





運ばれたのは大根と蛸の炊き合せで、これは長助の母親の自慢のお菜である。
「昨年、若先生も宗太郎先生も、おいしいと賞めて下さったので、おっ母さん、張り切ってこしらえたんです。変りばえもしませんけれど……」
「江戸の精霊流し」より
「美味しかった」と言われると、必ずそればかりを作って人を待つってこと、ありますよね。もはや恒例となった東吾さんたちの煤掃の風景です。長助さんのおっ母さんにとっても励みになる一日ですし、それを伝えるおえいさんも優しいですね。(大根は冬の季語ですが、ここでは名詞として読んでくださ〜い)


大根と蛸と手酌の煤掃


私の今回の悔しいといえば、「大根と蛸」に宗匠の独占ポイントを許してしまったのが残念!!貴重な「おますさん句」のチャンスだったのにぃぃ〜 長寿庵の二階そのものは、予想どおり大変な競作ポイントでしたけど、それぞれの視点がそれぞれ独特なのがすごく面白い!
(たまこさん)



ふりむくと、暗い道を男が走って来た。しかも、るいがふりむいたのと同時に足を止める。
なんだろうといぶかりながら、るいは歩き続けた。さりげなく、もう一度、ふりむいてみると、男はまだ先刻の場所に立っている。
  (略)
くくり袴をはいている姿は、かなり遠くともよくわかる。
「江戸の精霊流し」より
夜の帰り道で追われるのは、かなり怖いと思います。(幸い経験は無いけど)足音とか気配とか、自分で自分を追い込んでしまいそうだし。ここでは時々見える「くくり袴」という特徴的なシルエットも、怖さを増していますね。


冬の月くくり袴の影迫る





猫の絵の掛け軸は居間の隣の部屋の床の間にかけておいた。
勝太郎はその前へ行って食い入るようにみつめている。
  (略)
「はじめてです。自分の絵がこうやって立派に表装されたのは……」
上げた顔に涙が光っている。
「江戸の精霊流し」より
他人の手によって自分の絵が掛け軸となった…、それを聞いた勝太郎さんはどんな気持がしたでしょうね。しかも訪ねてみれば床の間に掛けられている。
世に認められるとか賞をもらうといった物指しもありますが、無名の作者の絵であっても、わざわざ掛け軸に仕立てて飾ってくれる。作者として、こんなに晴れがましい一瞬はないのではないかと思いました。


軸となるわが絵と出会ひ冬座敷


宗匠の掛け軸の場面も独占でしたね 勝太郎さん喜んでいましたものね 気づいていませんでした
(ぐりさん)