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 虫の音
新装版「二十六夜待の殺人」より  (平岩弓枝著:文芸春秋刊)
先月は「秋の蛍」にご参加くださいまして、ありがとうございました。また、ご覧下さいました皆様も、ありがとうございました。
UPの前後に、お話の冒頭のと重なるような荒天が全国で続き、図らずもおるいさんの不安を味わうことになりました。秋は始まったばかり、被害がこれ以上広がらないことを願うばかりですね。

さて、今月は「虫の音」を選びました。
これはある姉妹の確執から思わぬ方向へそれぞれの家族が巻き込まれていくお話で、それだけを捉えるとやりきれない思いになるのですが、麻布界隈の秋の風情と、なんと言ってもラストの会話が、その重くなりがちな雰囲気を救っています。(と言うか、ラストは何度読んでも笑ってしまいます)

さあ、今月はどんな五七五になりましたでしょう。
(平成二十年九月)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
今月のお題でございますが、申し訳ありません。欠席致します。
次回は頑張りますp(^^)q
(みちころんろんさん)
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<みちころんろん>改め ≪緑茶桜≫ として
本日からこちらにお邪魔させていただきます。
皆様、今後ともよろしくお願い致しますm(__)m
それにしても、今月はとても豪華で
いつにも増して楽しませていただきました。
ここのところロムばかりで本当に申し訳なく思っているのですが、
日々皆様からパワーをいただき奮闘しております(^_^;)
(緑茶桜さん)
今月は時間があって結構早くからいくつか考えていたのですが
どうにもまとめられずにいたら忙しくなってしまいました。
最後なんて絶対詠みたかったのに。
ごめんなさい。来月は頑張ります。
(茜雲さん)
ごめんなさい今月もお休みさせてください。
最近の私はといいますと相変わらず時間に追われているのですが
でも、元気だから心配しないでくださいね〜。
(花みずきさん)
お彼岸を終って急に陽の落ちるのが早くなったような気がします。
ご無沙汰しておりますが、毎月のお話楽しみにUPをお待ちしています。
感想もいつも「みなさん、素敵なお句です」ばかりじゃ
小学生の作文より 劣りますのでついつい書きこまずにずるしています。
そこで今回は私流の感想として画像お送りさせていただきます。
(春霞さん)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 浅黄裏さんの五七五 

息子の立身出世のために我が身を捨てて度を逸していく富之助の母の姿は哀れかもしれませんが、私はそれを笑えません。どんな親も子の出来がよかったら、ただただ嬉しいんです。それを馬鹿にすることはできないし、ましてや批判はできません。ただし、世間様にご迷惑をかけていない、という条件付きで、ですが。
もしもこの家庭にもうひとり息子がいたら、この母も心の中でバランスがとれていたかもしれないし、富之助も追い詰められずに済んだかもしれないのにと思うと切ないですね。
学問の出来は自慢できないが、なにより人柄はいいという弟なり兄なりがいたら、息子同士も母も互いに自然に学ぶものもあっただろうと思うのです。
(UP後に)
「はいくりんぐ」拝見しました。春霞さんの「感想」素敵でしたね。たまこさんの手甲脚絆姿をこちらで拝見できるとは…。そのうちに「うねうね横丁のひとびと;それぞれの旅姿篇」が揃ったりしたらいいですね。
(浅黄裏さんの談)

東吾が歩き出すと、娘は安心したようについて来る。
まるで戻り橋ではないかと、東吾は苦笑した。
場所も、ちょうど綱坂である。
「虫の音」より
もしもお鈴さんが鬼女だったら虫たちも一斉に姿を消していたでしょう。人が怖いものは虫も怖いはずです。
百瀬半太夫に嫁いで、どのような奥方になったのか、後日談が知りたいです。
   
鬼女ならで綱の坂にも虫すだく
   




お鈴を帰らせてから、東吾はおとせの給仕で午飯の蕎麦を食い、午後からは、又、道場で竹刀の音を響かせた。
「虫の音」より
本文を読んだとき昼食は蕎麦なのに何故おとせさんの給仕がいるのかがわからなかったんです。まさか「わんこ蕎麦」じゃあるまいし…と思いながら、これはきっと栄養その他を考えながらおとせさんがおかずもたくさん作ってくれたからなんだろうなと思いました。
   
たぐらずに食う蕎麦なれば具の多し
   

やっぱり東吾さんは座って食べるだけでしょうから、おかずを出したり、お茶を出してもらったりしたんでしょうね。「給仕」のことは、全く疑問に思わなかったです。こういう視点、浅黄裏さんらしくて面白いです。
(こでまり)



東吾さんは、鈴虫とこおろぎの違いどころか虫の存在自体に気付いていなかったことがばれてしまいましたね。思うに東吾さんは、蚊帳の中で途切れることのない時間を夢中で過ごすからなのでしょう。
かたやるいさん意識は、間欠泉のように我に返ることもあり、虫の音を聞くこともあったのかな…と。
   
虫の音の繁くはあれど蚊帳の外
   

あ〜れ〜、こういうコメントも浅黄裏さんらしくて、はなちゃんあたりも大喜びしているかも…と思いますです。
(こでまり)
大競作ポイントの情念系!タップリ堪能いたしました。 (こでまりさまに同じく、私もそっち系には、かすってもおりません…)
(麦わらぼうしさん)



 あっちの管理人さんの五七五 

まだまだ日中は夏の名残の残暑が居座っていますが、朝夕はだいぶ涼しくなりましたね。
今月のお題「虫の音」は今の季節にピッタリのお話ですね。先月に引き続き、東吾さんるいさんがラブラブの頃だし、最後の東吾さんの慌てっぷりは可笑しいですよね。
(UP後に)
可愛いトリオの後、すっかり出遅れてしまいましたが、「虫の音」拝見しました。今月も盛り沢山、たっぷりと堪能させて頂きました。
(あっちの管理人さんの談)

行くに行かれず、帰るに帰られず立ち迷っていたのが、綱坂だったという。
「かっとして家を出ましたので、最初は怖いとも思いませんでしたが、帰ろうと思ったら、急に怖しくなって……」
東吾に出会って、神か仏かと思ったという。
「虫の音」より
冒頭の綱坂での出会い、お鈴さんにとって、親の薦める縁談を嫌って家を飛び出してみたものの真っ暗な夜道で行くも戻れもせずさぞ怖ろしい思いをしていた時、東吾さんに出会ったのはまさに地獄で仏。ほんと東吾さんで良かったです。
   
虫の音に里心つく戻り橋
   

空に半月がかかっていたということですが、この時代のこと、本当に暗くて怖かったでしょうね。
私も今月は「里心」という言葉を使ったんですよ。管理人さんはお鈴さんの里心を詠まれたのですね。

(こでまり)



確か東吾さん深川でも東吾さんを知らない妓はいないって言われてたし、狸穴界隈でも若い娘達を夢中にさせてるんですね。全く罪作りな!るいさんが知ったらまた一悶着です(笑)
「祝言はしていないが、心に決めた女がいるんだ。いずれ、夫婦になる……」 これを詠んでみたかったけど、やっぱり難しい…
   
妻となる女(ひと)のありやと胸に秘め
   

訊いている長太郎は真剣でしたが、東吾さんもキッパリと答えていましたね。
(こでまり)



「そうじゃない、鈴虫の声だと教えてくれたのは……」
「どなたでございます」
お吉は、いつの間にか虫籠を持って、居間から姿を消している。
「虫の音」より
もう何年もお吉さんが鈴虫を飼っていたことに気づいていなかった東吾さん。かなりうっかりですよね。おるいさんが私の話をちっとも聞いてないと拗ねるのも無理ないですね。
「馬鹿だな、るいは……」
「馬鹿でございます。」
この続きは…辺りが薄暗くなっても、ひっそりと灯りもつかない居間へは嘉助さんもお吉さんも近づきゃあしませんよね〜
   
夕やみに虫の音だけの部屋のすみ
   

コメントにハッとしたのですが、この時は仰るとおり「灯りもつかない居間」だったのですよね。私は「音」にばかり注意していて、「灯り」のことには気付いていませんでした。灯りが消えていたからこそ虫も鳴いていたということで、実はこのお句は、情念系なのではないかと思いました。
(浅黄裏さん)



 たまこさんの五七五 

「かわせみ教育問題シリーズ」の代表作といってもよいお話ですね。本作の書かれた頃は、学歴偏重・受験地獄・教(狂?)育ママなどが社会問題として毎日のように論議されていた時期だったと思います。その後、急激な少子化もあり、最近の教育問題は、受験よりむしろ 学力低下・学力格差が焦点となっているようです。
地域別の学力テスト結果公表の是非などが話題になる昨今ですが、点数で人間が測れるものではないというのは、いつの時代も真実でしょう。
(UP後に)
今月は教育問題など、どっちかというと社会派なお話で、あまり情念系ではないかと思ってたんですが、とんでもなかった。「間欠泉」に「虫の音●の音・・・ピー!」わたくし完全に置いていかれてます。はなはなさん、追いつかれそうです頑張って!(運動会のアナウンス風)
(たまこさんの談)

格別の愛妻家ともみえなかった徳庵だったが、長年、連れ添った女房に先立たれてみると、その傷手は日が経つほど深くなるらしく、読経の際にも、しきりに目頭に手をあてていたが、法要もすみ、供養の膳が出て、やがて夜ともなると、寂しさがつのり出したものか、方斎に泊っていってくれとせがみ出した。
「虫の音」より
「むかし昔の」に登場した、妻にも妾にも先立たれた老人の描写も涙なくしては読めないものでしたが、このお話の徳庵さんも可哀想ですね〜〜生涯妻を持たない方斎先生のほうがずっとハッピーライフみたい(?)男性のほうが孤独に弱いのでしょうかね。
   
残されし片割れ虫の細き声
   

「細き声」が徳庵さんの気持ちをよく現わしていて、心が痛みますね。
(こでまり)



いそいそとおとせが戸を開ける。
土間のむこうの板の間で、今まで針仕事をしていたのだろう、行燈の傍に針箱と、縫い直しらしい仕立物がおいてある。
「虫の音」より
初期作品では、七重さんと並んでおるいさんのライバルに位置づけられているようなおとせさんですが、私は、おとせさんが愛しているのは、正吉くんのお父さんだけだろうと思います。
ただ、東吾さんが狸穴に泊っている時だけは、その帰りを待ちながら一人夜なべ仕事をするという状況に、ちょっと酔ってみたい・夢見てみたいという現役の(^^ゞ女心が出るんでしょうね〜
翌日、お迎えに行くからといって善助さんを早く寝かせたみたいだけど、方斎先生が帰ってきたのは夕方って…早寝の必要なかったじゃん(笑)
   
ひそやかに心はずみて夜なべ針
   

うん、私もおとせさんは正吉ちゃんのパパが一番好きだったと思うんですよ。それでもたまには「現役の女心」が顔を出すのも、よくわかるんですよね。
(こでまり)
たまこさんとこでまりさんのコメントに納得です。「現役の女心」が出せるのも東吾さんが安全だと目されていたからですよね。
(浅黄裏さん)



富之助は京へ行って僧侶になることになったといった。
「親御様が、上役におすがり申して、御子息の命乞いをなすったそうでございます」
「虫の音」より
母を死なせ、父を傷つけ、そしてたぶん、姉の幸せも奪ってしまったであろう岡本富之助は、これからの一生をかけて自分の行いを償っていかねばならないのですね。僧としての立場で自らの罪と向き合っていくうちに、同じ立場にある若者たちの心を救える日が来ることを願うばかりです。
   
墨衣江戸に別れの無月かな
   

とても静かで哀しみの滲むお句ですね。
(浅黄裏さん)



先月の「蛍と邪魔虫」の二番煎じで気が引けるのですが、今月は登場しなかった源さん、実はラストシーンの言い争いをこっそり外で聞いていたのでは?という妄想です。もちろん、犬も食わないの真っ最中のお二人さんが気づくわけはありませんが(^O^)
   
鈴虫と邪魔虫こっそり笑いおり
   




【たまこさんの現場検証】
今月も姐さんが現場検証に出かけてくれました。今月のキーワードの一つの「坂」も紹介されていますが、その界隈の建物もとてもお洒落でステキです。
そして、UPしようかというまさにその時、春霞さんからこんなステキなお人形も届きました。着物を短めにキリッと着付けて、ポイントを見つけたら早足で歩き出しそうですね。

それでは、こちらからどうぞ!
うねうね警察署 捜査課 たまこ警部です。
遠方の現場へ出動のため、手甲脚絆、背にはお弁当、お江戸の地図を見ながら、「えーっと現場はこの辺りかな?」
(春霞さん)
春霞さんのすごいプレゼント!!!宗匠の前書きを見て、布製の鈴虫の画像を予想していたら、思いがけない画像に「きゃ〜」とパソコンの前で叫んでしまいました。素敵な新しいお着物までプレゼントして頂いて・・・ほんとに有難うございます!全くのサプライズでした♪
(たまこさん)
素敵なお人形もたくさん登場して(「苦吟の図」間違いなく自分の姿も重ねました)〜本当に見ごたえ・読みごたえがありました〜。春霞様、ありがとうございます。
現場検証もますますパワーアップして、自分で歩いているような錯覚を覚えます
(はなはなさん)
たまこさまの現場検証もますますパワーアップですね、春霞さま御作のたまこ姐さんが歩き回っている姿が目に浮かんできます(^.^)
(麦わらぼうしさん)
たまこさまの現場検証もてっこう脚絆姿でがんばられたのですね
(ぐりさん)
現場検証も本にまとめられたらと思う程充実してきましたね。それにしてもお江戸は起伏があるので坂の多いこと、暑い時の上り は大変でしたでしょう。お疲れさまでした。
(春霞さん)



 はなはなさんの五七五 

このお話は、家庭内暴力や親を殺す子供が社会的に問題視されてきた頃に書かれたお話なのでしょうね。当時から20年近く経っても、色あせていません。東吾やお鈴の弟・長太郎の情の厚さと、本当に大切なものを知る聡明さは救いですが、優秀なだけに過敏でひ弱な富之助と、その気持ちを無碍にする、気の強いお鈴の苛立ちや子供たちを媒介にして張り合う姉妹の愚かしさ、それに逆らえない2人の夫の弱さ…いろいろなことを考えさせてくれます。 病んだ若者とそうでない若者があざやかに書き分けられて、…悲惨な結末ではあっても、希望も感じられます。
(はなはなさんの談)

「鈴虫が……鈴虫が啼いて居ります」
  (略)
「鈴を振ったように、りんりんと聞えます。まあ、なんといういい音色……」
道端に、しゃがみ込んでしまった娘に、東吾は当惑した。
「虫の音」より
場所も綱坂、まるで戻り橋の渡辺綱のようだ、と東吾がひとりごちますが、この鬼女は案外可愛らしくて、疲れたともいえずに、強がって鈴虫の声に聞き惚れている振りをする、いじらしさです。
   
綱坂の鬼女虫の音に聴き惚れる
   

翌日はお礼に来たかと思ったら、しっかり相談事までして、本当に気が強い(けど、箱入りの)娘さんですね。
(こでまり)



富之助は、毎日母に責められて、息苦しいと思っていたでしょうか。私は、もしかしたらそんなことにも気付かずに、無感動に、ただ母のいうなりに、学問吟味を目指しているようにも思われました。
自発的な目標のない勉強は、出口のない、まるで月の見えない十五夜のようだ、と思います。
   
映っても見ざる見えざるただ無月
   

うるさく思うこともあったと思いますが、子どもは親の喜ぶ顔を見たいものだし、親の言うことが「正義」みたいな部分もあると思うんですよね。特に男の子は母親に優しいと言いますし。それが高じて、だんだん偏っていったのかもしれませんね。
(こでまり)



こんなところでなにをしている、母が願かけに通っているのに、学問もせず、ほっつき歩いているとは、そのようなことでは到底、明年の学問吟味に合格することは出来ませんよ、と母親は十八歳にもなっている息子を、子供のように責め立てたものでもあろうか。
「虫の音」より
自らの上に落ちてきた、息子の剣を、母はどう感じたのでしょうか。斬られるその瞬間、母は自分の過ちに気づいたでしょうか。
田のあぜには赤い彼岸花が咲いていたことと思います。
   
ひがんばな剪られて修羅に気づきけり
   




取調べに対して、富之助は母親があまりくどくどと叱り付けるので、つい、かっとなって刀を抜いてしまったと、自供したらしい。
「虫の音」より
富之助は、自分でも気づかずに鬱屈していたのかもしれません。お鈴に振られ、母の叱責に我を忘れて剣を抜いたのでしょうが、それは、追い詰められた悲鳴にも似たものではなかったでしょうか。自分の心の叫びに気づくのが遅すぎましたね。
   
震わせる羽ぎりぎりの虫の声
   

「震わせる」「ぎりぎりの」が富之助の心をよく表していますね。
(こでまり)



富之助の振り下ろした剣は、母を斬り、父を斬り、 直接ではなかったにせよ、お鈴の気持ちにも、何かの変化を与えたのでしょうね。お鈴の張り詰めた心も緩んで、百太夫との縁談を承諾したのでしょうね。
   
下ろされた刃(やいば)触れずにこぼれ萩
   




「存じません……もう……」
「馬鹿だな、るいは……」
「馬鹿でございます。馬鹿の申し上げることですから、東吾様のお耳に入らなかったのでございましょう」
「虫の音」より
おまけ。
最後の痴話喧嘩は微笑ましいですね。それにしても東吾さんはぼんくらだなぁ。いつもは「かわせみ」一のまめ男のくせに、この時ばかりはとんでもない野暮天ぶり。「馬鹿だなぁ」じゃないでしょ、もう〜。涙ぐむほど、おとせに妬いているおるいさんですが、案外、拗ねて見せているだけなのかもね(笑)
   
秋暑しただ歯向かふてみたくなる
   

コメントの「案外、拗ねて見せているだけなのかも」に同意しまーす。
るいさんが、七重さんを見るときとおとせさんを見るときとでは、きっと観点が違っていますよね。東吾さんの「結婚相手」としては、おとせさんはあり得ないという確信はあったでしょう。怖かったのは、「結婚相手」としてではなく、「婚姻を結ばないでいても一緒にいられる相手」として、自分とおとせさんとどちらがより居心地の良さを出せる相手なのかということではないかと。計算高く比較していたのではなく、一人の夜に胸が苦しくなるほど考え込んだことがあったのではないかと思うのです。
この夜は、東吾さんの様子を見て、はなはなさんの仰るとおり安心して拗ねていた感じがします。
(浅黄裏さん)



 シュミットさんの五七五 

よろしくお願い致します。
(UP後に)
「UP」どうもありがとうございます。季節物を一枚。(と、彼岸花の写真を見せてくださいました)
(シュミットさんの談)

「東吾様は、私の申し上げること、ちっとも聞いていらっしゃらないのですね」
るいの手が東吾の膝にのびた。
「狸穴で、どなたかさんとお聞きになった鈴虫は、さぞかし、いい声で啼きますのでしょう」
「虫の音」より
まだ暑いのに、気がつくといつの間にか秋の虫が鳴いてる今日この頃。
なんとなく、わかるようなわからないような…。
   
音も変わる どなたと聞くか虫の音を 鈴虫になり こおろぎになり
   

虫の音を聞いても、当分このラストシーンを思い出して、笑ってしまいそうです。
(こでまり)
まぁ、当分るいさんの頭が上がらないのは確かなようです(笑)。
(浅黄裏さん)



 すみれさんの五七五 

東吾さん、るいさんがまだ馬鹿ップル時代のお話で、二人のけんかも微笑ましいです。御殿山(品川)方面って、東吾さんには鬼門なのでしょうか?ここら辺では、事件が次々に起こりますね。
(UP後に)
仕事前に覗いて見たら、今月のお題が…イヤァーー参りました。皆様のお作も当然の事ながら、春霞さまの素晴らしい感想に顔がほころんでいます。たまこ姐さんや紫陽花画伯の仕草に見とれます。句作をしているお人形に自分を重ねて良いのですね(嬉しい)ありがとうございます。いつもうんうん苦吟していて、 こんな優雅な雰囲気ではないけれど、夢を見させていただきます。春霞様、ありがとうございます。
(すみれさんの談)

汐見坂から寺町へ出た。まっすぐに行くと綱坂である。
坂のむこうから女が下りて来た。
東吾が足を止めたのは、女が提灯も持たず、旅支度でもなかったからである。
「虫の音」より
綱坂での東吾さんの心持ちが丁寧に描かれていて、興味深く読みました。相手は東吾さんと判っていたのが落ちでしたね。
   
影ふたつ秋思もふたつ綱の坂
   

坂で出会った時にも、六本木まで送っている間も、いろんな思いが交錯していたみたいですね。東吾さんの心情が、ホント、面白かったですね。
(こでまり)



るいさんに会わずに帰ったわけですが、方月館ではおとせさんが待っていてくれます。この頃は未だおとせさんの存在がるいさんには心配の種でしたね。おとせさんにも、東吾さんへの微妙な感情があったように思われます。でも、賢い女性ですから、慎ましく懸命に暮らして、江戸から明治へと時代の流れにも動じずに生き抜いていけましたね。
   
夜なべして君を待つ幸ひとり占め
   

何か暖かいものを用意しつつ針仕事をしながら、帰ってくる人を待つのはきっと苦にはならなかったでしょうね。
お句にあるように「ひとり占め」の気分には、少し華やぐものが感じられますね。
(浅黄裏さん)



「以前、善助さんから聞いたのですけれど、御子息の学問成就の御祈願に、神谷町の熊野権現様へ日参されておいでだとか……」
それも、麻布中の噂になっているらしい。
「雨の日も、風の日も、もう一年の余も続いているそうでございます」
「虫の音」より
教育ママから自立できない馬鹿息子のお話は、時代を問わないテーマです。誰かと比べることなくその子の良いところだけを伸ばすことができたなら、悲しい結果にはならないのでしょうが、自分のことを振り返っても、凡人には難しいです。
   
破蓮(やれはす)や神仏ならぬ親なれば
   




「鈴虫じゃございませんか」
という。
「そうだ、鈴虫だ。夜になると鈴を振るような声で啼くんだ。この辺じゃ、まず、聞けない虫の音だぞ」
「虫の音」より
東吾さんは、かわせみの庭で鈴虫が飼われていたのに、全く気付いていないのがばれてしまいましたね。るいさんしか眼に入らないとか何とか、適当に言い訳も出来ずにいるのが可笑しいですが、お人よしでちょっと隙をみせてくれるところが、この人の愛らしさですね。
   
虫の音を愛でるつもりが墓穴掘り
   

あはは、最初の一言から、完全に「墓穴」を掘っていましたね。
(こでまり)



 麦わらぼうしさんの五七五 

今月も欠席かな〜と思ったけど、どうにか出来ました。やっぱり参加できるってうれしいですね(^.^)
(UP後に)
本当になんて豪華な内容!春霞さまの「感想」はなんて素敵!(自分の姿を重ねるなんてワタクシ恐れ多くて出来ませんでした…)
(麦わらぼうしさんの談)

「そう思ったら、若い男の呼び出しになんか、一人で出て行くな。そう、いつもいつも、俺が通りかかるとは限らないぞ」
「虫の音」より
東吾さんのこのセリフを読んだら、こんな句が出来てしまいました。常々あこがれている“白馬に乗った王子さま”に二回も助けられるなんて、お鈴はかえって幸せ?
   
姫の危機必ず救う王子さま
   

ここの東吾さんの台詞は面白いですよね。こういうことを言うから「この人は大丈夫♪」と思われてしまうのに本人(東吾さん)は、気付いていないわけで。
(浅黄裏さん)



この天下泰平がいつまで続くのかわからないが、幕府からの俸禄で暮らしている旗本、御家人はなにかで頭角を現わさないと立身はおぼつかない。
「おとせの目には、親の虚栄で子供に無理強いをしているようにみえるかも知れないが、あれはあれで、やむを得ないようなところもあるのだ」
「虫の音」より
富之助の母親、ちょっと前までなら、とんでもない母親だよな〜と思ったものですが、自分も思春期の子供を持つようになって、その気持ちもわかるなぁ〜と思えるようになってきました。母親なら子供の幸せを願うのはあたりまえ、この母親の場合、学問吟味の試験に受かる事こそ富之助の幸せ、と信じていたのでしょうね。最悪の結果になってしまった富之助母子ですが、富之助が幼い頃はのんびりと虫の音を聞いた事もあったと思うのです。その頃を思い出して懐かしむ事もあったんじゃないかな〜と思いまして。
   
手をひいて聞いた虫の音思いだす…
   

本では姉妹の確執に焦点が当っているような書き方でしたので、麦わらぼうしさんの言うように、「大試に受かることが息子の幸せと信じていた」というのは、目からウロコでした。元は母親としての愛情から出発したことなんでしょうね。
(こでまり)



 紫陽花さんの五七五 




内藤長太郎は、道場に端座して本を読んでいた。東吾の姿をみて、本を閉じ、両手を突いた。
「お留守に勝手を致して居ります」
「論語か」
「虫の音」より
   
虫の音に声をあわせて論語よむ
   

「虫の音」と「論語」って、何だか対極にあるみたいな気がしますが、両方を楽しめるような人って、とても懐の深い人のような気がしますね。
(こでまり)
「論語」って、いつでもどこからでも頁をめくって楽しめますよね!?毎回、まるで初めて読むような新鮮さがあります(笑)。…というのは、毎回読んだ内容を忘れてしまうからで、そういう私には、虫の音も論語も睡眠導入剤のようです。
長太郎が、ちゃんと虫の音が聞こえていたとすれば論語もちゃんと頭に入っていたでしょうね。
(浅黄裏さん)



「さあ、おっしゃって下さいまし。どなたが、東吾様に鈴虫の音をお教えしたのか」
「それが……綱坂でね」
「どちらでございますって……」
「虫の音」より
   
秋の夜下手ないいわけ虫笑う
   




オマケ
あいつらは昆虫図鑑でこおろぎと鈴虫の違いを調べているようです。鳴き方はこおろぎでも種類によっていろいろあるようです。文部省唱歌の虫の声ではこおろぎは「きりきりきりきり」と鳴いています。
以前の歌詞は「きりきりきりきり きりぎりす」でしたが今は「きりきりきりきり こおろぎや」と改められています。鳴き方が変わったのか聞き方が変わったのか…


「こおろぎ」が「きりきり」ですか。「りん」とか「りり」だと思っていました。「きりきり」は意外ですねえ。それにしても、彼らもちゃんと図鑑で調べるなんて、偉いなあ。

そしてそして、紫陽花さんにも春霞さんからの贈り物です。いつもながら、細かいところまでよく作られていますね。
(こでまり)

かわせみ流 はいくりんぐ派 紫陽花絵師です。
上っ張り姿でお仕事中、机を作っていてカッターで怪我しました〜(工作をするといつもどこか切っちゃう)絵は昨年の「名月や」から拝借、今月は虫籠かそれとも庭の甕?
(春霞さん)

紫陽花さんのイラストもリアルで、しげしげと見入ってしまいました。歌詞が変わっていたという情報もびっくりです。
春霞さん、お怪我されたそうですが、大丈夫ですか?
(たまこさん)
まさか図鑑をひもとくなんて、紫陽花さまの「彼ら」は今月も意表を突いてくれました♪
(はなはなさん)
図鑑で調べる「彼ら」はとってもラブリー♪
(麦わらぼうしさん)
私も実は鈴虫とこおろぎの区別がつかないので彼らと一緒に勉強しなきゃ^_^;
(コシキブさん)
トリオは百科事典で調べているなんて驚き勉強家だったのね 私蟋蟀と鈴虫泣き方に違い分かりません 今では鳴きかたも以前と違うんですね
(ぐりさん)
春霞さんうれしいよぉ〜手傷を負ってまでの製作感動です。きれいな着物まで着させていただき本当にありがとうございます。あいつらも喜んでいるようです。
「緑茶桜」さん「緑茶」ときいて“湯のみ”が仲間かと喜んでいます。
(紫陽花さん)
春霞さんの三連作、手甲脚絆姿のたまこ姐さんに、机に向う紫陽花絵師、そして苦吟するみんなの姿と本当に素晴らしいですね。
そしてそしてトリオはなんと図鑑でお勉強とは!いろいろ愉快なことして楽しんでるばっかりじゃなくてしっかりお勉強もしていたとは、お見それしました!
(あっちの管理人さん)
紫陽花さま、ピンポンです!何を隠そう(隠すことは何もないのですが…)緑茶が大好き!大好きなものを重ねてみたのでございます。 “湯のみ”くん達に歓迎して?もらえてとても光栄です♪うれしいなぁ♪ 皆様、これからもよろしくお願い致しますm(__)m
(緑茶桜さん)
おまけの予想は虫籠の中に閉じ込められた狐火を湯のみと茶托が外に出そうとしているようなのかなと思ったりしていたのですが、そんな素人考えは甘かった!これからは鳴いてるのがどちらか耳を澄ませて聴いてみます。
(春霞さん)



 こでまりの五七五 

秋らしくなって、いわゆる「人肌が恋しい季節」というのでしょうか、今月はお句もコメントも、きわどい言葉が多いようで……、ほほほ。ま、いろいろ合わせて、お楽しみください。
ちなみに私、そっち系には、かすってもおりませんです。
(こでまりの談)

方斎と徳庵に挨拶をして、提灯の仕度をし、足ごしらえをして外に出ると、空には半月が浮んでいた。
  (略)
方月館の稽古はあと五日、それが終らねば大川端へは戻れない。
「虫の音」より
一日を終えての方月館への道すがら、何でもないような時に、ふっと思い出すというのが良いなあと思いました。「あと五日、それが終らねば」っていうのが、切実な感じですよね。
   
里心くすぐる夜半の秋の風
   




場所も場所だし、この状況では、娘さんはもちろんですが、東吾さんだってちょっと緊張したと思うんですよね。
   
対峙すは鬼か人かと星月夜
   

東吾さんだって足ごしらえをして出たような道ですものね。鬼女でなければ、仰るとおりこうして道連れが出来て、少しはホッとしていたかもしれません。
(浅黄裏さん)



「あんな人、大嫌い……」
「それなら……」
「あんたも大嫌い。一日中、机にしがみついている青瓢箪……」
稲のかげから男が突きとばされ、お鈴が走り出して来た。
「虫の音」より
刈り取った稲を架けて干す稲架(はざ)、こちらでは「はさば」と呼んでいます。竹竿を横に何段かわたして、そこに稲をかけると、ちょっとした厚手のカーテンみたいで、その裏に誘い込んだ富之助には、二人だけの空間のような気がしたかもしれません。でもお鈴にとってはただの外。大声も出すし言いたいことも言えるわけです。二人の噛み合わない言葉は、むなしく稲架を通り過ぎていったのでしょう。
   
今日こその一途な思ひ稲架を抜け
   




「俺は、若先生の弟子になって、いつか方月館の代稽古をするんだ」
  (略)
「大先生のように、一日、御本を読んでいていいよ」
「つまりは、爺さんになるってことか……」
「虫の音」より
重苦しい話題の後だけに、正吉ちゃんとの会話は楽しそうですね。
それにしても世の母たちは、なぜこんなふうに夢を語る息子に対して「それならご飯を食べて」とか「お手伝いをして」と続けるのかと、可笑しくなります。
   
秋の日や少年の意気頼もしく
   




一応ダジャレです!
「虫」と「無視」をかけてます!(自己申告)
   
痴話げんか無視してリリとちちろ虫
   




 ぐりさんの五七五 

来月から連載再開、明治篇第2段発売と嬉しい10月になりそうですね今日は情報を読んでやったーと喜びました
最近は何時もそうなんですけど何度も読んでじっくり考えるということが出来ません 初めの内は時間があるからなんてまず一冊読んでさて取り掛かろうとするとなかなか時間が取れなかったりで(泣)
今日も稲刈りの手伝いに行ってきて8時ころからさてと思うもののテレビを見たりしてその内寝てしまいました 12時ころ寒くて目が覚めてさあ〜大変と何とか送れそう
送ってしまえば宗匠に下駄を預けたーーーモウああだーこうすればと思ってもあきらめもつきます なんて勝手なことを言って毎月お世話をかけてごめんなさい 今月も宜しくお願いします
(UP後に)
今月はいつにも増して豪華ですね 春霞様のお人形どれもぴったりと雰囲気が合って素敵です コメントもいいですね
(ぐりさんの談)

袖ヶ浦と呼ばれている海沿いの道を、高輪に出て、やがて左に泉岳寺を過ぎる。
海からの風は、もう秋で、東吾はなんとなく、大川端の「かわせみ」の庭に咲いている桔梗を思った。
「虫の音」より
このころは月のうち10日は狸穴で 何かにつけてるいさんのことを思っていたのでしょうね キキョウの可憐さが可愛いるいさんを思い出させたかなー
   
秋の色 桔梗に寄せて かの人を
   

東吾さんが花を思い浮かべるなんて、考えたら「らしくない」ですね。やっぱりるいさんが活けていたとか、るいさんと結びつける思い出があるんでしょうね。
(こでまり)
思い出すのが八丁堀のお屋敷ではなく、るいさんのいるかわせみだというところがいいですね。
(浅黄裏さん)



立ち話も出来ないと思い、東吾は娘を母屋のほうへ案内した。
方月館は高台にあるので、母屋の縁側に腰をおろすと、一面の田圃に稲がぼつぼつ黄色くなっているのが見渡せる。
「虫の音」より
高台の方月館から見渡せる景色
   
秋めいて 色づく稲穂 見渡せり
   

方月館て、本当に眺めのいい場所にあるんですね。となりには竹林もあったような……。
(こでまり)



かっとして親をあやめてしまう
その辺にも勉強ばかりをしていた度量の狭さというか 甘やかされた自分勝手さというかがありますね
でも其れを悔やんでいる様子親の気持ちが切ないです
若いのだから何とか救われて欲しいです
僧侶として立ち直って欲しいと思います
   
秋の闇 すくわれたまえ 未来へと
   




「冗談いうな、方月館で正吉が飼っていたんだ」
「やっぱり、おとせ様とお聞きになった……」
「虫の音」より
ほれていても男の人って
興味のないことには聞いても右から左ですね
最後は痴話げんかになってのどかなかわせみの 何時もの居間ですね
お吉さんも嘉助さんも近づかない
   
虫かごに やんわり焦がす いつものね
   




 千姫さんの五七五 

二句は早出来ていたけれど、もっと上品な句が出来る事を期待して下書きに保管していました。
よろしくお願いします。

(千姫さんの談)

「岡本富之助と、今日、出会ったが、お前のいう意味が満更、わからなくもない。学問に秀れるのはいいことだが、心が追いつめられて、かたくなになってしまっては、なんにもならぬ」
「虫の音」より
私は親の言葉を真に受けました。
   
並みで良い並みに育った親孝行
   




ふっと虫の音が聞えた。
「おい、るい、鈴虫が啼き出したぞ」
「いいえ、あれは、こおろぎでございます」
「かわせみ」の庭に、夕風が吹いて来た。
「虫の音」より
「ちぇ、せっかく仲直りさせようと鳴いてやったのに、こおろぎで悪ぅござんしたねえ」
「あはは、こおろぎ君、とんだやぶへびだったね。あの娘さん、今はああ言っちゃいるけど、あの旦那が居る時は僕たちの鳴声だって全然、耳に入っちゃいねぇんだ。んでもって障子が閉まってからは僕たちが、あのお娘さんの●声を聞いているのさ」
(教育的配慮により、ピー音を入れました。私にはまだ情念系はムリだ…)
   
君居れば鈴虫啼くを控えおり
   

ピーピーピー♪(←もう、何度も鳴らしちゃう)
思わず「鈴虫とこおろぎのつぶやき」ってタイトルをつけようかと思いました。
(こでまり)
今月のお千ちゃんのつぶやきは、秋の夜長を楽しんでいるのは虫か?彼らか?大人の句ですねぇ…拍手
(すみれさん)
何と言っても千姫さまの「●声」発言にはぶっ飛びました。先月のこでまりさんの「寝技」発言にも驚きましたが。情念系が毎月進化しているのがなんともすごいです。
(浅黄裏さん)
千姫さんの「●声」!はなはなさんの情念系に充分対抗出してますね〜(笑)
(あっちの管理人さん)
今月はコメントにどきっとさせられるものがありましたね。一番手の浅黄裏さんしかり!千姫さんの●声はるいさんならではのこと、消費期限のとっくに過ぎた春霞ならさしづめ鼾かもよぉ。
(春霞さん)
私は、その部屋の外で虫がうるさいことを詠みましたが、千姫さんは虫が静かにしていることを詠まれたのですね。
(浅黄裏さん)



 コシキブさんの五七五 

今月は早めに読み返して準備していたつもりだったのですがなかなか五七五にできませんでした。
「虫の音」は、娘らしい自負心と批判精神に溢れたお鈴と東吾のかかわりが面白いですね。みんなが夢中な東吾に二度もピンチを救ってもらって、お鈴は嬉しかったでしょうね。
(UP後に)
本当に今月は盛りだくさん。楽しませて頂きました!お句もみな秋色に色づいてしっとり。それに加えて今月もたまこ様の現場検証、紫陽花様のイラスト。楽しいですね〜。
(コシキブさんの談)

東吾に好き心がないからいいようなものの、悪い了見を起されたら、到底、逃げ切れまい。
俺もみくびられたものだな。
声には出さず、内心で東吾は軽く舌打ちした。娘の目からは、東吾が爺にでもみえるのかと忌々しい。
「虫の音」より
知らない娘を送る羽目になって、あれこれもの思う東吾が面白いですね。鬼ではないかと思ったり、最後はみくびられたと舌打ちしたり、思いがけない状況に実は少し心が揺れているのがわかります。
   
道連れは戸惑う心今日の月
   

やっぱりるいさんが居ても、他の女の子から「安全パイ」と思われるのは癪に障るんですね。そう思うのは、相手が若い女性に限るんでしょうけど。
(こでまり)



「そりゃあ、いいところに通り合わせたものだが……」
方月館の神林というだけで、信用されたのが照れくさくもある。
「俺は、この辺では、そんなに評判がいいのかな」
「弟が、いつも申します。この界隈の若い女で、神林先生に夢中でない子は一人もいないと……」
「虫の音」より
同じ場面をお鈴の立場から。家出して途方にくれていたら、東吾にばったり会って、心の中では「ラッキー!」だったのでは?ポーカーフェースでどんどん歩いていく東吾ともう少し言葉を交わしたいと思い、鈴虫の話をしたのかもしれませんね。
   
訳聞かず先歩く君虫の音
   

遠くからステキだなあと思って見ていた人と間近で会うことになって、その人の印象が変らなかったら、とても嬉しいでしょうね。昨日はあまり話ができなかったから、翌日弟と一緒にお礼と称してやって来たのかもしれませんね。
(こでまり)
コシキブさまと、お鈴の「ピンチの時に東吾さんに会えてラッキー♪」という視点が同じで うれしかったです。
(麦わらぼうしさん)
かわせみの句だという前提がなければ、例えば女子学生と彼のデートの帰り道を詠んだ句のようにも思えます♪会話がないからと言って場が沈んでいる訳ではないという見本のような青春句(?)ですね。お鈴さんの少し弾んだ心が見えるような気がします。
(浅黄裏さん)



最後のるいと東吾の場面は笑ってしまいますね。東吾のしどろもどろの言い訳には少し同情…。
   
こおろぎも苦笑しているるいの庭
   




さぁ、これはどなたとは特定してませんが、はいくりんぐのご常連さんです。ご自分に置き換えてみてくださいね。
はてさて、みなさんは短冊にどんなお句を書いてくださるんでしょう?
(春霞さん)
ということで、三枚目の贈り物はどなたと特定されてはいませんので、今月最後まで苦吟した(?)と思われる、大トリのコシキブさんのところに置かせていただきますね。
(こでまり)
春霞様!またまた力作を見せていただきありがとうございます!手甲脚半のたまこ様、文机に向う紫陽花様ははいくりんぐでのキャラにぴったりはまってますね。いつもながら細かいところが凝っていて、パソコンの前で感嘆しています。最後のは、はいくりんぐメンバーのイメージキャラ?かな。今月は大トリを飾ってしまった私ですがこんな役得をいただいてしまって、お鈴ではないけど「ラッキー!」でした。うふ。
(コシキブさん)