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 花の雨
「春の高瀬舟」より  (平岩弓枝著:文芸春秋刊)
先月は「福の湯」にご参加くださいまして、ありがとうございました。また、ご覧下さいました皆様も、ありがとうございました。
初午過ぎに「かわせみ」が迎えた二組の客。それぞれの心情に寄せる皆様のお句もコメントも、心に染み入るものが多かったですね。
中でも、お寿さんの心のうちを他の誰にも黙っていたおるいさんの姿勢に、多くの方が感動されていたことに、私は心打たれました。あ、もちろん「ひと晩中」もですが……。

さて、今月は「花の雨」を選びました。
あらま、三ヶ月続けて「三文字タイトル」だわ!
実は先月は久々に一番投句だったので、UPも比較的スムーズに進み、次のお話もほぼ決めていたのです。でもはなちゃんや姐さんが薦めてくれたので〝一応〟読み返してみたら、私が選んでいたのより面白かった!ということで、あっさり変更~。でも、どうしてこういうタイトルになったのかなぁ。

さあ、今月はどんな五七五になりましたでしょう。
(平成二十年三月)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
昨日、あいにくのお天気ではありましたが無事、
息子が義務教育を終え、中学校を卒業致しました。
進学先も初志貫徹、息子の第一志望校に無事合格し
母も子もホッと一息をついているところです。
発表まで落ち着かない日々を送る中、心を落ち着かせるために
文庫本『十三歳の仲人』を読んでおりました…f^_^;…
なぜ『春の高瀬舟』を読まなかったのか…わかりません…
なので…今月のお題でございますが…今からでは…(--〆)
申し訳ありませんが、来月4月から心機一転取り組みますので、
今月もお休みさせていただきます。 m(__)m
(みちころんろんさん)
宗匠、すいません。今月お休みです(T-T)
(のばらさん)
今月は欠席させてもらいます。
皆勤賞目指したけど、どうにも手一杯で
出来そうもなくてごめんなさい。
(あっちの管理人さん)
今月からはゆっくり参加できるはずだたったはずなのに、
やらなければいけないことが多くて気付いたらもう20日でした。
復帰は来月から…にさせて下さい。m(__)m
でも皆さんの句はいつも楽しく拝見させていただいています。
益々皆さんとの差が開いてしまって来月からとても不安です。
(茜雲さん)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 たまこさんの五七五 

「花の雨」、お題になる前にも何回か読んだ物語なのですが、改めて見てみると、物語中に雨の降るところはないように思うのですが… もしかすると見落としているだけかもしれませんが、桜の蕾がゆるみ始めてから三分咲きになるまでの間、どこで雨が降っているのかな?と謎です。
作者が雨の描写をしないにもかかわらずタイトルに「雨」を持ってきたのだとすると、それは、父にあこがれ父のようになりたい⇒【花】、それなのにそうなれない息子のやるせない気持ち⇒【雨】にしたのか(これって今の連続朝ドラマでも、テーマの一つになっていますよね)、それとも、遊女【花】と犯罪【雨】かな、とか、興味が深まります。
(UP後に)
皆さんタイトルの「花の雨」には、いろいろ頭を悩ませておられたようで、私だけじゃなかったんだなと嬉しかったです。今月も本当に詠みごたえ・読みごたえの充実感たっぷりの「はいくりんぐ」でしたね~
(たまこさんの談)

「あの調子ででかくなりやがったら、嫁のもらい手がなくなるよ」
「今から、そんな心配をしているんですか」
「花の雨」より
生まれたばかりの千春ちゃんの様子も、このお話の魅力の一つですね。娘を持つ父親としてはちょっと先輩、むふふな源さん♪
   
我が家にも姫あり言わぬが花なれど
   




「なんなら、俺も一緒に行ってやろうか」
調子に乗って東吾がいったが、
「冗談じゃございません。お屋敷にお姫さんがお産まれになったばっかりだというのに、若先生を岡場所なんぞにお連れしたら、かわせみにお出入り禁止となっちまいまさあ」
あっさり長助に断られた。
「花の雨」より
「姫」でもう一つ…長助の言う「お姫さん」は、水戸黄門の印籠みたい(笑)
   
好き心「姫」の一字に退散す
   




長助と仙五郎の息の合った協力ぶりが気持ちいいです。明治編でもこの二人が元気で活躍しているのは嬉しいですね。
   
牡蠣のため心は一つ蕎麦と桶
   

今月は桶、じゃなかった、仙五郎親分のテリトリー、麻布界隈の現場検証を頂きました。いつもありがとうございます。
(こでまり)



【たまこさんの現場検証】 今月の現場検証はこちらからどうぞ!
それからたまこさんの現場検証も力作で、いつかプリントしたものをお供に東京を歩いてみたいです。
(浅黄裏さん)
現場検証もますます充実で読み応えがありました
(ぐりさん)
たまこ姐さんの現場検証も、カメラでしっかりと確かめてあって、毎月楽しんでおります。車に頼るばかりの自分には眩しい健脚ぶりです。
(すみれさん)
今月も現場検証ありがとうございました。毎月の楽しみのひとつです。
(コシキブさん)



「(略)手前は父のようにはなれません。母は手前を情けない子だ、父に似ぬ子だと歎きながら歿りました。母が生きている間は叩き出されるようにして道場へ通いました。書物も読みました。しかし、母が居なくなって、やる気もなくなりました」
「花の雨」より
せっかく咲いた花を散らしてしまう【雨】、子供に過剰な期待をかける親心ともとれるでしょうか。それが取り返しのつかない悲劇を招く場合もあると思いますが、このお話では、ハッピーエンドまでは行きませんが、とりあえず良い方向に向かっているのは本当によかったです。急ぎすぎる親心が花を散らすことはあっても、子を思う気持ちは真実であり、いずれは根から幹や枝までを潤し次の年の【花】を咲かせると思いたいです。
   
花を打つ雨の潤す根は見えず
   
花の雨父の背中の煙りゆく
   

「民事に手腕」の父も、わが子のことにはさっぱりお手上げのようですね。勢いあまって花を散らすほどの親の思い、いつかその気持が深くしみわたり、子を支える日が来ることを信じたくなるお句とコメントです。
(こでまり)



 浅黄裏さんの五七五 

今月の妄想劇場
どんな家庭だったのかを想像してみました。父親の仕事ぶりが母親から語られる時には「負」のイメージが付いていたのではないでしょうか。母親は口では誉め言葉で「父上は素晴らしい。父上のようになれ」と言っていても内心では夫の仕事ぶりをうとましく思っていたのでは?周囲からは夫が不在がちの家を立派に守り、息子の教育にひとりで頑張り…と見られていたかもしれませんが、果たして妻の内心はどうだったのでしょうか。
夫にしても妻や家を顧みず、息子の躾にも教育にもかかわって来ずに、成長した息子の出来だけを見て、不甲斐無い奴だと言い出して急に鍛え直そうと努力を始めても遅いのではないかと…。「この母親」から語られる「この父親」像に「正」のイメージがあったのなら息子はこんなふうに追い詰められることもなかったのではないかと妄想しました。
それにしても「花の雨」という題名の不思議さ、お大名にもその姫君にも会ったことのない筈の長助親分がいう「大名の姫君のよう」の不思議さ(でも気持ちはよくわかる♪)、突っ込みたいところはたくさんありますが、無理でした。
(浅黄裏さんの談)

「ついでと申しては相すまぬが、これを方月館の松浦先生にお届けするように……」
たまたま入手したという唐墨の包を手渡された。
「花の雨」より
実は、通之進さんが東吾さんに持たせた唐墨はてっきり食べ物のからすみのことだと思い込んでいたのです。句を作ってしばらくしてから気付いたのですが、修正はせず。方月館の囲炉裏端で「ここは俺にまかせておけよ。みんな好きに休んでくれ」と言ってからすみの薄皮を剥いている東吾さん…想像できませんか。
   
春宵に皮へぎており唐の墨
   

うひひ、いつもの浅黄裏さんらしからぬ「勘違い」♪千春ちゃんのお世話は苦手でも、こういうことなら、東吾さんも張り切りそうですね。
(こでまり)
一番ツボだったのが浅黄裏さんの「からすみ」!「捨てられた娘」で、源右衛門が退屈しているところに東吾が来たので「長崎から鱲子が届いたであろう。それを肴に切って参れ」と無理やり酒の相手をさせる所がありますが、私も「食べ物のからすみのほうはこんな字を書くんだ~」とビックリでした。唐の墨のほうはもしかしたら「とうぼく」とも読むのかなぁと思ったのですがどうなんでしょう(縁のない生活なもので…)
(たまこさん)
さて、唐墨なのですが、なぜ食べ物の方だと思ったか自分の勘違いの流れを考えてみました。
先ずは、「からすみ」と普通に(?)読んでしまい、「とうぼく」という読み方は思いつかずにおりました。また、文中に「唐墨を披露して、台所へ行った」という描写がありますよね。墨ならそのまま先生のお手元に残して(差し上げて)しまえばいいわけです。ここの文を読んだ時になんかかわせみから神林家や麻生家に祝いの物を持参するときに似てるなぁと思ったんだと思います。るいさんが板前を連れて、先ずは持参の鯛や蛤などを披露してから台所に下がって調理するということが何回かあったように記憶しているのですが。そんな感じで書道に使う墨とは思いもせず、食べ物だと思い込んでしまったようです。
(浅黄裏さん)
「唐墨」は私も最初全く同じ勘違いをしてました。私は先生の前で「唐墨を披露」とあるので食べ物なら最初から台所に持っていくだろうからこれは食べれない方の墨なんだろうな、と解釈しました。どちらにしろお句には出来ません…。
(コシキブさん)



「伝兵衛どのは、悴の妓が賊の一味だったってことを、御存知ないのだろうな」
「無論です」
  (略)
「源さんも苦労人だな」
「花の雨」より
毎年花をつける樹を見て花守の存在を想像できる人は少ないかもしれません。咲いていて当たり前の風景になってしまっているからです。八丁堀のおつとめもきっとそんな感じかもしれないと思いました。
   
おつとめは人こそ知らね花の守
   

花守と八丁堀のお勤めを結んだ発想は、なるほどと心に響きました。
(こでまり)



 こでまりの五七五 

今月の「花の雨」というタイトルは、皆さんおっしゃるように、ちょっと不思議ですね。俳句では「花」は「桜」と同義語なので、俳句的に読めば桜の頃の雨ということなのでしょうが、雨の描写がありません。「恋ふたたび」以来の謎かも。それからこのお話には源さんの「名言」がいくつもあって面白く、何か一つくらい詠みたいものだと思いましたが、なかなかでした。皆さんに期待してます!
(こでまりの談)

これは「褒める」というより「自慢」に近いかもしれませんね。大人になると「寝てばかりいる」も「重い」も、あまり褒められることではありませんが、赤ちゃんだとそれが堂々とまかり通るものですな。
   
永き日や寝るも重いも褒めことば
   




「春長がにでもなったら、是非共、顔をみに参りたいと、おとせに申して居ったところじゃ」
ともいわれて、東吾は恐縮した。
「それにしても、東吾が父となったとは、わしが年をとる筈じゃよ」
「花の雨」より
「年をとる筈じゃよ」と言われる老師ですが、長生きすればこその喜びですね。愛弟子の幸せな姿を見る師匠の感慨、嬉しさは格別ではないでしょうか。
   
父となる弟子の顔(かんばせ)山笑ふ
   




境内はかなり広く、桜樹の横に茶店がある。
  (略)
「貴公、ここへよく来るのか」
東吾が訊くと、
「毎日、来ています。なにしろ、居場所がありませんので……」
「花の雨」より
何をするわけでもなく、茶屋の縁台に腰掛けて過していた日々。時には帰る場所のある渡り鳥を羨ましく思ったり、親の跡を継ぐために精進する仲間の姿を重ねたりしたのではなないかと思いました。
   
引鶴や無聊の日々の空の上(へ)
   




「親の金で飯を食っていて、きいたふうなことをぬかすなよ」
「神林先生は、手前が野垂れ死したらよいとお考えですか」
「まだ、ましだろうよ。少なくとも、伝兵衛どのに養子を迎えようという決心がつく」
  (略)
喜一郎は泣いていたと仙五郎はいう。
「花の雨」より
喜一郎は、いつも頭の中で正論と感情論をくり返すだけで、両親にも直接自分の思いをぶつけたことがなかったのではないでしょうか。冷めたような、すねたような、そのくせ何か言われるのを待っているような態度で、東吾さんに真正面から叱り飛ばされて、自分でも自分の幼さをコントロールできない不甲斐なさに、涙をこぼしたように思います。その一瞬が「花の雨」のような気がしました。
   
言の葉の空(くう)切るばかり花の雨
   




同心の子だけじゃありませんよね。職人の子だって、役者の子だって、大店の跡取りだって、生まれた時から重荷を負わなければならない人は、たくさんいます。その荷に今は足を取られながらでも、前へ一歩踏み出そうとする喜一郎やかわせみのキッズたちに、エールを送りたいです。
でも、東吾さんも源さんも「女でよかった」なんて言っているけど、この場合男親は関係ないのよね。るいさんを越えていくのも並大抵ではないってことに、何で気づかないかなぁ~。
   
背負ふ荷のいつか誇りに茎立ぬ
   

目からウロコといえば、宗匠の「千春ちゃんは東吾さんを超える必要はないけれど、母親のるいさんを超えていく」という視点。千春ちゃんがあまりにもすんなりと両親の良い所(外見も中身も)を受け継いで育っているので全く見逃していましたが、考えてみればそうですよね。
(たまこさん)



 すみれさんの五七五 

「花の雨」は桜の咲くころに降る雨で春の季語ですが、このお話の中で雨が降る場面は直には出てこないようですね。この語感からはしとしと降る雰囲気(春雨とほとんど同じ?)が伝わってきます。将来への希望の象徴としての赤ちゃんと、成長して悩み多き青年の対比が印象的なお話です。
(UP後に)
偶然でもなんでも、自分に都合よく解釈すれば、喜びを見つけやすいですから♪ 「花の雨」それぞれの解釈を拝見できて、同じだ♪と嬉しくなったり、そうなんだ!と 納得したりして、毎度ながら、味わい深いですね。
(すみれさんの談)

「寝る子は育つといいますよ」
「花の雨」より
私的には、まず、千春ちゃんです♪宗匠のお心配り(偶然では無いですよね♪)に感謝しつつ、我が家の孫に思いがいってしまいます。寝顔ばかりでも見飽きません。おててを挙げて万歳ポーズで眠る姿にメロメロです♪(この先もお手上げにならずに万歳の手を挙げてね@ばば馬鹿)
   
ねんね児よ千の夢みて千の春
   

うっ、メールにもそのように書いていただいたのですが、実は「偶然です!」 そう言ったらすみれさんをガッカリさせちゃうかな~と思いつつ、こんな良い句ができたのだから、「ま、いっか」と開き直っていますです。千春ちゃんの名前を詠み込みながら、家族の深い愛情もあふれていますね。
(こでまり)
すみれさん家の赤ちゃんは万歳しておねんねしてすくすくと育っているんだろうな
(ぐりさん)



期待をいっぱいに受けて生まれた赤ちゃんも、成長するにつれて、父子関係は難しくなるのが常ですね。駄目な親も困るけれど、立派な親に比べられてしまうと、自信が持てない子は心がひるんでしまいがちになります。このお話の喜一郎さんも生まれた時は、千春ちゃんのように親の愛と夢一杯の中で育ったはずですもの…ぎりぎりのところで立ち直りができて、なによりでした。
東吾さんの説教がこんなに効き目があったなんて!
   
遠くなる父の背ぬらす花の雨
   
春雷や帰り道へと誘いけり
   

愛情はあっても子どもが生まれた時は親も若いし生活や仕事に必死かもしれません。けれど子どもが大きくなって親にもゆとりが出来た時には、かける言葉が見つからなくなっている。それでもぶつかりながら、寄り添おうとしていくんですね。東吾さんが「雷親父」じゃなくて「春雷」というのが、うまい表現だと思いました。
(こでまり)
すみれさんとは「花の雨」イメージが同じだったのがとっても嬉しかったです。期せずして「背中」イメージで一致しましたけど、父親ってやっぱり後姿のほうが似合うんでしょうかねぇ。
(たまこさん)



大笑いしている東吾へ、源三郎が父親の声になっていった。
「吉井家のことはいろいろと考えさせられます。手前は伝兵衛どののような秀れた役人ではありませんから、源太郎は気が楽だとは思いますが、男の子というのは、生れながらに重荷を背負っているような所がありますからね」
「花の雨」より
最後の場面で、源三郎さんと東吾さんが父親の会話を交わしているのが、新鮮な感じです。ようやく、東吾さんと遠慮なく子供の事を本音で話せるようになって、嬉しそうです。源さんは謙遜していますが、源太郎さんにとって、父、源三郎さんは偉大で誇らしい先輩、目標になっていますものね。
   
若竹や天をめざして伸びよとて
   




 麦わらぼうしさんの五七五 

最初に読んだ時は喜一郎の事を、{なんて甘ったれた坊やだろう}と思ったものですが、じっくり読み返してみると、{父親がこんなにも立派だとかえってダメになるのもしょうがないか…}とも思いなおしたり。まあ、余裕のある家だからこそ金を持ち出して遊んでいられた訳で、やっぱり甘えているんでしょうけど。最後の源さんの「いろいろと考えさせられます」というセリフとか、子育てはやはり難しいな~と、私もいろいろ考えさせられました。いいお話なのに結局出来たのは一句だけでした…今月もよろしくお願いします。
(UP後に)
ぐりさま、お仲間です、雨の降る場面がないのになぜ「花の雨」か?私も全然気がつきませんでした(^_^;) でもお話のイメージと「花の雨」というタイトルはとても合っているように思いました(って、あたりまえですよね、平岩先生がつけられたんですから)
(麦わらぼうしさんの談)

「喜一郎どのは、屋敷へ帰っていますよ」
「ほう」
「一応、神妙に十手術の道場へ通い出したそうです」
「花の雨」より
喜一郎は、さしずめ江戸版ニートってところでしょうか。今回の事件が一歩を踏み出すきっかけになったようで。
   
春一番ニートの心目覚めさす
   

同心じゃなくてコレになりたい!という希望もなさそうですし、確かにニートっぽいかも。それにしても浮舟の正体を知ったからか、それとも東吾さんの一喝のせいか……何が目覚めのキッカケになったんでしょうね。
(こでまり)



 コシキブさんの五七五 

今月はギブアップ寸前でしたが、なんとか二句できましたので参加させてください<(_ _)>
立派な父を持った息子のプレッシャー、悪事に加担してしまった底辺に生きる姉妹、というやや暗めのストーリーに、何故「花の雨」という明るい題名がついたのかな、とつまらないことが気になってしまいました…。
(UP後に)
題名を不思議に思ったのは私だけじゃなかったんですね。良かった(^_^;) 私は花の雨 という語感から花吹雪のような華やかな光景を想像したので、暗めなストーリーには合わないなあと思ったんですが、皆さんの解釈をお聞きして少し胸に落ちました。もっと想像力を働かせないといけませんね。
(コシキブさんの談)

姉は客からの情報を集め、妹は冠婚葬祭の手伝いに行って、その家の様子を探り出す。
  (略)
姉妹共に島送りとなる筈だといった。
「花の雨」より
おてい、およね姉妹がどうして悪党と知り合い手引きをするに至ったか不明ですが、わずかな描写の中でも貧しい境遇が忍ばれます。島送りの後どんな生活が待っているのか…。船べりで自問する姿を想像してみました。
   
花街はかげろふとなり沖の浪
   

江戸湾をいつまでも見つめている二人や、船にあたる波までが感じられるようなお句ですね。ところでこの二人は今で言う「顧客の個人情報」をしっかり集めて仕事をしていたわけで、それもまた面白いと思いました。
(こでまり)



「身内をかばうつもりはありませんが、知らないで客になったくらいで、おとがめを受けるのでは気の毒です」
当人が立ち直って、
「さきざき、お上のお役に立ってくれれば、いうことはありません」
「花の雨」より
さすがの東吾も怒った喜一郎の甘えた根性。この一件で少しは懲りて真面目に跡を継ぐ気になったでしょうか。本人の見えないところで八丁堀の仲間である源さんや通之進さんが心を砕いていたことを知る日がくるのでしょうか。
   
巣燕のいまだ幼き鳴き声や
   

明治編などで、源ちゃんをさり気なくサポートしに出て来てくれたりしたら、一気に株が上りそうですね。
(こでまり)



 はなはなさんの五七五 

今月はどうしても提出したかったので、最後までじたばたしました。「これが詠みたい、ここが詠みたい」というのは、お題当てクイズに候補として挙げたときからありましたので、いいんですが、言葉がなかなか見つからなくて、難産でした(涙) それだけ苦労した分、ちゃんとできていれば良いんですが。
(UP後に)
今月も中身の濃い「はいくりんぐ」を堪能させていただきましたm(__)m いつもにも増して皆様の深い読み込みと、喜一郎への暖かい気持ちのかけ方に感動しました。
(はなはなさんの談)

せっかく咲いても、なす術もなく雨に打たれて落ちる桜花。喜一郎にもそんなひ弱さを感じました。運命に立ち向かう気概もなく、受け入れる度胸もない。そんな喜一郎は、桜に例える価値もないのかもしれませんが、喜一郎にはそれなりの理屈があったようですね。誰にも理解も、同情もしてもらえないでしょうけれど。弱いということは、実は罪だと私は思います。
   
うなだれて打たれて堕ちて花の雨
   




「どんな人間も、その気になって努力すれば、必ず出来る仕事があるといわれたのは東吾さんですよ」
「俺が、そんなえらそうなことをいうか」
「ごま化しても無駄です。仙五郎がちゃんと報告しています」
「花の雨」より
喜一郎に対する東吾の厳しさは優しさに満ちていますね。東吾の叱責は、喜一郎にとって痛烈でしたが、わかっていても行動に移せない、それも喜一郎の弱さなのでしょうね。ちょっと胸に覚えがあって痛いシーンでした。馴染みの妓が罪の片棒を担いでいたことに衝撃を受けてしっかり立ち直ってくれれば良いのですが。
それにしても、東吾さんも大人になったんですね~。喜一郎のような腰抜けではもちろんなかったのですが、やんちゃな次男坊も父親になって、三爺の面目躍如ですな(笑)
   
耕せば生ふるものなり人もまた
   
痩せ地にも花種蒔かふよ時信じ
   

どちらのお句も、「幾つからでも大丈夫かな~」という希望がもててちょっと元気がもらえます。
(こでまり)



「浮舟もおよねとぐるでした。それとなく、朋輩の妓から、客の話を聞き出しては、妹に教えていたようで、これもお召し捕りになりましたよ」
  (略)
「ちょっとした智恵ですが、後に悪党がついているのでは、たまりません」
「花の雨」より
ところで、浮舟ことおていとおよね、どうしてこんな悪事に手を染めたのでしょうか。およねの情夫が盗人だったところから見て、事実、親が病気がちなのだとは思いにくいですね。盗人を手伝う動機が今ひとつはっきりしないような気がします。ずるずると深みにはまっていった姉妹に、同情した句ができました。
   
いつのまにか春泥にも馴れてをり
   

浮舟姉妹に目を向けられたお句が幾つかありましたが、私は全然ノーチェックでした。喜一郎には同情しないはなちゃんが、この二人には同情したというのも面白いです。「春泥」が効いていますね。
(こでまり)



 千姫さんの五七五 

今月は無理かなって思っていたけれど、休んだらUPを読む楽しさも減ってしまうので何とか、普段に詠んでいた五七五を(この私が普段から十七文字を考えているのは「はいくりんぐ」効果だねぇ!) コメントでつなげて「とりあえず参加」だけでもしようと頑張りましたワ。
(千姫さんの談)

この二、三日、気温が上って、江戸の桜はどこも蕾がゆるみはじめ、この分だと例年より早い花見になるだろうと、せっかちな連中はもう浮かれ気分になっている。
「花の雨」より
桜の蕾がふくらんで、目には見えない空気なのに、だんだんピンク色になってきたなって思います。心がウキウキしてくるのは、今も昔も一緒ですよねっ。
   
空気さえ春が来たよな色になり
   




春になって急に暖かくなったある日、窓を開けていたら同僚が「潮の匂いがしたから明日は雨かな」って言ったんです。「あっ、これ頂き~」と一句出来たのですが、「花の雨」が今月のお題なので菜の花に匂ってもらいました…あはは(^^ゞ
   
雨近し菜の花香る昼下がり
   

さすがに海が近い播磨ならではの感覚ですね。それをパッと一句に詠まれたのは、普段から詠むぞ~という心構えのたまものですな~。
(こでまり)



「手前は廃嫡して頂きたいと思っています。吉井の家名は他から養子を迎えてくれるよう父にお伝え願います」
  (略)
「父も、それを望んでいると思います」
「それは違うぞ。吉井伝兵衛どのの本心は貴公に屋敷に戻ってもらいたい筈だ」
「花の雨」より
「立派な人柄」と人に言われる父を持つ、子の無常を甘えと叱った東吾に拍手~。父を越えるのは無理でも、愛されているんだぞって教えたような気がします。喜一郎は自分を自分として、誰かに認めてもらいたかったのだと思います。東吾らしく、東吾にしか成功出来ない「人柄」ちゅ~もんですわなぁ。
   
まだ蒼く固い蕾がほころびて散るもまた良し桜かな
   

親の見せるいろんな姿の根本に、愛情があることが信じられれば、とけていく心のしこりもあるでしょうね。
(こでまり)



 紫陽花さんのオマケ 

「花の雨」タイトルもよくわからないし息子の行動も変だし盗賊事件もなんだか唐突で全体的に変な話だなぁと思うのですが… 俳句は結局出来ませんでした。オマケだけ。
(紫陽花さんの談)

「あいつ、急に重くなりやがったんで、るいもお吉もお手あげでね。とてもじゃないが、長いこと抱いちゃいられねえから、寝かしてばかりいる。また、よく眠る子なんだとさ」
「花の雨」より
オマケ…これではもののけに育てられた“しゃばけ”の一太郎みたいなんだけど…どれだけ見ていてもねんねん姫だから起きないよ。軽く見飛ばしてね。
 ⇒⇒⇒ 

いつにも増して今月は、早くお披露目したかったです。すっごく可愛い~です。でもいくら触りたいからといって、お茶をあんなにイッパイ入れたまま千春ちゃんのそばに行ってはいけません。
(こでまり)
紫陽花さんのおまけ、可愛くって見とれてしまいました。このお布団、絶対に嘉助さんとこのお民さんの嫁ぎ先からのお祝いですよね?
(浅黄裏さん)
紫陽花さんのオマケ、すみれさんお祝バージョンでしたね~♪ 湯呑みは手を出して思いっきり触ってますけど、東吾さんにぶっとばされないか心配です。
(たまこさん)
紫陽花さんのおまけの赤ちゃん可愛い!湯飲み君お茶に気をつけてね
(ぐりさん)
可愛らしいイラストにもほんわりと、幸せな気持ちで読み終えました。
(はなはなさん)
紫陽花さまの描かれた千春ちゃんと思われる赤ちゃん♪メチャクチャかわいいですね~♪ 湯呑くんが美味しそうな緑茶をなみなみと注いだままのぞき込みに行った気持ちわかります~(#^.^#)♪♪♪本当にあたたかな優しい気持ちが絵に表われていますよね♪
(みちころんろんさん)
紫陽花さまの赤ちゃんのイラスト、かわいい~♪眠っている千春ちゃんが手を動かしたはずみで湯飲みくんが傾いて、千春ちゃんは濡れずに茶托くんたちにバシャ~ン!という場面を想像してしまいました。
(麦わらぼうしさん)
【ここでみんなの期待に応えて(?)、おめめをパチッとあける千春ちゃん登場~】
わ~一番乗りかな、紫陽花さんありがとう。
(こでまり)
いや~ん♪ か、可愛いです~、千春ちゃん! お目々パッチリなのね。で、湯呑みがびっくりして思わず手を離すところが面白いです。想像したのですが、湯呑みの中身のお茶は、「中身」なのでこぼれないのじゃないですか?湯呑みの内側にひっついてるのじゃないかな。だって、こぼれて無くなったら力が出なくて倒れちゃいそうでしょ?それじゃ、アンパ○マンみたいだし。
(浅黄裏さん)
紫陽花さんのねんねん姫もすごーく可愛い!しかも特別バーションではお目目パッチリでこれまた超かわいい!花世ちゃんには髭もじゃもじゃがいたように、千春ちゃんにはこのトリオがついていたのかな。
(あっちの管理人さん)
紫陽花さん、やっぱり「お目々ぱっちり」バージョンが出ましたね!茶托もでんでん太鼓を振るのかな?と見つめてしまった(^O^)
(たまこさん)
紫陽花さんの千春ちゃん(お目目も開いてる♪)、とっても愛らしくて、トリオが見とれるのも頷けますが、かわせみの人達の隙を見つけるのが大変だったでしょうね♪
(すみれさん)
ぱっちりとかわいらしい目を開いた千春ちゃん♪寝顔もかわいいですが、起きたお顔も何とも言えないかわいらしさ♪ 紫陽花さま、ありがとうございますo(^-^)o 湯呑み君も茶托くんも千春ちゃんと遊びたくてうずうずって感じでしょうか?
(みちころんろんさん)



 ぐりさんの五七五 

今月のお題は花がついていますね殺人とかは出てきませんがチョット切ない親子のお話ですか其れに盗賊の跳梁も絡まって やっぱり花の題の時は切ない話が多いのかなでもこのお話は後が明るさを感じさせてくれるので救われますね 案外暗ーいお話の時にかわせみのほっとする時間とかるいさんと東吾さんの熱いお話とかあって「わあーこの話くらい~」と思ってもつい読み込まれるんですね さすが平岩先生です

何時ものように中身の濃いはいくりんぐ充実していますね、花の雨という題なのに雨が降っていないなんてちっとも気がつかなかったです皆さん鋭いですね~(私がボケなのか)
(ぐりさんの談)

「今日は早く終ったんだ」
  (略)
「お姫さんは大きくなったでしょう」
「花の雨」より
東吾さんとるいさんに千春ちゃんが出来てもう東吾さん可愛くてしょうがないですね
源さんにからかい気味に言われたって~
   
姫さんと からかわれても 顔ゆるみ
   

あからさまな親ばかぶりは見せませんが、東吾さんもやっぱり人の親、我が子のことが話題になるのは嬉しいんでしょうね。
(こでまり)



喜一郎は自立し切れていない今で言うニートのようなものでしょうか?
教育熱心な母親もなくなり父の背中はあまりにも大きくて萎縮してしまっていたのでしょうね
廃嫡されたって芸術分野で身をタスクとかもなさそうだしどうするつもりだったのでしょう
   
浮寝鳥 漂いつつも 陸もとめ
   

「浮寝鳥」は、なるほどいかにも喜一郎らしいと思いました。波間に漂う姿はのんびりとして見えても、いつも居場所を探していたのでしょう。
(こでまり)



通之進が、かすかに苦笑した。
「若い時にはありがちなことじゃが、親子の間がこれ以上こじれると厄介になろう。(略)こうしたことは、なまじ、父親と同業の者でないほうが、喜一郎も胸衿を開いて話せるように思う。すまぬが、其方、折をみて麻布へ参り、喜一郎の本音を聞いてやってくれぬか。その上で、父親の気づかぬ悴の気持というものがあるならば、わしから吉井に伝えてやってもよいと思うて居る」
「花の雨」より
兄上の人の苦労や悲しみを汲みとって手を差し伸べられる気配り 若年の内から相当な苦労をされているんでしょうね やっぱり賢兄愚弟は浅見と一緒だ
切れ者で年の離れた兄弟で弟思いで弟の力を認めている 兄上のところいつも詠みたいと思うのですが中々詠めないんです(-_-;) でも無理やり詠んでみました(恥ずかしい)
   
苦労人 ふところふかさは 葛湯ごと
   




源さん私はたいした父親ではないですがなんて謙遜していますね ああーこんなに立派に成長して父親を超えようとしている麻君や源太郎君見せてやりたかったなー 源さんー大丈夫あんたの息子は立派に成長しているよ
季語は春ですがまあ春に近いから言いかということで使いました すみません
   
蛙子も 親越えゆかん 明治の世
   




老師の感慨を聞き、兄の伝言や、唐墨を披露してから、東吾が台所へ戻って来ると、おとせが粕汁に餅を入れたのを用意していた。
「講武所から、まっすぐお出でになったとうかがいましたので、お昼もろくに召し上っていないのではないかと思いまして……」
「花の雨」より
何時もひっそりと目立たないところに気を使っていますねおとせさん るいさんにとっては気になる存在の時もあったのですが何時もわきまえて正吉君のお母さんという存在であるところが好感持てて好きです
   
粕汁で ふうふういうて 探索も
   




 bf109さんの五七五 

(UP後に)
UP、ありがとうございます。今月はちょっと難しかったです。ところで、突然ですが「HN」の「bf109」を「シュミット」に変更したいと思います。「シュミット」は、「メッサーシュミットbf109」の「シュミット」で、「趣味っと写真館」の「趣味っと」と掛けてあります。「はいくりんぐ」のおかげで掛け言葉ができるようになりました。よろしくお見知りおきを願います。
(bf109さんの談)

「盗賊の件もですが、吉井どのの悴、喜一郎どのが入りびたっているのは麻布市兵衛町の岡場所の紅屋と申す見世で、相手の妓は浮舟とわかりました」
  (略)
「仙五郎どんが調べてくれたことでございますが、吉井喜一郎様は御自分の身分をかくして遊んでお出でのようで……。それでも女郎屋のほうはちゃんと承知して居りました」
「花の雨」より
将棋ではこの手で負けたという最後の悪手のことを「敗着」といい、今月の句は将棋調で作ってみました。将棋の台が岡場所というわけで、次の手に迷って長考などもあったりします。
   
岡場所で「廃嫡」かけて長逗留それが「敗着」おていとおよね
   

bf109さんは、将棋もなさるんですか。「長考」は聞いたことがありますが「敗着」は初めて知りました。居続けしていたのが同心の息子だったこともですが、それに会いに来たのが東吾さんだったのは、やっぱり「敗着」でしたね。
(こでまり)
bf109さま「シュミット」様になられるんですね『趣味っと」bf109さまらしいです 間違えないようにしなくては~
桜(小石川後楽園の桜の写真を貼って下さって)もう咲いているのですね例年より早い開花とかニュースで言っていましたが
(ぐりさん)
サイトが一周年ですよね。おめでとうございます。館長を慕うカメラ好きな方で賑わうようになって、良かったですね。ますますのご発展をお祈りします。bf109さん改めシュミットさん、了解しました。今後ともよろしくお願いします。
(こでまり)
bf109さん、改めシュミットさんですね。どうぞ宜しくお願いします。
三分咲きとは思えないほど花数が揃っていますね。このまま咲いて4月の入学式の頃には満開になるといいですね。
(浅黄裏さん)
bf109(このハンドルもおなじみが長く、ちょっと名残惜しいですね)あらためシュミットさん、サイト一周年おめでとうございます。「趣味っと」とのダブルしゃれていますよね。いつも拙宅にまで素晴らしいお写真ありがとうございます。今後とも、末永くよろしくお願いいたします。
(たまこさん)
bf109、改めシュミットさま、春を探しての素敵な写真で楽しみをいただいてます。掛け言葉と写真、これからもよろしくお願いします。
(すみれさん)
HN変更了解です。今度もスパイのコードネームのようでカッコいいですね。
(コシキブさん)



 花みずきさんの五七五 

このところ、お休みばかりですいません。大したものは作れないのですが、自分なりに納得したものを作りたい、そう思うと考える時間が足りません(^_^.) もっと上手に時間を使えるようにかんばっていきます。さて、そんな訳で今回は一句です。よろしく、お願いします。
(花みずきさんの談)

「伝兵衛どのは、どういわれたのだ」
「父は屋敷に居りません。朝、奉行所に出仕して、帰るのは夜になってです」
「話などはしないのか」
「疲れ切っている父に、答のわかっている話など出来ません」
「花の雨」より
情けない息子だなと思いつつ、親の期待の大きさにも ため息が出ます。
   
親も子も胸中見えぬ春霞み
   

先日濃い朝霞の日がありましたが、間もなくこの上ない晴天の一日になりました。この親子の間もまだ見えないことだらけかもしれませんが、いつか晴れるといいですね。
(こでまり)