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 三日月紋の印籠
「佐助の牡丹」より  (平岩弓枝著:文芸春秋刊)
先月の「女師匠」にご参加くださいました皆様、またご覧下さいました皆様、ありがとうございました。UPが遅かったので、お題の発表も少し遅くなりましたが、「早く発表しないと、送るのも遅くなっちゃうよ」という嬉しい催促(?)もあって、まずは掲示板でお知らせした次第です。

さて、今月は「三日月紋の印籠」を選びました。

お話はお家騒動まがいのものなのですが、出てくる坊ちゃんが聡明で可愛いですね。この坊ちゃん、いつでしたかたまこさんが掲示板かメールで、「麻くんと結ばれる可能性がなくなってきた千春ちゃんに、誰かいい相手がいないかと思ったら、この子を思い出した」と言ってたことがあって、余計に印象に残っているお話です。
今月一日はちょうど満月だったそうで、各地でも美しい月を見上げた方がいらしたでしょうね。果たして三日月の頃までに詠めるかどうか。

さあ、今月はどんな五七五になりましたでしょう。
(平成十九年六月)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ええと、既におわかりだと思いますが、今月もどうしても詠めない!
気分的に余裕がないからなのかどうなのか、よくわからないのですが、
どうも詠めない時は何をしても詠めないようなので、
またまた欠席届を出させて頂きます…
でもやっぱり参加できない時は寂しい!ので、
来月こそ参加で きたらいいなあと願いつつ、
その分今月の皆様の御作を楽しみに読ませて頂きたいです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
(じゃからんださん)
お江戸は梅雨などどこかに行ってしまったかのような暑い日が続いています。
雨傘ではなく日傘が重宝してます。
今からこんなでは本番の夏はどんなに暑いのか、ちょっと頭が痛いです。
そのせい、という訳では無いのですが(^_^;) 今月は欠席させていただきます。
ギリギリまでがんばってみたのですが、うーん、無念です。
一句も納得のいくものが出来ませんでした。
好きなお話ではあったのですが、浅読みしか出来てなかったようで
俳句にする事はかないませんでした。
宗匠はじめみなさまの作品を楽しみにしています。
来月はリベンジ?を狙いますよ〜。(そういうものじゃないですね、反省反省)
(コシキブさん)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 すみれさんの五七五 

武家の家宝の一騒動のお話しの中に、親心、兄弟のきずな、友情などが巧みに織り込まれていて、ほのぼのしながら、ちょっと切なさも残ります。
 (UP後に)
今月は一番手になっていて、ちょっとびっくりしました。 皆様、取り掛かりが遅かったのは掲示板で知っていましたが、 でも、出来上がりは素晴らしいですね。
(すみれさんの談)

「お宿をお願いしたい方がありますの」
  (略)
「はい、大丈夫……」
「まあ、よかった」
胸をなで下すようにして、改めて時候の挨拶をした。そういう所は娘の頃とちっとも変っていないと、るいは姉のような気分でみつめていた。
「三日月紋の印籠」より
冒頭のお千絵さんの雰囲気は好ましいですねぇ。おっとりと構えているから、外で厳しいお調べを終えて帰宅する源さんがほっと安息できる畝家なのですものね。
   
鈍感力お役目に添う妻のちえ
   

トップを飾ってらっしゃるすみれさまのお句、いいですね。こんなふうに詠みたかったです。
(麦わらぼうしさん)
お千絵さんのおっとり加減というのは結婚後はっきりしてきたような気がします。ストファ掲示板でもお千絵さんの性格については話題になっていますが、やはり背の君のお役ゆえかもしれませんね。「お千絵」と「知恵」かけてあって楽しいですね。
(はなはなさん)
「鈍感力」ってのがインパクトありますね(^^♪ 源さんも喜びそう。後に出てくる、ぐりさん・麦さんの感想とも関連して面白いです。明治編のお千絵さんの今後も気になるところです…
(たまこさん)



「お旗本の榊原様の御用人にお頼まれしましたの。お宿を願うのは、お妙様とおっしゃる方とお子の徳太郎様。お三人とも、私共の屋敷でお待ちになっていらっしゃいます」
嘉助が素早く下駄を草履に履き替えた。
「三日月紋の印籠」より
嘉助さんが下駄をぞうりに素早く履き替えて、お客さまを迎えに行く場面に、何故か吸い寄せられました。この番頭さんにはどんな事も任せて安心!
   
かわせみの半纏姿の自然体
   

ここは独占ポイントですね。下駄を草履に替えるというさり気ない仕草、嘉助さんという人をうかがわせますね。そこに気づくすみれさんも、さすがです〜〜。
(こでまり)
下駄と草履って、「浅妻船さわぎ」では事件解決の鍵になったんですよね。また「十三歳の仲人」では、小源のために宗太郎先生を呼んでこようと、麻太郎が庭下駄のまま駆け出して、用人が草履を持って追いかける所もありましたよね。すみれさんの目のつけ所に拍手!
(たまこさん)



「人間、嬉しかったことは忘れないものですよ」源さんの人柄の善さを表す、名セリフのひとつですね。
   
夏夕べ時連れて来い竹とんぼ
   




榊原家の家宝の行方の一騒動は、賢くて心優しい徳太郎さんのお陰で治まりました。がらくた同然に成り果てた印籠ですが、将軍家より拝領という堅苦しいお役を終えて、若様だけのお宝になっているのではないかしら?だって徳太郎兄さんとの大切な思い出の品ですから。新時代になって、徳太郎さんがどんな青年に成長しているのか、知りたい気持ちです。叔父さんと同じ医者の道を志していたら、麻太郎さんとどこか(宗太郎さんつながりで□□館)で、すれ違っているかも…
   
兄弟の絆残すや蝉の殻
   




「あかないのだ。たたいても……さとう、たべたい」
右之助の手からそれを徳太郎が取り上げ、東吾に渡した。
成程、開かない。おまけにべとべとした。用人が印籠をのぞいて仰天した。
「これは、御家宝の……」
「三日月紋の印籠」より
【三日月紋の印籠のつぶやき】
やれやれ家宝という役目からやっとお暇がでたわい。
この家に来てからもう二百年になるかのぅ。数十年に一度、暗い戸棚から出られたと思う間もなく、畏まった顔で眺められるだけで、また戸棚へしまわれるだけのつまらぬ暮らしじゃった。
だから、何年か前に、掴み出されて甘納豆入れにされたのが嬉しかったのじゃよ。入れ物として初めて使ってくれたのじゃから。

それに、腹違いの兄が不愍な若様を本心で労わっているのが、わしにも伝わったからのぅ。
兄が居なくなってから、甘納豆や砂糖の甘さに、わしも負けてしまってのぅ…開かなくなったもので、癇癪持ちの若様に老体をガンガン殴られ、玩具箱の中で昔の夢を見ておったが、わしもあの兄にもう一度会いたかったのじゃょ。

たとえ榊原家は無くなっても、あの兄で血筋は繋がっているのじゃから…わしの役目は果たせたことになるからのぅ。これで安堵して眠れるわぃ。

わーい、今月もショートショートが!
私は源さんにけなされてカッカしている印籠の気持ちを詠んだのですが、なるほど、二百年を越している印籠の気持ちというものは、こういうものかと納得です。
ありがとうございました。
(こでまり)
印籠のつぶやき面白い
(ぐりさん)
「印籠の呟き」の視点に目からウロコボロボロです!
(のばらさん)
オマケの「印籠のつぶやき」には噴出しそうになりました。
(花みずきさん)
はいくが思うように作れず、ぐり様の「ピンコのつぶやき」(大ファンです♪)からヒントをいただいて、久しぶりに独り言みたいに書いてしまいました。長生きしてきたお爺さんの目線になってしまいましたが、少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
(すみれさん)
すみれさんぴんこのつぶやきと気に入ってくださりありがとうございます、とても嬉しいです、印籠のつぶやきはぴんこより一段と優れたお話です
(ぐりさん)
すみれ様がぐり様のつぶやき日記から刺激を受けられて御句を作られたとのコメントに、はいくりんぐの輪が文字通りどんどん広がっていく図が頭に浮かんでなんだか幸せな気分になりました♪
(じゃからんださん)
「印籠のつぶやき」も爆ウケです。「にほん昔話」の常田さんの語りで聞いてみたいような♪ きっと若様のおもちゃ箱の中から若様を見守ってくれるのでしょうね。
(はなはなさん)
私は源さんの「印籠評」に共感しちゃったのですが(笑)こでまりさんとすみれさんの、全く違う視点からの捉え方に、なるほど!と膝を打ちました。確かに我が子の凧に絵を描くにも東吾さん頼りの源さんに言われたくないですよね〜(爆) そして「つぶやき」はもう脱帽です!すみれさんの「独り言シリーズ」ぜひまたと期待しています。
(たまこさん)
「印籠のつぶやき」最高です!確かに印籠なんだから、使われる事こそ本望なのかもしれませんね。
(麦わらぼうしさん)



 千姫さんの五七五 

こんにちは。五七五が出来てから日が経っているのは推敲していたんじゃなくて、ただ、だらしなく時間が経ってしまっただけですぅ。私の五七五の作り方は(詠みかたと言わないところがミソ)物語を読んで「ここを記憶に残したい」って思う場面の気持ちを現す言葉を考えます。
(千姫さんの談)

この物語では、その子が一人ならば心穏やかなはずなのに、利発な兄徳太郎の存在を知ってしまっている奥方様の心の痛みを詠みたい、と思いました。
   
梅雨闇や 重き子の末 母なみだ
   

「重き子」という言葉から、母親の愛情の深さやその子の存在のかけがえのなさ、また、そうであるが故の母としての不安など、いろいろな思いを感じました。
(こでまり)



「ほら、あの枝の下にいるでしょう」
などと教えてやるだけで、庭の草の裏から小さな青蛙をつかまえて、千春にみせてくれたりもするが、必ず、
「さあ、もう、お家へお帰り」
と放してやる。
「三日月紋の印籠」より
徳太郎が逃がしてやった青蛙に徳太郎を重ねてみました。三日月は父。立場をわきまえて徳太郎は自分を愛してくれる人々の幸せの為、家に帰る。
   
三日月を 仰ぎ見ている 青蛙
   

「三日月を仰ぎ見る」のがいいなぁ。徳太郎は幼いのに何もかもわきまえた子だったのですね。「千鳥が啼いた」もそうですが、妾腹ほど苦労が多くてその分情緒深く育つのでしょうか。私は右之助くんも、性格の良い子だと思うのですが。
(はなはなさん)
情景の絵が浮かび、微笑ましくまたしみじみとします。 「お家にお帰り」という言葉の二重の意味には目からウロコが落ちました。
(たまこさん)



「源さんの内儀さんの肝っ玉には驚くぜ。空はまっ暗、雷はごろごろ、今にも一雨来ようって最中に道のまん中で悠々と挨拶されちまってさ。おたがい、傘は持ってやしねえ。ざあっと来たらどうする気だと、こっちはいい加減、冷や汗をかいちまったよ」
「三日月紋の印籠」より
「ここは詠んどかないと…」多分、三の線の競作ポイントだろうな〜 濡れません、間に合いますとも!相手がお千絵だと、まわりの皆んなが、そう気を配っているのです!!
   
濡れはせぬ 間に合いまする 千絵なれば
   

わぁ♪お千絵さんが話しているようです♪お千絵さんのおおらかさが好いですね。堅物の源三郎さんを柔らかく支えてくれる奥様ぶりが感じられますね。
(すみれさん)
千姫さまのコメントになるほど、です。確かに天然キャラって、まわりのみんながあれこれ気を配ってうまくいっている、っていうのありますよね。
(麦わらぼうしさん)



 あっちの管理人さんの五七五 

先月は運良く(笑)宗匠が締切りを延ばしてくれたにもかかわらず、バタバタしていて最後の最後に欠席届で申し訳ありませんでした。今月はそんなことにならないように、早めに取りかかりました。それにこのお話は読後感も爽やかで、好きなお話の1つです。徳太郎君の素直な、優しい心根がすごく気持ちよくて、麻太郎、源太郎に次ぐ良い太郎名ですよね。
 (UP後に)
今月は皆さんの作品に加えて盛り沢山のオマケに、あっちに飛んだりこっちに戻ったりとしっかり楽しませて頂きました!先月は欠席だったので、今月は個人的には独占ポイントが2つあって、競作ポイントにも参加出来て嬉しかったです。何度も美味しいはいくりんぐ、今度は蛎殻アップの感想でもう一度楽しませて頂きます♪
(あっちの管理人さんの談)

店の前で呼び止めた朝顔の苗売りから、やがて咲く筈の花の色を一つ一つ確かめながら三本、四本と嘉助がえらんでいるのを、千春の手をひいて眺めていたるいは、豊海橋のほうから急ぎ足にやって来るお千絵に気がついた。
「三日月紋の印籠」より
嘉助さんが店先で朝顔の苗を一つ一つ、千春ちゃんと一緒になって選んでいるところをぜひ詠んでみたいなぁと思ったのですが、「朝顔」は秋の季語で、「朝顔の苗」は夏の季語でいいのでしょうか。
   
いろ想い朝顔の苗選びおり
   




東吾さんと源さんの子供時代の思い出話に時々登場するのが、東吾さんはとても器用でその反対に源さんはかなり不器用だったとか。そこで東吾さんが器用に凧や竹とんぼを作ってあげて、それが源さんにはすごく嬉しかった。親になった後は知っての通り源太郎ちゃんや千春ちゃんにいろいろ作ってあげていましたね。
   
竹とんぼくるっと回れ夏空へ
   

ステキな御作ですね。いろいろな思いをこめて回る竹とんぼ、親から子へ、子から子へ、いろいろな思いを繋げてくれるようです。
(はなはなさん)
「竹とんぼ」は競作だったけど、「くるっと」が明るく楽しくてイチオシです。
(たまこさん)



徳太郎が自分に辛く当ったであろう榊原家を恨みもせず、たった一人の弟である右之助をなんとか助けたい、力になりたいと東吾に助力を申し出るくだりにはじーんと来ます。まさに、兄の声ですね。大人の思惑なんぞ関係ない、兄として弟を守りたい、助けたい一心が健気で。東吾さんもきっと兄上のことを思い出していたんだろうなと思います。
   
弟の危難を救い梅雨明ける
   

一件落着を梅雨明けにたとえるなんてうまいなと思いました。すがすがしい気持ちになるお句ですね。
(麦わらぼうしさん)



遠く、大川の河口が広がってみえる。
「お父様のお船、早くお戻りになるといいけれど……」
沖の白帆にるいが呟き、千春は小さな手を振った。
「三日月紋の印籠」より
   
吾子重き沖の白帆に小さき手
   

一句めもここも、独占ポイントですね♪
幼子と母の微笑ましい一場面を切り取って詠まれているわけですが、今の二人にも重なってしまい、ここだけコメントを書かれなかった管理人さんのお気持までも、勝手に深読み&推量してしまいました。
(こでまり@おせっかい)
東吾さんが海へ出る度に母娘はずっと無事を祈っていて、それが今も続いているのですものね。このお句には、皆の祈りと願いが込められているのですね。
(すみれさん)



 bf109さんの五七五 

 (UP後に)
遅ればせながら拝見しました。自分と感覚の違う詠み方に「なーるほど…!!」


漸く長話を終えて立ち上りかけた源三郎が東吾の膝の横にあった竹とんぼに気がついた。
「なつかしいですね。昔、よく東吾さんに作ってもらいましたっけ」
「三日月紋の印籠」より
源さんの、「人間、嬉しかったことは忘れないものですよ」という言葉がこの物語を語っているような気がしました。
   
忘れない 三日月の箱 竹トンボ 食べたかったり 嬉しかったり
   

コメントにある『「嬉しかったことは忘れない」がこの物語を語っている』という言葉、なるほどと思いました。幼い時にこういう「嬉しさ」をたくさん知っていると、豊かな大人になれそうな気がしますね。
(こでまり)
本当におっしゃるとおりです。源さんの名セリフがこのお話し全般に通じていると納得しました。気付かせてもらえてとても嬉しくなりました。
(すみれさん)
本当に「嬉しいことは忘れない」ですよね。右之助くんも徳太郎が兄だと知らなくても、二人で遊んだことを忘れずに、徳太郎君の訪れを喜んでいますものね。きっと大人になって「あのときの」と思い出すことでしょうね。きっと千春も徳太郎の優しさを忘れないと思います。
(はなはなさん)
bf109さまのコメントもなるほどだし、なつかしいような、あったかい気持ちになるお句ですね。
(麦わらぼうしさん)



 みちころんろんさんの五七五 

△のサイトは日々賑わっていらっしゃいますね。毎日楽しく拝見致 しております。先月の私の拙い句に皆様からの温かい感想をいただき感謝しております。ありがとうございます。なかなか皆様のお作への感想を送ることができず心苦しく思っております。
今月のお題が発表され、「あ〜、このお話!好きなのよ〜!」と思ったのも束の間、好きでも詠めな〜い(-_-メ)(>.<)!と叫んでいる私がいたのでした…。このお話のしっかり者で面倒見のいい徳太郎くんと麻太郎くんがなんかかぶってしま うんですよね☆それに二人ともとても優しいし…☆
(みちころんろんさんの談)

兄弟・そして友への優しさ、心くばりをなんとかして表現したかったのですが…未熟者の私にはこれが精一杯(-_-メ) どのように表したらよいかわからず詠めませんでした(>_<)
   
幼き日 優しき友の 思いやり 心に仕舞い 今に繋げる
   




「大体、わたしは不器用で、苦労して作っても、ちっともとばない。がっかりしていたら、東吾さんが自分の竹とんぼをわたしのと取りかえてくれたんですよ」
おぼえていませんか、といわれて東吾は照れた。
「三日月紋の印籠」より
   
竹とんぼ 心に刻む 優しさを 時刻みなお 縁し(エニシ)を繋ぐ
   

竹とんぼという玩具が心をつなぐ、いいなぁ、と思いました。東吾さんと源さんのように生涯の友となり、徳太郎と千春は…さて幼い2人の縁はどうなるのでしょうか。
(はなはなさん)



「そうです。甘納豆でした。あれに甘納豆を入れて、そうすれば誰にも見つからずにお好きな時に食べられるからと……」
徳太郎が右之助の前に膝を突いた。
「あのいれものはどうされましたか。甘納豆を入れて、若様が持っていた黒い、四角い、これくらいの……」
「三日月紋の印籠」より
   
拝領品 知らぬが仏 お菓子箱
   

右之助くんはもちろん、当時八歳の徳太郎くんにとっても、家宝の印籠は秘密の「お菓子箱」だったんですね。そしてこれからは、すみれさんもコメントで書かれていましたが、右之助くん一人の思い出の詰まった宝箱になるのでしょうね。
(こでまり)
何の変哲もない三日月が描かれているだけの印籠(by源さん)だったから、子供の目にも使って良い品に見えたのでしょう。凄い蒔絵が施されていたら、賢い徳太郎さんは使わなかったでしょうね。
(すみれさん)
右之助にとってはお菓子がなによりも大事なモノなのだから、榊原家の中で実は一番正しい印籠の使い方をしていたのかもしれませんね。
(麦わらぼうしさん)



 はなはなさんの五七五 

「三日月紋の印籠」ですが、読むほどにいろいろポイントがあって、このお話を選んだ宗匠の炯眼には脱帽です。季節の風物の表現が意外と少ないのですが、そこはそれ、かわせみディープファンとしては、重箱の隅をできる限り突付き回し(このネタもあとで〜♪) がんばってみたいと思います。句の良し悪しはもうこだわらないで(汗汗)楽しく詠んでみました。
(はなはなさんの談)

「徳太郎と申します。十三歳にあいなります」
母親にうながされて、はきはきと挨拶をした。面ざしは母親似だが、気性はなかなかしっかりしているように見える。
るいが藤の間に案内し、お吉が茶菓を運ぶと、母子は縁側へ出て大川のほうを珍しそうに眺めている。
「三日月紋の印籠」より
このお話のお妙・徳太郎母子のなんともいえない明るさにまずは心が救われます。境遇としてはひどいことだと思うのですが。まっすぐに育つ、ということの大切さをひしひしと感じますし、子を育てるということのむずかしさにも思いを致します。かわせみのキッズ達は、皆明るくまっすぐで、まっとうに生きてくれそうで安心するのですが、これも平岩先生の優しさでしょうか。藤棚はもう花が終わったとはいえ「藤の間」に逗留ということで、 ふと思い出した言葉が「藤裏葉」。寂しげな言葉ですが、 源氏物語で、夕霧が長く許されなかった雲居の雁との結婚を果たすその巻が「藤裏葉」だと、改めて調べてみてわかって思わず「ヤッタ♪」(おかげで「あさきゆめみし」の後半を読破しちゃった)お妙・徳太郎の不思議な幸福感を詠んでみたいと思いました。
   
藤裏葉洩れ差す光の明るさよ
   

藤棚から源氏物語までを想い出されるという、その博識と情操の高さに今さらながら、脱帽しております。花が終わっても藤棚からの柔らかい日差しは優しくて、ほっとさせてくれますね。
(すみれさん)
源氏物語からのお句私も素敵と思いました情感豊かなはなはなさんならではの作りかたかなと感じ入りました
(ぐりさん)



晩餉はまだらしいと承知して、お吉が板前に作らせた巻き鮨を、嬉しそうにつまみながら、源三郎が話し出した。
「三日月紋の印籠」より
今回かなり時間をかけて読んだのですが、おかげで「あら♪」と、可笑しな符合に気がつきました♪ かわせみにしては珍しいメニューでしたね。
   
巻鮨で腹くちくなる巻羽織
   

ここ、独占ポイントです。この「巻」つながり、思わず座布団を投げたくなりました。面白い!
(こでまり)
「巻寿司」と「巻羽織」!う〜ん全くノーチェックのポイントだった。くやしい〜〜
(たまこさん)



季節の描写が少ないなぁ、と思ったのですが、ありましたありました♪子供たちが遊ぶかわせみの庭には、折々の季節がちゃんと存在しています。小さな夏の使者たちは、カエルやセミだけではなく、千春と徳太郎でもあったのですね。いのちがみな育つ夏の到来です。たまこさまが以前、「千春ちゃんのお婿には徳太郎くんはどうかな」といわれていたような気がするのですが、そう思わせて当然、2人の遊ぶ姿は微笑ましく、心和みました。
   
新蝉の姿求むや子がふたり
   
青蛙びくりと爆(は)ぜるいのちかな
   

観察力と表現力が素晴らしいと思います。「爆(は)ぜるいのち」という表現がとくに心に残ります。
(たまこさん)



「その印籠がなければ、右之助様は家を継げないと聞いて居ります。みつけられるものなら、なんとか探してやりたい」
これは兄の声だと東吾は思った。
「三日月紋の印籠」より
徳太郎は、幼くても彼は兄としての勇気と愛を持っていました。それは右之助が旗本の跡取りとしてはおぼつかなかろうが、自らが継母から受けたしうちがどんなものであったとしても、それに冒されない、気高くて貴いものです。東吾が聞いた徳太郎の「兄の声」。それは兄に慈しみ育てられた東吾だからこそ気づいた声だと思いました。ある俳人が「五七五だけでは表現できない、物足りない」といって短歌も詠んでいた、ときいたことがあります。今回は私もそれを実感して、拙いながら詠んでみました。
   
幼くも彼は兄なりわが兄の声よみがえり今耳朶を打つ
   

徳太郎たち兄弟と東吾さんたち兄弟がリンクしている事に、まったく気付きませんでした。じんわりと心に沁みてくるお句ですね。
(麦わらぼうしさん)



榊原家の紋は三日月。やがて満ちる月ですね。右之助も、徳太郎も、健やかにのびのびと大人になってほしいと思いました。疑心暗鬼にとらわれた奥方も、ハンデを持つわが子ゆえの闇に迷っているのが、哀れです。
   
三日月の兄おとうとよ満ちてゆけ
   

「満ちてゆけ」が心を打ちました。榊原家のためより、人として健全に育っていってもらいたいと、親の目線から願って止みません。そして、長いシリ−ズのお話の細かい部分もふまえてニヤニヤしながら読めるって、最上級者の読み方だなぁと、感服しております♪
(すみれさん)



【おまけ】
その奥方ですが、「三河以来の旗本、松平右京大夫重元」の出自…。
あれ、この名前は確か…「能役者、清大夫」で被害を受けたお家。そしてその用人は…。
いろいろあらぬところへ妄想が飛びました♪
かわせみディープファンならご一読の価値あり、「源さんXファイル」を再読して爆笑しました♪
    ⇒こちらからどうぞ

平岩先生も遊んでますね〜ニヤニヤさせてくれます。
チョイ役だけど現実感をつけるのに必要な固有名詞って、新しく考えたり調べたりするのが面倒で、「まいっか、これにしとこう」なんて、案外勢いで書いてらっしゃるのかもしれませんね(^^♪

てなところで…今回は独占ポイント狙いでがんばってみました。
それにしても長いシリーズだけににやにやさせてもらえる小ネタが多くって 楽しかったです。


私はすっかり忘れていたのに、はなはなさんはよく覚えていましたね〜〜。Xファイル、久々に拝見してきました。ありがとうございました。
(こでまり)
はなはなさんが見つけて下さった「松平右京大夫」は、以前自分でUPしておきながら、ぜ〜んぜん気づいていませんでした!
(たまこさん)
へぇ〜なるほどと読みましたが、>右京大夫というのは、管領細川氏に代々受け継がれていたのだそうで という箇所を読んで、「えっ、右京大夫って、大河ドラマ「花の乱」で野村萬斎さんが演じた細川勝元の役職の右京大夫の事だったんだ〜」と初めて気づきました。「花の乱」では「うきょうだいぶ」と音で覚えていたので気づかなかったのです。そうです、私、かわせみでは「右京大夫」を「うきょうたゆう」と読んでいたのです…(^_^;) こちらにお邪魔しているとホント勉強になります。
(麦わらぼうしさん)
たまこさま 松平右京大夫)の件、さっそく「Xファイル」に加筆してくださったんですね〜♪由来まで調べていただいて有難うございます。幕府にもらう官職とは別に朝廷からもらう官名のひとつなんですね、大名家が世襲の「○○守」とかと同じものでしょうが、旗本でそういう官名があるのはよほどの名家ということの証明かも。平岩先生も奥方の気位の高さを示すのにこの家名を引っ張り出したのかもしれませんね。その官名も「花の乱」で萬斎さんが演じていた細川勝元ゆかりというのも面白いですね〜(>麦さま有難うごさいます)
(はなはなさん)
そうそう、「右京大夫」ですが、江戸時代になったら「うきょうだゆう」でいいのではないかな〜忠臣蔵のナレーションでもそう言っていませんか?はなはなさんもお書きのように、もちろんこの時代、松平右京大夫さんが京の仕事をしてたわけじゃないですもんね(でも「重元」という名前は、なんとなく勝元・政元・晴元つながりで管領細川家とのつながりを感じさせますよね)。こういう官名というのは、やっぱり「有難く頂いた」ものなのか、それとも、ある程度自分の希望を言ったりとか、それとも御礼をはずむと高い位が貰えたりなんてこともあったんでしょうか?そういえば勝海舟は「阿呆」の語呂合わせで「安房守」をわざと名乗ったなんて話も聞いたことがあり、そうなると、ほとんどハンドルネーム状態???時代小説ファンになって結構長いのですが、まだまだ知らない事が多いです。
(たまこさん)
なるほど〜!たまこさま、ありがとうございます。自分がよくは知らないけどちょっとだけ知っている事を書くと、こうしてみなさまが丁寧に説明してくださったり、訂正してくださったりして、本当にありがたいです。
詳しくは知らないですが、「ナントカのカミ」とかに任命されると、そのお礼に朝廷だか公家だかにタンマリとお礼を献上する、っていう場面はよく歴史小説にも登場しますよね。官名って、本で読んでると長ったらしかったり難しい漢字だったりして、読みにく〜い!とか思うけど、そうやっていろいろ考えながら読むと楽しそうですね。
(麦わらぼうしさん)
官名は、朝廷の実権がなくなるとともに権威付けのために乱発されたりもしたようですから、贈収賄のいい隠れ蓑になっていたかもしれませんね。勝海舟のエピソードは有名ですが、彼だからこその権威を茶化した行動かもしれませんよね。
(はなはなさん)



 こでまりの五七五 

今月は久々に一桁の参加者かしら〜と思っていたら、とんでもないことでした。いつもの投句にいろんな「オマケ」も重なって、いつも以上に読み応えのある今月の「はいくりんぐ」でございます。
(こでまりの談)

「藤の間のお客様……」
お膳を運んで来たお吉が千春を助けた。
「徳太郎様とおっしゃるお坊ちゃまですよ。お嬢さんに竹とんぼのとばし方を教えて下さって、とばせるようになったものですから、それを下さったんです」
「三日月紋の印籠」より
るいさんの新婚当時、お吉さんが「お嬢さん」と言いそうになるのをグッとこらえて「ご新造さん」と呼んでいましたが、ここでまた千春ちゃんのことを「お嬢さん」と呼んでいますね。千春ちゃんの面差しやしぐさに、かつてのるいさんが重なることもあるでしょうし、仕えるお吉さんも嬉しいだろうなあと思いました。
   
お嬢さんとふたたび呼ぶ日梅雨晴間
   

宗匠の独占ポイントですね。お吉さんの嬉しい呼び声がこちらにも聞こえそうです。
(すみれさん)
あ、そうなんだ、と目からウロコでした。お吉さんは千春を「お嬢さん」と呼ぶことが出来て冥利に尽きていることでしょうね。それに気がつく宗匠はやはり年の功?(きゃー、お許しを)
(はなはなさん)



「それが狩野何某の描いた龍虎の図だとか、名工の鍛えた名刀なんぞですと、出して来て自慢も出来ますが、たかが印籠となりますと、みせてもらうほうもあまり有難くない。まして榊原家のは、なんの変哲もない三日月紋が描かれているだけといいますからね」
「三日月紋の印籠」より
あの源さんにですよ、野暮の代名詞みたいな源さんに、ここまで言われる筋合いはねえ!という印籠の声が聞えた気がしました〜。
   
口惜しや牡蠣にけなさる三日月紋
   

えーい、見かけはどうあろうと三代様からの御拝領の大事な印籠に向かって何たる言い草じゃ!許せん!って怒っていたかも知れませんね♪
(すみれさん)
ワッハッハ、可笑しすぎます♪源さんがけなすから面白いんですよねぇ。
(はなはなさん)
うっプププ〜♪
思わず噴出しそうになりました〜(^。^)
(麦わらぼうしさん)



かつての自分を「もの知らず」と言ってはいますが、やはり徳太郎をもうけるにいたったのは、少なくともお妙さんにとっては恋だったと思うんですよね。その後の人生は七変化(=紫陽花)の日々だったかもしれませんが、るいさんとの会話は淡々として、いつまでも過去を引きずっているようでもなく、そういう心根が息子にも自然に伝わっているのだろうと思いました。
   
かりそめの恋も恋なり七変化
   

その時は本気の恋だったけど、結局はかりそめの恋だった、いろいろつらい経験もしたけど、そうして今のお妙さんがあると。なるほどです。
(麦わらぼうしさん)



車座になっていても、千春ちゃんと徳太郎が背を向けて、その正面に右之助ということは、二人は下座に座っているのですよね。兄弟でも身分の違いをきちんとわきまえて、なおかつできる限りの誠実さで弟に仕えようとしている徳太郎の姿が胸を打ちますね。
   
下座にて真心尽くし夏袴
   

独占ポイントですよね?座り方の描写から「下座」を読み取るってすごいです。私には、もしここをポイントに出来たとしても、「団子」しか思いつかなかったでしょう。
(たまこさん)



「若様、いけません、そちらへいらしては」
女中の声がして、危っかしい足取りの右之助が入って来た。徳太郎の姿をみると、廻らない舌でなにかいいながら嬉しそうにしがみついて来る。
「三日月紋の印籠」より
徳太郎が実の兄であることを、おそらく右之助は知らないと思います。でもたった半年暮らしただけでも、右之助にとって徳太郎は、かけがえのない存在なのでしょう。
   
喜びを総身にまとい夏座敷
   

私は徳太郎も好きですが、どうも右之助くんが気になって仕方がないのです。旗本の若様として、彼はこれからどう生きて行くのでしょうか。しっかりもののお母様(奥方)もわが子可愛さのあまりの振る舞いだったのだろうし、右之助くんをこれからどう育てていくのか、榊原家が維新の荒波をどう乗り切るか、とても気がもめるところです。右之助くんにとっては、幼い日のかけがえのない思い出として徳太郎との日々が存在していくのかもしれません。
(はなはなさん)
ここまでの話で、いわゆる正妻と脇腹の争い話かと思っていた読者は、親どうしの確執を越えて異母兄弟ふたりの心が通い合っていることを感じ、じーんとなるわけですよね。「総身にまとい」という表現がすごく きいていると思いました。
(たまこさん)



 ぐりさんの五七五 

今月のお話は大好きなお話です事件だけど殺人じゃないしうまく解決するし何にも増して徳太郎君が感じがいい子で好きだなー このお話ではお千絵さんが意外な描かれ方ですね 祝言を挙げた当時はもっとシャッ気とした人かな なんでもさっさとやりこなすような人に見えたのですが源三郎子守唄などでも活躍していますしね チョット意外 でもおるいさんには姉のように甘えるんですよね
(ぐりさんの談)

ぐりさまが書かれているお千絵さん評、>祝言を挙げた当時はもっとシャッ気とした人 そう、私もそう思ったんですけど、いつの間にか“天然キャラ”で定着してましたよね。その“天然お千絵さん”私も詠みたかったんですけど出来なかったです。
(麦わらぼうしさん)
私もああ書いたのですがすみれさんのコメントを読んでなるほどと納得しました、天然キャラのお千絵さんのほうが源さんはきっとくつろげたんだろうと思います 賢いお千絵さんだからだんだんそういう風になって言ったのかもしれないですね
(ぐりさん)



で、湯気抜きの小窓から格子越しにのぞいてみると、一人の少年が竹とんぼを器用にとばし、それを千春が追いかけている。
少年はこちらからだと後向きなので、顔は見えないが、絣の単衣に小倉の袴をつけている。
「三日月紋の印籠」より
初対面から気の会っているような二人 麻君に負けぬ人柄ですよね賢いししっかりしているし 優しいし手先も器用だし 明治になってやはりお医者さんになっているのでしょうか是非千春ちゃんに一押しだなーとおもっているのですがこの後登場してくるといいな〜
   
庭凉 幼き二人 ひと時を
   




榊原家の騒動も一件落着、徳太郎君も疑いが晴れて八王子へ帰れたし目出度し目出度し
   
夏嵐 あちらもこちらも 収まりて
   




「榊原様の御用は必ず手前が承って居りますので……」
という宇之助は以前、玉川の鵜飼の時なぞにも挨拶しているので、東吾も顔馴染であった。
  (略)
「どうぞご心配なく。手前も御新造様の御縁で、だいぶ度胸がすわりました」
「三日月紋の印籠」より
宇之助さんも幾たびも事件に巻き込まれて 事件慣れしてきましたね
   
宇之助の 振るった一言 度胸出る
   

宇之助さんは本編はもちろんですが、拙宅でお預かりしているたまこさん作の「初恋蔵前」にも登場しているので、本当に頼れる人〜〜って感じがしますね。
(こでまり)
宇之助さんも、色々な場面に遭遇して、結構ドキドキを楽しんでいるのではないでしょうか。頼もしい人物になってきましたね。
(すみれさん)
確かに宇之さんは目端の利く若者ですね。うねうねとクロスして、拍手しちゃった(笑) ぐり様も良いところへ目を付けましたね♪
(はなはなさん)
畝家関連では重要な人物のひとり宇之助さん!このお話でせっかく登場したので私も何か一つ考えればよかった〜〜
(たまこさん)
本当にこのひとことは最高ですね!今月のイカすセリフ大賞(?)ですね!
(麦わらぼうしさん)



妾腹としてないがしろにされていても、この子の血の中にあるものが、弟の危難を救いたいといっている。
「三日月紋の印籠」より
母は違ってもやはり兄弟 弟の苦境は救ってやりたい 兄としての〜
   
斑猫や 兄が弟 救いたい
   

班猫は玉虫の仲間の虫でしたっけ?ぐりさんはいつも季語をよく研究されていますよね〜。とくに「猫」という文字が入っているので ぐりさんにははずせないですよね。「ぴんこのつぶやき」私も大ファンです!
(たまこさん)



源さん東吾さんの気持ちが嬉しかったのですね
   
花うつぎ 嬉しきことの 忘れなく
   




 麦わらぼうしさんの五七五 

詠みたい所はたくさんあるのですけど…なんとか出来た2句送ります。じっくり読み返してみて、一番のトラブルの元は榊原主馬だなと思いました。世間をよく知らない十五の娘を妻にしてやると言って誘い、正妻を迎えるからとあっさりと捨て、跡取り息子の出来がよくないからと、ひょっこり思い出したように遊び相手にひっぱり出し都合悪くなったからと菓子折り一つで暇を出し…いつもその場しのぎで、責任感が感じられないです。こんな男にかかわりあって、お妙さんも正妻もかわいそうだなと思いました。御用人はいい人みたいだから、なにかある度にこの人やまわりが尻拭いしてきたんでしょうね。
 (UP後に)
今月も、竹とんぼや、兄と弟、等など気付かなかったポイントがいっぱいで、みなさますごいなぁと思い、やっぱり私はまだまだだなぁと思い知るのでした。
(麦わらぼうしさんの談)

悪役にされている正妻ですが、この人にはなんの罪もないと思います。なにも知らずに嫁に来て、夫には隠し子がいて(しかも夫の口から聞いた訳でなく自分で調べてわかった事)、実は我が子の遊び相手に来ていたあの子がそうだった、それも相当優秀な子らしい、もしかして殿は右之助を差し置いて徳太郎を跡継ぎにするつもりでは?、そしていつの間にか大事な印籠が無くなっている…そりゃ、お妙母子を疑いたくなりますよ、ちょっと度が過ぎるかもしれませんが、母親は我が子の為ならこれくらいやります。女の幸せ不幸せは男しだい、の悪い例ですな。
   
清水も井戸が悪けりゃ毒になる
   

奥方の気持も理解できますね。殿様が病に倒れた今、何とか自分がしっかりして、家も息子も守らなくてはと思っているでしょうから。でも一度は右之助くんのお側仕えにと思った徳太郎くんの、兄としての心根を、奥方が信じることができたら、これほど二人にとって心強い味方はいないわけで、そこが残念だなあと思います。
(こでまり)
榊原の殿様も、そんなに悪いとも思えないですが、奥方様への心遣いが足りなくて、疑心暗鬼にさせてしまったようですね。
(すみれさん)
わたしも奥方もそんなに特別悪人にも思えなくて、皆さんのお句にコメントに興味津々です。読めば読むほどそれぞれの親としての心情が気になりましたが、そこからは作れずに無念でした〜。でも参加出来て嬉しかったです♪
(のばらさん)
確かに奥方にしてみれば、嫁に来てみて「なんということだ」と思うところでしょうが、子供に罪はないのですものね。正妻としての思い上がり・気位の高さが裏目に出ましたね。宗匠のコメントにあるとおり、徳太郎を味方にすれば、右之助の未来が多少でも安心できたでしょうに。名家の出らしく、苦労なしに育ったからかもしれません。
(はなはなさん)



大小の犬張子が入っている。こわれた五月人形だの、なにやら雑多なものが放り込んであるのを徳太郎がかき分けた。右之助が一緒になって手を突っ込み、黒い、四角いものをひっぱり出した。
それは印籠であった。石などで叩いたのか、ぶっつけたのか、無惨な形になっている。
「三日月紋の印籠」より
大人たちにとって大事なお宝でも、右之助には使えなくなってしまえば、ただのがらくた。お宝をこんなにぞんざいに扱える事に、ちょっとすがすがしさも感じてしまいます。
   
お宝も使えなければただのクズ
   

今いち締まりのない殿様と、世間知らずでプライドばかり高い奥方の間で用人は尻拭いに忙しかっただろうという推察、共感します。ただ、用人さんも、「気さくで話の面白い」だけじゃなくて、もう少し気を利かせてほしかったですよね〜。私としてはツッコミ所は
 (1)甘納豆に気づかない注意力不足。東吾さんは一目見てすぐ気づいたのに。
 (2)家捜しするなら若君のおもちゃ箱も例外にしてはいけない。
 (3)花みずきさんもおっしゃってますが、まずはさっさと代用品の注文をする。大きさ図案からいっても
    そんなに高くはないだろうし、用人の権限で注文出来ると思う。
 (4)八王子に行く時、出来るだけデザインの似た印籠を持って行き徳太郎に聞く。半年同じ屋敷にいたの
    なら、こちらの出方しだいで、聡明な徳太郎は協力を惜しまないことがわかってたはず。
まぁすべて後出しの知恵には違いないでしょうが(^^ゞ
(たまこさん)
私のヘタな感想から、こんなふうに話題を広げて下さるなんて、さすがたまこさまですね。言われてみればもっともな事ばかりですね。
(麦わらぼうしさん)



 たまこさんの五七五 

この間ゴールデンウィークだと思ったら、もう6月も下旬ではないですかぁ! まっ、まさかトリ?!実は甘納豆、私も大好物なんです。夫の郷里の綾部では、もちろん大粒の丹波黒豆の甘納豆がありますし、栗を甘納豆仕立てにしたのも(お値段も張るけど)超美味でございます!う〜むでも甘納豆の句は詠めなかった…
 (UP後に)
作品も盛りだくさんなオマケも、素晴らしい!「竹とんぼ」はやっぱり競作ポイントでしたね。う〜もっと推敲すればよかったなぁ(そのためには、もっと早くとりかからなければ)。句ももちろんのこと、皆さんの作品じたいの読み込みも、どんどん深くなっていっているという気がします。感想メール送るのって何ヶ月ぶりかな〜。いつも、丁寧な感想を皆さんにいただくのに、申し訳なくて… 久しぶりに送ってみます。カバーしきれてないんですが。
(たまこさんの談)

「私どもにお泊りになる方は、御用人のお身内の方ですか」
大川端町の「かわせみ」と八丁堀はそう遠くはない。出来ることなら、客が到着する前に大ざっぱでも客の身分や事情を聞いておきたいと考えて、るいは少々、あせった。
「かわせみ」へ来た時の慌しさを忘れたように、お千絵はいつものお千絵に戻っている。
「三日月紋の印籠」より
「急な客に宿を!」で頭がいっぱいになっちゃったお千絵さんに「そんなにあわてなくても、うちは御宿の用意が商売なんですから〜」と笑うおるいさんにお吉さん、そして部屋がとれたらすっかりホッとしてしまったお千絵さんに「それで客ってどういう人なのよ〜」と今度はおるいさんのほうがあわてる、漫才みたいなやりとりが何とも楽しい幕開けで大好きです。
   
青簾うちは商売何なりと
   

わはは〜、ここの面白さはこれなのね、とこれも目からウロコ。かわせみは人気があるから、お部屋が空いてないかも、とお千絵さんが心配したんだ、と私は思っていましたが…♪
(はなはなさん)
この場面、るいさんと天然お千絵さんとのリズムが合わないのがなんともおかしくて大好き!私も詠みたかったけどダメでした。
(麦わらぼうしさん)



「源さんもよくいうよ、三代様の拝領品を、なんの変哲もないとはね」
「ですが、三日月が描いてあるだけなんですよ」
たしかに面白くもない図柄であった。
「三日月紋の印籠」より
東吾さんにつっこまれてもなお、「何の変哲もない印籠」と言い切る源さんに拍手〜〜
権威に動じずリアルにものを見る捜査のプロの心意気ですね♪
   
三日月や家宝は納戸の場所ふさぎ
   

ここの会話では「これでもか」というくらい、「変哲もない」を強調していますね。あまりくり返すから可笑しくなりましたが、それをこう詠むとは、姐さんもさすがです。
(こでまり)
宗匠の「口惜しや〜」よりも辛味のきいた川柳に、もはや印籠も返す言葉が無いことでしょう♪替え玉の印籠を作ったから、壊れた本物は若様の手許に置いてあると思っていたのですが、きれいに拭って納戸にしまわれたのかもしれませんね。
(すみれさん)



徳太郎くんが作ってくれた竹とんぼ、千春ちゃんはきっと大切にとってあると思います。これからの思い出になる竹とんぼと、東吾さんと源さんの昔の思い出を呼び起こす竹とんぼが、読者のイメージの中でだぶってくるんですね。
   
思い出を重ねて飛ばす竹とんぼ
   




榊原家は西本願寺の北側、備前橋の近くであった。
敷地は広く、立派な門構えである。
「三日月紋の印籠」より
【大発見!のその後】
ところで、今月のお題が発表になってすぐ、ご本家の掲示板で「江戸東京散歩」切絵図での「発見」が話題になったのですが、皆様も気がつかれたでしょうか?

お話では榊原家は築地本願寺の近く、備前橋のそばとあります。備前橋は、「三つ橋渡った」に出てきた、あの一巡りする三つの橋の一つで、ご本家の「御宿かわせみの舞台」写真集の中にも載っていますね。
で、そのあたりの切絵図(文久元年、尾張屋清七板)を見ていたら、ちょうど現在の聖路加病院のあたりに、「榊原徳太郎」と書いてある区画が > あるじゃありませんか!!この絵図では、大名家の場合、上屋敷には紋所、中屋敷は■、下屋敷は●の印がついているのですが、「榊原徳太郎」には何も印がなく名前だけなので、大名ではなく旗本屋敷のように思えます。
平岩先生は、この絵図をご覧になって物語の構想をたて、ついでに名前も拝借しちゃったのかしら、それとも、ひょっとしてこの榊原徳太郎さんのご子孫とお知り合いだったのだろうか、などと考えてしまいました。
「榊原徳太郎」で検索もしてみたのですが、幕末の人物にはヒットしませんでした。ただ、第2次大戦中、北海道根室市で、海軍飛行場建設工事のため強制連行された朝鮮の労働者たちの間に発疹チフスが流行し、献身的にこの治療にあたって自らも感染して亡くなった3人の若い日本人医師がいて、その中の一人が榊原徳太郎という名前だったことがわかりました。
この切絵図とは無関係だと思うのですが、なんだか、キャラクター的に「三日月紋」の徳太郎くんとかぶってしまい、ちょっとびっくりしました。

この事は戦争下の徹底した報道管制で、地元ですらその事実を知る人は非常に少なかったということですが、最近になってようやく広く知られるようになり、3人の医師たちの人道精神を讃える劇が作られて、地元の中学生が上演したそうです。

この書き込みをたまこさんがなさってから、じっくりと切絵図を眺めましたよ〜〜。それで見つけた時には、おおお〜〜っと思いました。それにしても、その後のエピソードは心に迫るものがありますね。本当に徳太郎さんのようで、ドラマにもなりそうな内容ですね。素敵な大発見を、ありがとうございました!
(こでまり)
たまこさまの大発見もあの時は分からなくて なるほどと思いました、皆さん本当に読みが深い
(ぐりさん)
たまこさんの大発見もすごいですね(>▽<)
(のばらさん)
大発見もやっとわか りました。にぶいですよね(*^_^*) 第二次世界大戦中の榊原徳太郎さんのお話、ここにお書きになってる内容を読んだだけで感動しました。果たして平岩先生がご存知だったのか…。知りたいですね。
(コシキブさん)
古地図の件は感動ものでしたね!榊原徳太郎家の存在と昭和のエピソードが徳太郎さんの存在感をより高めてくれました。
(すみれさん)
「大発見」は本当に驚きでしたね〜。平岩先生も地図を見て思いついたお話かもしれませんね。大戦時の若いお医者さんの話も心を打ちますね。徳太郎の未来(妄想)に重なって、素晴らしいと思いました。
(なはなさん)



【おたま姐さんの現場検証:八王子千人同心】
「かわせみ」の藤の間に泊っているお妙という女は、八王子千人同心の家の娘だという。
その昔武田家の家臣を中心に幕府が八王子に土地を与え、甲州口の守りにした。
「三日月紋の印籠」より
お妙さんの実家、八王子の「千人同心」とは、本文にもあるように、もともと甲斐の武田家(ちょうど今年の大河ドラマの舞台ですね)に仕えていた家臣たちが、武田家滅亡後に徳川家に召し抱えられた集団です。八王子は甲州街道の宿場で、甲斐方面からの侵攻には重要な守り口となる所です。
その後甲斐が天領となり太平が続いて国境警備の必要が少なくなると、交代で日光東照宮を警備する日光勤番が主な仕事となりました。千人同心は軍事組織であり、将軍家直参の武士として禄をはむと同時に平時は農耕に従事し年貢も納める、半士半農の立場であったといわれています。
農業のかたわら剣術の腕を磨いていた八王子千人同心たちの間で広まったのが、天然理心流、あの新選組の実践的剣法だったんですね。


千人同心は十組・各百人で編成され、全体を統率する八王子千人頭は旗本身分で槍奉行の支配下にありました。彼らの屋敷は、八王子の甲州街道と陣馬街道の分岐点(追分)のあたりに並んでおり、今でもここは「千人町」の名がついています。
陣馬街道はここから分かれて、ハイキングコースとしてもおなじみの陣場高原・陣場山を通り、相模湖の近くで再び甲州街道に合流します。いわば甲州街道の裏街道といった役割の道です。陣場という名は武田軍が陣場(戦の拠点)とした場所という事から来ているようです。


千人同心の氏神であった高宰神社。
千人同心の碑のある追分地点から甲州街道を1キロほど西に進んで左に入った所にある「万葉植物公園」の中にあります。もともとは南北朝時代の終わり頃に、おそらく南朝方の公家と思われる高貴な身分の人が隠れ住んだ社と伝えられているそうです。

今月も現場検証をありがとうございました。八王子まで足を延ばしてくださったんですね。幕臣として、また武田の末裔としての誇りが、姿を変えても受け継がれていたのでしょうか。今の大河も大体見ているので、とても興味深いです。
(こでまり)
千人同心の現場検証も、「たまこ先生の歴史学講座」と呼びたくなる充実度でした。いつもありがとうございます。
(すみれさん)
たまこさまの現場検証も八王子まで本当にお疲れ様でした、楽しみでもあられるんでしょうけど毎回楽しまさせていただいています、千人同心のお話は他にもいくつか出てきますね
(ぐりさん)
ぜひ一度は行ってみたいと思っていた八王子千人同心関連ですが(沖田総司の義兄は八王子千人同心の出とか、確か井上源三郎もでした)今も町名に残っているのが嬉しいです。高宰神社も良い感じですね〜。南朝といえば悲劇のお公家さん・皇子が多くて 惹かれるところですが…戦国期から江戸、そして現在と繋がるところが歴史の面白さですよね♪今月も有難うございました。
(はなはなさん)



 紫陽花さんの五七五 

このお話で榊原家の奥方が子供つれて「かわせみ」に来たのがちょっと不思議。この奥方ならお屋敷に母子を呼びつけそうな感じがするのにと思いました。ましてや右之助くんを連れて来るなんて。お屋敷の奥深くに隠しておきそうな感じなのに。
(紫陽花さんの談)

(紫陽花さんの談)を読んで、なるほどと思いました。で、自分なりに考えたのですが、屋敷に呼ぶと、来るまでの間になにか言い訳とか小細工をするかもと考えたのでは?
こちらから行った方が不意を突かれて本当の事を話すかもと。右之助くんを連れていったのはこの子がまちがいなく跡取りです、とアピールするため。な〜んて、以上、私の憶測です。
(麦わらぼうしさん)



「砂糖ではないか」
とささやく。
「砂糖を、右之助様はあれにお入れになったのですか」
「うん……」
「三日月紋の印籠」より
砂糖のおかげで三日月も太ったかも…と思ったんですが、まさかね(笑) 三日月って秋の季語だよね。まぁいいか。よくない?
   
印籠の三日月ちょっと丸くなり
   

もちろん「まぁいい」と、思ってますです。うひ。
(こでまり)
砂糖を舐めて太っちゃいました!すごく愉快で柔らかな発想ですね。素敵!
(すみれさん)
どうしてこういう発想が出来るのか!!確かに印籠も古くなれば物の怪に♪彼らの大先輩かも知れませんね。
(はなはなさん)
砂糖をなめたために印籠が丸くなる!こういう柔軟な発想が、毎回あっと 驚かせるオマケを考える源泉なんだなぁ…
(たまこさん)



庭で竹とんぼをとばしていた徳太郎が千春と戻ってきた。
で、思いついて五目並べをしたことがあるかと訊いた。
「では、教えてやろうか」
「お願いします」
「三日月紋の印籠」より

石を見ると、湯のみが「黒」で茶たくが「白」なんですね。湯飲みは突っ走るタイプで、茶たくは熟慮型?なんて思ってしまいました。茶たくの正座の足がかわゆいです。
(こでまり)
五目並べの様子が可愛いです♪この勝負はどちらが勝ったのかな?白の作戦勝か?
(すみれさん)
大爆ですぅ〜。さすが絵師さま〜♪おまけもキュートでラブリー♪ こでまり宗匠のコメントにも爆笑です。
(はなはなさん)
今回の碁盤も可愛いです!!
ちょっと思ったんだけど、今ちょうど4つずつ石を置いているところですよね。ってことは、今度の順番は先手だから黒のほうからでは?
(たまこさん)
たまこさん、そうです。やっぱり気がつきましたか…わたしもアップされて客観的に見たとき「あれ?何か変…やばっ」と思ったんですが、訂正する文章を考える能力が無かったのでそのまま黙っていました。すみません。
(紫陽花さん)
なあるほど、いろんな勉強が出来るストファですね! 囲碁の盤面、気付きませんでした。確かに言われてみればその通りですね。で、作者の紫陽花さんもちゃんと気付いていらしたんですね。でも黙っていたと…。「おヌシも悪よのぉ」って、こういう時に言うんでしたっけ?言わないですか。すみません。
(浅黄裏さん)



 のばらさんの五七五 

今月のお話し、よく読んでいると右之助、徳太郎の父にそれぞれの母親、そしてお妙とその父親、それぞれの親の思いが息苦しくも思えてきました。みんな我が子がかわいい、でも一生懸命心配し、先々のことを考えるあまりに欲が出たり、懐疑的になったり…。そして子どもたちの様子はそんな親たちと対照的に感じました。子ゆえの闇というけれど、それも人のさがというものなのだろうなあ…などなどいろいろぼんやり考えました。
(何とか一句出来ました(>▽<)うれしい〜。ギリギリになって申し訳ないのですが参加させてください!)
(のばらさんの談)

「源さんは、昔のことをよくおぼえているんだな」
「人間、嬉しかったことは忘れないものですよ」
「三日月紋の印籠」より
ここのセリフ、いいなあと思い、全文読んだあとにもずっと頭に残っていて千春ちゃんと徳太郎の竹とんぼのシーンにもかさなり、徳太郎と右之助の関係にもかさなりました。人は燕のようにシンプルな子育てもできず、迷うし損得も考えるし、でも子どもの頃のこんな風景はずっとずっと心の中に残りますように…。千春ちゃんと右之助は徳太郎のことを、徳太郎は右之助のことも千春ちゃんのことも覚えているのだろうと思います。
   
竹とんぼ追う空の先つばくらめ
   

ここは今月一番の競作ポイントでした!
私は何故か詠んでいないんですが、心に残る良い場面ですね。
(こでまり)
青い夏空をイメージできるお句ですね。子供達の明るい未来を願う気持ちも表れていると感じました。
(すみれさん)
竹とんぼのその先にツバメ…視線がどんどん高くなって広がっていく、ステキな御作ですね〜。徳太郎の未来を感じさせて明るいですね。夏の日差しさえ感じます。
(はなはなさん)
「つばくらめ」で、すみれさんが前に掲示板に送ってくださったツバメのひなの写真を思い出しました♪
(たまこさん)
竹とんぼも、このセリフも私は全然目が行きませんでした… あらためて読むと本当にいい場面ですね。明るい素敵なお句ですね。
(麦わらぼうしさん)



 浅黄裏さんの五七五 

このお話の本題ではないのですが、なぜ徳太郎は知らない印籠のありかと聞かれて「知らない」と答えられたのかが気になっていました。「それはどのようなものですか」と普通は問い返すのではないかと思ったのです。そこで思いついたのは、徳太郎は聞かれたのではなく、「知らないのであろう?」と念を押されただけだったのではないかということです。徳太郎が知る筈もないと思い込み、また知っていて欲しくないと思っている大人達は、そういう「聞き方」としたのではないかと。
思えば榊原家の奥方も悪い人ではないですよね。悪い人ならかわせみに右之助連れでやってきたりせず、いきなり「手の者」を遣わしてお妙親子をどうにかしようとしたでしょうから。
(浅黄裏さんの談)

↑「どうして徳太郎は東吾さんのを見るまで、印籠を見せてもらってなかったんだろう」というのは、私も疑問に思いました。とにかく、失われた物に一番近い色形のものを見せて「こういうのをどこかで見たか受け取ったかした事がないか」と聞けばいいのに。しかし、考えてみると、奥方側は、「向こうは持っていて隠している」とばかり疑いをかけており、逆に実母側は「全く知らないのに疑いをかけられてひどい」とガードを固くしてしまって、徳太郎の頭越しに水掛け論になってしまっていたんじゃないでしょうか。「とにかくその印籠って物が見つかる事が一番の解決」と基本を認識していたのは徳太郎くんだけだったという事ですね。
はたから見ればそれがわかるんですが、当事者には見えない…私も後で振り返ってみて、ああいうふうに持っていけばコミュニケーションがもっとうまく行ったのにというような事が、親子関係でも何でも多々あります(汗)
(たまこさん)



徳太郎と右之助を見て、東吾さんは幼い頃の自分達兄弟を思い出したのでしょうか。なにかにつけて行き届かぬ自分をかばい、面倒をよくみてくれた兄の存在と今ある自分。徳太郎「兄」を助けてやりたくなったのは自分が東吾「弟」だからでは、と思いました。
   
走馬灯賢兄愚弟という言葉
   

徳太郎の姿に、自分たちの幼い頃が重なりあうこともあったでしょうね。「賢兄愚弟」という言葉を、私は浅見シリーズで知りました。あそこも仲のよい兄弟です。
(↑の大人の「聞き方」、なるほどなあと思いました)
(こでまり)
神林家の賢兄愚弟とは程度が違う気もするけれど、東吾さんの心の琴線にふれるほど、徳太郎さんの気持ちが純粋だったのでしょうね。
(すみれさん)
私も同じような思いを持ったのですが、こういう風には読めませんでした、脱帽です♪
(はなはなさん)



「飯は食ったか」
「はい、二膳頂きました」
「あんたは度胸がいいよ」
母親にいった。
「心配しないで待ちなさい。徳太郎どのは千五百石以上の肝っ玉を持っているよ」
「三日月紋の印籠」より
徳太郎はもう二度と榊原家に呼ばれることなく、無事に人生を送ったでしょうか。旗本の当主としてもやっていける器量だからこそ八王子で人々に慕われる人物になって欲しいと思います。どんなに大騒ぎしても結局は新しく拵えれば事足りる印籠のようにはなって欲しくないのです。
   
薫風や器はみ出す肝っ玉
   

コメントにハッとしました。「新しく拵えれば事足りる印籠」 徳太郎はそんなにはならない器量を確かに持っていると思います。偽物を作って事足りる印籠であっても、弟にはそれがなくては跡目がつげない、それも無意識に理解できていたのではないでしょうか。
「印籠を知っているか」の考察も、浅黄裏様らしく行き届いたものだと思いました。大人たちの思惑に踊らされていた子供達も不憫ですが、流されなかった徳太郎の思慮深さが救いです。
(はなはなさん)
徳太郎、お題になるまではちょっと賢い子、ぐらいの認識だったのですが、読み返したりみなさまのお句、コメントを拝見しているうちに、もしかしたらとてつもなく器の大きい、大物なのかも、と思いました。
(麦わらぼうしさん)



 花みずきさんの五七五 

このお話しを読んでいて思ったんですが、季節は夏なのにあまり暑さを感じなかったのは、徳太郎くんのおかげでしょうか?
 (UP後に)
競作ポイントの「竹とんぼ」は全然思いつかず、なるぼど〜と一人納得していました。他のオマケも、オマケと呼ぶのは勿体無いほど中身の濃い内容で 楽しませていただきました、ありがとうございました。
(花みずきさんの談)

「よろしい。明日、わたしが一緒に榊原家へ行ってみよう」
「母は行かないほうがよいと思います」
「そうだな。二人だけで行こう」
「ありがとうございます。そういって下さるように思えたのです」
「三日月紋の印籠」より
「敵地に乗り込む」っていうのは違うかも知れませんが イケズな奥方のいるお屋敷に行くということであえてこうしてみました。
   
母守り敵地乗り込む夏の草
   

徳太郎さんの勇気ある行動は、弟だけでなく、母上と自分も守ったことになったのですね。夏の草の表現に徳太郎さんの生きる力強さが感じられました。
(すみれさん)
奥方がかわせみにやってきたとき(それにしてもなぜわざわざ来たのか〜謎です) どんな剣幕だったのでしょうね。徳太郎も幼いながらに心を痛めていたのかも。「夏の草」と「敵」という言葉が芭蕉の「夏草や兵どもが夢の跡」を思い出させました。
(はなはなさん)
もしかしたら危険な目に遭うかもかもしれない所に自らなんて、なんて勇気のある徳太郎!夏の草、徳太郎くんにぴったりですね。
(麦わらぼうしさん)



あれだけ大騒ぎしてこれ?と言いたくなりました。それなら、最初からニセモノ作ったらいいのにね〜。
   
お粗末な顛末笑う夏夕べ
   

いずれ右之助くんが無事に家督を継いで落ち着けば、榊原家の人たちにとっても、笑い話になるかもしれませんね。そうであってほしいと思います。
(こでまり)
そうそう、さっさと偽物を作っておけばよかったのに〜。奥方の意地もあってそうは出来なかったんでしょうね。御用人の大森様なんて絶対「もう〜偽物作ってさっさと済まそうぜ〜」なんて思ってたかもしれませんね。でも実直そうだったから、間に挟まって苦労していたんでしょうね。
(御用人がどうしても気になるはなはな)