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 美男の医者
新装版「白萩屋敷の月」より  (平岩弓枝著:文芸春秋刊)
先月の「恋ふたたび」にご参加くださいました皆様、本当にありがとうございました。
皆様からたくさん「座布団」を頂いたので、茶托が大喜びをしていたそうです。律儀な(?)湯飲みは茶托の乗っている座布団を押さえにまわっているそうで、まるで東吾さんと源さんみたいですね。

さて、今月は「美男の医者」を選びました。
「今月も初登場のお話だ」、と思われたかもしれませんが、これも印象深いお話でした。宗太郎さんていつ読んでも本当にいいキャラですが、彼をレギュラーメンバーにすること、平岩先生はいつ頃から決められていたのでしょうね。
そして今月は宗太郎ファンの皆様が、どう腕によりをかけて詠んでくださるかもとっても楽しみ!

さあ、今月はどんな五七五になりましたでしょう。
(平成十九年三月)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ご無沙汰しております。先月ははいくりんぐに参加させて頂き 、
どうもありがとうございました。
えー、そして今月も是非にと思っていたんですが…
実は鬼のカクランで、ここしばらくインフルエンザでぶっ倒れておりまして、
頭がいつにも増して回っておりません。
「平成の御代までちょっと往診を頼めませんか宗太郎先生」状態で、
全然言葉がまとまらな〜い!…なので今月は欠席届を出させて頂きます。
できれば来月にはまた参加させて頂きたく、どうぞよろしくお願いいたします。
(じゃからんださん)
インフルエンザだったとのこと、大変でしたね。
もう全快に向かっておられるのでしょうか、
どうぞくれぐれもお大事になさってください。
「往診」を頼むお歌の心情まさにお察しします♪
(たまこさん)
皆様の御作楽しんできました。
やっぱり欠席するとさみしい(;_:)
大好きな宗太郎先生初登場のお話しだったのに…
(あるみさん)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 麦わらぼうしさんの五七五 

宗太郎さん初登場のお話〜!とはりきったのですが、出来は相変わらずです。でも今月はこのお話に参加出来ただけでうれしい気がします。(いえ、いつもそんな感じなんですが…(^_^;))みなさまのお句もとっても楽しみ♪
 (UP後に)
今月は特に宗太郎さん初登場という事で楽しみで楽しみで(^^♪ 期待通り、素晴らしいお句がいっぱい!みなさまと競作できたところ、詠みたくても出来なかったところ、気づかなかったところ、何度も何度もじっくり味わっています。
(麦わらぼうしさんの談)

「御病人ですか」
雨に濡れた袴の裾を手拭で叩きながら、上りかまちへ立った。総髪で左手にちょっと大きな四角い包を下げている。
「美男の医者」より
宗太郎さん初登場のこのシーンはぜひ詠みたかった!まるでおもんさんの具合を治すために現れたかのようなタイミング!きっと薬師如来が宗太郎さんをつかわしたのよ〜♪(←宗太郎さんステキ!というフィルターがかかっています…)
   
寒戻る宿にあらわる薬師様
   




宗太郎さんは江戸に屋敷があるのに、なぜわざわざかわせみに宿をとったのでしょう?やはり過去に勘当されるほどのなにかがあった事の影響なのでしょうか。晴れて勘当を許されて長崎から戻ったものの、いざ江戸に着くと、まっすぐ屋敷に向かうにはためらいがあったのでは。かわせみに泊まっている間も出かける事なく釣りばかり。でもそれほど釣りが好きという印象も受けないのですが。釣りをしながら気持ちを整理していたのでしょうか。その時浮かんでくる顔は、父上?継母上?それとも…?
   
釣り糸を垂れて想うは誰の顔
   

おぉぉ〜!
ココ、私の一句とまったく視点が同じです。そして私よりもずっと丁寧な分析です♪
(こでまり)
今回の「美男の医者」、皆さんの読みが深い!自分では全然気づかなかった!と思ったところがいっぱいありました。まずはそもそも「なぜ宗太郎さんが、かわせみに宿を取ったのか」そう言われてみればそうですよねぇ。私はなんとなく、長崎の旅からはすでに屋敷に帰っていて、その後また、どこかへ出かけたついでに、かわせみに来たようなイメージだったんですけど(長崎帰りの旅姿っていうのは、あの時代かなり大事だったのではないかと)「終日釣りをしながら何を考えていたのか」ほんとにそうだよなぁ。やっぱり、ふだんの生活の中で五七五を詠むにも、そういう視点で自分の周囲を見ていれば、いろんなアイデアが湧くんでしょうね。
(たまこさん)
わたしも釣りしながら何考えているんだろうと思いました。旅が終わる、自由だった時間が終わる、帰りたくないわけじゃあないけどもう少し時間がほしいってところかなと思ったんですが、「ためらい」ですか。なるほどと思いました。
(紫陽花さん)
麦さん作「宗太郎の旅立ち」を思い浮かべましたよ。雪乃さんの面影を川面に見ていたのかも知れませんね♪
(すみれさん)
「釣り糸を」ここは気がつきませんでした。さすが宗さまファン♪宗太郎さんは実家へは戻りにくかったのでしょうね。きっと帰りあぐねて迷った末にかわせみに辿り着いたのではないでしょうか。当時は七重さんの存在もないし…あるいは長崎で言い交わした女でもいたでしょうか。
(はなはなさん)
たまこさまの“長崎の旅からは〜”のコメントにもなるほどです。確かに読んでいると、ちょっとぶらりと立ち寄ったという雰囲気もありますよね。千姫さまの“春を求めて〜”を拝見しているとそうかなとも思えるし。いずれにしろ泊まる必要がないのにかわせみに泊まったというのは事実なわけで、真実はいかに?
(麦わらぼうしさん)



東吾さんは宗太郎さんを、るいさんたちの話と見た目の好印象で今回の企ての仲間にいれたんですよね。「おいおい、いくら人が良さそうとはいえ、口も聞かないうちからそんなに信用して大丈夫か?」と初めて読んだ時は思ったんですけど、東吾さんならこういうセリフが返ってくるかなと思いました。
   
人柄は顔に出るのさ そう、俺も(by東吾)
   




左太郎もおもんも、まさか十両そっくりもらえるとは思っていなかったでしょうから、まるで夢を見ているような気持ちだったでしょうね。誠実に働いてきた兄妹へ仏様がお年玉をくださったようだと思いました。(寺に不正な金を隠しておくなんてバチあたりな!と仏様も怒ったかも) すずめ=働き者というイメージから。
   
すずめらに季節外れのお年玉
   

この二人、すずめの他には「鴨」に例えて詠まれた方もいましたよ。今回の十両は東吾さんたちの「正当ではない」取り返し方で戻ってきたので、正当なお裁きのあと、もう一回戻ってこないかな〜なんて思う、欲深いこでまりでした。
宗匠の東吾さんたちの策略で取り戻した分と、源さんたちが取り戻した分とで、染屋へ返される金がダブるのでは?というのも確かにそうで鋭い!と膝を。でも馬鹿正直な兄妹は「私らのぶんは、もう返していただきましたが…」とか答えて「へ?いったいどこから返してもらったんだ?」ということになり、源さんが冷や汗をかいているのではと心配です。まぁ通之進様がうまくおさめるでしょうけどね。
(たまこさん)



「かたじけのう存じます」
形のいい挨拶をして、朝の陽の中へ出て行った。
「いいお医者様でしたね。お若いのに、たいしたお人柄で……」
「美男の医者」より
本当は宗太郎さんの正体に気づいてはっとしている東吾さんたちを、向島の桜にからめて詠みたかったのですけど出来なくて…どうにかこの場面は出来ました。とにかく宗太郎さんを桜がらみで詠みたかったんです。
   
桜咲く道を名医は帰り行く
   




 はなはなさんの五七五 

今回は宗太郎先生登場の名作ですね〜。このお話は宗太郎さんのおっとりとしているくせに切れのいいところ、人の良さがそのままお話の印象とも重なって、気持ちのいいお話ですよね。分散にからむ色と欲(テレ朝版では吉兵衛とお春の関係をクローズアップしていたような)をあくどくならない淡々とした調子で描いていますね。それだけに感情を重ねていくのがなかなかむずかしくて…。今月も苦しみました。競作ポイントはいっぱい見つけましたが、果たして乱入できたのか(笑)それとも独占ポイントは発見できたのか?それより今回もステキな季語を見つけられたので、それだけでも十分楽しかったです。
(はなはなさんの談)

なにかきっかけがつかめたら、そこから新しい智恵が浮ぶかも知れないといい、東吾は永代橋のところで源三郎とも別れて、まっすぐにるいの許へ帰って行った。
翌朝、東吾が少々、寝坊をしたあげく、るいに勧められて朝風呂に入っていると、窓の外で男と女の話し声がした。
「美男の医者」より
「少々寝坊をしたあげく」…まあはしたない♪ でもこのらぶらぶぶりがかわせみなのですよね〜。はっきり書いてないけどきっと昨夜は濃い一夜を過ごしたのですね(きゃ) どうやら一両日寒かったようですから(笑)おるいさんのからだもいつもよりほんのりつめたく、でも情熱的に燃え上がったことでしょう(おほほ)
   
春浅く血の色うすく燃え上がり
   

「寝坊」と書いてあれば「寝坊」としか思わず「味噌汁さめちゃった」とかの発想しかない私…はなはなさんの御作に「そういう視点があったか」と今月もまたホゾを噛むのでした。。。
(たまこさん)
姐さん、「味噌汁さめちゃった」は大爆です!
こでまり@似たりよったり
血の色がうすく燃え上がるのね。はなはなさんらしいお句だと思います。私には絶対詠めないな。
(紫陽花さん)



宗太郎さんは苦労人のくせにおっとりして育ちのよさを感じます。まっすぐに育つということはとても大事なことですね。宗太郎さんを冷たい水の中からまっすぐに伸びる「蘆の芽」に例えてみました。葉を巻いた状態で芽を出すさまを「角(つの)」というのはステキです。とても綺麗な季語で、宗太郎さんにぴったりだと思ってうれしくなりました。
   
曇天をやはらかに刺し蘆の角

「蘆の芽」でなく「蘆の角」は確かに綺麗で面白い季語ですね。やはらかに刺しもいいなあ〜。
(こでまり)
葉が巻いた形で伸びる「蘆の角」も、そういう季語があったと初めて知ったものの一つですが、おおらかな実力派って感じで、宗太郎さんにぴったりですね!
(たまこさん)
「蘆の角」初めてのことばです。「蘆の芽」もはじめての言葉でした。辞書引きました。糸遊もです。
(紫陽花さん)



紫の丸薬を瘍の薬と偽って処方、帰るふたりの肩には向島堤の三分咲きの桜の枝が触れたかもしれません。ちょっと後ろめたさも感じながら歩いていたのかも。東吾さんと宗太郎さんは似たもの同士、初対面から惹かれていたんですね。(最後は「さくらさぶ」と読んでも「さんぶ」と読んでもオッケーです)
   
人助け嘘も方便桜三分
   

俳句では「花=桜」ですから、「花三分」としてもいいかもしれませんが、「桜」の文字があると華やかでいいですね。
(こでまり)



…それを返さないですまそうと考えたのが、番頭の吉兵衛で、僅か二年ほどの間に借りられるだけの金を借り、集められるだけの反物を集めて、それらをそっくり、吉兵衛の知り合いの谷中の寺にかくし、自分は一足先に店から暇をとり、暮になっておとみが一文なしで分散という方法で店を閉めた。
「美男の医者」より
「糸遊(いとゆう)」は「陽炎(かげろう)」のことだそうで、今回初めて知りました。 このことばも優雅で、春先の細い陽炎をよく表している気がします。悪事に手を染めた四条屋母娘と吉兵衛。もしかしたら人にはふと悪事に揺らめく心が芽生えるのかも。春先の妖しさにそのふとした揺らぎを例えてみたのですが…。
   
糸遊のかげりに人はゆらめけり
   

糸遊=陽炎、素敵な表現ですね。自分の思いにぴたりとくる言葉に遇えるとうれしくなる気持ちは、よくわかります。そのためには読書などの勉強と感性のアンテナを常に磨いていないといけませんものね。精進されている証をこちらで披露していただいて、嬉しく有難いです。
(すみれさん)
糸遊という言葉は初めて知りました。すみれさまもお書きのように素敵な表現ですね。この時の吉兵衛たちにぴったりですね。
(麦わらぼうしさん)



ここは競作ポイントだろうな〜(汗) 私も「すたこら」とかわせみに向かう東吾さんの気持ちはよくわかる♪ 大好きなシーンです。
   
すたこらと妻問ふ背には月おぼろ
   




「るいの奴が、又、長兵衛をやらかしたんだってな」
相変らず屈託のない笑顔である。彼を迎えに行ったらしい畝源三郎の小者が、あとからついて来た。
「美男の医者」より
おまけ♪ 小者に東吾さんを呼びにやるなんて職権乱用かも。でもやっぱり源さんも東吾さんを当てにしているんですね。
   
呼び出しもお役目のうち巻羽織
   




 コシキブさんの五七五 

「美男の医者」ですね!宗太郎さんと言えば、かわせみに来て料理をたいらげ颯爽と帰っていくシーンが印象的です。それでいて名医として事件に的確なアドバイスをする貴重な存在です。後日、東吾さんが麻太郎のことを宗太郎にだけ打ち明けたことも、特別な友情と信頼の証なのでしょう。
(コシキブさんの談)

風邪気味のるいさんの描写から、少しイメージを膨らませてみました。
   
花寒や何かを待ちて外を見る
   

ほぼ同じ目線で自分も詠んでいますが、なるほど…イメージを膨らませるとこんなに素敵になりますね!
(すみれさん)
おるいさんの気持ちが現われていてステキです。風邪をひいていると少しの寒さも沁みるものです。
(はなはなさん)



宗太郎さんの初登場シーンは雨だったんですね。今回は傑作選を読んだので眉目秀麗な優男ぶりをさし絵でイメージできました。
   
春の雨袴濡らして名医来る
   




初対面の挨拶もそこそこに、男同士がおよそ半刻(一時間)、熱心に話し込んでいたかと思うと、
「ちょいと出かけてくる。夜には又、来るからな」
寒井千種と長助を伴って、東吾は颯爽と出かけて行った。
「美男の医者」より
テレビ版でも釣りのシーンがありましたね。よく知らない兄弟のためこんな芝居をうつ二人の度胸はたいしたものです。正義感?それともただのノリ?
   
十両を釣る算段に春うごく
   

「十両を釣る」も面白い表現だし、「春うごく」もいいですね。
(こでまり)
「十両を釣る」確かに!と思いました。「春うごく」もこでまりさん同様納得と思いました。
(紫陽花さん)
宗太郎さんの釣には全く気が行かなかったのですが、「春うごく」と釣がこんなにマッチするとは…ステキです。宗太郎さんと東吾さんのコンビの解決第一号のこのお話にぴったり。2人のキャラクターを髣髴とさせる御作ですね。
(はなはなさん)
宗太郎さんの釣りのシーンと掛けて“十両を釣る”なんてうまい表現なんでしょう!
(麦わらぼうしさん)



江戸時代の計画倒産ってすごいですね。こんな悪巧みをしながら、墓参りには出てくるとは。その時少しでも仏心に触れなかったのかな。蛇に喩えるのは随分かもしれませんが、この季語が逼塞した家から出てくる母娘にぴったりなので使いたくなっちゃいました。
   
命日に蛇穴を出づ香を聞く
   

墓参りは外出のいい口実って感じですよね。この季語をあてはめたのは、ピッタリだと思いました。
(こでまり)



長崎から江戸見物にやって来たと称して、「かわせみ」に宿をとっていた寒井千種である。
「偽名なんぞ使いやがって……」
「美男の医者」より
寒井千種の正体をかわせみのみんなに話したくて仕方ない東吾。るいやお吉のびっくりした顔を既に想像して笑みが自然とこぼれていたことでしょう。
   
冷や汗も笑顔に変わり春おぼろ
   




 すみれさんの五七五 

かわせみのお話しにとって、重要な人物である宗太郎先生の登場です。痛快なお話しの中にも宗太郎さんの医者の見事な力量とか、爽やかな人柄が良く表現されていて、単なるゲストではない人物だと思えます。読者にとっても大切な人になっていきましたね。
 (UP後に)
宗太郎さんの登場場面とか、最後とか、発句ポイントが集中して一粒で微妙に違う味わいを楽しめたと感じています。未来を知ってしまってからは、明るい場面にも何かしらの愁いを抱いてしまうこの頃です。これは自分だけのめそめそした感傷かも知れません。
(すみれさんの談)

天気がよければ、一日中、暖かな「かわせみ」のるいの部屋も、今日は昼間から薄暗く、針仕事でもしようと思えば、行燈の灯が欲しいようなうっとうしさで、るいは長火鉢に寄りかかってぼんやりしていた。
「美男の医者」より
冒頭の場面、風邪気味なところが自分と重なってしまいました。
   
縫い針の進まず独り彼岸寒
   

春先の寒さ、鬱陶しさがよく伝わってきます。
(こでまり)



下請け仕事の左太郎とおもん兄妹にとって、親店から工賃をもらえぬままに分散されては、もう途方に くれてしまった事でしょう。知り合いに長助親分がいて良かったですね。
   
掛取りの空振りばかり春霙(みぞれ)
   

「掛取り」「空振り」「ばかり」とすべて韻を踏んでいるのでリズムがいいんですね。「春の霙」のつめたさに左太郎・おもん兄妹のせつない気持ちがよくあらわれていて好きです。「霙」も「彼岸寒」も綺麗な言葉を探しておられるようすが伝わってきます。言葉の感覚の鋭いすみれ様ならではの選択でした。
(はなはなさん)



四条屋の母娘、ほとぼりを冷ます為に慎ましく装っていても、食べ物は我慢し切れなかったようで、
   
欺いて分散の身よ桜鯛
   

ドラマでは庭の隅に埋めた生ごみを掘り返して、暮らし振りを確かめている場面もありましたね。
(こでまり)
私も「桜鯛」を使って四条屋母娘を詠みたかったのですが断念しました、こう詠めばよかったのね。
(はなはなさん)



「なにをなさるんです」
「要するに、四条屋から十両とりかえしてやりゃあいいんだろう」
「あのお方をお仲間に入れるんですか」
「医は仁術というだろうが、人助けの力を借りるんだ、呼んで来いよ」
「美男の医者」より
東吾さんと宗太郎さんは、初対面でお互いに同じ雰囲気を感じ、信頼に足る人物だと思えたのでしょう。その後のお芝居は医学に優れていなければ成功しませんものね。漢字クイズを横取りしちゃいました。
   
速成か!大親友がもう一人
   
医術とは仁術薬術話術もね
   

宗太郎さんの良さがとてもよく表されていますよね。宗太郎さん好きにはたまらないお句です♪
(麦わらぼうしさん)



 浅黄裏さんの五七五 

宗太郎さん初登場のお話ですね。最初に読んだ時も今回も思ったことなのですが、東吾さんはなぜ宗太郎さん(この時はまだ寒井さん)に手伝わせようと思ったのでしょうね。相談を持ちかける相手を間違えたらそれこそ自分が犯罪者になってしまうことになったかもしれないのに。自分に似た匂いのようなものを感じ取ったのでしょうか。東吾さんって、そういう勘が鋭いような気がします。
(浅黄裏さんの談)

「そんなことはあるまい、宗太郎殿は是非、来年、向島の花見を其方と一緒にしたいというて居られるそうな」
どうやら通之進は、東吾がとぼけていると判断したようであった。
「美男の医者」より
通之進さんも天野宗伯さんの話を聞いて、これはなるほど弟の友人に違いないと思ったのでしょうね。勝手気ままな道を歩んでいたようでいて、実は大事な根っこのところはしっかり掴んでいるようなところが似ているかもしれないと。
   
極道と呼ばれて連れ立つ花見かな
   

悪ぶっても憎めない二人は共通点が多いし、顔立ちも似ているし、仲良くなれる要素はいっぱいあったのでしょう。
(すみれさん)
私も(浅黄裏さんの談)と同じような事を思いました。あまりに簡単に東吾さんが宗太郎さんを信頼した事に。でもやはり浅黄裏さまが書いておられるように、“自分に似た匂いのようなものを感じ取った”からこそ信頼できたんでしょうね。
(麦わらぼうしさん)



夜更け、東吾が八丁堀の屋敷を抜け出したのは、大川端へ行って、るいや「かわせみ」の連中に、寒井千種の正体を話してやろうと思ったからで、威勢よく歩いて行く東吾の頭上には朧月がかかっていた。
「美男の医者」より
「すたこら」が新版でなくなってしまったのは残念です。ここのところが大好きだったのに。
   
妻問いの背を押す月も朧にて
   

皆さん、「すたこら」への思い入れたっぷりですね。私も大好きです。月も笑いながら見下ろしているみたい。
(こでまり)
多くの方がこの場面読んでいますね。「背を押す月」いい表現だなぁと思いましたが、東吾さんは月が朧だろうが満月だろうが月など出ていなくても昼間でも「すたこら」とかわせみに行くんだよなぁと思い直してしまいました。
(紫陽花さん)
「妻問い」は「朧」までご一緒♪で嬉しいです。月が「背を押す」なんてお月様も粋ですね、ステキな表現です、やられました。やっぱり「すたこら」だから東吾さんの軽みが出るのですよね〜。
(はなはなさん)



 みちころんろんさんの五七五 

先月、欠席させていただいたので今月は早く!と思っていたのに…なんとこの時期にインフルエンザなどになってしまい、巷で噂のタミフル等を服用しウンウン唸っていたのでした(>_<) こんな時に宗太郎先生に診てもらえれば…と熱にうなされながら思ったものでした☆ さて、遅くなりましたが、今月の御題『美男の医者』なんとか形になったような気がする(ダケ)ので提出致しますm(__)m 相変わらずの駄句ではございますがよろしくお願い致しますm(__)m
 (UP後に)
ササッとながらも、しっかり最後まで拝読いたしました。私の駄句はおいといて(ノ°▽°)ノ⌒○ポイ、皆様の素晴らしい作品にため息をついております(^_^;) 言葉の用い方等々まったく成長のない私ですが、皆様の御作をお手本に、これからも楽しみながら参加していきたいと思います。
(みちころんろんさんの談)

今回は影の働きばかりで表立った出番がなくて…☆華のある男が二人も動いたら無理もないのでしょうか?
   
巻羽織今回ばかりは出番なし
   

インフルエンザ仲間(!?)のみちころんろん様〜、今は全快していらっしゃるでしょうか?締め切り日にもまだ熱が残っていて、ボーッとした頭のまま欠席届を出してしまった根性なしの私とはえらい違いで、しっかり素敵な作品を提出されていて頭が下がりました!お陰様で私はタミフルなしで全快しましたが、まだまだあちこちで猛威を奮っているらしいインフルエンザに皆様もどうぞお気をつけ下さい。
(じゃからんださん)
いやいや、やっぱり源さんと長助の地道な探索がなければ解決しませんでしたよ〜。今回ばかりは初登場の宗太郎さんに花を持たせよう、とちょっと身を引いた、さすがの巻羽織でしたね♪
(はなはなさん)
その影の働きがあればこその円満解決ですしね。でも三人が三人とも派手に活躍したら…いやぁ〜たまりませんなぁ〜♪
(麦わらぼうしさん)



やんちゃ坊主のような亭主のいいつけを、るいは素直にきいて、やがて、居間に寒井千種を案内して来た。
「美男の医者」より
似た者同士の切れ者二人☆茶目っ気たっぷり!お見事でした
   
美男子は悪戯好きのやんちゃ者
   




それにしても、やがては父親の跡を継いで将軍家の御典医となるほどの男に、一つ間違えば詐欺ともいわれかねない片棒をかつがせたわけで、終始、笑顔で東吾のいいなりになって働いた天野宗太郎の風貌を思い出して、東吾は冷や汗をかいた。
「美男の医者」より
普通であれば言葉を交わすこともないはずが…
   
正体を知って背筋が寒くなる
   
人助け嘘も方便良薬なれば
   

背筋が寒くなるようなことに巻き込まれて、宗太郎さんも結構嬉しそうでしたね。江戸で生きていく、気持ちの切り換えも出来たみたいだし♪
(こでまり)
嘘も方便にしては、この騙し方はたいした才能じゃないでしょうか。宗太郎さんが正義の人でよかったですね。
(すみれさん)



金と命を量りにかけりゃ…やっぱり…
   
役者だねごうつくばりも騙された命に勝るお宝はなし
   

あの母娘には、結局本当のこと(実は重病ではなかった)は伝えられたのでしょうか。
(こでまり)



 のばらさんの五七五 

宗太郎さん登場!いいなあ、何度読んでも好きな宗太郎さん♪ まさに春がにあう男です(^-^)
(のばらさんの談)

西光寺では線香をもらい、墓で合掌をすませると、いそいそといった恰好で茶店へ行き、甘酒に焼団子、それに安倍川餅の注文をした。
「美男の医者」より
四条屋親子、すごくお気楽でたいして物事を考えてないように思えます。計画倒産も番頭が思いついて実行したのだろうし。この親子は特別にあこぎな訳でもなく、非情そうな人物でもない。でも自分が悪いことをしているという意識もなさそう。どこかに行こうとか何かを目指す、という目的もなくいったりきたりのブランコ遊びをして日一日ケラケラとくらしている、そんなイメージがうかびました。
   
ふらここや笑いは空に吸い込まれ
   

罪の意識の薄い母娘の生き方を、行ったり来たりのブランコ遊びに例えたのには、膝を打ちました。「笑いは空に吸い込まれ」が虚しい感じを表してますよね。
(こでまり)
「ふらここ」という言葉、初めて聞きました。「鞦」と書いてぶらんこのことなんですね。またひとつ素敵な言葉を教えてもらいました。最後の場面の競作はみものですね!
(コシキブさん)
「ふらここ」の不思議な安定感のない言葉が母と娘の不安定な足場の上に立つ夢物語を描いていて意外な効果ですね♪苦労知らずなばかりに番頭にだまされ、悪事の上に幸せが築けると信じていたんでしょうね。
(はなはなさん)
四条屋親子に対する洞察になるほどなぁと思いました。
(麦わらぼうしさん)



「これはいかんぞ。おい、寒井、こっちへ来てくれ」
寒井千種はおっとりと立って来て、娘をさしのぞいた。
「美男の医者」より
長崎で修行して江戸に帰ってきた宗太郎さん。するべきことをして江戸に帰ってきた、という充足感とこの仕事にかけるという気持ちの張りもあったかも。終始笑顔でいたという印象のこのお話しでした。自信をひめて控えめで仕事が出来て笑顔な男前。くうう〜かっこいいなあ〜〜〜(>▽<)。
   
名を呼ばれ振り向く江戸は春の中 (偽名だけど…)
   

最後の(偽名だけど…)がいい!笑えました。
(紫陽花さん)
のばらさん作「石畳にうつる影」のお話をふまえてのコメントが効いています。「寒井千種」と名乗ったのはお江戸に着いてからかな?道中は手形が要るから本名じゃないと不都合でしょうね。
(すみれさん)
“くうう〜かっこいいなあ〜〜〜(>▽<)”に激しく同感〜〜〜!!!
(麦わらぼうしさん)



 紫陽花さんの五七五 

このお話の中のちょっとした疑問なんですが、便を黒くする漢方っていうのは本来は何のために使う薬なんだろう。こんな脅し(?)のために存在するわけではないでしょうし。
(紫陽花さんの談)

こういうことには馴れている源三郎が扉のすきまからのぞいてみると、どうやら男は坊主と二人で、本尊の蓮の台座の下あたりから金を取り出している様子であった。
小判のかすかな音と、男のささやきが聞えてくる。
「美男の医者」より
二人は本尊の蓮の台座の下に隠していた小判を使うのを楽しみにしていたのではなかろうかと…
   
蓮の花 黄金(こがね)色に咲くを夢見て
   




「おやまあ、今日はよくお釣れになりましたんですねえ」
と感心しているのはお吉で、
「昨日がさんざんで、ここのおかみさんにも笑われたが、これで少しは面目が立っただろう」
「美男の医者」より
「魚がつれた手ごたえ」と、「久しぶりの故郷でよき人たちと知り合えたうれしさ」という意味も込めたつもりなんですが、うまくいかないものです。
   
釣竿に感じる手ごたえ江戸の春
   

「よき人たちと〜」はなるほどと思いました。江戸に着いてすぐに動き出さない「ニュートラル」のような数日。この出会いが次へ進む宗太郎さんをそっと後押ししたんでしょうね。
(ちなみに↑の質問ですが、黒くするのが目的ではなくても、貧血の薬などはそういう結果が表れます!)
(こでまり)
紫陽花さんのイラストは、茶店のシーンか、あるいは隠した金箱発覚の所かなと思っていたのですが、今月も見事にハズレでした。このイラストを見てしまった後、傑作選の扉の蓬田画伯の絵を見ても、彼らを探してしまう私です…
(たまこさん)
こでまりさんが書かれているように貧血の薬で鉄分が入っているのは、そうなるんですよ。薬剤師の説明を聞いていなかったら、不安になるようなくらいです(笑)
(千姫さん)
いろいろおもっても見なかった視点がいっぱいありました、黒い丸薬は貧血の薬だったのですね宗太郎さんが害のあるものを使うことはないとおもったけど
(ぐりさん)
「黒い便は貧血の薬ですか、では赤い小水は?」とたまこさんちに書こうと思ったんですが、上品な方々が集う(笑)たまこさんちに書き込む勇気がなかったので止めました。
(紫陽花さん)
わっ、言われてみれば赤い方はすっかり忘れてましたよ!姐さんちでは書けなくても、ここでは安心して…って、来る人はほぼ同じなんだけどね、うひ。
(こでまり)
「釣竿に〜」宗太郎さんと東吾さんの出会いは二人にとって、人生を左右することになりました。この事件に関わったおかげで、お互いにもっと付き合いたい友情を感じたに違いありません。
傍に一緒に遊んでいるトリオもこの場面に自然に溶け込んでいます♪宗太郎さんの何者をも受け入れる気持ちが見事に描かれていると感じました。
(すみれさん)
宗太郎さんにイタズラするコンビ、あれ?狐火くんはたんぽぽにでも化けたのかしら。赤いほうは何の薬だったのかしら…私も気になっています。
(はなはなさん)
「釣竿に〜」紫陽花さま、みなさまのコメントになるほどです。新たなるスタートを切る宗太郎さんにぴったりのお句ですね。
(麦わらぼうしさん)



 たまこさんの五七五 

今回のお題、旧文庫版(まだ天野宗一郎になっている)と、傑作選の豪華挿絵入りと、合わせて比べながら読めたのがとっても幸せでした!宗太郎さんのシーンが詠めなくて残念だったのですが、彼のファンはたくさんいらっしゃるし、宗さまデビューがどんな五七五になって出てくるのか楽しみにしています。
 (UP後に)
期待どおり、宗太郎さんファンの方々、いつもにも増して気合が入ってましたね〜。管理人さんも書いてらっしゃるように、競作ポイントの競作ぶりもすごいです!このお話が特に競作をそそる所があったのか、毬門が長く続いてきたことの証なのか、いやぁこれからもますます楽しみですね〜
(たまこさんの談)

春寒の雨の日、待ち人の訪れはなく、やって来るのは長助親分、そして東吾さんに似てはいるけれど、初対面の男性。ちょっとやるせないおるいさんだったと思いますが…単なる説明で、情念系レベルに遠く達しないのが悔しいです(>_<)
   
春の風邪恋しき顔は現れず
   

「春の風邪」うっとおしいときは恋人の顔でも見ていないとやり切れませんよね。おるいさんのうつうつした気分が伝わってきました。
(はなはなさん)



早い年なら、ぼつぼつ花が咲こうというのに、今年はまだ蕾も固く、冷たい川風に枝が殺風景に揺れている。
「あそこでさあ」
長助が指さしたのは、その土手からさして遠くない一軒の家であった。
「美男の医者」より
この事件の犯人たちですが、本当の悪人ではないという気がします。大黒柱だった店の主が急死、経営の重荷が肩にかかってきて、借金もあるしどうしよう、ちょっとズルをして楽になりたい、というような気持ちは、誰にでも起こりうるものでは…。番頭の吉兵衛にしても、もし本当のワルなら、落ち目になった旧主の娘などさっさと見捨て、金づるになりそうな新しい女を見つける事も出来ただろうし、母親の薬代にしても「老い先短い身に、そんな高価な薬を買うことはない」とつっぱねていたら、悪事は露見しなかった訳ですものね。
   
(うらら)にはまだ遠き日の母娘舟
   
つれづれや寓居の庭の蓬草
   

“ちょっとズルをして〜起こりうるものでは…”のコメントに頷きました。もし自分がそういう立場になったら、この人たちと同じ事は絶対しない、と言い切る自信はありません…
(麦わらぼうしさん)



どちらも強い酒で、ぐいぐい飲んでいるところへ、畝源三郎がやって来た。
谷中の寺からは、およそ千五百両の金と、おびただしい反物が出てきたという。
「たいした奴らですよ」
「美男の医者」より
しかしながら、自分たちよりも、さらに弱い立場にある、下請けの人々の生活をかえりみず、自分たちだけが良ければそれでいいという自己中心な考え方は、やっぱり、罰を受けなければならなかったと思います。今回は、東吾さんと宗太郎さんに主役をゆずった形の源さんですが、最初に「おかしい」と思ったプロの勘と粘り強い捜査があってこその大団円でしたよね♪
   
一箱半勘と粘りで取り戻し
   

そうそう、一番最初に「おかしい」と思ったのは、源さんでしたよね〜〜。
(こでまり)
源さんは今回、聞き込みや張り込みなど、地道な捜査で充分にお役目を果てしていましたね。当初から隠し金があるとの確証を持っていたものね。千五百を一箱半と表現…なるほど!
(すみれさん)



「すたこら」から「威勢よく」に改訂されたラストシーン。東吾さんらしさがとっても良く出ている微笑ましいシーンで、ここはぜひと思っていたのですが、新旧どちらの表現にもあてはまるようにと思うと、なかなか出来ませんでした。「相変らず腕白そうな顔で歩いて居るな」という、高橋宗益先生の声が聞こえたような気がして、何とかまとめてみました(笑)。
   
朧夜を下駄鳴らし行く次男坊
   

私は読めなかったのですが、ホント、東吾さんらしくていい場面ですよね。その雰囲気がとってもよく出ていると思いましたよ〜。
(こでまり)



【おたま姐さんの現場検証 早春お江戸ツアー】
   今月はたくさんあったそうで、姐さんがページを作ってくれました。感謝、感謝!
   こちらから、どうぞ
おたま姐さんの現場検証、毎回ありがとうございます。読んでいても距離感が分からないので、現場に行けるたまこさんが羨ましいです。いつか私も「早春お江戸ツアー」をガイドにかわせみの舞台を歩いてみたいと思います。
(千姫さん)
今月も見ごたえがありますね、現場検証も読み応えがありました、東京はどんどん新しい街になりながらビルの谷間のようなところにちゃんと昔を残してあるんですよね、大江戸ツアー私も行って見たいです
(ぐりさん)
コレを一日でまわったんでしょうか。東京(江戸)は場所がよくわからないのですが、あちらこちらとかなりまわられたようですね。でもそれを足の悪い左太郎さんは歩いたんだから大変だったことでしょう。おたま姐さんも左太郎さんもお疲れ様でした。隅田川の桜今が見ごろでしょうか。
(紫陽花さん)
現場検証は盛り沢山で、何日も廻ってこられたのでしょうか?おたま姐さんの町廻りも広範囲になってきてお江戸の城下をほとんどになるのでは?
(すみれさん)
毎度現場検証お疲れ様です。すっかりたまこさまの世界ができていて楽しみに拝見しています。今回はポイントが多くて大変だったと思いますが、愉しんでいらっしゃる様子が伝わってきて、こちらまでお江戸を歩いているような感じがします。
(はなはなさん)



 あっちの管理人さんの五七五 

すごく遅くなったけど、やっぱり私がトリかな?
 (UP後に)
今月はファンの多い宗太郎先生の初登場とあって、競作ポイントも多く、宗匠がお書きのように、おっ、これさっき読んだ?というような作品がいくつも(笑)やっぱり長いこと一緒に詠んでると同じポイントで反応しちゃうのかなぁ…感性が似てくる? 今月も現場検証あり、宗太郎先生の横でいたずらしてる二人もいるしと、しっかり美男の医者デビュー編を楽しませて頂きました。
(あっちの管理人さんの談)

「美男の医者」まずは宗太郎先生の初登場のシーンをなんとか詠めないものかと。この時作者は宗太郎さんを七重さんのお相手には考えていなかったようですが、私達は知っている〜(笑) そこで思わずこんな一句を。
   
七重八重 初登場に春にほふ
   

「七重八重」は思わずうれしくなりました。そうですよね、宗太郎さんには春が似合います。「七重八重」が桜を連想させる上に、七重さんを現わして、本当にステキな御作ですね。
(はなはなさん)



いや、東吾というより、むしろ、彼の兄の通之進のほうが酷似しているかも知れない。
やや面長で、いわゆる眉目秀麗という容貌であった。男にしては優しすぎるようなのを、ぐいと締まった口許が救っている。
「美男の医者」より
私達読者も一緒にドキッとしたのは、宗太郎先生が東吾さん、いえ兄上様によく似てるという記述。その後るいさんはどんな気持ちで宗太郎さんを見ていたんでしょう。七重さんも初めて宗太郎さんに会った時、きっとるいさんと同じようにドキッとしたことでしょうね。人を思いやる性格も似ているし、初めは顔立ちが似ているということから好きになったのかも知れないけど、ずんずんその人柄にも惹かれていったのでしょうね。
   
春雨(しゅんりん)やよく似た人の訪ねくる
   

言われてみれば、こんなに長く登場すると思っていなかった人を、なぜ「兄上似」にしたんでしょうね。それこそ、天の配剤?
(こでまり)
「よく似た人の訪ねくる」も好きです。私もこういうふうに詠みたかったな〜。ちょっとはっとして、でも嬉しいんですよね。
(はなはなさん)
確か七重さんに出会うまでは、宗太郎さんはるいさんが理想の女性だったんですよね(東吾さんに宗太郎も結婚しろよと言われ、るいさんみたいなひとにめぐり合えたらね、と答えているお話がありましたよね)だから、宗太郎さんも初めてるいさんに会った時、ドキッとしたのかも。
(麦わらぼうしさん)



お吉が唇をとがらせたが、るいは微笑しただけであった。「かわせみ」の客になにかあったときいただけで、亭主顔でかけつけてくる東吾の様子が嬉しくもあり、ほほえましくもある。それに、今夜はなにがあっても、ここへ戻ってくる東吾であることも承知していた。
「美男の医者」より
るいさんが嬉しかったのは「かわせみ」に何かあったときけば何をおいても駆けつけてくれる東吾さんの気持ち。だからたとえ訪ねて来てすぐに源さんと出かけても、なーんにも言わず幸せそうに見送っていた筈。
   
待ち人の背を見送りつ氷解く
   

意外にも独占ポイントでした♪ でも、こういう気持ちを時々忘れるのも、るいさんの可愛いところですけどね。
(こでまり)



すたこらと「かわせみ」への道を急ぐ東吾さんのラストシーンが目に浮ぶようで大好きなラストなのですが、新装版ではこのすたこらが「威勢よく」に変っているのがちょっと残念!
   
すたこらと夜更けの道の春朧
   

自分は詠めなかった競作ポイントでした。自分も、威勢よくよりすたこらのほうがくすっと笑えて、好きです
(すみれさん)



 千姫さんの五七五 

宗太郎がかわせみに登場する記念すべき物語ですね。五七五にも力が入ります(力が入りすぎて空振り!?)。朝日TVで登場した橋爪宗太郎と釣りの場面が、まったく想像通りで、とても印象に残っています。
最近、季語を入れるようになったせいでどうも五七五では、言葉足らずになって、その補足をコメントで補おうと姑息な手を使っています(^_^;) だからコメントに無理があるなぁ…と反省していますです。
(千姫さんの談)

何の縁で宗太郎がかわせみに立ち寄ったのか?
私の答 : 春を求めて海の近くまで来て春雨にあった、そこに宿屋があった
何故「春を求めて」「海」なのか :
   
釣り糸に 春の訪れ 潮薫る
   

お千ちゃん、何故「春を求めて、海」なのよ〜? つまり釣り好きってこと?
(こでまり)
「春を求めて」「海」も目からウロコ…心はやっぱり「ひねもすのたりのたり」でしょうかねぇ。
(たまこさん)
たまこさんののコメントを読んで、「なるほど〜目からウロコ〜」とうなっていたら、今朝のNHK俳句で綿矢りささんが、お気に入りの一句としてこの蕪村の句を紹介していました!
(こでまり)
(綿矢さんの自作句は)「春の宵つくろはないでくつろいで」確かこうだったぞ? 若くても作家さんらしい感性の句を披露されていましたね。
(すみれさん)
「春を求めて」「海」私も同感です。春になると海を眺めに行きたくなるんです。蕪村もそうかもしれませんがゆったりと波の寄せ来るのが見たくなるんです。浅蜊や蛤、鯛もそうですが、春に美味しいお魚がいっぱいあるからかもしれません。
(はなはなさん)



るいが顔をそっちへむけて、思わず、はっとしたのは、男の顔がどことなく神林東吾に似ていたからであった。
「美男の医者」より
紹介のない一見さんをあっさり受け入れるなんて珍しい事ですよね。
   
面ざしが どこか似ている 朧月
   




桜は毎年同じ場所に咲いているけれど、見る人の心情によって違うんだなぁ、って今年は思いました。美男の医者がこれから何度かわせみの人たちと桜の季節を共に迎えるのか、この時は想像していなかったです。
   
サクラサク 綺麗な心に 桜咲く
   

カタカナと漢字で二度表現してあるのが、新鮮に感じます。年代、時代を問わずに味わえる素敵なはいくだと感じています。
(すみれさん)



「そりゃあ、えらいことになりましたな」
嘉助が嘆息をついた時、お吉がとんで来た。
「番頭さん、いつまで油を売ってるんですか、お客様ですよ」
「美男の医者」より
嘉助さんが可哀そぅ…思わず「君に言われたくないよ」って突っ込んでしまいました
   
油売り? お吉の専売と 思いひや
   

ここ、私も同じことを思いました!お吉さんに言われたんじゃ、嘉助さんも立つ瀬がないよな〜って。
(こでまり)
まったくですね(^。^)
(麦わらぼうしさん)



 ぐりさんの五七五 

先月ドライブに行き寒天棚や岩村城址を見学して帰ってきたから風邪を引いてしまい足が痛くなり接骨院に通ったりしていて風邪もこじらせてしまい3月になってしまいました 今月は大好きなお話なのにいまひとつ取り組めなくて(仕事も大幅に遅れてしまいやっと落ち着いたところです)欠席届をともおもったのですが其れも寂しいそれで何とか昨日今日と取り組んで見ました いつも以上に不出来ではありますが投句させてください
(ぐりさんの談)

このお話になると 七重さんだんな様の登場ですよ もう少しまってくださいね と声をかけてあげたくなってしまう嬉しい宗太郎さんの登場ですね でもこの頃はまだ七重さんと夫婦にするとは考えて見えなかったとか 七重さんが幸せになってよかったとおもっていたら あんな隠しだまが平岩先生も読者をほっとさせてくれませんね
   
春動く お出ましですよ あのお方
   

その後、こんなに重要人物になるなんて思いもしない登場でしたが、お話全体も「動く」、宗太郎さんの登場でしたね。
(こでまり)
待ってました〜!と答えたくなるお句ですね♪
(麦わらぼうしさん)



東吾さんがすたこらさと行くところ お気に入りだったんですけど 新装版では改定されているんですね
   
朧月 すたこらと行く 東吾の上
   

ぐりさまともご一緒でした「朧月」に「すたこら」 東吾さんて本当にお茶目なかわいらしい男性です。もてるのも仕方ないですよね。
(はなはなさん)



大川端の「かわせみ」へ戻ってくると、昨夜、使いをもらってやって来た左太郎、おもん兄妹が待っていた。
るいの部屋で、寒井千種から十両を渡されて、しばし言葉もない有様である。
「美男の医者」より
染屋の左太郎さんとおもんさん 親子兄弟で細々とやっているお店 お金が払ってもらえなくてどんなにか心細かったでしょうね お得意さまでは強いこともいえないし でも東吾さんたちのおかげで 何とか持ち直せたのですね よかった 東吾さんたちが神様とも思えたでしょうね
   
残る鴨 言葉ないほど ありがたく
   




「しかし、本職の医者とはいいながら、たいしたものだな」
  (略)
「やはり漢方です。便を黒色にするだけで、なんの害もありません」
「あきれたものだな。俺も医者の修行をすればよかった」
「美男の医者」より
宗太郎さんは源さんとも東吾さんとも 違うニコニコとしていながらとぼけた味がいいですよね
   
漢方や 蘭方やとて ひょうひょうと
   

飄々としながら、実力はバッチリですものね。
(こでまり)



あの頃は三爺も若かったですよね
   
春障子 三青年の 陽気な背
   

三青年の行く末を知ってしまった我らには、感慨深いですね。年齢のせいか、近頃涙もろくて困ったものです。
(すみれさん)



 花みずきさんの五七五 

さて、今回ですが、他の皆さんも言ってらしゃいましたが 「むずかしい」…
出来ないのはいつもですが(^^ゞ グタグタやっていても仕様が無いので出してしまいます。
(花みずきさんの談)

四、五日前から風邪気味でなんとなく頭が重い。
「お嬢さん、甘酒、召し上りませんか」
障子のむこうから声をかけて、女中頭のお吉が筒茶碗を一つ、お盆にのせて入って来た。
「美男の医者」より
冒頭のおるいさんの場面なのですが、なぜか妙にここに執着してしまい他に目がいかなくって困ってしまいました。
   
花冷えの居間に漂う愁いかな
   

ちょうど数日前のお天気がそうだったから、思い入れが深くなってしまったのでしょうか。。それとも他の理由かな?
(こでまり)
目線が一緒でした♪自分も風邪気味だったので、冒頭部からなかなか前へ進めませんでした。
(すみれさん)
綺麗な御作ですね。愁いをたたえたおるいさんはさぞ美しかったことでしょうね。
(はなはなさん)



一方、お春と別れた男は夜道を歩いて谷中の寺へ入って行く。
東吾と源三郎が窺っていると、方丈から燭台の灯が本堂に忍びやかに動いた。
「美男の医者」より
   
白ねずみ罠にかかりて尻尾だし
   

“白ねずみ”がとてもうまい表現だと思いました。
(麦わらぼうしさん)



 茜雲さんの五七五 

いつも駆け込みでご迷惑をかけます。本当に難しかったです。いつにも増して今月は自己嫌悪です。今月は本当にがんばりたかったのに。T−T まあ、枯れ木も山のにぎわいという事でご容赦ください。もっと勉強しなくちゃなぁ。
 (UP後に)
自分は難しくて語が出なくて悩みまくったのに、自然で美しい言葉が並んでいて ため息が出てしまいます。もっともっと勉強しなくてはいけませんね。でも唯一嬉しかったのが、競作ポイントで作ろうと思った事(笑) いや、結局作れなかったから意味ないんですけど…。またゆっくり見させていただきます。
(茜雲さんの談)

「先だってのよもぎの草団子だが、母御のほうは、まるで食されなかったのか」
  (略)
先日、こなたを拝見した折、母御の手に或る独特の斑をみて、もしやと思っていたのだが……」
「美男の医者」より
   
悪知恵によもぎもしみも一手柄
   

何だか自分の年齢のせいか、笑えないものもありましたが(あはは…と一応笑っておく)
(こでまり)
宗匠は一応笑えるだけ、まだまだ、若いですよ。自分は手をしげしげと見つめてしまいましたから…トホホ。
(すみれさん)
これはやられました、うま〜い!でも、もし母の手になんのしみもなかったら、どういう理由をつけたんだろう。まあ、宗太郎さんの事だから、その時は別の理由を作り出していたでしょうね。
(麦わらぼうしさん)



十日間は重湯のみ、茶も避けるようにといい残して、千種は十両を懐中にし、東吾をうながして家を出た。
帰りは舟で、長助のところの若い衆が竿をとっている。
この二、三日の陽気で、堤の桜は俄かに三分咲きほどになっていた。
「美男の医者」より
   
向島の桜が告げる新しき友
   

なぜか宗太郎さんには桜が似合うような気がします。東吾さんが初夏をイメージする、と勝手に決めているのですが。桜の下できっとふたりはお互いへのシンパシーを感じていたのでしょうね。
(はなはなさん)



   
春の日に最強トリオ誕生す
   

確かにこの後、このトリオで解決したお話は数知れず…
(こでまり)



東吾さんと宗太郎先生が似てることで作りたかったんだけど季語が上手くみつかりませんでした。ということで、ただの字並べで
   
亭主似の男の腕は確かなり
   




 bf109さんの五七五 

このお話もなかなか難しかったです。 (ただいまホームページ作成中です)
(bf109さんの談)

「冗談ではありません。手前は悪所通いをしたおぼえはございませんが……」
這う這うの体で兄の前を抜け出して、自分の部屋へ戻ってくる途中で、はっと気がついた。
「向島の桜……あいつか」
「美男の医者」より
   
向島? そうだろう(宗太郎)かと気がついて 寒井か東吾 冷や汗をかき
   

ホームページを作成中とか。ハンドルネームに関係するページでしょうか。ここで見せてくださるような、ウィットにとんだページになるのを期待してます!
(こでまり)
「HP」とりあえず作り上げました。biglobeの「ホームページの作り方」を見て一から作ったので試行錯誤の連続でした!! 「趣味っと写真館」という「HP」です。よろしかったら ご笑覧ください。
(bf109さん)
(早速bf109さんの「趣味っと写真館」をご覧になったご常連から、続々とお祝いメッセージが寄せられました)
掛け言葉をいつも楽しみに待っております。今回は、宗太郎〜そうだろう、寒井〜寒い、二箇所見っけ♪
bf109様に当地の民放(MRO 北陸放送ラジオ)での段駄羅を紹介したくなりました♪五七五の中七を、掛け言葉を使って、前の五七と後ろの七五の表現が大きく変化している程、優れていると評価する言葉遊びです。MROのHPで見ることが出来ます。
(すみれさん)
今回も冴え渡る掛詞ですね〜。サイト作成のお忙しい中とはいえお見事です。東吾さんの泡手振りがおかしいです。
(はなはなさん)
この場面詠みたかったんです〜!しかも詠みたいと思ったエッセンスが全部入ってる〜♪うま〜い!
(麦わらぼうしさん)



 こでまりの五七五 

今月は皆さんがおっしゃってるように、本当に難しかったです。それに今月は「あれ?」と目をこするような、よく似た視点・詠みっぷりの作品があったのも面白かったですね。年度末や申告でお忙しい方もいらしたと思いますが、ご参加くださってありがとうございました。またインフルエンザからの治りかけの皆様も、どうぞお大事になさってくださいね。
(こでまりの談)

「なんでもいいから、早くすすぎをさし上げなさいな。このお天気じゃ、さぞかし凍えてお出でだろうに……」
お吉を先に立てて、るいも帳場へ出てみると、もう、番頭の嘉助が女中たちに指図をして湯を汲ませ、客の汚れた足を洗わせている。
「美男の医者」より
すすぎに湯を汲んでもらい、足を洗ってもらうなんてことは、この兄妹には初めてではなかったかと思います。冷え込んだ冬のような日、ほっとすると同時に緊張もしたんでしょうね。
   
春寒しすすぎの湯気の立ちのぼり
   




文庫の方では、「藍染め」ではなく「紫染め」となっていました。調べてみたら、藍の生葉を使った染め方のようです。染め物は冷たい水に晒す方が、色が鮮やかに出ると聞いたことがあるのですが、左太郎もそうしてコツコツと努力をしてきたのでしょう。
   
黙々と藍染め晒し雪解川
   




この場面、私は何故か七重さんが宗太郎さん宅を初めて訪れた(大川の河童)時のことが重なりました。薄暗い土間に花が咲いたようと表現されていましたが、この日の「かわせみ」の帳場も美男の医者の登場で、ふっと明るくなったんじゃないかな。
   
春時雨美男の医者の登場す
   

げ、今月は宗匠がトリだったのね。「春時雨」美男の登場には雨が似合います、ほら「水も滴るイイ男」っていいますし、月形半平太も「春雨じゃ濡れて行こう」と申しますもの。
(はなはなさん)



長崎から江戸見物に来たというふれ込みなんだから、形だけでもどこかに行けばいいようなものなのに、ずっと大川に向って釣りをしていた宗太郎さん、何を思っていたのでしょうね。
   
幾たびも釣糸垂れし日永かな
   

明るい宗太郎さんの憂いを詠んでいて好きです。明るい彼にも屈託があるのですよね。それが宗太郎さんの深みになっているのですね。
(はなはなさん)
私も同じ事思いました。詮索好きのかわせみの面々が宗太郎さんの行動になんの不審もいだかなかったのが不思議ですが、それだけ宗太郎さんの印象がよかったんでしょうね。
(麦わらぼうしさん)



「お娘御は、昨夜、どのようなものを口にされたか、こと細かくいうてみなさい」
昨夜は鯛の刺身に蛤のお吸物、同じく鯛の切身の焼いたものに、大根のあら煮、小松菜の胡麻あえ。
「美男の医者」より
保存方法が限られるので、季節の旬の物を食べなきゃならないのはわかるんだけど、これは贅沢ってもんでしょ!
   
鯛もあり蛤もある侘び住まい
   

食いしん坊仲間でしたね♪自分もこの場所に引き付けられました♪本当に分散した身なら、鯛なんて食べられる筈はないですからね。
(すみれさん)
私も「ずいぶん食いしん坊だな、分散したくせに」と思いました。だって私の大好物ばかり…(笑)
(はなはなさん)
この場面は見落としていました。普段は分散した身に取り繕っていても、いざという時にはボロが出るんですね。茶店でもさんざん甘いのを飲み食いしてましたしね。
(麦わらぼうしさん)



【管理人からのご報告とお願い】

いつもお世話になりまして、ありがとうございます。
さて、既にご存知の方も多いと思いますが、今月のはじめに、拙宅に長く参加してきたある人物による、ネット犯罪が発覚しました。

内容は、いくつかのサイトの掲示板に他のご常連の個人情報を書き込んだり、他のご常連の名を騙って自身を擁護するような書き込みをするといったものでした。
被害にあわれた方々の驚きや悲しみはいかばかりかと思いますが、犯罪に利用されたサイトの管理人様方の連携プレーにより、本人が自白するにいたりました。

事実を知って私も本当に驚き、また裏切られた思いでいっぱいです。そのような人物と拙宅が関係あると思われるのは本意ではなく、今後もいっさい交流するつもりはございません。
今月の投句作品もすでに届いておりましたが、管理人の判断として掲載はせず、犯罪が明らかになった翌日に即刻リンクも外しました。

今回のことをふまえご常連の皆様におかれましては、個人情報の保護にいっそう配慮をしつつも、これまで同様にお付き合い下さいますようお願い申し上げます。