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 能役者、清大夫
新装版「酸漿は殺しの口笛」より  (平岩弓枝著:文芸春秋刊)
先月は「名月や」にご参加くださいまして、ありがとうございました。
「独占ポイント」を詠んだお句やお歌が多く、「やられた〜」とか「詠みたかった〜」という作品もたくさんありましたね。

さて、今月は「能役者、清大夫」を選びました。

「かわせみ」に出てくる悪人・犯人の中でも、五本の指に入ろうかというあの男のお話です。また、はなはなさんのおかげで、最近興味を持たれた方も多いと思われる、「お能」関連の話。さらには、久々に情念系の皆様が腕によりをかけて(かけすぎないで〜〜)お詠みいただける場面もあるかと…。

ところで、このお話はふた月にわたるお話ですので、ふた月分の雰囲気でお詠みいただいて、来月は「お気に入りアンケート」一本で行きたいと思います。合わせてよろしくお願い申し上げます。

来月のご参加もお願いしましたところで、さあ、今月はどんな五七五になりましたでしょう。
(平成十八年十月)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
今月も欠席でしたが皆様の御作を拝見してきました。
今月は参加するつもりだったんですよ。
でも、思いがけない事が勤務先でありまして…ちょっと昇進してしまって…
辞令は11月1日付なんですけど引継ぎがもうはじまってて
毎日残業してました。(今月の残業手当はつきますが、来月からは…)
責任がちょっと大きくなってビビり気味なんですがなんとかやっていかないと…
(あるみさん)
「清大夫」拝見してきました!!
本当に、読み応えのあるお話と今月の575ですね!
皆さま、いつもの個性に+迫力が〜〜。凄みが〜〜。
お休みしちゃったけど、久しぶりに感想はお送りしますo(^-^)o
うう、参加していないと寂しいです…。
(のばらさん)
今回は情念系のお句が満載!
それに情念系家元をお受けになられたはなはなさんの
コメントが否応なく盛り上げてくださって楽しく拝見しました。
(春霞さん)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 TERAIさんの五七五 

大作ですね〜。ストーリーを追うのに精一杯で、こんな句しか出来ませんでした。
(TERAIさんの談)

「源さんは、知っているのですか」
親友の畝源三郎は定廻り同心であった。
「ことがことだけに、東吾にも洩らさなかったのであろうよ」
「能役者、清大夫」より
   
東吾にも洩らさぬお役目巻羽織
   




「どうして御存じですの」
「俺より男前か」
「嫌な方……」
「能役者、清大夫」より
   
俺よりも男前かと聞くこころ
   

その心は……そりゃぁ自分に自信がなければ、そういう訊き方はできないですよね〜。ま、るいさん以外はまともに聞いていられない状況なんですけどね。
TERAIさまはらぶらぶな東吾&るいを詠まれたのですね〜。七重さんへの嫉妬は折にふれて登場しますが、それほどに東吾さんが気にしてないのが実は気にいらないはなはなです。気づけよ〜(イライラ)
(はなはなさん)
松さんがかわせみに板前として登場したときにも気にしてましたね、東吾さん。やっぱりるいさんの身近に男前がいると気になるんでしょうか。
(浅黄裏さん)
浅黄裏さまの視点、な〜るほど「松」のときもそうでしたね。いつもながら読み込みが深くていらして感心しました。
(TERAIさん)



   
深川へ向かう東吾に熱い胸
   

ここは私と同じ視点ですね 嬉しいです 長助さんのところもあるけれど るいさんはもうピ〜ンときてしまうんですよね
(ぐりさん)
ぐりさまと同じ視点だったことにぐりさまの感想で初めて気付きました。失礼しました。私も嬉しいです。
(TERAIさん)



 bf109さんの五七五 

なかなか難しくて、詠むところ(言葉)が探せなかったです。
(bf109さんの談)

「すまなかったな」
つい情感が先に立って、東吾が肩を抱きよせると、るいが慌てて、髪をおさえた。
  (略)
どうやら今朝は、もう一度、髪結いを呼ぶことになりそうな按配である。
「能役者、清大夫」より
   
こわれ髪 洗い髪して髪結いを いけません ああ また髪結いを
   

男性陣は早い投句ですね。苦戦とみると君子危うきに近寄らず、ですか(笑) でもなんの何の、「いけません」がいいですよね(笑) 「髪結い」のリフレインが「技あり」ですね〜。
(はなはなさん)
(引用の)本文について、るいさんは二度目の髪結いを呼んだか?私はそうは思わない。髪結って行く先々で噂話をするはず、まだ祝言前のるいさんが朝の内に二度も髪を結い直すなんてことは絶好のネタとなるはず、ちょうど染蝶さんの髷を結うために読んだ本では花魁の髪は床山が結うが一般に女性は自分の髪は自分で結うのがたしなみとされていたとあるので、るいさんは自分で結ったと思うんです。
(春霞さん)
るいさんは普段は自分で髪を結うとどこかに書いてありました この朝なぜ髪結いを呼んだのでしょうか? 壊れた髪が恥ずかしかったから髪結いを呼んできちんと結いたかったのでしょうか?綺麗に結った髪を見てほしかった、 東吾さんはこわれ髪のるいさんから髪結いを読んで濡れ濡れとした 髪を結った(やはり髪結いが結ったんだから綺麗に結い上げられていたと思います)るいさんを見て〜 であとは私も髪結いは呼ばなかったと思います 春霞様の意見になるほどと思いました
(ぐりさん)
春霞さま、ぐりさまの髪結い考察も楽しいです。他のお話でおるいさんは器用なので自分で髪を結う、と描写されているところもありましたが、きっと東吾さんがいるのでおめかししたかったのかもしれませんね♪
(はなはなさん)



たまさかに、奉行所から早く帰って、夫婦水入らずでくつろいでいたものをと、冗談めかして笑いながら通之進は、その言葉とは裏腹にそそくさと身仕度をして出かけて行った。
「能役者、清大夫」より
   
与力まで 探索させる次男坊 兄も認める絵解きの力
   




   
大山で 神童あらため進藤に 才も尽きたか もとの大川
   

紋之助の生き様を、お得意の掛け言葉で見事に詠んでいらっしゃって、何重にも楽しめますね。



 たまこさんの五七五 

今回のお題は嬉しいビックリでした。というのは、たまたま昨年夏に大山寺を訪れていたので…もっとも、季節的には新緑か紅葉の頃がお薦めで、夏は靄でかすんでいる上、蚊や虫も多くて今いちでしたが。また先月は、大山ではないのですが、青梅御岳で江戸時代から残る「御師の家」というのを見かけました。青梅にも、大山と同じく御師が多数いたそうです。このような山岳信仰は全国にあるのでしょうね。というわけで、今月は手抜きの現場検証で〜す。
 (UP後に)
大作の本編にふさわしい素晴らしい御作ばかりですね〜 競作ポイントも、目からウロコのポイントも、共に充実していて一つ一つ楽しませていただきました。それにしてもやっぱり今月も「えぇ〜この方までがぁぁ〜」の中に入れなかった…(>_<) う〜ん皆情念系世界に入っていく!クイズ番組で正解したメンバーが次々と「いち抜けた」になっていく情景みたいです。あと誰と誰が残っているのぉぉ(焦)
(たまこさんの談)

最初から脱力系ですみませんが、ご存知「源三郎の恋」に登場した源さんの母代わりの老女中も「およね」、香苗・七重姉妹が世話になったのも「およね」だし、用人は神林家が「小林市蔵」(春色大川端)、このお話の通之進様の報告に出てくる、松平右京大夫家の用人が「小林吉蔵」なのが面白いと… 他にも若旦那には「清太郎」が多いとか、大工・職人系には「源」が多い(いやこれは、麻生家も庄司家も「源」さんばっかりなんですけどね)など、キャラと名前ってやっぱり結構つながりがあるみたいですね。
   
乳母は「よね」用人は「小林」がお約束
   

たまこさま やられました(笑) 私はカルタで「ばあやはいずこもよね」とやろうと思ったのですが自主的に没にしてよかった(^▽^) 「小林用人」もあれ?っと思っていましたがまさかこうくるとは(笑)
(はなはなさん)
「およね」はカルタに入れていただいたほうが良かった〜〜
(たまこさん)
「江戸の初春」で神林家の用人「大久保喜平」さんを発見して喜んでしまいました(笑)たまこさまの検証によると(はいくりんぐのコメントは何度読んでも可笑しい)「春色大川端」では御用人は小林市蔵さんで、だとすると小林さんは何代目の御用人さんなんだろう? まさか、松平右京太夫家をしくじって(「能役者、清大夫」)「吉蔵」から「市蔵」に改名、縁をたぐって神林家に再仕官したか?(妄想しまくり・笑)
(はなはなさん)
「江戸の初春」は、はいくりんぐのお題にもなったけど、大久保喜平さんはノーチェックだったな〜。「大久保」は「忠三郎転生」に登場する麻生家用人しか気づいてませんでした。喜平さんは神林のご先代に主に仕えていたみたいなので、たぶん引退して小林さんに引継ぎしたんでしょうね。はなはなさんの「改名して松平家から転職」案、サイコー!!そうかもしれない!なんせ自分がうっかり口をすべらしたせいで主家が強盗被害にあってしまったんだからクビになってもしかたがないですね。通之進様がそれを憐れみ引き取った?
(たまこさん)
よねは源さんと頃と同じだとおもっていましたが小林用人は気づきませんでしたーXfuairuまで発展凄い 流石にたまこさまの読み込みの深さに脱帽独占ポイントははずされませんね
(ぐりさん)
【この件につきましては、その後S.ファロウの「源さんXファイルの中に、詳しくまとめられました。】



明らかに、東吾とわかるのが、急ぎ足に橋を渡って深川のほうへ向っていたからである。
  (略)
深川の先、本所には麻生源右衛門の屋敷がある。
「能役者、清大夫」より
このお話の頃はまだまだ、るいさんも七重さんも若いですね(^^ゞ 「翁屋」というのは、明和八年創業の松皮煎餅で有名なお店がネットでもすぐ見つかりますが、「東紫軒」で検索してみると1件しかヒットせず、それはご本家の「かわせみFAQ:かわせみファミリーの好物は?」のページでした! それにしても、翁屋の煎餅が麻生家ご用達だっていう情報、おるいさんはどこでキャッチしてたんでしょうか?
   
百舌日和橋ゆく影に騒ぐ胸
   
手土産の心遣いが仇となり
   

「百舌日和」って初めて知りました。「騒ぐ胸」と呼応してステキ。七重さんに焼餅を焼くこのシーン、私は好きです。
翁屋情報はもしかしたら「お嬢さん、知ってますか?こないだ若先生と買ってきてくださったお煎餅、美味しかったんでひとりで買いに行ってきたんですけどね、本所の七重さまがおいでになってましてね…。八丁堀のお屋敷の分もっておっしゃってお買い求めでした。…え、私何か悪いこと申し上げましたんでしょうか?」なんちゃって。
(はなはなさん)
今月の重要な(笑)ポイントだった翁屋ですが、「鬼女」では嘉助さんが買い物に行っていました〜。「鴉を飼う女」を読んだついでに見つけました。おるいさんが翁屋が麻生家ご用達だと知っていたのは、嘉助さんのご注進もあってのことかも、うふ。
(はなはなさん)
ほんとだ、「鬼女」で嘉助さんがかわせみでお客様に出すお煎餅を買いに行ってますね〜嘉助さん注進説、大当りかもしれませんね。
(あっちの管理人さん)
「百舌日和」に目を留めていただき有難うございます。最初の季語は「新涼や」にしてたんですが、もう一度読んでみたらもう少し秋が深まった感じだったので、これを選びました。「騒ぐ胸」は今思うと「胸騒ぐ」のほうがよかったかなと思っています。
(たまこさん)
「百舌日和」って初めて知りました。きれいな言葉ですね。
(紫陽花さん)
百舌日和っていい言葉ですね このときのるいさんの気持ちいじらしいです 一緒で嬉しいです
(ぐりさん)



同僚を失い、せっかく捕らえた下手人に逃げられて源さんは無念の思いでいっぱいだったと思います。もしも担当が逆で、自分が大川紋之助の護送にあたっていたとしたら、自分も一瞬の隙が命取りになったかもしれないという気もしたでしょうね。
   
川面打つ秋雨朱房も濡らし居り
   

得体の知れない相手が逃げた大川を見つめる源さんの姿を、「朱房」で現しているのがさすがです。
あっけなく紋之助に逃げられてしまって、本文を読んだときにはそんな馬鹿なと思ったものでした。源さんの内心の口惜しさをお句にしてくださって嬉しいです。本文ではかわせみでの会話で終わってしまっていたので、少し物足りなかったのです。
(浅黄裏さん)
源さん悔しかったでしょうね 朱房が無念な気持ちを引き立てていますね
(ぐりさん)



【おたま姐さんの現場検証 大山】
大山は相模の国御岳といわれ、古くから修験道の道場であったが、その頂上に祭ってある石尊大権現が授福除災の霊験あらたかということで、民衆の信仰を集めていた。
「能役者、清大夫」より
「大山阿夫利神社」(神社説明書より)
大山は、またの名を「あふり山」という。あふりの名は、常に雲や 霧を生じ、雨を降らすのでこの名が起ったといわれる。
  (中略)
阿夫利神社は、古代からこのあたりに住む人達の心のよりどころと なり、国御岳(国の護りの山)・神の山としてあがめられてきた。
  (中略)
山頂からは、祭りに使ったと考えられる縄文時代(紀元前約1,000年頃) の土器片が多く出土していて、信仰の古さを物語っている。仏教が伝来すると神仏習合の山となり、阿夫利神社は延喜式内社と して、国幣の社となった。武家が政治をとるようになると、代々の将軍 たちは、開運の神として武運の長久を祈った。引目祭・簡粥祭・雨乞い・納め太刀・節分祭・山開きなど、古い信仰 と伝統にまもられた神事や、神に捧げられる神楽舞・神事能・狂言 などが、昔のままに伝承されている。
  (後略)
    
「御師の家」は、江戸時代末期のものの屋根が当時のまま残っているものです。いちおう説明板もあるのですが、「かわせみ」でも読んでいないと「御師」といわれても何のことだかわからないのでしょう、足を止める人は少なかったです。



屋根に比べて、1階は普通の家の入り口になっていて、今でも人が住んでいるらしいのはすごいと思いました。
大山や御岳の周辺は、「旅館」とか「民宿」というかわりに「宿坊」という看板が並んでいるのが独特の雰囲気です。そのわりに、お土産とかはしっかり売っているのですが(笑)。

今でも「御師の家」があるのですか。というか、「御師」もいるっていうこと?(違うか) 写真を見ると本当に雰囲気がありますね〜。
今回は現場検証、やはり〜でしたね♪お疲れ様です。さすが、健脚のたまこさま、山頂まで登られたんですか? 「雨降山」の山号にぴったりのお天気、大丈夫でしたか? 「雨降山」というのが珍しいなぁ、と思っていろいろ調べたのですが、常に露を宿す霊木が山頂にあるのだとか、面白いですね。大山能はいまでも受け継がれているようで、神事能と火祭薪能と2種類あるんだそうで…神事能はどうやら神官さんたちで行われているようで、こちらが{江戸時代の大山能」の流れを汲んでいるみたいですね。「薪能」のほうは観世のお家元と大蔵流の山本家が出演されているので格式が高いみたいです。今年は10月3、4日に終わっちゃったみたいですが、「高砂」「賀茂」「葛城」「歌占」と神様のお能ばかりでした♪ さすがというかやっぱりというか…もともとが神社やお寺の資金集め(勧進)がお能のルーツですから。御師の家も雰囲気いっぱい、現代の御師はお土産で商売してるあたりがたくましいですね。御師は伊勢神宮にもありますが、「夜鴉おきん」を思い出しました♪
(はなはなさん)
大山能くわしい解説ありがとうございます。説明板の横に見えるポスターが、確かお能関連のものだったと思うのですが、よく覚えていません。これも撮ってくればよかった…
(たまこさん)
御師の家は今でも宿坊になっているんでしょうか?善光寺の宿坊と同じようなものでしょうか?
(ぐりさん)
あの家は宿坊ではなく、普通のお家みたいです。「どこから撮ったのか?」と思われると思いますが、あの屋根は2階の屋根のようで、説明板のある場所からのぞきこむと下に一階の玄関が見えます(実際に玄関に入るには、道から階段を下りていくようになってました。山の中腹に建っているので) 御師の家という説明を見たとき「はぁ〜この家に通っているうちに、そこの娘といい仲になって…」と話を思い出したのですが、一階の入り口には、ゴムホースや、小学生の男の子くらいが履くと思われる運動靴などが置いてあって、あんまりそういう雰囲気じゃなかったです(笑)
(たまこさん)



 浅黄裏さんの五七五 

今月は(いえ、いつもですが)本当に難しくて、困りました。どこに感情移入して詠んだらいいのか皆目検討もつかず、でした。きっと競作ポイントからは大きくずれてしまっているかも…と思います。
 (UP後に)
今月の五七五、拝見しました。やっぱり情念系がいっぱいで、見ごたえ(鑑賞のしがい)がありますね〜。
(浅黄裏さんの談)

奥座敷へ通されると、庭をへだてた進藤家から謡曲の稽古をしているらしい声が聞える。
「能役者、清大夫」より
能役者の口から謡われる言葉には、寿ぎだけではなく、愚痴も恨みもあるのでしょうが、いずれにしても「菊慈童」や「羽衣」を謡いながらの悪行は許せるものではないですね。秋が小暗い(おぐらい)という意味で「小暗秋」という言葉を勝手に作りました。
   
言霊の神に仇なす小暗秋
   

浅黄裏さまの「小暗秋」意味深長な、妖しいことばですね。紋之助の描写が少ない分、彼の恨みの深さが伝わります。
(はなはなさん)
「小暗秋」「木葉髪」「寒紅」… 遠い異国にいても日本語の使い方がきれい〜私には思いつかない言葉たちです。
(紫陽花さん)



それを見送って、東吾が、これも本物の船頭と交替した長助を伴って、進藤家の別宅へ行ってみると、そちらには畝源三郎の指揮で、屋敷内にいた紋之助一味、六人が残らず捕縛され、なにもわからない進藤源七の未亡人が、大きな腹を抱えるようにして、泣き叫んでいる。
「能役者、清大夫」より
この二句はお利江さんのものです。「弟」の清大夫と一緒になって家を続けていくことを周りから期待され、またそれゆえ黙認もされての二人の仲だったでしょうに、その後はどうなったのでしょうか。清大夫を想い続けて、狂気と正気の境目で生きていったような気がします。
   
伸ばす手の行き処なく木葉髪
   
寒紅の指先惑いて空にあり
   

お利江は清大夫に惚れきっていたようですし、浅黄裏さんがおっしゃるような生き方をしたかもしれませんね。「空」は「くう」と読めばよいのですね?お利江の危うさが伝わってくるようです。
「寒紅の」イメージがステキ。お利江は何も知らなかったのだとは思いますが、紋之助の垢抜けた様子に疑っていたかもしれません。それでも溺れずにいられなかったことが、彼女の紋之助への愛撫でわかります。紋之助が自分に溺れていないこともわかっていたから、なおのめりこんでいったのかも。
(はなはなさん)
(感想ではありませんが)花魁を作っているときに「ろーそくのお浅さん」がふっと頭をかすめました。花魁ショーのときにローソク使うって聞いたことあります。見たことはないですよ(オロオロ)
(春霞さん)



 麦わらぼうしさんの五七五 

今月はタイトルを聞いただけであらすじがパッ!と浮かぶあの大作「能役者、清大夫」。う〜む、詠むポイントはたくさんあると思うのですが…お話の迫力に負けて句の方はさっぱりです(←いつものこと)
 (UP後に)
さっと拝見してきましたが、本当に情念系が花盛りですね〜♪ (たまこさまに同じく、私も「ええ〜この方までがぁぁ〜」の中に入れなかった…)
(麦わらぼうしさんの談)

こんなところを、うっかり「かわせみ」のるいにみられたら、ちょいと一騒動だと思いながら、東吾は悪い気持ちではなかった。子供の頃から、るいとは別に、妹のように愛らしく思っていた七重である。
「能役者、清大夫」より
   
胸の中 チクリとするも いい気分
   




大胆すぎると、東吾がはらはらしていると、よく透る男の声が聞えて来た。
「能役者、清大夫」より
そりゃ〜東吾さんの妻ですもの〜人の事は言えませんよね、東吾さん(^。^)
   
危険すぎ? だってあなたの 妻だもの
   

おきゃんなおるいさんがよく伝わります♪七重さんへの対抗心も少しはあったかもしれませんね。
(はなはなさん)



通之進が大きな声で笑い出した。
「香苗、聞いたか。こやつ奴、畝源三郎の手先の分際で、吟味方与力を探索に使う気で居るぞ」
「能役者、清大夫」より
この場面大好き!兄上が東吾さんとのやりとりを楽しんでいる様子がいいです〜♪本当に兄上が探索に歩き回る姿を想像したら、こんな句が出来ました。
   
日本一 時給の高い 下っぴき
   

ここは本当に何度読んでも楽しい場面で、平岩先生の筆もいきいきしていますね。私もここで競作です。
こういう視点大好きです〜(拍手ぱちぱち) 兄上が東吾さんのことを「畝源三郎の手先」と言っているのもおかしいですよね。こっちも時給高そう(笑)いや時給に代って「惚気を聞く」っていうことかしら…
(たまこさん)
私もこの場面が大好きなんです。兄上の「度量の大きさ」や「心から弟思い」なところがよく出ていて♪
(浅黄裏さん)
そういえば浅見光彦も日本一の下っぴき(笑)を持っているなぁと思いました。
(紫陽花さん)
「浅見シリーズ」との類似点、スルドイですね♪確かに時給はそれぞれ高そうです。惚気聞きの代金は高いみたいですね〜。
(はなはなさん)



ラストは、続編があるような空気を匂わせて終わっていますよね。(うねうねで続編を読んでいるから、つい本編で読んだ気になっていますが)でも、その後の登場は今のところ無し。今、どうしているんだろうと考えてしまいます。
   
今どこで 爪を研ぐのか 黒豹よ
   

麦さまの「黒豹」は面白いですね。つかまっていない大悪党、紋之助を上手く表現されていると思いました。
(はなはなさん)



 花みずきさんの五七五 

今回は早く始めたお蔭でなんとかできました。このお話、ポイントがたくさんあり迷いに迷った割にはサラっと出来ました。
(花みずきさんの談)

折しも、隣屋敷から聞えてくる謡曲は「菊慈童」で、
「まるで、およねの祝いのために謡ってくれているようだな」
盃を手にして東吾が耳を傾けた。
「能役者、清大夫」より
これはそのままです。
   
菊慈童還暦祝いに華を添え
   




神童と言われ、才能にも恵まれているのにそれを発揮できない境遇、結局何をしたかったのか? どこへ向おうとしていたんだろう思いました。
   
秋の陽に神童の誉れ一葉落つ
   

紋之助は本当に何がしたかったのでしょうか。鉄砲を奪い、江戸城を攻めようとでも思ったのでしょうか。紋之助の運命を考えさせられた御作ですね。
(はなはなさん)



この場面はできないと思っていたのですが 「破れ蓮」の季語を見つけてスルっと出てきました。
   
肉欲の果てに見えしは破れ蓮(やれはちす)
   

つい先日、S.ファロウでUPされた「歳時記」に「破れ蓮」と同じ意味の「敗荷」が登場して、ドキッとしましたね!
そうそう、「敗荷」ですが、私も使ってたんです〜(私は破れ蓮) 歳時記がUPされた時ビックリしました〜。
(花みずきさん)


日曜日にたまたま通りかかった蓮池での一枚。お二人のお句を思い出して撮りました。下の方はけっこう枯れていたんですが、不鮮明ですみません。
「蓮」花みずきさまとカブッていたのですね〜。お題を拝見していて私も「ハッ」としました。「肉欲」という言葉にもドッキリですが「破れ蓮」もお利江の運命に少しでも救いがあれば、と思わせてくれますね。私はお利江には感情移入出来なかったんですが、考えたら哀れですよね〜。
(はなはなさん)
「破れ蓮」の写真みました〜 あんな風になるんですね、ありがとうございました。
(花みずきさん)
まだあでやかだった夏の風情を感じさせて「破れ蓮」の語感にまさにぴったりのお写真ですね。こうしてみると私が見た「敗荷」はもっと盛大に枯れていて、全体に「矢折れ刀尽きた」感じのセピア色。荒涼とした光景でした(写真に撮ればよかった)。
(はなはなさん)
いつのまにか「破れ蓮」の写真が「はいくりんぐ」に!(UPしたての時はなかったですよね?)まだ緑の葉も残っているけど、花はなくなり、これから枯れていくのだ…という時期の独特の雰囲気が、花みずきさんの御作と相まってしみじみ眺めました。
(たまこさん)
破れ蓮の写真もいいですね〜〜。追加でアップされたんですか?華の盛りはさぞ…と思わされるたくさんの葉っぱ。いいですね〜。花みずきさまのお句と歳時記のはなはなさんのお句と一緒に味わえます♪
(のばらさん)
写真では葉っぱの方が目立っているけど、一緒にいた友だちに「破れ蓮という季語を知ったばかりだから」と言ったら、「ああ、あの花びらが無くなって穴が残った茎のこと?」と言われてハッとしました。文字だけ見て蓮の葉ばかりを思っていたのですが、確かに花が終って茶色く枯れた茎の方が「矢折れ刀尽きた」感じがして、お二人のお句にもその方が似合っている気がしました。
(こでまり)



やがて、女が男の体にしがみつくようにして立ち上った。部屋の灯が、それまで影になっていた男の顔を照らした。
「能役者、清大夫」より
「色変えぬ松」が清大夫を思わせましたのでお利江さんを「曼珠沙華」に見立てて見ました。
   
曼珠沙華色変えぬ松にすがりおり
   




向島の進藤家の別宅で、のぞき見した色模様が刺激になって、昨夜はいささか荒っぽい求め方をしたのが、るいに対して気恥かしい。
「能役者、清大夫」より
東吾さんとおるいさんのラブラブシーン、詠んでみたいとがんばってみました〜。
   
火照らされ乱れし髪と菊枕
   

がんばりましたね〜(あはは)。確かに今年はこの分野で、ずい分がんばられた気がします!
情念系は二つともステキ〜。松(松〜♪)と曼珠沙華のとり合わせもビビッドですし、「菊枕」も何となくエッチなことばですよね〜。情念系、ご一緒に頑張りましょうね〜♪
(はなはなさん)
エッ!情念系は三つかと思っていた!
すごすご……
(こでまり)
私のほうが勘違いなの(すごすご) 「肉欲」のほうは先に感想をつけてたから…。情念系は3つだったのよぉ〜(T-T)
(はなはなさん)
はなちゃんと私では、かなり情念のレベルが違うのかと焦ったぜぃ。まあ確かに、違うのですが…。
(こでまり)
うっ、やられた〜って感じです。菊枕…、秋の情念系の最たる季語ですねぇ。
(浅黄裏さん)
髪と菊枕が乱れているのね!情念系〜菊枕「竜馬が行く」で竜馬がおりょうさんが作った菊枕を懐にいれて持ち歩いていたシーンを思い出しました。
(紫陽花さん)



 あっちの管理人さんの五七五 

先月はお休み頂いたので、今月は参加させて頂きます。でもさすが2ヶ月分の お話、難しい〜、皆さん続々提出されているみたいだけどなかなか出てこない! なんとか4つ出来たので送ります。情念系のシーンでも頑張ってみたけど、出来たのはちっとも情念系じゃなくって…(笑)
(あっちの管理人さんの談)

「八丁堀の組屋敷の中にある神林家の庭は、萩の花が盛りであった。」 通之進さんが十四の時に詠んだ「花に似し…」の歌はこの庭を歩きながら詠んだものかも知れないと思いました。たった一度二人で満開の萩の中を歩いた思い出を、神林家の萩が咲くたびに思い出していたのかも。そんな通之進さんの想いを、幼馴染みの香苗さんも薄々気づいていたのではと考えると、香苗さんがどんな思いで庭の萩の花を、そしてその花を見つめる通之進さんを見ていたのか、気になります。
   
廊下行く絹ずれの音秋時雨
   

はなはなさんも同じところでお詠みなんですが、実はここの「萩の花が盛りであった」が、新装版では「柿の実が色づき始めていた」に変更されていたんです!平岩先生は、どういう心境の変化で変更されたのでしょうね。通之進さんを良い夫にしておくため…というのは深読みですね。
あっちの管理人さまと同じところで詠めて嬉しいです♪でも宗匠は「萩」でないことを新装版でちゃんと確認なさっていたんですね〜。それにしても「柿」とは…。ちょっとお兄様には似合わない? やはり平岩先生のお気持ちはお兄様を香苗さんだけのものにしておきたかったのかも。萩だったとして、「絹ずれ」の語感とともに香苗さんのしっとりとした気持ちの伝わる御作だと思いました。
(はなはなさん)
そうなんです。「絹ずれ」と「秋時雨」の取り合わせがとってもいいですよね。絹ずれの人が庭の萩に目をやりながら、わずかにもの思いする…ドラマのシーンのようですね。
(こでまり)
神林家の「萩」話題ですが、私も新装版を買うのを怠っているので「柿」になっていたとは初めて知りました。う〜ん柿…麻太郎くんが来てからなら柿もいいかもしれないけどね。私は勝手に、香月様のお庭は白萩、神林家の萩は薄紅と想像して読んでいたんです。こういう細かいところをあ〜だこ〜だ言うのもファンならではの楽しみですね。
(たまこさん)
「萩」はやはり意図的に「柿」に変えられたんでしょうね。あっちの管理人さんがおっしゃっているように香苗さんは幼馴染みとしてきっとずっと前から気付いていたのかもしれませんね。主語は出ていなくとも香苗さんのお句だとわかります。秋の風情と香苗さんの心情とがとてもよく表されたお句ですね。
(浅黄裏さん)



「でも、先程、お隣から聞えて来たお謡を、菊慈童とおあてになりました」
「あれは門前の小僧です。ちょうど、兄上が稽古をしているのが菊慈童でしてね」
「能役者、清大夫」より
まるでおよねさんの還暦の祝いをするように隣家から聞こえていた菊慈童。 風流とは縁のない東吾さんが、この謡いを当てたのは訳がありましたね。
   
耳にたこ 居間から聞こゆ菊慈童
   




七重さんを送りがてら、買い物に付き合った東吾さん。女房のような女(ひと)がいながらも、可愛い女性に思いを寄せられたら、悪い気はしないのが男の常。
   
寄り添えば女房かすめる胸の内
   




「朝、髪を洗いましたの」
るいが赤くなった。
そうでもしなければ、とても髪結いの前に出られたものではなかったのだろう。
「能役者、清大夫」より
ここはやっぱり競作ポイントになるのかなぁ。情念系全開のシーンで、さて皆さんどんな句を詠まれるのか、すごーく楽しみです。
   
朝シャンはそんな訳あり秋の蚊帳
   

確かに江戸の朝シャン!さすが〜あっちの管理人さん♪ 「そんな訳あり」っていう言い方も、エレガントでお洒落ですね。
(たまこさん)



 すみれさんの五七五 

才能があるのに家の身分の低さもあって世の中に認められず、憤懣が高じて悪事へ走る男、「酸漿は…」の忠三郎とよく似ている事と、登場の仕方が遠目からと噂がほとんどという話しの作りが一風変わっていると思います。
 (UP後に)
予想どおり?久々の情念系が盛り沢山で!(^^)!楽しませてもらいました。元祖はなはな様はじめbf109様、花みずき様、他の方々の情熱あふれる はいくや短歌に紅葉見物をしている心持になってきます♪ (自分には到底詠めないので初めから他力頼みです(^_^;)
(すみれさんの談)

客の大方は駿河屋の知人、親類で、どちらをむいても人の好い顔が揃っているし、当主の重三郎夫婦が、およねのために一所懸命で客をもてなしているのも感じがよかった。
「能役者、清大夫」より
後妻で入った家でご主人の亡き後も大事にされているおよねさんの幸せな暮らしに、好いなぁ…頑張りと辛抱が報われている人生…この話しの中では清大夫とある意味で対照的に感じます。還暦の祝い、あと?年 近いよ…
   
義理の糸手織りつづけて秋うらら
   




若い頃の話を読むと、東吾さん、るいさん、七重さんの若かりし頃の切ない心情が懐かしく感じられます。るいさんの八丁堀魂が発揮されるところなど、若い魅力がいっぱいで好もしいです。
   
小春日や父の杵づか背負ってみる(しょってみる)
   

ここは私も競作です!



進藤家の別宅で濡れ場を覗いてしまったのは、東吾さんでした。その間、源さんはどうしていたのか? 東吾さんは帰り道に源さんにどのように話しをしたのかな?反対に源さんが覗いていたらどうだったでしょうねぇ?ニヤニヤしている自分にドッキリ。
   
お役目よぅ!覗きじゃねぇょ見張りでぃ
   

すみれ様も私と同じ場面で同じような妄想をなさっていたようで、嬉しかったです♪
(じゃからんださん)



「俺には、るいが一人だ」
「嘘ばっかり、翁屋のお煎餅は麻生様の七重様がよくお求めになるそうではございませんか」
「能役者、清大夫」より
愛らしい七重さんの存在も、るいさんには一番の気がかりでしたね。
   
せんべいも恋の炎の焚き付けに
   

「恋の焚き付け」いいなぁ〜♪ 今回のおるいさんの焼餅、私好きなんですよ。お煎餅が焚き付けになるとは、脱帽です♪
(はなはなさん)
はなはなさん同様「恋の焚き付け」いいなぁと笑えました。団子よりよく燃えそうだしね(そういう問題じゃないと思うけど・笑)
(紫陽花さん)



小石川の大川家には、勿論、その後、紋之助は姿をみせていない。
「どうも、いやな相手という気がします」
「能役者、清大夫」より
金沢能楽美術館で能面を初めて身近に見ることができました。能の奥深さと難しさに触れた思いです。ワキ役は能面を付けない事も初めて知り、他にも超初心者向けの解説もあってよい勉強になりました。能面と対峙していると自分の心と向き合っている感じがして畏いと思いました。紋之助は身に付けた謡の能力を、悪事をする隠れ蓑に使っただけというところが、救いがないですね。カリスマ性があるようなので、明治編になって東吾さん、源さんや二世達の悪退治の相手として再登場しても面白いかも。
   
残されし能面ひとつ秋の闇
   

紋之助の居なくなったあとの不気味な雰囲気を、「残された能面」がよく伝えていると思いました。
「能面ひとつ」も「秋の闇」とぴったり合っていてステキ。謡はなかなか素人を脱するのが難しいのですが、紋之助には才能があったのでしょうね。本当にもったいないです。
(はなはなさん)
とても静かで、それゆえに恐さも伝わってくるようなお句ですね。紋之助のその後がとても気になります。
(浅黄裏さん)



 紫陽花さんの五七五 

今月もよろしくお願いします。ところで「清大夫」って「せいだゆう」って読むんですか?たまこさんちの書き込みで間違って読んでいたことにやっと気がつきました。「きよしたいふ」って思っていました。それか「せいたいふ」かな「きよ」とも読むし…「大夫」は「たゆう」とも読むなぁとは思いましたが…日本語ムズカシイ。五七五もっとムズカシイ。
(紫陽花さんの談)

   
美しき装束まとう汚れた手
   

実際は顔も手も美しく見えたのでしょうが、その奥の汚れに目をとめる紫陽花さんの感性、すごいと思います。
紫陽花さまの「汚れた手」はそうきたか、と思いました。確かに美しい装束で夢の世界を作るのが能役者の仕事なのに、と口惜しいですよね。
(はなはなさん)



いそいそと、るいが乱れ箱を運んで来て、東吾は居間へ戻った。
結いたての髪に、菊の柄の銀かんざしが光っている。
「能役者、清大夫」より
(ここを詠む人は多そうだなぁ・笑)
   
結いたての髪に咲く菊散らされて
   

「菊散らされて」も上品な情念系で嬉しいです♪かんざしの菊が利いてます。ついに紫陽花さまも情念の世界へ♪おいで〜へ(^o^)おいで〜へ(^o^)
(はなはなさん)
失礼ながらアノ三人(匹?)とこの「菊散らされて」とが同じ紫陽花さんの作とは嬉しい驚きです。
(浅黄裏さん)



しとしとと、この季節特有の長雨が、やがて江戸に深い秋を持ってくる。
るいがそっと部屋のすみの乱れ箱から半纏を取って、東吾の肩に着せかけた。
「能役者、清大夫」より
おまけ この場面が読み直して一回目でパッと浮かんだけど、話の本筋からずれていますよねぇ〜。他にないかと何度か読み直しましたが、結局この場面しか出てこなかったです。
   
   

いつものことですが、ここでこう来るとは思ってもいませんでした。や・ら・れ・た〜。
もののけトリオも「そうきたか〜」と元気いっぱいで嬉しくなりました。o(^○^)o 「あつい」というのはおるいさんたちに当てられて? うふふ。
(はなはなさん)
トリオの今月の活躍もやっぱり想定外…茶托・湯呑コンビは、東吾さんるいさんをいつも観察していて、真似をしたがるんですね。何とも微笑ましい仕草でいつまでも見てしまいます。
(たまこさん)
トリオも意表をついていてよかったあ(熱々のお茶が入っている湯のみくんじゃねえ(笑))
(じゃからんださん)
いつにもましてー熱い〜情念系ートリオ君まで熱いわ(笑)
(ぐりさん)
湯飲みの「あ つ い」…受けました。彼らも情念系デビューがしたかったんでしょうか。あっちの世界にもこっちの世界にも自由に行き来ができそうな彼らのことですから、以前から虎視眈々と狙っていたのかもしれませんね。
(浅黄裏さん)
いつもながらそのアイディアに感心します。熱いお茶の入っている湯のみくんに茶托が半纏を着せ掛けているので余計熱いんでしょうね。このお茶飲んだら火傷しそうだわ。
(春霞さん)



 じゃからんださんの五七五 

先月お休みしたのはいいのですが、皆様の作品を拝見して「あ〜やっぱり参加したかった〜!」としっかり後悔しまして…下手なのはもう諦めて、今月のお題には是非参加させて頂きたく〜。と、言っても今月はいつにも増して難しかったような気がします。結局メインの場面は全然詠めなかったし…いつもいつも言っていることですが、皆様の御作で勉強させて頂きたいと思います。
 (UP後に)
いつもながらとっても読みごたえがあって、ワクワクしながらざざーっと拝見したばかりです。今回は長編ということで、一体どの辺りの場面が競作ポイントかなあと思っていましたが、やっぱりお能と情念系は外せませんでしたね。
(じゃからんださんの談)

門を入って来た時、小鼓の音が聞えていたが、通された居間の床の間には、七重が慌てて片付けたらしい小鼓がおいてある。
「父のいいつけで、又、お稽古をはじめましたの」
「能役者、清大夫」より
七重さんがお父上の希望で小鼓を練習している場面が微笑ましくて好きなんです。何もこのお二人が狸だなんて言うつもりは毛頭ないんですが、「同じ穴の狢」なんて表現をしてくれた誰かさんのお陰で、どうしても狢→狸→腹鼓のイメージが消えなくて(苦笑)。
   
香ばしき煎餅こんがり秋の夕狸の父娘が謡ひて打ちて
   

親娘で微笑ましい雰囲気ですが、え〜、狸(笑) 小鼓を見るたびに思い出しそうですぅ〜(爆)
(はなはなさん)



女が男になにかささやいたが、男はまるでとり合わず、突っ立ったまま、庭をみている。
まさか、こっちに気づいたわけではあるまいと思いながら、東吾は息をこらした。
「能役者、清大夫」より
あとの二首は、さぞかしこの場面と次の場面で情念系の傑作が集まるのだろうな〜、と予想されるのですけど、やっぱり私には情念系は無理でした。最初は覗き見をしている東吾さん。
   
ひそやかに吐息溶け込む夜闇は濃くて頬染むくれなゐ隠す
   

看板にもなったじゃからんださま、「ひそやかに吐息溶け込む」なんてモロ情念系ですよ♪ 吐息が溶け込む闇はさぞ息苦しい悩ましい夜だと思わせてくれます。
(はなはなさん)



次はその後に描かれてはいないですけど、たぶん東吾さんのことだから覗き見の内容は上の空で源さんに語って、そのままそそくさとかわせみに向かったんだろうな、そして勿論源さんにはその理由がバレバレだっただろうな(笑)、と勝手に想像してみました。
   
宵闇にまぎれて視線を逸らしゆく友の心を知る巻羽織
   

こういう「その後」は思いつきませんでしたが、きっとお互いに宵闇の中で視線を逸らしていたんでしょうね。
じゃからんだ様のお歌は、自分の妄想していた所を見事に詠まれていて 「そうそう!」と合点しましたよ。
(すみれさん)
なるほどと思いました。そういう視点は全く思いつきもしませんでした。小さい頃からの仲であればたぶん源さんには全部ばれていたでしょうね
(浅黄裏さん)



 はなはなさんの五七五 

「能役者、清大夫」、いろいろな場面がめまぐるしく移っていくので お話の面白さとは別に五七五はむずかしそうですね。数少ない未解決事件ですしね(「かくれんぼ」も未解決でしたよね〜) たくさん詠んでみたのですが、私なりのポイントは、情念系とお能、 もうこれしかないでしょう、と思いまして(笑) 肝心の事件には何も言及していない、相変わらずのはなはなでした〜。
 (UP後に)
情念系の競演はすごいですね〜(汗)私も参戦しておいてなんですが(^▽^;A アツイです〜。少々五七五の頭になっていて、いろいろやってはみていますが、季語なしだったり季語かさなりだったり…ここらで皆様の御作をしっかり読んでクールダウンしてみよう、と思いました。
(はなはなさんの談)

ここは詠まれる方が他にもいらっしゃるかもしれませんね。冒頭の神林家の庭の描写です。まだ「白萩屋敷」は登場していませんでしたが、通之進さんはどんな思いで萩を植えさせたでしょうか。風雅をたしなむ通之進さんが造庭にも好みを反映させたことは間違いないと想うのですが。そうであれば、萩は白ではなく紫だったと想うのです。「白露」は「はくろ」とお読みいただければ字数が合います(笑)
   
白露結ふ萩のひとむれ濃紫
   

私の「白露」ですが、見事に季語かさなりをやらかしました(涙)ごめんなさい。「萩」も季語だし…「ひとむれ」も「濃紫」も気に入っているのに…がっくりです。
(はなはなさん)



女が夢中になるのも無理はないと思われる美男であった。男の顔には奇妙な笑いが浮んでいる。
「能役者、清大夫」より
清大夫については、むずかしかったですね。顔かたちも「美男」としか書かれておらず、また性格的にも人づての情報しかありません。直接「清大夫=紋之助」を描写したところはないのです。ドラマやお芝居なら描き甲斐のある悪役だったろうと思いますが。まずドラマティックで卑猥な東吾さんの覗き見シーンから。満月の夜だったと確認できませんが、無月ならひとしお情緒があるかと。
   
偽りの愛みだらに揺れる無月
   

『直接「清大夫=紋之助」を描写したところはない』というのは目からウロコでした。そういえば「忠三郎」は、わずかながらもすれ違うところを始め、医師に化けている所などで、東吾とのからみがあったけど、清大夫は全くないですね。それだけ、唯一印象を残す例の「濃い」シーンというわけですが、そこが「無月」だったのではないか、という洞察はさすがとうなりました。
(たまこさん)



だだっ広い水戸家下屋敷のどの辺りで能が行われているのかわからないが、堀外に待機している下っ引連中の耳にも、邸内からかすかに謡の声、鼓の音が聞えてくる。
「能役者、清大夫」より
そして清大夫に成りすまして水戸藩屋敷に入り込んで御簾中や奥女中たちをたらし込んだ(きゃ)紋之助を。ワキですから、面(おもて)を懸けることはありませんので、その美貌はきっと女達の眼を奪ったことでしょう。上手い謡はいろいろな感情を潜めることが出来るもの、素人ながら紋之助は上手かったのでしょうね。その謡には大それた罪が隠されていようとは誰も知るよしもなかったでしょうね。
   
朗々の謡ひそかに秋の声
   

お能をよく知らないので、ワキが素面ということには気づきませんでした。「奥」に暮す女性たちにとって、心穏やかにはいられない相手だったかもしれませんね。
はなはなさんのコメントを読んでドキッ。なるほど御簾中までもたらし込んでいたのかもしれませんね。私は門まで送ってきた奥女中ひとりかと思っていました。ワキが面を懸けないというのも教えていただきました。
(浅黄裏さん)



「髪結いが来たのか」
昨夜の痴態を思い出して、東吾は照れた。
るいの髪が、東吾の腕の中で、どんなになっていたか知らないわけではない。
「能役者、清大夫」より
東吾さんも若いですねぇ。覗き見して燃えちゃった(萌え?)のね(笑) でもこのあたりのやり取りや表現は、時代劇特有のあっさりとした濡れ場で私は大好きです。後朝にしっかり身じまいをしてしまいながらも、抱き寄せられて溶けてゆきそうなおるいさん、前夜はどんなふうに乱れたのでしょうか。髪はほどけて東吾さんの手に絡み、蛇のようにとぐろを巻いて妖しかったのではないでしょうか。
   
長夜なる髪を手繰りてわだかまる
   
菊匂ふ朝(あした)抱く身はまだあつく
   

頭頂部で髷をまとめる時に元結を使ってますが一結びで緩むことなく括れます。根元は解けなくても髷の部分ははなはなさんのおっしゃるようになってたかも… おぉー、それにしても激しいわぁ〜
(春霞さん)



実はこのお話、未解決事件ですよね。のばらさまが「うねうね」で「謡う男」でお召し取りにしましたが、「かわせみ」本編ではつかまっていません。清らかであるはずのお能に関わりながら、罪を犯し、大川に身を投げた紋之助のその後が気になります。できるなら、大川の水に洗われてまっとうになってほしいもの、と思いました。
   
罪謡ひし身を洗えよ大川水澄んで
   




 みちころんろんさんの五七五 

今月のお題ですが、またまた遅くなってしまいました。難しくて難しくて夜寝ていてもうなされて…(それはウソです)いっそ、提出するのをやめようかとも思いましたが、それはできないと一念発起したものの…(ーー;) 遅くなっても出来がよければよいのですが、相変わらず句とはいえないような句となってしまいました。成長の無い私ですが、よろしくお願いいたしますm(__)m
 (UP後に)
ただただ皆様の末端にぶらさがっている私としては、アップされるごとに冷や汗タラ〜リ、穴があったら入りたい気持ちでいっぱいになりますが…(^_^;)
(みちころんろんさんの談)

「そんなこと、誰にきいた」
「存じません」
朝の膳を運んで来た女中頭のお吉が廊下を途中からあともどりして行った。
「能役者、清大夫」より
毎度のことながら、お吉さんも大変です
   
回れ!右! 邪魔はしません ごゆっくり
   

「回れ!右」は楽しいですね〜。お吉さんは毎度のことでにやにやしていたことでしょうね。
(はなはなさん)
カルタとも相まって楽しいです。きっとかわせみの廊下は長いんですよね。短ければ部屋の前に来るまでにそれと知って近づきもしないことでしょうしね。
(浅黄裏さん)



尾張町の角で待っていたるいを駕籠に乗せ、大川端まで帰ってくると、町廻りを終えた畝源三郎が待っていた。
「申しわけありませんが、向島まで御足労願えませんか」
「能役者、清大夫」より
仕方が無いですよね、お役目第一!わかってはいても東吾さんを連れ出さぬことにはお話が進みませんから…
   
朴念人 夕暮れ時に 声掛ける 否やを言わせず 恨めしいかな
   

せっかく聞き込みをうまくやって、気分良く帰ってきたるいさんなのに、いい(?)タイミングで出てくる源さんですね。
おるいさんの恨み言が聞こえてきそうな御作ですね。せっかく聞き込みもして手伝ってあげたのに。でもそれを「やぶへび」というのです(笑)
(はなはなさん)



 千姫さんの五七五 

なんて時間の使い方がヘタなんだろうと思います。早くに一句出来て来ていたのに今まで送らずにいたんです。もっと増えるんじゃないかと思って。結局、一句のまま今日になっちゃいました。手元に置いていても増えもせず、良くなりもせず…。と言いながら、たった一句なんですが結構気に入っています。いつもながらの自我自讃(__)です。
(千姫さんの談)

今頃から、どこへ行くのだろうと思い、るいは急に胸が熱くなった。
  (略)
東吾にとっては兄嫁の香苗の実家で、そこには香苗の妹の七重が、まだ聟もとらず、嫁にも行かずに、ひっそりと暮している。
「能役者、清大夫」より
鰯雲は季語になってるしぃ、たまこさんの「かわせみ明治編」のお題だしぃ、平岩先生の明治編はいつかなぁ、どうなるのかなぁって気になる頃だしぃ(笑)。今はるいと東吾が夫婦になっていると知っているけれど、この時は焼餅焼いたり、はらはら涙したする心もとない関係だったんだなぁって、しみじみ味わって下さい。←って、句の拙さをコメントで全てカバーしてしまいました。
   
鰯雲 まだ独り身の 胸さわぎ
   

いよいよ明治編を待つこととなりましたが、そうなると、この頃の二人が本当に懐かしく愛しい、そんな気持になりますね。しみじみしました〜。
「胸騒ぎ」が利いてますよね。思えばこんなに微笑ましかったるい&東吾も今では多少のことにもびくともしないご夫婦ですものね。
(はなはなさん)
はい、味わいました〜。もう夫婦となっているふたりを知っているとついこの頃のことを忘れてしまいそうになるのです。思い出させていただきました。
(浅黄裏さん)



 コシキブさんの五七五 

久しぶりに「清大夫」読み返しました。なごやかな祝い事から始まり、色あり、欲あり、殺人あり、というまるで長編のようなボリュームだったんだな、と改めて感じました。俳句にしたいところはいっぱいあったのですが、今回も力量不足を痛感してしまいました。表面をさらりと撫でただけ、という内容でお恥ずかしいですが、参加したい思いに免じてお許しくださいませ!
 (UP後に)
大作でしたので、なんとか参加できてよかった〜というのが正直な感想です(^_^.) 今月もお仲間のみなさまの言葉のマジックを堪能させていただきます。
(コシキブさんの談)

「およねには、兄上ともども、随分、厄介をかけたではありませんか」
香苗が嫁に来てからも、時折やって来て、奥むきのことも手伝って行った。ひかえめな性格だが、機転がきいて、仕事が早い。
「能役者、清大夫」より
およねさんの思い出話は、神林家のむかしの様子が偲ばれて興味深かったですね。男所帯に嫁いだばかりの頃の香苗さんのとまどいも想像されました。
   
こぼれ萩むかしの礼を言える今
   

「こぼれ萩」綺麗な言葉ですね。東吾さんや香苗さん、七重さんの優しい気持ちが萩の花を震わせたのかもしれませんね。
(はなはなさん)



「ちょうどよかった、深川に用がある」
怨めしそうなるいの視線を背中に、夕暮の中を男二人はあたふたと永代橋のほうへ向った。
「能役者、清大夫」より
おるいさんの視線を背中にそそくさと消える二人。いたずらして逃げるみたいで笑えました。
   
夕闇に紛れて消える巻羽織
   

「ちょうどよかった」なんて言って、このお話の東吾さんは、るいさんも七重さんも「だし」に使ってしまったみたいですね。一緒に怨まれて、源さんもお気の毒なことです。



探索は行き詰るわ、色模様は見てしまうわ、ちょっと煮詰まってしまった若き東吾。相手するおるいさんも大変…。え、そんな事ない?
   
絡む糸眠れぬ夜に星流る
   

「絡む」イメージは、はなはなさんと共通していますね。はなはなワールドに迫るコシキブワールド!期待しております♪
(たまこさん)
これは何気なく情念系でしょうか? 「眠れぬ夜に」というのをうっかり見過ごすところでした。
(浅黄裏さん)



 こでまりの五七五 

今月は拙宅始まって以来の長編を扱いました。お話の長さ、展開の目まぐるしさに、どこから手をつけたものかと思いましたが、まあ、何とかこぎつけました。今月は久々に皆さんの「情念系全開」で、「この方はこう詠むのよね〜」とか、「この方も詠んでるのね〜」、そして「えぇ〜この方までがぁぁ〜」と楽しませていただきました。(ここは早々と白旗だ〜)
(こでまりの談)

「賊が入ったと申しますのは……」
「この月の五日とか……」
今日が十一日であった。
「能役者、清大夫」より
やっぱり賊も月の明るすぎる夜は、避けるのでしょうか。
   
月細き夜にまぎれて賊駆ける
   




「あたしなら、武太夫さんがこちらへ行くといって出たきり、帰って来ないから訊きに来たですみますよ」
東吾が返事をしない中に、るいはもう、さっさと進藤家の裏口へ近づいて、すましてくぐり戸を開けている。
「能役者、清大夫」より
東吾+女性の捜査 その1
この時は、目の前の人物が犯人なんて思っていないのと、八丁堀育ちの血が騒ぐのか、るいさんは「一歩前へ」出て聞き込みをしてますね。もちろんそばに恋人がいるからでしょうが、るいさんは生きいきとしています。
   
ひと芝居うっても平気秋日和
   

「探索の分析」も目からウロコのところでした。こういう見方もあったんだなぁ。
(たまこさん)



東吾+女性の捜査 その2
同じように捜査に協力しても、七重さんの振る舞いは控えめですね。それにしても東吾さんたら、「だしに使ったようで」なんて、正直なんだかゲンキンなんだか。
   
お調べを見守りて居り薄紅葉
   

捕物の手伝い分析は面白いですね。おるいさんには七重さんに張り合う気持ちもあったと思っていましたが、おるいさんのほうが大胆だったんですね。「薄紅葉」が七重さんの風情にぴったりしているし、「秋日和」もおるいさんの安心感を表しているようでいいですね〜。
(はなはなさん)



「御師の方々が勧進にみえますのは、年に四回、麦、綿、米、真綿の出来る季節で、只今は米の御初穂の時期でございます」
「能役者、清大夫」より
屈強でいかつい感じがする御師ですが、通り過ぎると、かすかに稲の香りがしたかもしれません。
   
総髪の御師運び来る初穂かな
   




通之進さんは憎まれ口を叩いてますが、吟味与力って同心が調べてきたことを吟味する仕事なんでしょ。やっぱり時には現場に出て、捜査にあたりたいのではと思うんですよね。それは香苗さんも同じようで、お互いに家に戻ってから、「こちらは○○だった」「私の方は△△でしたわ」なんて、報告しあったかもしれませんね。
   
探索に赴く機会与えられ まんざらでなし今宵の夫婦
   

まさにお兄様夫婦も大活躍でしたね。東吾さんとの仲のよさをあらわす憎まれ口も決まって、ひさびさにお茶目で颯爽としたお兄様を拝見した感じです。
(はなはなさん)
本文中からなんとはなしにウキウキしたような気分の二人を感じていましたが、コメントにあるとおりのことだったのかもしれませんね。
(浅黄裏さん)



 ぐりさんの五七五 

今月のお話は今も時々気になる紋之助の行方、あのご登場はありませんがきっと生きていて今もどこかで悪事を働いているんだろうなーとおもっています、エェーとおもうようなすごい場面もあったりして凄い情念系の句もあるのかな皆さんのが楽しみです、私はう〜ン相変わらず難しかったです
(ぐりさんの談)

先に来ていた七重がいそいそと声をかけ、紋付の上に、赤い袖なし羽織を着せられたおよねが嬉しそうに手を突いた。
「もったいない。香苗嬢さま、東吾坊っちゃままでお出で下さいまして」
「よせやい、およね。坊っちゃまはねえだろう」
「能役者、清大夫」より
チョット戸惑いもあったと思う 武家だある東吾たちの登場が およねさんの一言で和みましたね やはり東吾さんたちやおよねさん 招かれている人たちもいい人たちばかりで 人柄でしょうね
   
坊ちゃまで 座が和むなり 秋日和
   

こういう場での雰囲気のほぐし方は、東吾さんの得意とするところですね。



およねさんそばの花のように素朴な一生 だったと思います これからも穏やかな老後を送ってほしいですね
   
赤羽織 年つき重ね 蕎麦の花
   

赤羽織にも、同じ場面ながら、素敵な表現だなぁと感服です。
(すみれさん)
そうかあの赤いちゃんちゃんこは「赤羽織」っていうんだ〜
(紫陽花さん)



駿河屋からの帰り道、途中に買い物があるから歩いて行くという七重につき合って、東吾は兄嫁を見送ってから、新両替町を一丁目のほうへ向った。
「能役者、清大夫」より
東吾さんチョット後ろめたさが あったでしょうか?
   
行きひとり 帰りは連れで 渡る橋
   




お利江という女を抱いていた男は、痴情に溺れていなかった。なによりも醒めた目と隙のない体つきが、それを物語っていた。
「能役者、清大夫」より
紋之助の心は 自分を受け入れなかった 世の中や幕閣に対してすさまじい怒りが 吹き捲くっていたのでしょうね
   
(すさ)まじや 女抱く顔 溺れなく
   

「冷まじや」凄絶な紋之助を描写するにばっちりのことばでしたね。まさに美貌がかえって凄みを増していたことでしょう。映画の1シーンのようです。
(はなはなさん)
振り仮名がふってなければわからなかったです。勉強になります。
(紫陽花さん)



るいさん偶然見てしまった東吾さんの行く先 信じてはいても 心穏やかで入られなかったでしょうね
   
あの先に 待つ人ありと 胸騒ぐ
   

深川といえば長助さんの所もあるのに、東吾さんを見た瞬間に七重さんだと確信してしまったるいさん。好きな人を慕う娘心の一途さを感じました。
まだしっかりと立場が決まっていない時には、相手の挙措のひとつひとつが気になるんでしょうね。道行く東吾さんを見ただけで、ぐりさんのお句にあるような、そこまでの想像を働かせてしまうのも、まだ妻ではないるいさんだからこそなのかもしれません。
(浅黄裏さん)