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 幽霊殺し
「新装版 幽霊殺し」より  (平岩弓枝著:文芸春秋刊)
先月は忙しい新年度ということもあり、涙ながらに(?)参加を見合わせた方もいらっしゃいましたが、「花御堂の決闘」にたくさんご参加くださいましてありがとうございました。
また、「句数制限」にも快く協力してくださって、ありがとうございました。

さて今月は、「幽霊殺し」を選びました。

毎度おなじみ、事件は「るいの居間」の長助の話から始まります。
東吾さん源さんの友情や、神林家・麻生家の話、そして最後は門前捕りと、初期のお話らしく盛だくさんな内容です。

さあ、今月はどんな五七五になりましたでしょう。
(平成十七年五月)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
はいくりんぐ、ここ何ヶ月か欠席しています。
今月もみなさんの力作を拝見して、う〜むと思うばかりでした。
↓でも皆さん仰っていますが「婿と賊」や「鯖」や「鬼おこぜ」などなど
全く思いもしなかった視点でのお句が並んで、
いつもながら勉強になります。
紫陽花さんの白猫ははいくりんぐに住みつくのでは?と
思っております。居心地良さそうですし。
(浅黄裏さん)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 TERAIさんの五七五 

今月は(今月もか・・・)詠みどころはたくさんあるはずなのに、あまりいい句が出来なかったのですが、参加することに意義ありとのことで、恥を忍んで参加させていただきます。宜しくお願いします。
 (UP後に)
「はいくりんぐ」じっくりと拝見させていただきました。相変わらず皆様の目の付け所、ボキャブラリーの豊富なことには唸らされております。力作揃いで素晴らしいです。こでまりさまも書いておられますが、今回はお話としては面白いのですが、句がなかなか浮かばず苦しみました。また小式部さまと同じく、私も自然の比較的乏しいところに住んでおりますので、俳句が季節感を感じ取るよい訓練になっています。
(TERAIさんの談)

   
友とても できぬ看病 巻羽織
   

今月も一番投句、ありがとうございます。そしてここも、一番の競作ポイントでした!
TERAIさんは巻羽織句をもう何度も詠んでいらっしゃいますね うらやましいです、私はまだ詠んだことないので〜
(ぐりさん)



一向に捕らない盗賊に業を煮やして、黄金仏を餌に我が邸へ誘い込もうという、如何にも麻生源右衛門らしい企みである。
「幽霊殺し」より
   
金むくの 仏で盗賊 おびき寄せ
   




   
八丁堀の 旦那でなけりゃ 役者絵か
   




るいも嘉助もにやにやしているので、とうとうお吉は頭に来た。
「だって、今度のそもそもは、橋場の両の幽霊殺しからはじまって……」
「殺されたのは、誰でしたっけ」
「女中のおきくさん……」
「幽霊殺し」より
   
おきくさん お小姓お吉か ああそうか
   

お小姓「吉」に最後まで気づかなかったのが「お吉」だったというのも、面白いと一人で受けていました。
TERAIさんの「お小姓吉」vs「お吉さん」は、全く気がつかなかったポイントですが、面白いですね〜
(たまこさん)
独自の目線の詠みにして、痛快さもあり江戸っ子だねぇーの雰囲気がよくあらわれていて素敵です。
(すみれさん)
私もまったく気がつきませんでした〜なるほど〜です。ダブルお吉といい、トリプル源さんといい、平岩先生、こういうのがお好きなのかな?
(麦わらぼうしさん)
お吉とお小姓吉の偶然をよくこれだけで表現されたと思います。シンプルでキレのあるところがTERAIさまの持ち味ですね。
(コシキブさん)



「源八はまず、おれんを殺し、一味の一人を医者にして病死とごま化し、そのあげくにお小姓吉を殺した。その後始末に困って、幽霊殺しの話を考えたわけです」
「幽霊殺し」より
   
でっちあげ 幽霊殺しは たくらみか
   




 すみれさんの五七五 

初期のかわせみ、オールスターキャストなんですね。この後は本編だけでも登場人物が増える一方ですからね。今回は男性陣からながめて五七五に並べてみました。
 (UP後に)
拝見しましたよ♪毬門の敷居もハードルもなんのその 自分勝手に楽しめば良いやーーの開き直りです。(あはは、開いてもこの程度なんですがーー)今月はとりわけ競作ポイントが絞られる予感がほんとになりましたね。同じ場面を詠んでもこれだけの違いがあって面白いです。お話は明るくないのにできた五七五は明るい(冗談系)?ものが多いのが又おもしろい。(^.^)
(すみれさんの談)

鯖にあたった源さんを介抱する東吾さんの場面、るいさんが病んだ時もそうでしたね。東吾さんの性格、おさえるつぼを知っている男、誠実を実践するときを心得ている男。アンチ東吾派からみるとそこが要領が良すぎて気に入ってもらえないのかな?
   
万緑や善き友ありて目に沁みて
   

すみれさま、開き直りなんておっしゃってますが、すばらしいお句ばかりですね!いえ、いえ、すみれさま、アンチ東吾派の麦ですが、こういう時の東吾さんは好きですよ。お句、私も同じ場面詠んだのですが、出来が違います…
(麦わらぼうしさん)



東吾がとりあげたばかりの盃をおいて、すわり直した。
「頼む、知ってることをみんな話してくれ」
嘉助も居ずまいを直した。
「幽霊殺し」より
かわせみの番頭、嘉助さん、誠実度では第一級でるいさんを守りささえてくれている男、客商売になったあとでも、源さんや東吾さんの捕り物には大事な知恵袋。たまこさまの巻羽織句(老鴬の声に送られ…)が浮かんできたのですが、嘉助さんのイメージと合うような気がしました。
   
老鶯や昔の歌をきかせてよ
   

老鶯〜 これはどう読むでしょうか? この句もいいですね
(ぐりさん)
「老鶯」は「ろうおう」もしくは「おいうぐいす」と読みます。春の時期を過ぎた夏の鶯のことで、老いた鶯のことではありませんが、こんな表現って俳句的ですね。
(こでまり)
正確なさえずりのために、しばしばぼんのくぼをかいている嘉助さん。「老鶯の歌」とは、深い味わいを感じます。
(ななかまどさん)
嘉助さん=老鶯、昔の事を話す=昔の歌をきかせてよ、なんて素敵な表現なんでしょう!
(麦わらぼうしさん)
「老鶯」という言葉をはじめて聞きました。嘉助の確かな記憶力でこの事件は解決したも同然ですよね。こんな風雅な言葉でそのことが表現できるなんて…。すごいです。
(コシキブさん)
“老鶯”ですか。勉強になります。
(紫陽花さん)



「御老人、遂に堪忍袋の緒を切ったか」
噂話はおとりに違いなかった。
「幽霊殺し」より
麻生源右衛門さん、イメージに浮かぶのは新かわせみの役者さんの井川さんなので…盗人を捕まえるのはもちろんながら、七重さんと東吾さんが一緒にいる機会が増えたわけで、そんな思惑もあったかな?
   
鬼おこぜ賊と婿とを召し捕らむ
   

井川さんには申しわけありませんが、春の季語「鬼おこぜ」がなんともピッタリ!それに「賊」だけでなく「婿」も捕まえようとした視点は、目からウロコでした。
すみれさまとのばらさまの「賊と婿」の視点には膝を打ちました。
(TERAIさん)
すみれさま!同じ視点でうれしかったです!それにしても「鬼おこぜ」には全くやられました〜〜。この間、宗太郎さんに診てもらっている間の井川さんの歯を食いしばったお顔が浮かんじゃって(^-^)
(のばらさん)
のばら様♪ピンポイントで似てしまいました。打ち合わせもしてないのにねぇ(^。^) 鬼おこぜ、受けましたか♪うれしいなぁー今回は殿方のみ詠みこんでみました。
(すみれさん)
ぴったりですね、思わず笑ってしまいました 賊と一緒に東吾さんも引き寄せようとしたなんて本当に目からうろこでした、読み込みの深さに脱帽です、のばら様も同じように読み込んでいらっしゃったなんて凄いですね それにしても最近のすみれ様の句は掲示板でも拝見してますけどとてもよい句を詠まれて冴えていらっしゃいますね
(ぐりさん)
すみれ様は情感あるきれいなお句に定評のあるかたですが、「鬼おこぜ」はお茶目ぶりがでていて可愛らしいと思いました。
(コシキブさん)



自慢できる上役をもった長助さんは鼻が高くなってますね。善き上役の下には善き部下が育つのは古今東西変わらぬことだなぁー、現代のニュースをみていても感じます。かわせみ関連の奉公人たちは、喜んで働く人ばかりなのは、主人たちもそれだけの人徳、力量がある証なのでしょう。
   
風薫るだんな若さまお殿さま
   
謎解きを徳利も聞くや暮れの春
   

かわせみ主従の爽やかな関係と「風薫る」がよく合っていますね。
「風薫るだんな若様お殿さま」たった17文字に、源さんと、東吾と、通之進さまが入っているのはすごい!!長助の三人を誇らしく思う気持ちや、人間関係の良さも感じられて、私はこの句が大好きです。「鬼おこぜ」の秀作の影に、埋もれてしまうのはもったいないなぁ〜と思う、今日この頃です。
(千姫さん)
拙五七五に嬉しい感想をありがとうございます。表現したい想いが上手く詠めないのはいつものことなので、詠みとってくださる方におまかせの五七五ばかりです。(~_~;)
(すみれさん)



 たまこさんの五七五 

最近のお題の選ばれ方を見るに、どうも、冗談系の源さん句が出るようなのが意識的に選ばれてないかなぁ…という気がするんですが、それは勝手な思い込みかしらん?
 (UP後に)
今回、競作ポイントがかなりはっきりしていたので、それぞれの個性や目線がいつもにも増して興味深かったですね。ラストシーンなど「情念系に詠めるか詠めないかの道の分かれ目(?)」みたいなのが出ているなぁ。。。
(たまこさんの談)

「その通り、好きでもねえ鯖の味噌煮なんぞ無理に食いやがって、あたってりゃ世話はねえや」
「幽霊殺し」より
「幽霊殺し」も、メインの事件よりも「あ〜源さんが鯖に当たったやつね」という記憶になるんですが、この「鯖の味噌煮」はいったい誰が作ったのか(責任者)、いったいなぜ「好きでもねえ」のに無理に食うはめになったのか、それがさっぱりわからないのでず〜っと気になってるんです。だいたい、鯖の味噌煮ってとくに青魚は苦手という人は別として、たいていの人は好物じゃないのかなぁ。(私だ〜い好き♪)とくに男性は。
鯖といえば「源太郎の初恋」では、歯の痛いのが治ったら日比谷稲荷に鯖をそなえるって話も出ていたけど、源太郎は鯖が苦手ではないのかしらね。
   
誰が何時何処でどうして鯖味噌煮
   

わはは、そう言われれば不思議ですよね。でも子どもの好き嫌いは母親に寄るところが大きいな気がするので、お千絵さんは鯖OKだったが、およねは鯖NGだったとか…、うっ話がそれました。
幽霊殺し あっー 鯖に当たった話だとすぐ思いました 私もどこで源さん食べたんだろうって思ったんです すきでもないのに食べたってことは気遣いなところだったのか、源さんらしく出されたものを食べないのは悪いと思ったのか〜 源さんが病弱と言うよりは忙しくて疲れているせいなのではないでしょうか、手の抜けない人ですからとか思ってしまったのですが そこへ行くと東吾さんはのんびりとした性格だし、でも今まで病気と怪我とかしたこと無いですよね、やはり丈夫なんですね
(ぐりさん)
私は「鯖の味噌煮」ときくと、森鴎外の「雁」を連想します。主人公のお玉(!)が鯖の味噌煮のせいで、思いを寄せるひとに声をかけ損なう、哀愁のあるお話です。「幽霊殺し」と「雁」と「うねうね横丁」が入り交じって、しばらくパニックでした〜。
(ななかまどさん)
印象に残ったのは、 たまこさまの「鯖の味噌煮」のお句です。こういう所に目をつけられるなんて、さすがたまこさまだと思いました。好きでもない物を無理に食べなくてはいけないとなると、上役とか、気をつかう人の招きだったのかな〜と、私もあれこれ想像してしまいました。
(麦わらぼうしさん)
「鯖の味噌煮、どこで誰と?」も面白かったです!そういえばそうですよね。誰が源さんに食べさせたんだろう〜〜。で、わたしは食べたことないんです。鯖の味噌煮。鯖って実家では生姜煮にしてばかりで、よそでも食べたことなくて、今でも自分で料理するのは生姜煮ばっかりで、味噌煮未経験です。この機会(?)に今度食べてみます。
(のばらさん)
確かにねぇ。好きではないのだから付き合いや義理や気遣いで食べたんでしょうけど、となると相手もいるわけで他の人たちは大丈夫だったのか?源さん一人があたったのか?気になるところです。
(紫陽花さん)



この食あたりの他にも、源さんは「女難剣難」では川にはまって風邪をひくし、源太郎が生まれる直前にも、夏風邪で寝込んで、お千絵さんにお茶をふ〜ふ〜して貰ったりしてましたよね。「忠三郎転生」の負傷は労災というか役目柄としても、案外病弱じゃありません?東吾さんが病気になったり怪我をしたことって、そういえば全く記憶にないんですけどねぇ。
   
意外にも蒲柳の質か巻羽織
   

たまこ様の「誰がいつ〜」はいかにもたまこ様らしい鋭い視点だし「蒲柳の質か〜」はほんとにその通り、とうなずきましたよ。
(コシキブさん)
「鯖味噌」にあたって「蒲柳の質」ですか…たまこ様ならではの目線ですね。源さんは外回りも真面目にするから少し具合が悪くとも無理してしまうのですね。
(すみれさん)
ぐりさま、すみれさまもおっしゃっていますが、源さんの場合、忙しすぎるせいでは…普段ならなんでもないのに、疲労がたまって体調がいまいちの時に、病気にかかりやすいですからね。源さん、現代なら、ユ○ケルとかリ○インとか飲んでがんばるサラリーマンてとこでしょうか。東吾さん、丈夫ってのもあるでしょうけど、冷や飯食いの次男坊で、さして忙しくもないから、そんなに疲れもたまらないんじゃないかなぁ(←このへん、アンチ東吾さんの意見をちくちく…)
(麦わらぼうしさん)



「日頃、御恩を受けているあっしらにも、ああは出来ませんでしたのに……」
  (略)
畝の旦那には、こんなにいいお友達がいらっしゃる、と、それが嬉しくてたまらない長助でもあった。
「幽霊殺し」より
オバカなことばかり言っているとキリが無いので、このへんで気を取り直して…長助の気持ちがじんと来る、舟のシーンですね。
   
友ありて嬉し川面の青葉風
   




元祖の下条さんもよかったけど、平成版の井川比佐志さんもぴったりですよね。源さんファンには「源」右衛門さんファンも多いですから…
   
老骨の一念賊をおびき寄せ
   

源右衛門さんを詠んだ句が多いのになるほどと思いました 人気がありますものね 私も好きです(東吾さんと七重さんのときはチョットいやだったけど)
(ぐりさん)



あっという間に、「かわせみ」の居間から他人が消えて、
  (略)
雨の音だけが、だんだん強くなっている大川端に、今日は行き交う舟もない。
江戸は、いよいよ梅雨であった。
「幽霊殺し」より
情念系、1ミリくらいかすったか?(いや、まだまだ…)
   
五月雨が包む二人の夜の居間
   

ここも今回、人気のポイントだったんですよ〜、姐さんも外しませんねぇ。
「五月雨」情念系お見事ですね。「包む」「夜の居間」が想像を誘ってくれます。これを詠み込むたまこ様はやはりすごいです。
(すみれさん)
いえ、1ミリだなんて、1メートルぐらいはいったでしょう!
(麦わらぼうしさん)



 ななかまどさんの五七五 

思えば私、じとーっとした梅雨を知りません。本州の梅雨が明けると、北海道にも「蝦夷梅雨(えぞつゆ)」がやってきますが、寒くて、場所によっては霧がよく出ます。子供時代の九州の梅雨は、熱帯のスコールみたいで、バケツをひっくり返したように降っては、かんかんに日が照りつけていました。どちらも、幽霊の出る雰囲気には程遠いです。「お化け屋敷」を思い浮かべて、イメージをふくらませてみたんですが、難しかったです。
 (UP後に)
梅雨時の殺しなのに、すがすがしいお句が多かったのは、源さん・東吾さん、長助親分・久三親分の友情のせいでしょうか。皆様、夏の季語をうまく取り入れておられますね。
(ななかまどさんの談)

床柱に行儀悪く寄りかかっている神林東吾が、もう何度目かの悪態を叩いて、病み上りの友人をからかったので、長助が慌てた。
「幽霊殺し」より
   
悪態に 快気祝いの のし付けて
   

悪態も、竹馬の友ならではの「のし」ですね。
悪態が快気祝いののしなんて、うまい表現ですね。
(麦わらぼうしさん)



   
黄金の擬似餌しかけて待つ夜釣り
   

釣に見立てたんですね なるほどうまいですね
(ぐりさん)
「疑似餌」こんな例えもあるのですね。それに「荒梅雨」巧みな季語でお話にぴったり!よく推敲されていて感激しました。
(すみれさん)
本当にうまい例えですね。黄金仏をエサに誘い込もうというのだから、確かに釣りですね!
(麦わらぼうしさん)



麻生家へ忍びこんだ盗賊は、およそ八人、五人までが麻生家の邸内で捕えられ、逃げ出した三人は舟に乗るところを、源三郎と長助がとり押えた。
「幽霊殺し」より
   
源三人(みたり) 江戸に荒梅雨 呼び寄せる
   

源三人は畝源三郎と、麻生源右衛門、そして盗賊の源八ですね。それぞれがお役目や盗みのための大きな仕掛けをしあいましたね。
「源三人」の表現なるほどど思いました。
(TERAIさん)
あー そうだ、そうだ 3人とも源さんですね
(ぐりさん)
三人の源さんがそれぞれの思惑をいだいて行動して…そして荒梅雨になったと…こちらのお句もうまい!ですね。
(麦わらぼうしさん)
「荒梅雨」うーん、知らなかったこの言葉!ぴったりの季語があったんですね。秋の季語と知らずそのまま「野分」を使ってしまった私。勉強不足だ〜。
(コシキブさん)



 コシキブさんの五七五 

「今月の五七五」に参加させていただくのは三回目になりました。今月は初めて夏の季語を詠むことが出来、たくさん勉強させていただきました。楽しかったです。自然環境の乏しい環境に暮らしておりますが、俳句の世界を覗かせていただいたおかげで、乏しい中でもそれなりの季節のうつろう様子を楽しめるようになりました。
今月のテーマ「幽霊殺し」は本来のストーリーもさることながら、源三郎と東吾の友情の深さを示すエピソードが強く印象に残っています。東吾、源三郎、長助の三人が大川を橋場に向け舟で渡る場面がとくに好きです。で、競作ポイントはいっぱいあったと思うのですが、ここばかり詠んでしまいました。
 (UP後に)
(早速S.ファロウの巻羽織句看板にデビューされて)たまこ様、私の拙い作品を採用してくださってありがとうございます!麦様と肩を組んで喜びを分かち合いたいでーす。ずっと鑑賞させていただく立場でしたが思い切って参加してみて、皆様が夢中になるお気持ちがよくわかりました。少ない字数で表現する難しさと楽しさ。この先も私の数少ない趣味のひとつになるといいなあと思っています。
(コシキブさんの談)

「神林の若様ってのは、いいお方でござんすねえ」
「幽霊殺し」より
大川を舟で渡る三人。源三郎の看病をした東吾の様子や「いいお方でござんすねえ」という長助親分のひとことがたまらなくいいですね。東吾と源三郎は強い友情で、源三郎と長助は信頼と忠義で結ばれている。そして長助は源三郎のいい友人である東吾に感謝し、東吾も源三郎を支える長助に一目置いている。信という一字では表せないほどの関係なのですが、ここはこの言葉を使ってみました。
   
信といふ絆はかたし五月川
   

信頼はかわせみの和を保っている要のようなものですよね
(ぐりさん)
競作ポイントのお句、「信」と「絆」、納得の言葉です。わたしも色々考えましたがこの言葉が出てきませんでした。
(すみれさん)



両国をすぎて、左に御米倉がみえるあたりになると、東吾はいい気持ちそうにねむってしまい、長助は、これも「かわせみ」から持って来た薄い夏布団をそっとかけた。
「幽霊殺し」より
回復した源三郎に憎まれ口を聞いてはいますが、こうやってまたいっしょに探索に繰り出せて一番うれしいのは東吾さんのはず。二人が涙ぐむほど自分がほめられているのに当の本人はうたた寝して、るいさんの夢でも見ているのかな。
   
友癒えて安堵の寝顔夏布団
   

まだ三回目だなんて思えないほど、レベルの高いお句ばかりですね。源さんも回復したし、信頼できる人に囲まれた舟の中、安心しきってうたた寝している東吾さんの様子がよく伝わってきて、ホッとした気分になります。
(麦わらぼうしさん)



ハハ、はじめての巻羽織句です。男の人ってちょっと疲れてやつれたほうが精悍な印象になるじゃないですか。はじめのほうにも「なかなかの男前だ」とあるし。クエッションマークはまずいかな、と思ったのですが、これつけないと意味がとおらないのでつけちゃいました。
   
面やつれ?精悍と言え巻羽織
   

アレ、初めてでしたっけ?しかも二句も、たまこさんの「うしし」が聞えるみたいです。「精悍と言え」が源さんの心の声みたいで、面白い。
拙宅では「?」も「!」も「♪」もOKですよ。どうぞお使いくださいね。
コシキブさん、巻羽織句を二句も有難うございました〜〜とくに「面やつれ」巻羽織句、バカウケです。確かに男性の場合、少し頬が削げぎみくらいのほうが精悍でかっこいいかも…
(たまこさん)
「巻羽織」も大盛況でたまこさまの「うしし」笑いが止まらないご様子〜。「精悍と言え」には大爆笑でした。源さんも定廻りの旦那、それにしてもお茶目なのねぇ。
(はなはなさん)
「面やつれ」「精悍」この対比が絶妙です。語彙が豊富なんですね。
(すみれさん)
コシキブさま〜!初めて送った巻羽織句が同じ場面だったなんて、うれしいです〜(^^♪ おまけに巻羽織句看板に、ご一緒にデビューさせていただいて、光栄です〜!もう、感激に浸っております〜〜(*^_^*)
(麦わらぼうしさん)



青葉を見つめ涙ぐむ源さん。その胸中は東吾さんへの感謝であることは間違いないですが、疫病と疑われるほどの病状から復帰した喜びや仕事への新たな意欲もその胸に熱く湧いたのでは、と想像してつくってみました。
   
薫風に新たな誓い巻羽織
   

巻羽織句今月はラッシュですね 私も是非詠んでみたいです
(ぐりさん)
源さんの、颯爽とした後ろ姿が、目に見えるようです。
(ななかまどさん)



「うちの番頭さんの話だと、十五年前の野分の一味でお召捕にならなかったのは、源八ってのと、お小姓吉と、辰三郎と三人だったっていいますでしょう」
侍上りの源八は、東吾がこだわったように、「やなぎ」の主人安兵衛で、辰三郎はそこの手代に化けていた。
「幽霊殺し」より
「野分」は季語かな、と思ったのですが、違うようですのであえて「五月闇」という季語といっしょにしてみました。表は貸し席の主人、裏は盗人の親玉。闇にまぎれて二つの顔を使いわけていたんですね。それにしても東吾たちも野菜売りや町人に化けて警戒していたとは。水路で出会った源八一味にはバレバレだったようですが。
   
いにしえの野分を隠す五月闇
   

「野分」は秋の季語ですが、ここでは「野分のさぶ一味」のことを表しているわけですから、お句のままでいいと思いますよ。あっちもこっちもいろんな仕掛けをして隠しているんですものね。
宗匠、フォローありがとうございます。はい、蘇った野分一味と盗賊騒ぎをかけてみたんですが、やはり季節が違いましたか…。はずかしー。
(コシキブさん)
五月闇のとばりの向こうから聞こえる、昔の嵐のうなり…。想像力がかき立てられるこのお句、好きです。
(ななかまどさん)



 麦わらぼうしさんの五七五 

先月は欠席してしまったので、なんとか今月は参加したいと思い、どうにか提出することが出来ました。どうぞよろしくお願いします。
 (UP後に)
いやぁ〜、今月もレベルが高いですねぇ〜そんな中に自分のが混じっていて恥ずかしい〜のですが、でも、 この程度でも参加できるんだ、と安心して新たに参加する方が増えたらうれしいな〜
(麦わらぼうしさんの談)

鯖にあたって寝込んだから、流石にやつれがみえるが、今日は「かわせみ」で風呂にも入り、髭も月代もきれいにあたって、なかなかの男前だ。
「幽霊殺し」より
巻羽織句に初挑戦です。とんだ駄作ですみません…でもきっと、たまこさまや千姫さまなど、源さんファンのお気持ちはこうだったのでは?と思いまして…
   
病み上がり それもまたよし 巻羽織
   

あら〜、麦さんも初挑戦でしたっけ?またまた姐さんの「うしし」が聞えます。そしてちゃんと源さん贔屓の方のお気持ちも表していらっしゃいますね!
ちょうどおんなじところに目をつけてましたねー、麦さま。こけた頬、鋭い眼光。病み上がりでも男前って発想もおんなじ!
(コシキブさん)



普段は憎まれ口たたきあっていても、いざという時はたよりになる…いいですねぇ〜男の友情〜
   
新緑と 友のこころが 目にしみる
   

二人の友情は今月の詠みポイントですね 私もこのお話と言うと友情を思い出し好きな話です
(ぐりさん)



そんなところは大川端の「かわせみ」と同じだが、違うのはるいのほうは黙って突っ立っていても帯まで結んでくれる点であった。兄嫁は、まさかそこまではしてくれない。
「幽霊殺し」より
かわせみの居間にいれば、なにからなにまでるいさんがやってくれますからねぇ〜なんたって魚の骨まで取ってくれるし(←そんなのあたりまえよ!という蛍さま、はなはなさまの声が…)キャー!ゴメンナサ〜イ!
   
かわせみの 居間なら俺も お殿様
   

香苗さんはそこまでしない人かと思ったら、この後通之進さんには「甲斐甲斐しく着がえを手伝って」いましたね。もしかして麦さんや私は少数派なのかしらん。
「俺もお殿様」これが受けました(#^.^#) 東吾さん、かわせみの中ではるいさんにされるがまま、るいさんが世話をしたいのを察しているからなんでしょうが…
(すみれさん)



現代でも、火事なんかあるとすごい野次馬ですけど、<川に舟を浮かべて>っていうのが、なんか行楽っぽいな、と思いまして
   
捕物も 江戸っ子たちの 行楽よ
   




「そりゃもう、下手な芝居なんぞみるよりも、よっぽどのみものでございましたよ。(略)八丁堀の旦那様でなけりゃ、似顔絵が売りに出て、とぶように売れようって按配です」
「幽霊殺し」より
芝居だの団十郎だのから、こんな句が出来てしまいました…本所の連中が憧れる通之進さま が舞台に立ったら夢のようでしょうね。紙吹雪が舞う豪華絢爛な舞台…なんかマツケンサンバの ステージと混同してきました…
   
紙吹雪 カリスマ与力の 夢舞台
   

「カリスマ与力」通之進様を云い得て妙の表現で、ほんとに上手です。
(すみれさん)
そうそう、コレは麦さんならではの表現ですね。
(こでまり)



 千姫さんの五七五 

今月は、まとまりませんでした。いつもはこれでもぎりぎりまで持っているのですが、送ります。先月の紫陽花さんの、もののけトリオのアイデアは大変、和みました。第三章で女中さんが持っているのを見て「違うやん。それって、もののけが届けたんやで」って、原作とも混同してしまいました(笑)。今月はどうくるかしらん、と楽しみです。
(千姫さんの談)

「君」の使い方がいつもとは違うのですが・・・(と、思っているのは私だけですが)
事件の為なのに麻生家に居候をしている事には焼餅を焼いても、源三郎を看病していて会えない事には我慢していて、源さんの病気はもちろん心配だけれど、東吾の看病疲れの方が心配だったるい、という設定にむりやりこじつけました。
   
病癒え 元気な姿 君もまた
   

千姫さまのコメントになるほどです。源さんが回復したのもうれしかったでしょうけど、るいさんにとって、東吾さんの元気な姿が一番うれしかったことでしょうね。
(麦わらぼうしさん)



源三郎は、なにもいわずに対岸を眺めていたが、眩しいほどの青葉をみつめているのが、いつか涙ぐんでいるのに気がついて、長助は慌てて口をつぐんだ。
「幽霊殺し」より
ふくれる涙って源さんの柄じゃないけれど、言葉でお礼を言うより以上に、心で感謝している源三郎の人柄が大好き!
   
青葉萌え ふくれる涙に 友映る
   

ここは「あふれる」でなく「ふくれる」としたところが好きです。落ちそうで落ちない、そんな大きな涙を想像しました。
大粒の涙が膨れる なんてうまい表現だろうと思います
(ぐりさん)
女性なら涙がこぼれるのでしょうが、「男の涙」への観察眼に脱帽です。
(ななかまどさん)
男の源さんだから涙は流すことはせず、でも、友の有難さに目頭に涙が…それを「ふくれる」と表現できるのが千姫様のすごさですね♪
(すみれさん)



久三は悴夫婦と一緒に渡し場まで見送っている。
「お手先で人のいいのは長助ぐらいのものだと思ったが、ああいう親父もいるんだなあ」
「幽霊殺し」より
久三の登場を記念して・・・
   
気持ちよい 人の集まる 巻羽織
   

先のことになりますが、こんな久三だからこそ、その後の忠三郎捕縛に皆があれだけの執念をもったのでしょうね。
久三さん、仙五郎さん、藤吉さん、もちろん長助さん 心持のよい御手先さんですよね
(ぐりさん)
いい人の所にはいい人が集まる…まったくそのとおりですね。久三さん、私も大好きです。
(麦わらぼうしさん)
橋場の久三さんの名をきくとチクリと胸が痛みます。源さんがつかうお手先はみないい人ばかりですね。
(コシキブさん)



 あっちの管理人さんの五七五 

先月は久しぶりに欠席で、皆さんのお句をしっかり楽しませて頂きましたが、ちょっぴり寂しい気持ちも味わいましたので、今月はぜひ参加させて頂きます。
この頃はまだ東吾さんと七重さんの縁談話が出ている頃で、るいさんはさぞやきもきしていたことだろうと思います。そしてこの「幽霊殺し」では東吾さんと源さんの友情もしっかり描かれていましたね。子供の頃からの親友っていいですね。東吾さんってるいさんが寝込んだ時も付きっきりで看病していたし、源さんに対しても兄弟でもああは出来ないだろうという程献身的に看病して、本当に実のある優しい人なんですね。長助親分の話から何かおかしなものを感じて調べに行くという源さんにすぐにつきあう東吾さん、この二人の信頼関係は羨ましいほどです。そこに長助親分も加わって、「かわせみ」ファミリーの男達の信頼は強固なものがありますね。
 (UP後に)
早速拝見して来ました。先月は欠席だったので、今月はぜひ参加しようとなんとかひねり出しました(笑) この話、東吾さんと源さんの友情、門前捕りの華やかさ 等々競作ポイントも沢山あって、皆さんのお句も吟味を重ねられたものばかり。巻羽織句も沢山あって、たまこ姐さんのうししの声が聞えてますよ〜!
(あっちの管理人さんの談)

この幽霊殺し、私の印象に残っているのは元祖版「かわせみ」で源さんの床上げでメンバー全員が「かわせみ」に集り、八造親分が「幽霊殺し」の一席を語り始めたところ。みんな楽しそうにワイワイと八造親分の話に夢中になって。小説でも幕開けはその楽しそうなシーンから。東吾さんは口では源さんをからかいながら、でもちゃーんと病み上がりの源さんを気遣ってるんですよねぇ。いいなぁ男の友情!
   
病んで知る友の思いに胸熱く
   

八造親分の語り口、私も大好きです。捕物好きの集った居間の雰囲気もとてもよく出ていて、何度見ても楽しめますね。



「それで、女中は死んだのか」
調子にのって話していた長助が、はっと真剣な顔に戻ったのは職業柄で、
「へえ、死んだってきいて居ります」
「幽霊殺し」より
そして源さんはそんな楽しい酒盛りの最中にも、おかしな点にピンと来る。さすが八丁堀同心!
   
伊達じゃない幽霊話に勘が冴え
   

気がつかなかったといえば、あっちの管理人さんが詠まれた(独占ポイント?)源さんが単なる噂話を事件の発端として鋭い勘を働かせるところ、やられた!と思って悔しかったです。
(たまこさん)
私もここ詠みたかったんですけど、全然ダメでした…うまいな〜!
(麦わらぼうしさん)
そうそう、ここは源さんの復活を告げる印象的な場面ですよね。あっちの管理人さん、さすがに見逃しませんねー。
(コシキブさん)



「明日、本所の麻生の義父上のところへ行って来るように……、源右衛門殿のお話をうかがって来い」
  (略)
仕方なく、部屋へ戻ったものの、東吾は少からず気が重かった。
「幽霊殺し」より
東吾さんと七重さんの縁談は、るいさんという存在がなければすんなり決まっていたかも知れませんが、実際には東吾さんにはるいさんがいた訳で、兄の通之進に何と言われようと東吾さんには受ける気は微塵もない。でも源右衛門はあきらめる様子もなく、そんな兄から麻生家を訪ねるように言われた東吾さん…
   
青嵐兄の使いに気がとがめ
   




間もなく、八丁堀からは知らせを受けて、与力、神林通之進、三村吉兵衛が同心配下を従えて、麻生家の門前に到着し、麻生家からはすでに取り押えてあった五人を突き出して、門前捕りにした。
「幽霊殺し」より
そしてやっぱり今回の競作ポイントはまるで芝居を見ているようだという麻生家の門前捕りでしょうか。
   
華やかに門前捕りの大向う
   

盗賊にしたらたまったものではないでしょうが、「華やか」という言葉がピッタリの場面ですね。



そして事件解決、でもその間ずっと麻生家に泊まり込んでいた東吾さんにるいさんはちょっときつね色。またまた一揉めありそうな「かわせみ」の午後ですね。
   
焼き餅の卯の花腐し(うのはなくたし)降り止まず
   

嘉助さん言う所の お嬢さんの可愛い焼餅焼き これが登場しないのも寂しいですね 今回は少し濃い目だったかしらと思わせる句ですね
(ぐりさん)
るいさんの気持ちは常に忘れない管理人様、今回も外さずに「焼き餅」で詠んでおられます♪「卯の花腐し」むずかしい季語を上手に使っておられて上級者なんだなぁーと納得しました。
(すみれさん)
“卯の花腐し”はじめて聞く言葉でした。辞書ひきました。
(紫陽花さん)



 のばらさんの五七五 

改めて読み返すと今月の「幽霊殺し」はいろいろな要素が多くて、詠みたいところはいっぱいなのに、まとまらなくて苦しみました。皆さまがどこをどんな風に詠まれておいでかとても楽しみです。
 (UP後に)
競作ポイントでいいお句もいっぱい。やられました〜〜。巻羽織もざくざくですね。冒頭の源さん東吾さんのシーンも青葉と船と川風を感じる句がいっぱい!わたしは何にも浮かばなかったので、なおさら注目、拝見してすがすがしい気持ちになりました(^-^)
(のばらさんの談)

「いいことを聞いた。早速、源さんに知らせてやろう」
飯もそこそこに「かわせみ」をとび出して行く東吾を、るいは怨めしそうに見送って、嘉助は、しきりにぼんのくぼをかいた。
「幽霊殺し」より
よくある場面(笑)。たぶん、こういうときのるいさんはムッとしてるんでしょうけど、心の奥では「しょうがないなあ、もう〜」と、あきらめ半分の苦笑いで見送ってるんだろう、そして東吾さんのそんなところも好きなんだろうな、と思います。(そんな二人が好き♪)
   
怨めしや見送る背なの勇みをり
   

「亭主の好きな赤烏帽子…」とかなんとか言ってね。でも嘉助さんも辛い立場ですよねぇ。



本所深川は水路の中の町である。
「こうやって、ぐるぐる漕ぎ廻っているのも楽じゃねえな」
東吾が呟くように、あやしまれないために舟は毎日、変った。行徳あたりから来る野菜舟に化ける時は、東吾も源三郎も長助も、百姓の風体を装うし、油問屋の荷舟の時は町人風になった。
「幽霊殺し」より
   
ひたすらに推理も船も迷路ゆく
   

私も詠みたくて、さんざん漕ぎ廻った挙げ句に諦めた箇所です。すっきりと描かれていますね。
(ななかまどさん)
いつもながらのばらさま、すばらしいお句ばかりですね。やっぱり、いろんな賞に入選される方って、センスが違うのでしょうね。ななかまどさまに同感です。「推理も船も迷路ゆく」うまい表現ですね。
(麦わらぼうしさん)



七重さんの前で賊相手に活躍したらますます七重さんが惚れちゃう〜。あきらめようとしている七重さんをよそに、麻生のご隠居はまだまだ東吾さんをあきらめてない様子。この餌まき作戦、あわよくば賊もろとも東吾さんもゲット!を狙ってたんじゃ…なんて思いました。七重さんは複雑だったと思いますが宗太郎さんが現れますよ!と笑い飛ばしたくなってしまいました。
   
麻生殿思惑(おもわく)二つ賊とムコ
   

すみれさんも詠まれていたのですが、「賊とムコ」同時にゲットというところ、盲点でしたわ〜。麻生様なら、いかにもそうでしょうね。
ことにすみれさんとのばらさんのお二人が詠まれた麻生の殿様の賊と聟とをおびき寄せたというのが大受け。いやぁあの殿様なら考えかねない!お二人の目の付け所に感嘆しました。
(あっちの管理人さん)
すみれさんとぴたり会いましたね
(ぐりさん)
「麻生殿」で、同じ視点で句を詠めた事、すみれにとってはとても嬉しく、誇らしいことでした。
(すみれさん)
「賊とムコ」すみれさまも、ここはよく麻生殿の魂胆を見抜きましたね。全く気がつきませんでした。
(コシキブさん)
“賊とムコ”そうだったのかぁ。そんな思惑があったなんて全然気がつかなかったです(笑)。それにすみれさんのばらさんの視点が同じだったというのもすごいなぁと驚きました。
(紫陽花さん)



梅雨の初めを実感させられる、緑濃くしっとりとした空気の中で聞く東吾さんの声。たぶん、かなり揺れたであろうるいさんの心も、不安は残しながらもひととき静まったのではないでしょうか。
   
梅雨きざす恋人の声耳元に
   

「怨めしや〜」「耳元に〜」やはり、るいさんの目線はあっちの管理人様と同じく外さずにしっかり詠まれていてもうさすがとしか言いようがありません。
(すみれさん)



 ぐりさんの五七五 

このお話は東吾さんと源さんの友情の篤さ、門前取りの華やかさ盛りだくさんのお話ですね
 (UP後に)
他の方たちがどんな風に詠んでいらっしゃるかと思うと 毎回UPが楽しみです
(ぐりさんの談)

神林家からは、東吾の兄嫁にあたる香苗が女中を連れてやって来て、看病は自分達がするから東吾は屋敷へ帰るように勧めても、
「源さんは、わたしが傍にいるのが、一番、気がねがないと思いますので……」
とうとう、源三郎の枕許から動かなかった。
「幽霊殺し」より
東吾さんが源さんを手厚く看護するところ 二人の絆の篤さを描いたところ好きです
   
鯖あたり 竹馬の友の 介護あり
   
眩しそに 青葉見つめる 目に涙
   

源さん東吾さんの友情を伝える場面はいくつもあると思いますが、中でもここは絶対上位に入る場面ですね。



東吾が笑い、長助がどこでおぼえたか真面目に答えた。
「へえ、類は友を呼ぶっていいますから……」
「幽霊殺し」より
橋場の久三さんの初登場なのですね 少ししか登場しない人ですが 印象深い人です
   
御手先で 類は友呼ぶ 結びの葉
   

「結葉」は若葉が生い茂り重なって見えることを表す夏の季語だとか、勉強になりました。源さんにはこの二人のほかにも、飯倉の仙五郎さんやドラマでおなじみ藤吉さんなど多くの人が、結び合って働いてくれていますね。
お手先については、ご本家のこちらをどうぞ
ぐりさんの「結びの葉」という季語も勉強になりましたし、それを「類は友」のイメージにしたというのも、冴えてる〜と思いました。
(たまこさん)
御手先さんの多さに驚きました 其れをちゃんと残していらっしゃるあっちの管理人様のこまめなUPに頭が下がります
(ぐりさん)
「結びの葉」すてきな言葉使いですね。久三さんと長助さんの雰囲気を著して上手いなぁ!うなってしまいました。
(すみれさん)
「結びの葉」そういう意味なのですね、私も勉強になりました。たまこさまがおっしゃるように、それを「類は友」に結びつけるなんて、本当にうまいですね。
(麦わらぼうしさん)
「結びの葉」という言葉が素敵です。久三と長助は縄張りが違うのに、源三郎を中心に協力しあっているんですね。お手先どうしの友情を示すとてもいい表現だと思いました。
(コシキブさん)
“結びの葉”きれいな言葉ですね。使い方もいいなぁ。
(紫陽花さん)



東吾さんの戦うシーン詠みたいと思うのですが なかなか難しくて
   
闇の中 裂ぱくの音 かきつばた
   




「団十郎も藤十郎もはだしで逃げようって男前でござんしょう、絵に描いた殿様ってのは、ああいうのを申すんじゃございませんか、いえ、あっしがいうんじゃなくて、本所の連中が口をそろえていいますんで……」
「幽霊殺し」より
通乃進さま勇姿 私にはやはり田村さんです
   
団様か 門前捕りの 絵姿に
   




 こでまりの五七五 

今月は難しかった〜。はぁ〜へとへとです。お話は本当に面白かったのになあ…。
(こでまりの談)

源さんの快気祝い翌日の舟の風景です。東吾さんに対する長助さんの話、何度読んでもジンと来ますよね。競作覚悟で、久々に短歌風にして詠みました。
   
友癒えてうたた寝の身を舟べりにあずけし君に吹く青葉風
   

「友癒えて〜」宗匠と同じ視点、同じ言葉で一句作れたのでうれしかったです〜。
(コシキブさん)
そうなんです!私も嬉しゅうございました。
(こでまり)



帰り道に、久三は悴夫婦のやっている一膳飯屋へ案内した。
「やなぎの旦那のところで用意したお膳には及びもつきませんが……」
遠慮そうに出して来た煮しめと菜飯を、源三郎も東吾も喜んで食べた。
「幽霊殺し」より
この「菜飯」の素朴だけど栄養があってお腹が一杯になる感じが、久三さんの人柄にピッタリだなあと思いました。今月は「江戸東京散歩」を何度も開いて、地図をたどりながら読んだのですが、「深川」と「橋場」の距離はかなり離れていますが大川を挟んでいるのですね。「類は友を…」の名言、同じお役目の長助さんと久三さんにも信頼と友情があったのでしょうね。
   
川挟む菜飯のごとき類と友
   

大川をはさんでいるなんて知らなかったです 菜飯のように素朴な二人(でも美味しいんですよね) にぴたりの句だと思いました
(ぐりさん)
「類」「友」こちらは同義語をさらっと使い分けて…脱帽いたしました。
(すみれさん)
菜飯という表現、本当に長助と久三さんにぴったりですね。
(麦わらぼうしさん)



七重さん自身は東吾さんのことを思い切ったと思うのですが、同じ屋根の下に三日もいたら複雑な気持ちがしたと思うんです。嫌いではないわけだから、お役目と知りつつもう少し居てほしい思ったり、父親の期待もわかるだけに、早く賊を捕らえて帰ってほしいと思ったり、でも表に出さないように気持ちをグッと抑えていたのでしょうね。
   
諦めし人とひと家で送る日の永くと思ひ早くと願ふ
   

七重さんの心情を短歌に託して、「永く」「早く」相反する言葉で女心の微妙を詠まれるあたり、さすがです。
(すみれさん)



麻生源右衛門の屋敷は小名木川沿いにあった。
附近は武家屋敷が多い。
川に沿って行けども行けども塀の続いているのは大方、大名屋敷だし、その他にも旗本御家人の住居が目立つ。町屋はその間にちまちまとかたまっていた。
「幽霊殺し」より
↑は詠んだ場面ではないのですが、小名木川沿いのこんな閑静な武家屋敷の道に、夜中だというのに門前捕り見たさに押し寄せたというのだから、本当に江戸っ子って好奇心が旺盛なんですね。
   
初夏や江戸っ子溢る武家屋敷
   




ところは大川端の小さな旅宿「かわせみ」の女主人、るいの居間で、珍しく三日ばかり寝ついた源三郎の、今日は快気祝いという名目の、ごく内輪の集まりであった。
  (かなり略)
雨が大川をけむらせている午下りに、「かわせみ」のるいの居間では、昼酒にまっ赤になった長助が身ぶり手ぶりの捕物ばなしで、(略)さして旨くもなさそうに食べている。
「幽霊殺し」より
よくある風景ですが、
   
捕物の始めと終わりるいの居間
   

かわせみのるいさんの居間に集まる風景一度詠んでみたいと思っているのですが、なかなか詠めません、好きな場面と詠める場面て違うんですね、まだまだ未熟ものです。るいさんの居間のいつもの風景、ほっとさせてくれますね 大好きです
(ぐりさん)
かわせみではおなじみの場面、おなじみすぎて、うっかりしますが、そこをあらためて詠まれたこでまりさま、さすがだと思いました。
(麦わらぼうしさん)



 紫陽花さんのオマケ 

締め切り間際になってしまいました。すみません。肝心な俳句は出来なかったです。皆さんどこ詠んでくるのかなぁ楽しみです。
(紫陽花さんの談)

「本所の麻生様が近頃、由緒のある黄金仏を極内で入手なさったそうで、それが又、大層、御利益があるとかで、お屋敷お出入りの連中でおまいりをさせて頂いた者の話では、金むくの仏様もたいしたものだが、それの入っているお厨子がまた、けっこうなもので……」
「幽霊殺し」より
うーん、こんなんでいいんだろうか…いまだにどうしようか迷っています。由緒ある黄金仏にはとても見えないし、お厨子は安物の箱みたいだし…黄金仏もお厨子も実物を見た事がないし、図書館にも行く時間がなかったしで、いつもにまして適当です。ところで、こいつらは何しているんだろう?大切な黄金仏を盗賊から守ろうとしているのか、それとも持ち逃げしようとしているのか、微妙なところです。
湯のみ茶たくは 「はいくりんぐに遊びに行ったら敷居は高くなっているし、ねこはいるしで、裏口からそーとはいったよ」と言っています。(紫陽花が言っているんじゃないよ。湯のみ茶たくが言っているんだよ)
いやはや恐れ入りました。湯飲みくんは賊に持ち去られたらかけてやろうと、熱いお茶をなみなみと入れているみたいだし、茶托くんはその前に黄金仏を避難させようとしているし、賊の侵入を知らせる狐火ちゃんと一緒に、七重さんを守っているのね、エライ!あっ、ところで近頃噂の敷居ですが、小源に頼んでカンナをかけてもらったから、大丈夫ですよ〜。 例のコンビもしっかりとお話にからんでくるなあー。 こちらも「技あり!」(紫陽花さんにですよー)
(コシキブさん)
トリオは今月は無理かなと思っていたのですが、ちゃんと登場で嬉しかったです 黄金仏を守っていたのですね、湯飲み君は囮になっているのかな?
(ぐりさん)
紫陽花さんのトリオ、今回はどこに登場するのかな〜と思っていたんですが、またまたしてやられましたね。最初、「あれ?茶たく君は?」と思ったんですが、なーるほど!!いや〜毎回ほんとうに楽しませてくれます。「十一面観音」のときも素晴らしいと思ったのですが、この仏様も、よくこのように描けるものだと感心してしまいます。
(たまこさん)
もののけトリオにはまたまたやられました〜。可愛らしさにノックアウトですよ♪今度はそう来たか〜と紫陽花さまにはいつも驚かされてしまいます♪ところで七重さんの胸はあったかだったかな〜茶托くん?
(はなはなさん)
五七五はなくとも、例のトリオは大活躍で嬉しいです。発想が素晴らしくて、今度はこう来たか!毎回、予想の上をいく登場ぶりイラストも凝ってますね。
(すみれさん)
本当に毎回、紫陽花さまのアイデアには感服です。盗賊たちが仏様を持ち出そうとして、厨子の扉を開けたとたん、熱いお茶が飛びかかってきて…という場面が見えるようです。
(麦わらぼうしさん)



 はなはなさんの五七五 

さて、やっと出せます、「幽霊殺し」。ポイントが多すぎて「いったいどこを詠んだらいいんだ〜」とパニック起こしてました(笑) 肝心の事件はひとつも詠めないで、結局「花御堂」とそう変わらないアプローチになってしまって恥ずかしいです。今回もはなはな的には不発な感じです。でもやっぱり「参加することに意義がある」ということで。
 (UP後に)
「幽霊殺し」やっと拝見しました。締め切り直前に滑り込み提出で申し訳ありませんでした〜。皆様の御作はどれもひねりが利いていてカッコいいですね〜。「おにおこぜ」も「黄金の疑似餌」も「鯖の味噌煮」も大受けでした♪
(はなはなさんの談)

そのせいで、こうしてうたた寝をしている東吾も、どことなく面やつれしてみえるのが、長助には胸が熱くなるような思いであるらしい。
「幽霊殺し」より
今回もやっぱり東吾・源三郎・長助の男三人の友情に目を付けてしまいました〜。大川をさかのぼりながら、東吾さんの寝顔を眺めて青葉に涙を紛らす源さんの気持ちが愛しいです。江戸情緒と友情、そして捕り物。このシーンが「かわせみ」のひとつの魅力かな。大川をさかのぼるのはとても気持ちが良いですよ♪
   
友といて青葉染み入るひとつ船
   




特に詳しい描写はないのですが、東吾さんが屋敷に居ると思えば思うほど騒ぐであろう七重さんの胸のうちを忖度していたらこんな言葉が浮かんで…。本文でも明らかには書かれていないので、こちらでも「蓋」をしました。
   
七重八重心に蓋する夏夜かな
   

はなちゃんも同じ所に目がいきましたね。七重さんの気性では、やっぱり「七重八重」としっかり「蓋」をしたでしょうね。
そうなんですねあきらめたとはいえ好きな人、ひとつの家にいると思えば心は騒ぐでしょうね 其れにふたをして耐えていたのでしょうね このころの七重さんのところを読むと 宗太郎さんが現れますよって言ってあげたくなります
(ぐりさん)
七重さんが七重八重、うまい表現ですね。七重さんの気持ち、確かにこうだったでしょうね。
(麦わらぼうしさん)
七重八重に蓋する七重さんの気持ちが伝わってちょっと切ない。
(紫陽花さん)
やはり男女関係でのはなはなさまの読みは深い!コシキブこのへんはまったく見逃してました。七重さん、ドラマでもきりりと小太刀で賊に立ち向かってましたね。東吾さんへの思いは心の奥底に封じ込めて、整理がついていたのかな。麻生さまも罪なことをしたものです。
(コシキブさん)



その頃には、噂をきいて集って来た野次馬で道という道は一杯の人だかり、中には川に舟を浮べて見物する者もいて、この夜の捕物は暫くの間、本所の語り草になった。
「幽霊殺し」より
麻生家の門前はイマドキの「出待ち」どころではなかったでしょうね。船も出たというのですからすごいものだったでしょうね。
   
船浮かべ夏待つ夜の門前捕
   




るいが冗談らしくいったくせに、不意に横をむいて涙を浮べたのをみると、源三郎も長助も慌てて立ち上った。
  (略)
「源さんも長助も友達甲斐のねえ野郎だな」
東吾の呟きを、るいがそっと袂でかくした。
「幽霊殺し」より
最後のシーンは「かわせみ」らしいシーンですよね〜。おるいさんの焼餅もなくっちゃいけませんよね(笑) 源さんや長助、お吉も嘉助も逃げ出していく… 「水戸黄門」なら「えーい控えおろう〜」のパターンとして毎回ぜったいあってほしい名場面だと思います。
   
嫉妬(やきもち)も袂の陰に溶けにけり
   

初代のドラマでは、居間で麻生家の黄金仏の話を聞いたるいさんが咄嗟に、「行ってさしあげてくださいまし」とか何とか言って勧めたんですよね。でもやっぱり妬いちゃって、それもかわいい、るいさんです。
こちらもうまい表現ですね。袂の陰に溶けて「川音も〜」のお句につながる訳ですね。すみれさまに同じく、私もはなはなさまの情念系にうっとりと浸ってます〜
(麦わらぼうしさん)



最後はちょっとだけ情念系。忙しくって最近はゆっくり情念にも浸れないはなはなの息抜きだとお見逃しくださいませ〜(ん?)
   
川音も閨に籠もれり雨の宵
   

殿方しか詠めないすみれとは対極にあって、どんなときも情熱を忘れずに表現されておられて、こちらも毎回脱帽です。「こころに蓋」する七重さん、「閨にこもれり」情念系の詠みがほんとに巧みでリズムの良さにうっとりです。
(すみれさん)