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 錦秋中仙道
「二十六夜待ちの殺人」より  (平岩弓枝著:文芸春秋刊)
先月の「千手観音の謎」には、またしても過去最高の参加者をお迎えすることができました。ありがとうございました。

九月二十五日からは待望の初代NHK版の再放送も始まり、ますます「かわせみワールド」から目がはなせませんね。
再放送を見ながら、以前の皆様のお句を思い出すのも、楽しみのひとつです。

さて十月はお話の多い月でいろいろと迷いましたが、再放送のお祝い気分も手伝って、「錦秋中仙道」を選びました。
たまこさんちの看板デビューをなさった「あの方」のご趣味にも関係のあるお話で、後味のよい恋物語です。

さあ、今月はどんな五七五になりましたでしょう。
(平成十六年十月)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 TERAIさんの五七五 

今回は漆に関係したお話でしたが、漆かぶれの話題ばかりでなく、男女の人情の機微ももう少し詠みこみたかったのですが…。
 (UP後に)
今月は漆に関係したお話ということで、いつもより力が入ってよかったはずなのですが、PCの不調があったり、作品展間近で仕上げに手を取られることが予想されたので、また月初め早々に提出してしまいました。その代わりにという訳でもありませんが、感想を書いてみました。感想を書いてみて、改めて多くの皆さんが参加されているな〜と思いました。
(TERAIさんの談)

「源さんよ」
東吾が笑い出した。
「この節、花嫁の代役がはやるな」
「錦秋中仙道」より
   
花嫁の 代役はやる 巻羽織
   
お岩さん 人三化七 気をつけよう
   

前回「代役の花嫁」を詠んでから、ちょうど一年経ちました。また一人、幸せな花嫁の誕生です。
「花嫁の代役」も今回のポイントでしたね〜。なのに、源さんとはまったく結びつかなかったです〜。(シオシオ)読み過ごしていたのですが、源さんの胸中は複雑だったでしょうね。まだまだ読みが浅いですワ〜。(-_-;) 感想もお句と同様にお早いのに、そのお句のポイントをついていて、とても的確ですね。蛍にまで、有難う御座いました。
(蛍さん)



「しかし、今はおきぬに惚れているようですな」
と源三郎。
「おきぬがしっかり者だからだよ。それにしても、神仏の思し召しには参ったな」
「錦秋中仙道」より
   
仮嫁が 本物となりしその訳が 神仏の思し召しとは やるせなきかな (字余り)
   
紅ほおずき 真赤な顔の だるまさん
   

「仮嫁が〜」まったくですね〜。蛍も、な〜んていい加減な男なのだ〜って思っていました。このときには、おきぬさんの為に、おしまさんが自分で漆を塗ったとはわかっていないですから、おしまさんは妹に許婚を取られたと一生世間から言われると思わなかったのでしょうかね〜。おきぬさんはしっかり者のようですが、この新夫婦、結構心配です〜。
(蛍さん)



せっぱつまって、おしまは漆のことを思いついた。
「漆器問屋の娘ですから、漆かぶれの恐しさはよく知っています。あたしは、なにも理由はいわず、新助さんに、今度、来る時は、漆を持って来てくれと、たのみました」
「錦秋中仙道」より
新助さんが漆を持ち込んだのは悪意があってのことではないのでしょうから、ちょっとこの歌は表現が不適切かも知れません。
   
かぶれたの そんなはずない乾かした とかいいながら生漆(きうるし)持ち込む
   
遊び好き 窮余の一策 新さんに
   

おしまさんは随分前から計画をしていたようですね。せっぱつまった中で計画の一端を担う相手に新助さんを選んだのは、やはり気づかずに心ひかれていたのでしょうか。
今月も一番乗り、すばやく情景を読み取ってお祝い気分の乗りのよいお句ばかりですね。漆を実際に扱われておいでになるから、よくお解かりなのでしょう。(~_~)
(すみれさん)
「不適切」と言うよりもその通りだと思いました。蛍は漆のことはド素人なのでまったくわからないのですが、TERAIさまはご専門ですから、その危険性もよくご存知と思います。新助さんに悪意がなくても、結果的には大変なことになってしまったわけですし、なんとなくTERAIさまの仰りたいことがわかったような気がしました。
(蛍さん)



   
思われし 人のもとへと 中仙道
   

「思われし〜」おしまさんの希望に満ちた旅立ちをよく表していますね。
(麦わらぼうしさん)
最後の「思われし」はステキですねぇ。 「思われて」女って幸せになるんじゃないかなぁ…と思う今日この頃。
(はなはなさん)
「中仙道」もポイントだったのですね〜。旅人で賑やかな東海道では、このしっとりしした雰囲気は出ませんね。中仙道に旅発つ二人の明るい未来が見えるようです。「人のもとへと…」の響きがとても好きです。
(蛍さん)



 七歩さんの五七五 

臆病な私は、漆にかぶれる話にぞぉっ〜としたせいか、今月の五七五には苦しみまして、われながら駄句と思えるものしかできませんでした。
(七歩さんの談)

最初は漆で美女を苦しめるなんて許せないことだと案じながら読みましたが、東吾の勘働きでうまく事件が片付きホッとしました。いずれの句も、真っ赤になった漆の葉が脳裏にちらついてできたものです。
   
漆葉の思いを秘めし角隠し
錦秋や漆がとりもつ乙な縁
   

私は漆の木というのは実はよく知りませんが、漆の葉に着目されたのはなるほどと思いました。
(TERAIさん)
七歩さまのお句は、いつもながら、うまいなぁ〜!です。「〜角隠し」最初、おきぬさんの事かなと思ったのですが、おしまさんも、木曾に着いたら花嫁ですものね。漆葉の思いを秘めていたのは、おしまさんだし…いろんな風に想像が広がるお句ですね。
(麦わらぼうしさん)
いつもながらすらすらとお作りになっているようなリズムのよさですね。あらためて「漆」という小道具が生きている、そう感じられる御作です。
(はなはなさん)



おきぬが下駄を脱ぎ、かけよって姉にすがりついた。
「姉さん……姉さんはあたしのために……」
あとは肺腑をしぼるような泣き声であった。
「錦秋中仙道」より
   
相抱く姉妹の影や夕焼け雲
   

真っ赤な漆の葉には全くの盲点でした。以前、紫蘇をお詠みになられたときに感じたのですが、七歩さまは色使いが巧みですね。お互いに辛い思いをしていたのでしょうが、二人の優しさでその辛さを乗り越える事が出来たのですね。「相抱く…」に温かいものを感じました。
(蛍さん)



るいの部屋では、姉妹が漸く涙をおさめていた。
「姉さんは、あたしが角太郎さんを好いているのを知って……それで、あんなことをしたんですね」
「錦秋中仙道」より
   
思いやる姉が仕掛し赤い糸漆葉もえて身をやく女
   

許婚と妹の間に見えてしまった赤い糸、それが見えたからこそ、あんなに大胆なこともできたのでしょうね。
経験豊富、語句も豊富、表現も豊富で味わい深いですね。日記の中の短歌もすてきなお歌が多いです。
(すみれさん)
「漆葉もえて身をやく女」に、おしまさんを感じてしまいました。(おきぬさんのことでしたら御免なさい)いつの頃からかおきぬさんの気持ちに気がつき、なのに祝言は近づいてくるし、心の葛藤はまさに「身を焼く」だったのではと思います。我が身を犠牲にするのにも「身を焼く」を感じました。
(蛍さん)



 ぐりさんの五七五 

今月も参加するのに意義あるの句ですがお願いします。管理人様やたま子様宗匠様のおかげで楽しい思いをさせていただいているんだなと改めて思いました。
 (UP後に)
皆様すごいです。自分が参加してみると又思い入れが違って、あーこういう目のつけ方もあるのかとか、こういう言葉の使い方があるのかとか思い自分の未熟さを思い知るのですが、とても勉強になります。TERAI様がおっしやるように男女の機微を皆様うまく表現して見えます。俳句の世界もおくが深いんですね。「たかだか17文字 されど17文字」ってなにかで見たような気がします。未だ入り口をちょっと覗いてみた私ですがもう少し入ってみたいなと思っております。これからも宜しくお願いします。
(ぐりさんの談)

後のお話で東吾さんが『そういえば宮越屋の娘は木曾へ嫁に行ったんだよな』と思い出すところがあります。
   
あのふたり どうしているか 秋の宵
   

ぐりさんのおっしゃるお話が思い出せなくて、あっちの管理人さんに教えていただきました。「夢殺人」(お吉の茶碗)だったのですね。お二人ともありがとうございました。
かわせみを読み返すたび、「あの人は…」と思う人がいますが、新作には時々そういう人が登場して、ますます楽しみですね。
よく原作を読み込んでらっしゃいますね。「夢殺人」私も読んでみました。
(TERAIさん)
ありましたね、東吾さんのセリフ。レギュラー以外の人が後で別のお話に登場するのって、うれしいですよね。
(麦わらぼうしさん)
原作の読み込みが深いからひとつの話に留まらず、発想が次々と湧いてこられるようで、すてきですね。
(すみれさん)
東吾さんのふとしたひとことをよく思い出されましたね〜。「かわせみ」の魅力を改めて実感しました。
(はなはなさん)



木曾の檜細工は、漆の幹から取る樹液を使った塗料で仕上げる。
新助が、なにに使うのか知らずに持って来た漆の液を、おしまは自分で自分の体に塗った。
「錦秋中仙道」より
   
漆塗り 妹思う 姉心
   

シンプルな表現が、かえって気持ちがよく伝わってきます。
(麦わらぼうしさん)
「妹思う」におしまさんの切実なきもちがこもっているように感じました。『自分で自分の体に塗った』その決心は、そこに行き着くまでは心も揺れたと思いますが、おきぬさんへの愛情がそれを決心させたのですね。
(蛍さん)



   
ふたりなら 幸せくるさ 秋を行く
   

口語遣いも効果的ですね〜。東吾さんの独り言かな、かわせみファミリーみんなの気持ちですね。
(はなはなさん)
「幸せくるさ」の言い切り方が、本当にそんな気持ちにさせてくれますね〜。新助さんと二人、仕合わせを祈らずにはいられないです。
(蛍さん)



 浅黄裏さんの五七五 

実は、新助さんの思いを知って…というおしまさんの気持ちに当初は一抹の不安を覚えました。嫁入りの気持ちとしては弱いかなという不安です。どんなに恵まれた条件での結婚でもいろいろあるのが結婚でしょうし、ましてや逃げ帰ることも出来ない「六十三里二十八丁」の距離です。でも自らの顔に生の漆を塗ったおしまさん、実はかなり意思の強い女性なのかもしれないと思いなおしました。必ず幸せになって欲しいひとです。
 (UP後に)
今月の皆様のお句の感想をお送りします。競作ポイントでは御一緒できた方が多くて嬉しかったのですが、逆に思いも寄らなかったところを詠まれたお句に接することが出来たことも本当に勉強になりました。
(浅黄裏さんの談)

「新助さんには本当にすまないことをしました。でも、新助さんが、そんなにあたしのことを案じてくれたと知って……あたしは嬉しいんです」
「錦秋中仙道」より
一見、目立たない草の花のようなおしまさんですが、いずれはきっと自分の足ですっくと立つだろうと思って詠みました。
   
寄り添いてやがて立つらん草の花
   

おしまさんの嫁入りの動機としては弱いのでは…というのは私も思いました。また「草の花」に例えられたのはさすがだと思いました。
(TERAIさん)
たしかに、おしまさんて地味な感じがしますが、芯は強そうですよね。そんなおしまさんがうまく表現されていると思いました。
(麦わらぼうしさん)
コメントを拝見して、「嫁入りの動機として弱い」には我ながら考えてもいなかったことに気がつきました。おしまさんは、両親の愛情がおきぬさんに向いている事に寂しさを感じていたと思います。寂しいからこそ、新助さんの本当の愛情がわかったのでは…。新助さんを支えに、きっと木曽で自分の仕合わせを見つけるのでしょうね。
(蛍さん)



二人が旅立って行く木曾路には、もう真赤に色づいた紅葉が、山野を彩っているに違いない。
「お幸せをお祈り申して居りますよ」
少しばかり羨ましそうな声でるいがいい、二人が深々と頭を下げた。
「錦秋中仙道」より
「木曾の嫁三部」です(笑)。『狐の嫁入り』のおよねさんは春に木曾へと旅立ちましたが、今月のおしまさんは秋ですね。江戸で大変だった娘さんは木曾へ行くと幸せになれるのでしょうか…。「秋の夕日に〜♪」と「子狐こんこん山の中〜♪」の歌が頭から離れず、こうなったものと自己分析しています。
   
かんざしは漆もみぢや木曾の嫁
   
木曽路ゆく花嫁御寮はつげの櫛
   
もみぢ葉を敷き詰め祝う木曾の宴
   

あら、本当ですね。この春のお題「狐の嫁入り」もそうだった、忘れていました。
どのお句も希望を胸に木曾へ行く花嫁さんをよく詠んでいらっしゃいますが、中でも「かんざしは〜」が好きです。新助さんが挿してあげたのでしょうね。
競作ポイントのラストシーンでしたが、旅立ち・見送りという視点から詠んだものが多い中、浅黄裏さんの「木曾の嫁」三部作は、木曾での祝言までしっかり描かれていて、さすが段取りの浅黄裏さん!と感心しました。
(たまこさん)
三部作、もみじが華やいで浮かんできます。木曾の山郷でのおしまさんの幸せを祈っているようで良いですね。
(すみれさん)
「木曾の花嫁」三部作、ステキですね〜。昔の嫁入りはそれはそれは優雅でステキですが、山の紅葉をバックにふたりが歩む木曽路がもう花嫁行列なんですね♪
(はなはなさん)



 こでまりの五七五 

今月もたくさんの皆さんが参加してくださいました。ありがとうございます。当然のことかもしれませんが競作も多く、ドッキリしたり感心したり。特に今月は、最後の旅立ちの場面が大競作ポイント、もちろん私も詠んでいます♪あとは、誰に心寄せて詠むかという点でも、今月は幅が広かったようです。
(こでまりの談)

「名人上手といわれる仕事をする者は、みんな年寄りです。山仕事が出来なくなって、細工にだけ、はじめて集中することが出来る、若い時は細工だけでは食っていけません」
「錦秋中仙道」より
若い頃には生活を支えるためだった手仕事が、家が子の代になって初めて、好きな作品を作る楽しさを味わっているようで、その姿は晩秋の美しい紅葉のようだと思いました。
   
錦秋や心気ままに老いののみ
   
手仕事の技伝え来し木曾の冬
   

冒頭の2句、名人たちが山里で細工仕事をしている様子が目に浮かんできます。
(麦わらぼうしさん)
木曾の手仕事のお句、たまこ様はちゃんと発句をお見通しでしたが、さすが宗匠と思いました。(~_~)発句ポイントが一味異なって、又それが鋭くてすてきです。
(すみれさん)
物作りの職人さんてそうなのでしょうね。生活に追われているときには、好きなことよりも実用ですから。「心気まま」と「手仕事の技」に、ホット一息ついてこれからの人生を自分の好きなことに打ち込める嬉しさを感じました。この場面は、本筋ではないし派手でもないのですが、それを詠みすごさないのは、さすがにお師匠さまです〜。
(蛍さん)



「新助さんが、今夜、運んで来た檜細工の中には、宮越屋のおしまさんの嫁入り道具もあったんだそうで、注文をもらったのが遅かったとかで、随分、無理な仕事をしたそうですよ。 (略)」
「錦秋中仙道」より
TERAIさんのお話を伺って、漆の作品を仕上げる手間をわずかでも知ることができました。おしまさんは、江戸の大店のお嬢様、木曾で思う新助さんにとっては雲の上の存在だったでしょうが、それでも好きな人の嫁入り道具、幸せにとの思いをこめて仕上げたのでしょう。
   
刷く筆に重ねし思い秋深し
   

こでまりさんのお句「錦秋や」「手仕事の」「刷く筆に」木曾の里で仕事をする人たちのことには全く思いが至らず「あっ」と思いました。「…重ねし思い」といういうところが好きです。
(浅黄裏さん)
『刷く筆に』職人さんのこころを見事に詠まれていますね。
(すみれさん)
爽やか〜な情念は、新助さんとおしまさん、そのもののようです〜。 表には出さずにいても、新助さんの「重ねし思い」が随所に込められていたのに、まったく気がつかなくていました。心の機微を詠むには、遠い道のりです〜。
(蛍さん)



うふふ、ここも競作ポイントですね。この時の二人の会話を読みながら、江戸時代の女性はなかなか旅もできないんだなあと改めて感じましたが、考えてみれば私も奈良井って行ったことないんです。行ってみたいなあ、中仙道。
   
秋雨や夢路の先の奈良井宿
   

東吾さんとるいさんのこのシーン、ラストに継ぐ競作ポイントだったんですねぇ。「夢路の先の」っていうのがいいわぁぁ。「行くものか、ものの本で読んだだけさ」と言っている東吾さんですが、その後、軍艦に乗って全国あちこちに旅するようになるとは、この時点ではまだ知るよしもなかったのですね。
(たまこさん)



木曾へと向かう道中は、秋を司るといわれる竜田姫によってさぞかし美しい紅葉に彩られていることでしょう。そしてふと傍らに目をやれば、手の届かないと思っていたおしまさんが…。新助さんにしてみれば、まるで竜田姫が懐に舞い降りて来たように感じたのではないでしょうか。
そして余計なことですが、大騒ぎのその後は一体?と気になりまして(コホン)
   
旅立ちの吾がとなりにも竜田姫
   
結局は誰が継ぐんだ!宮越屋
   

竜田姫を持ち出されるあたり含蓄があると思いました。「誰が継ぐんだ」は笑わせていただきました(でも深刻な問題ですよね)。
(TERAIさん)
「誰が継ぐんだ宮越屋」そういえば、まったくそのとおりです〜 娘ふたりとも、外に嫁にいっちゃったんですよね。それぞれの子供が、従兄弟どうしのカップルになって継ぐのかなぁ。またリサイクル出演で、決着をつけてもらわないと、気になって眠れなかったりして(笑)
(たまこさん)
そうですよね〜私もみんな嫁に出してどうすんだろ?と思いましたが、そこを詠むのは気がつきませんでした。
(麦わらぼうしさん)
宮越屋の跡継ぎ問題ですが、おきぬと角太郎の子供のうちひとりをもらいうけて継がすというところでしょうか。
(浅黄裏さん)
やられました〜。さすが宗匠、「竜田姫」に「夢路」やっぱりかないません〜。視点の鋭さ・あたたかさ言葉一つとってもやっぱり研究されているんですねぇ…。「誰が継ぐんだ」も爆笑しつつ「ここもやられた」、気付いてはいたんですよ、「で、どうすんねん。ふたりとも嫁に出して」って。
(はなはなさん)
「結局は〜」そういえば、代理花嫁の先輩の源さんのお嫁さんになったお千絵さんは一人娘でしたね。源さんはお侍さんだし、源太郎君を養子には出せないし、かといってお千代ちゃんを源さんが手放すとも思えないし…。江原屋さんの跡継ぎ問題もあるんですよね〜。
(蛍さん)



 麦わらぼうしさんの五七五

すっかり、はいくりんぐに参加する楽しさをしってしまい(出来は別として…ロムだけしている時と、実際に参加してみるとではやはり違いますね) 何事も参加してみることだ、とあらためて思いました。「錦秋中仙道」大好きなお話です。漆を扱う仏壇屋の嫁として、親しみのあるお話でもあります。そんな気持ちとはうらはらに、五七五の方はあいかわらずです…はは。
 (UP後に)
今回も読み応えタップリ!ですね。みなさまの目のつけどころ、言葉の使い方、いつも勉強になります。るいさんと東吾さんが寄り添って木曾に想いをはせる場面と、ラストの旅立ちの場面、私も詠みたかったのですが、出来ませんでした…みなさまがとても素敵に詠んでらっしゃるのを拝見して、こりゃ〜私なんかが詠まなくて(詠めなくて)正解だったな〜とあらためて思いました。
仏壇屋に嫁に来て十数年の私は、漆といえば生漆を思い浮かべますが、みなさまのお句を拝見して、普通の方々は(漆芸をなさるTERAIさまは別として)漆といえば、漆の葉を思い浮かべるんだなぁ〜と、そんなところにも、なるほど〜でした。
(麦わらぼうしさんの談)

「まるで、檜の匂いのしそうな若い衆さんですねえ」
と笑っている。
「今時のお江戸じゃ、ちょっとお目にかかれませんよ」
「錦秋中仙道」より
《檜の匂いのしそうな若い衆》をうまく表現したかったんですが、いい言葉が浮かばなくて 、木曾駒でお茶を濁しました…
   
木曾駒に 女中頭 ほれぼれと
   

女中頭、お吉さんや長助さん、大切な脇役にちゃんとシンクロされていて目配りのよさが見事です。そうだ、そうだ、と、声がでてしまいました。
(すみれさん)
私もお吉さんを詠みたくてじたばたしたんですが、結局タイムアウトしたのです〜。「ほれぼれと」お吉さんらしくって好きです。
(はなはなさん)
新助さんを「木曾駒」に喩えるとは、やっぱり麦さまは侮れない〜。(笑) いかにも、《檜の匂いのしそうな若い衆》という感じがよく現れていると思います。
(蛍さん)



「そうやって出来上った品物は、みんな、京大坂か、江戸へ運ばれて売られます。どんな人の手に渡って、どんなふうに使われているのか、雪の中で細工をする時、手前共がふと思うのは、そんなことでございます」
「錦秋中仙道」より
職人たちにとって、出来た品物はみな、こどものようなものではないかと思いまして。
   
雪深き 里から想う こどもたち…
   

職人さんたちの気持ちって、そうなのでしょうね。自分で使うわけでないのに心をこめて作って、やっぱりどこでどう使われているかって、思うことあるでしょうね。
「こどもたち」に例えられるのはさすが職人さんの奥様ならではと思いました。
(TERAIさん)



長寿庵をのぞいてみると
「東吾さんじゃありませんか」
店の奥から、畝源三郎の声がした。
その隣に長助と、蒼白になった若者の顔がみえる。
「錦秋中仙道」より
先月の《いざという時のたのみは長寿庵》に続く、長寿庵シリーズ(?)第二弾です
   
人々の 話聞くのも 長寿庵
   

巻羽織句のように、これもシリーズ化か?



代理の花嫁で幸せになった畝夫妻、続いて代理の花嫁の唐木屋夫妻も、うまくいきそうですよね。
   
近頃の ちまたの流行は 代理嫁
   
代理嫁 幸せ夫婦の 証なり
   

「代理嫁〜」源さんの場合は「瓢箪から駒」、おきぬさんは姉のおしまさんの計画通りの代理嫁ですが、女性は好きな人と一緒になるのが一番の仕合わせと思います。おしまさんとおきぬさんのどちらか片方が泣くのでは遣り切れないですが、二人とも好きな人と一緒になれて、我が身を犠牲にした心根が報われましたね。
(蛍さん)



   
木曾漆 まことの愛を 仕上げたり
   

漆が仕上げに使われるのを生かした表現で素敵ですね。漆自体の使われ方で句を詠まれたのは、麦わらぼうしさんだけではないでしょうか。
(浅黄裏さん)
最後の「まことの愛を」も好きです〜。新助さんってやっぱり素朴でいい男ですよね〜。
(はなはなさん)
そおかぁ〜。一番徳をしたのは新助さんなのですね〜。 りゃ〜、自分の持ってきた漆で、秘かに心を寄せていた しまさんの縁談が壊れてしまい、死を覚悟するほどに しんだのですが、ドタバタが済んでみればそのおしまさん お嫁さんに出来るのですものね〜。 人とその出入り先のお譲さんとでは金輪際縁組などは り立たないですし〜。 朴な新助さんだからこそ「まことの愛」を手に入れられた ですね。
(蛍さん)



 すみれさんの五七五 

秋の結婚シーズンにふさわしいお話ですね。最近の言い方でマリッジブルーになった娘さんが引き起こした騒動のお話になるのかな?娘心の微妙な不安定さが周りの人の人生も変えてしまうけれど、最後はハッピイエンドが好きなわたしが、ほっとする結末でした。
 (UP後に)
拝見してきました!すごい!全山紅葉の山々を眺める様で、台風疲れも吹き飛びます(^○^) 蛍様のすてきなおまけもあったのですね。るいさんの心境を見事な蛍ワールドの広がりで表現しておられて、感服しました。その上、わたしの拙文へのクリックも作ってもらって、感謝申します m(__)m
(すみれさんの談)

るいさんが着物をしたてている場面から通い夫、東吾さんへのおもい入れがいじらしい…
   
縫い針の想いを知るや秋袷(あきあわせ)
   

「秋袷」などの言葉はとても自分には出て来ないです。さすがだと思いました。
(TERAIさん)

おるいさんのお裁縫シーン、このポイントを詠んだ面々、すみれさん・あっちの管理人さん・蛍さん 納得のメンバーです!(私はここ、全く見過ごしてました) 春霞さんの情念系おるいさん人形を思い出してしまいます。
(たまこさん)



寄り添っている、東吾さんとるいさん、ほんとに仲が良いですね
   
秋霖やさぐるやわ肌ぬくもりて
   

「さぐるやわ肌」ってちょっと情念系ですか。好きですわぁ。秋の寒さと肌の暖かさとが同時に感じられるお句ですね。
(浅黄裏さん)
情念系ですねぇ。寒い時期には人肌が恋しいものですよね〜。「秋袷」と並べて読むとおるいさんと東吾さんのラブラブぶりにうっとりしてしまいます。
(はなはなさん)



「なに、定廻りには雨も雪もありはしません」
源三郎が穏やかな笑顔をみせた。
定廻り同心は炎天下も寒風の中も、ただ黙然と江戸の町を廻り、大小さまざまの事件を解決して行く。
「錦秋中仙道」より
天候を厭わずにお役目に励む源さん、日本男児の良き見本ですね。所帯をもって落ち着いて仕事にせいをだしている様子がわかるようです。
   
秋しぐれ笑顔で晴らす巻羽織
   

今月は雨が印象的で、私も雨と源さんで詠みたかったのですが、できなかったんですよね〜。
すみれさんの巻羽織は近々いただきます!「秋雨と源さん」は、なかなか言葉が見つからなかったのですが、ここははずせないと思って頑張りました。すみれさんと競演になって嬉しいです。
(たまこさん)
やられた〜。(笑)この源さんの場面は、本当に源さんらしいですね〜。蛍も一句と散々に考えたのですが、白旗を揚げました〜。気負うのでもなく、それが当たり前と言う源さんがとても大きく見えますね。「笑顔で雨を晴らす」…、な〜んと上手い!
(蛍さん)



それから十日の後、かわせみに木曾へ帰る新助と、旅姿のおしまが連れ立って挨拶に来た。
「新助さんと奈良井へ参ります。あちらの御両親のお許しが出たら、新助さんのおかみさんにしてもらいます」
「錦秋中仙道」より
このお話の中心にいる、おしまさん、気乗りしない祝言に思い余って大胆な行動をしてしまうところが、現代娘のようです。生さぬ仲の母への気兼ね、自分の婿になる人を妹が好いてるみたいだし、木曾の新助さんへの気づかない思いもあり、せっぱつまってしまったのでしょう。
   
うるし塗るわれを隠せよ秋の闇
   
たすけたよたすけられたよ綿帽子
   
わが身をば紅葉となしてゆずる道木曽路へつづくあらたな門出
   

「うるし塗る〜」は凡庸に見えるおしまさんの、思いがけない一面を見せられたようです。誰にも見られてはならない、でもやり遂げなくてはならない、そんな必死な思いが「われを隠せよ」に感じられます。
一転して最後は、爽やかなお歌ですね。
そして今月はこのお話からS.ファロウの「こころ模様」にもデビュー!おめでとうございます。
「漆塗る〜」「たすけたよ〜」おしまさんの必死な思いが、よく伝わってきます。普段おとなしそうな人が、いざとなると思い切った事ができるのかもしれませんね。
(麦わらぼうしさん)
「木曽路へつづくあらたな門出」に、おしまさんの決意を感じました。今までの自分を捨てて、新助さんと新しい人生を送るおしまさんの門出を、木曽の紅葉も祝福してくれているようですね。
(蛍さん)



 たまこさんの五七五

       (↑ぎゃ〜〜「たまこん」になっていました。失礼しましたm(__)m 麦様、教えてくれて感謝です)
「錦秋中仙道」、五七五ポイントを見つけようと思いながら読んでいるうち、あれよあれよと終りまで読んでしまう、というのを何回か繰り返してしまいました。「白萩屋敷の月」などは、皆さんが「ここをどう詠んでいるか」が楽しみでしたが、これは、皆さん「どこを詠んでいるのか」がまず楽しみですね。
 (UP後に)
今回は、「やっぱりね」ポイントと「やられた」ポイントを中心に感想を送ってみます〜。あまりに多士済済で、カバーしきれてませんが… このお話、全編から秋の香りがただよってくるものの、具体的な季語探しには結構みなさん苦労されたのではないでしょうか(っていうか、私は季語の所だけ未完成っていうのが続出で、困りました)。そういう訳で、浅黄裏さんの「草の花」、こでまりさんの「竜田姫」、蛍さんの 「美男葛」などなど、おぉ〜さすが〜と勉強になり楽しかったです。
(たまこさんの談)

連日、絹糸のような雨足が大川の上に降って、なんとなく頭が重い日が続いている。
  (略)
嘉助が承知して、間もなく長助は、一人の若い男を伴って出直して来た。
あらかじめ、嘉助から話があったので、るいも帳場へ出て、挨拶をしたのだが、みるからに素朴な若者である。
「錦秋中仙道」より
   
秋雨に暖簾をくぐる木曾の客
   



「七重殿は漆にかぶれたことがあったそうだな」
途中で手土産に買って来た団子を、早速、七重が開いて、のんびり茶を飲みながら、東吾が訊くと  (略)
「錦秋中仙道」より
   
お持たせの団子で思い出痒き秋
   

「お持たせの」の句、ほかのかたの詠んでいない面白い観点だと思いました。
(TERAIさん)
(たまこさんの談)に同じです〜。私も五七五ポイント、なかなか見つけられませんでした。「お待たせの〜」TERAIさまと同じく、この場面を詠まれるとは〜なるほど〜!です。
(麦わらぼうしさん)
七重さんとの微妙な距離感が思い起こされて楽しいです。
(はなはなさん)



翌日はまた、雨であった。
それも、どしゃ降りである。
「すまないな、源さん、物好きの片棒をかつがせて……」
「錦秋中仙道」より
   
友の勘信じ秋霖の街を行く
   

源さんポイントは外せませんね。『友の勘信じ』るから、時雨の中も笑顔で歩きまわれるのでしょうね。季語には毎回悩まされます。思いに当てはまりそうな季語探しに歳時記をあちこち辞典のように見ている間(正に自分のこと)は良い五七五は出来ないなあーーと納得しました。
(すみれさん)
たまこさまならではの「友の勘」源さんってやっぱりイイ男なんだなぁ…。競作ポイントをはずしてもこれだけの御作、さすがだなぁ…。
(はなはなさん)
そうだったのですね〜。源さんはお役目がら付き合ったのではなくて、東吾さんの勘を信じたのですね。ううん〜、まいった〜。源さんを敬愛してやまないたまこさんならではの読みの深さです〜。
(蛍さん)



   
秋韻や妹の心姉の意地
   

妹のために漆を塗ったり、姉の許婚と一夜を過ごしたりと、やることは大胆な姉妹ですが、その思いは深い深いところで静かに熱く燃えているような感じが伝わりますね。



   
幸は待つ漆紅葉の里にこそ
   

「漆紅葉」を同時に使っていて嬉しかったです。この季語は歳時記で見て初めて知ったのですが、絶対今月のこのお話にこそ使おうと思ったんです。
(浅黄裏さん)
「漆紅葉」って綺麗な言葉ですね〜。本当に「里にこそ」おしまさんの仕合わせがあるのですね。「こそ」と強めた使い方に、これから過ごす木曽の未来に希望を感じました。
(蛍さん)



 紫陽花さんの五七五 

今月はなんだか落ち着かず、俳句ももうこれ以上できないでしょうと、さっさと送ることにしました。
(紫陽花さんの談)

秋が深まる前に、東吾が、ここへ来た時だけ着る半天を縫い上げるつもりであった。
「錦秋中仙道」より
こんな場面はないのですが、東吾様に着てもらう半天を縫っているるいさんの思いはこんなんかなぁ〜って感じです。紋付はかまでビシッときめている東吾様は当然かっこいいけど、半天着てこたつで寝転んでいる私の東吾様もなかなかのもの!と想像しながら半天を仕立てているるいさんなのでした。
   
半天で寝転ぶ姿もいとおしい
   

まさかお屋敷で半天着て寝転がったりしないでしょうから、やっぱり「私だけが知っている東吾様の姿♪」って気持ちもあるでしょうね。
この話に限らず、東吾さんが自堕落な格好でいると 「お屋敷のほうに知れたら…」と心配したり小言をいったりするるいさんですが、口ではそう言いながら、けっこうそれを嬉しがっている感じですね。
(たまこさん)
先月の千手観音の気持ちといい、目の付け所が、自分の気が付かない所ばかりで、勉強になります。
(麦わらぼうしさん)
この御作、大好きです〜。おるいさんのささやかな幸せが思いっきり伝わってきます♪
(はなはなさん)
コメントに大納得です〜。\(^o^)/ 今度、東吾さんの着物を仕立てる場面があったらきっと紫陽花様のコメントを思い浮かべてしまうかも…。自分の前でだけ気を許してくれる東吾さんへのいとおしさ、凄く感じました〜。
(蛍さん)



「多分、うちで納めた品物じゃないかと思いますんで、もし、傷でもついているようなら、こちらにいる間に手入れをして帰りたいと思います」
「錦秋中仙道」より
茶たく最大のピンチ!です。新助さんにしてみたら自分ちのものじゃあないけど、なんだか気になったのかもしれません。みがいたらきれいになるかなと手入れをしているところです。

ゴシゴシと磨かれている茶托くんを前に、湯呑みくんは手も足も出ないというところでしょうか。それとも高見の見物かな?うひ。
傷を消すのに磨くというのは合っているのです。私も作品の提出間際に細かい傷を消すのに油に砥の粉をつけたり、コンパウンドで何回となく磨きました。毎回紫陽花さんのイラストはユニークで紫陽花さんらしさが出ていて、楽しませてもらっています。
(TERAIさん)
ちょっと災難?かもしれませんけど、「かわせみ」模様に似た細い手足がいたいけで♪
(はなはなさん)
茶たく君もとても可愛くて大好きです。尻尾フリフリ、むずかっているのかな?
(ぐりさん)
紫陽花さんのあの二人、今回もしっかり登場。磨かれている茶たく君を前に、湯呑み君が動き出すんじゃないかと見つめることしばし(笑)
(あっちの管理人さん)
木曾の細工のアフターサービスや匠の技のシーン、結局力及ばずで出来なくて誰に「やられた」って事になるかなぁとメールにも書いたのですが (宗匠にやられるのは、わかってたのですが) なんとこのコンビにやられてしまった…
(たまこさん)
愉快なイラスト、そうか!茶たくくんは木曾塗りのものだったんだ!
(すみれさん)
茶托くんのじたばた&沈黙の湯のみくん、磨かれてちょっと「もののけ前」が上がったかも♪
(はななはさん)
いつも楽しませて頂いていま〜す。茶托ちゃんの大ピンチに湯のみクンがいつ助けに入ろうか…そんな感じに見えました〜。紫陽花様の発想の色々は、思いも付かないことばかりです〜。 湯のみクンも油断をしていると、今度磨かれるのは自分だったりして…。
(蛍さん)



 花みずきさんの五七五 

「錦秋中仙道」このお話大好きなのですが、いつものごとく浮かばない…で、今回は読みながら言葉を拾い「う〜ん」やっぱり悩む、もっと勉強しないとだめですね。
(花みずきさんの談)

「そんなことはございません」
新助が声をふりしぼった。
「手前共がお納めする漆器は、それはもう気をつけて漆を乾かしております。 (略)」
「錦秋中仙道」より
   
漆器にて かぶれはせぬと 胸を張る
   

花みずきさん、お久しぶりです。ご参加くださってありがとうございます!
自分の仕事に自信と誇りをもっている新助さんの気持ちがよく伝わってきます。
(麦わらぼうしさん)
「胸を張る」…、職人さんてそうなのでしょうね。自分の作ったものに自信がなければ、人様にたいして恥ずかしいですものね。新助さんの職人気質を感じました。
(蛍さん)



「それもあるようですが、実はおしまさんの縁談がおかしなことになっちまいまして……」
神林家の台所のすみで、長助は大きな嘆息をついた。
「つまり、その、形ばかりの祝言が、形ばかりでなくなっちまったんでさあ」
「錦秋中仙道」より
   
身代わりの 花嫁とともに 初夜すごし
   

少なくとも角太郎さんの方は、身代りのつもりだったはず。どこでどうなったのかわかりませんが、やっぱりおきぬさんの方から思いを伝えたんでしょうね。おしまさんもだけど、おきぬさんも随分思い切りましたよね。
実は、どんなにおきぬに迫られたってそれに応じてしまう角太郎ってナニ?って思ってました。だからこの箇所は詠めず終いだったんです。花みずきさんのようにサラリと詠めばよかったですね〜。
(浅黄裏さん)
まさに源さんと同じ、花嫁さんがお婿さんを好いているからこそできることですものね。
(すみれさん)
おきぬさんにとっては千載一遇のチャンスだったのでしょうね。きっとおしまさんの「漆かぶれ」に動揺しつつも、なんとなく予感はあったのかも。角太郎さんもその必死さにほだされたのですね〜。
(はなはなさん)
ここはTERAIさまもお詠みになっていらっしゃいましたね。角太郎さんのいい加減さに、まったく呆れていたもので(笑)句そのものも考えには入っていませんでした〜。でも、おきぬさんにしてみたら、身代わりでもせめて今夜だけでも角太郎さんのお嫁さんになりたい…と思ったのかもしれないですね。
(蛍さん)



   
錦秋の 中仙道行く 若夫婦
   

やはり旅立ちの場面の句がいいですね。
(TERAIさん)



 橘さんの五七五 

毎月こちらを拝見して、楽しませていただいております。皆様お上手でいいなぁ、私も投句してみたいなぁと思いつつなかなか勇気がなく。でも今回のお題は、私の地元を通る中仙道がタイトルに付いたお話。ぜひぜひ参加したいと思い、詠んでみました。果たして句や歌と言っていいのかしら?というほどの稚拙な句と歌ですが、がんばってみました。でも、指を折っている時間はとても楽しいですね。どうぞよろしくお願いします。
 (UP後に)
「はいりんぐ」拝見しました。初めて自分の句を載せていただいたのを見て、恥ずかしいやら嬉しいやらで、一人でニヤニヤしている真夜中です。おかげ様で指を折る楽しさができました。本当にありがとうございます。「草枕」についての説明やコメントを頂戴しまして、また本文の引用を添えていただきまして、ありがとうございます。また来月もぜひ!参加させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。そ、それにしてもみなさま本当に素敵に言葉を紡いでいらっしゃって…ホーっと思わず溜息です。感心、感銘することしきり。私もますます精進、精進!
(橘さんの談)

深川の長助が、大川端の「かわせみ」へやって来たのは、午すぎのことで、高足駄に尻っぱしょり、余程、いそいで来たのだろう、背中にまで跳ねを上げている。
「錦秋中仙道」より
長助親分が雨の中を走ってかわせみに来る場面を読むたびに、律儀な人柄を思います。「かわせみ大事!」という気持ちが伝わってきます。
   
背の跳ねは 泥じゃねぇんだ 心意気
   

橘様、「はいくりんぐ」へようこそ!(メールが漢字の橘様でしたので、こちらでもそのまま使わせていただきました。)いつも季節感あふれる書き込みを拝見して、まるで五七五の世界だなと思っていました。今月だけと言わず、ぜひこれからも!
あー長助親分登場シーンも、見逃してました!完全に「やられた」ポイントです。心意気が伝わってきます。もう一回見直したら、橘さんこれがデビューだったんですね。信じられない〜
(たまこさん)
長助さんのきっぷの良さが見事に詠まれていますね。たまこ様とおなじくやられました!
(すみれさん)
橘さまの御作はデビューだなんて思えないほど手馴れていらっしゃる!!「心意気」の御作は長助さんらしくって思わず拍手です〜。
(はなはなさん)



「東吾様は中仙道をお通りになったことがおありですの」
「行くものか、ものの本で読んだだけさ」
「六十三里二十八丁……長い長い旅なのでしょうね」
「錦秋中仙道」より
東吾さんと寄り添って眠りながらも、心のどこかに寂しさを抱えている、るいさん。夫婦だったら…と思うと切ないですね。 好きな枕詞「草枕」を使ってみたくて、使ってみましたが、大丈夫でしょうか?心配です。(しかも最後になっているし)
   
夢ででも 手を取り行きたい 二人旅 共に結ばむ 草の枕を
   

ここ、私も詠んだポイントです♪「草枕」は枕詞だけでなく「旅」を表す言葉としても独立しているみたいなので、このままでよろしいのではないでしょうか。
「共に結ばむ草の枕を」という表現が、とてもいいですね。昔の旅のちょっとした心細さと、旅先での開放感を感じさせます。
新人という言葉が似合わないほど、すばらしいお句ばかりですね。「夢ででも〜」るいさんの切ない願いがよく伝わってきます。
(麦わらぼうしさん)
「草の枕」もいいなぁ…。余韻もあってステキです。
(はなはなさん)
橘さま、ようこそ〜。\(^o^)/ とても新人さんとは思えないほどに情景をお詠みになっていらっしゃいますよ〜。と、いっても「みんな大好き」ではすでに実力の証明済みでしたね〜。東吾さんとはまだ二人で旅に出ることなんて叶わないるいさんですから、「 夢ででも」に旅に思いを馳せるるいさんの切ない胸の内を凄く感じました。 この場面、蛍は詠めずに脱落です〜。(泣)
(蛍さん)



とても清々しい旅立ちの場面が印象的で、多くなってしまいました。「少しばかり羨ましそうなるいがいい」という文、るいさんの切なさを思いました。
   
江戸にては 微かに聞こゆ 秋の声 錦が抱く 山里の宿
   
熱々の 二人が染行く 碓氷路(うすいみち)
   
手を取りて 共に差し行く 信濃路(しなのみち) 幸い願う 夫婦も我も
   

やはり「大型新人」ですね。「草の枕」「碓氷道」等々言葉もふんだんに使われているようで見習うところがあると思いました。
(TERAIさん)
ご当地らしい「碓氷路」「信濃路」いいですよね♪
(はなはなさん)
以前に秋の木曽路を旅したことがあります。「馬籠」「妻籠」「奈良井」と定番のコースだったのですが、まさに「錦が抱く 山里の宿」でしたよ〜。峠もなにも車でびゃ〜と目的地まで行ってしまう旅でしたが、好きな人と紅葉の中を歩くのもロマンチックでしょうね〜。
(蛍さん)



 あっちの管理人さんの五七五 

今月の「錦秋中仙道」、このお話も大好きなお話です。檜の香りのしそうな新助さんと、妹の恋をかなえるために大芝居をうったおしまさんの二人が、図らずも口に出して言えなかったお互いの想いに気がついて、ハッピーエンドがとっても爽やかでいいですね。親の決めた許嫁と祝言をあげて暮らすことよりも、江戸から遠く 離れた山深い木曽で暮らすことを選んだおしまさんに、やっぱり女は想い想われた男(ひと)の懐に飛び込んでいく勇気は出て来るものなんだなぁと感じました。
 (UP後に)
行けども行けども皆さんの素敵な作品が続いて、「今月の五七五」も大盛況ですね。秋晴れの澄んだ空のように、新助さんとおしまさんの二人が、紅葉燃える木曽へ旅立っていくラストシーンが大競作ポイントでしたね。ハッピーエンドを受けて幸せなお句が多くて、読後が爽やかでした。そして今度は皆さんの感想も楽しみにしています。
(あっちの管理人さんの談)

まずはるいさんが東吾さんのために半天を縫っている場面で、こういう時のるいさんってもう心は東吾さんのことで一杯なので、きっと幸せそうな顔をして針を運んでいるんでしょうね。「幼なじみ」でも同じようなシーンがありました。
   
うっとりと針運びたる夜寒かな
   

「かわせみへ来た時だけ着る」というもの、るいさんの女心。暑い時も寒い時も、いつも「うっとり」と針を運ぶるいさんですね。
半天を縫っている場面は私の着目しなかったところです。「うっとりと」の句素敵です。
(TERAIさん)
同じ発句ポイントだけど、濃度がちがいます。さすが管理人さま!るいさん、そのものです!
(すみれさん)
今月も管理人さまらしい御作に「うっとり」です。優しいお人柄とおるいさんに寄せる管理人さんの想いが伝わってきます。
(はなはなさん)



るいが、そんな新助に少し強い声でいった。
「江戸に住もうが、奈良井に暮そうが、女の幸せは、殿方次第でございますよ」
おしまが嬉しそうに新助をみつめ、新助の表情に度胸が浮んだ。
「錦秋中仙道」より
で、途中はすっとばして最期のシーンに行ってしまうのですが(笑)、木曽に旅だっていく新助さんとおしまさんの幸せを願って、いつかまた二人の幸せな様子を拝見出来たら嬉しいなと思います。
るいさんの「江戸に住もうが、奈良井で暮そうが、女の幸せは、殿方次第でございますよ」この一言で、おしまさんを連れて中仙道を行く新助さんの心は、きっと誇らしさで一杯だったのではないかと思います。木曽路を染める紅葉の美しさがより一層鮮やかに感じられたことでしょう。
   
秋日和妹なれば幸願う
   
妻つれて中仙道や恋錦
   
山紅葉心を燃やす恋の色
   

ここは過去最高の競作ポイントでした!爽やかさに紅葉の彩りも添えられて、良い場面ですね。
「妻つれて〜」愛する人を連れて故郷に凱旋する新助さんの誇らしい気持ちがよく伝わってきます。
(麦わらぼうしさん)
「妻つれて」新助の覚悟と喜びとが同時に表されていて好きです。木曽路を行く弾むような足取りも見えてきそうです。
(浅黄裏さん)
るいさんが羨む二人の旅路なんですね。
(すみれさん)
管理人さまの言葉の響きは本当に優しくて、穏やか〜な気持ちになりますね。「 妻つれて」には、新助さんの、おしまさんを絶対に仕合わせにするゾ〜という気持ちを深く感じました。「恋錦」が色っぽいです〜。第三句目の、紅葉の色を恋の色と置き換えるなんて、発想の転換が素晴らしいです〜。
(蛍さん)



 千姫さんの五七五 

私の住む播州では漆にかぶれた事を「漆に負けた」と言います。子供の頃は、どれがうるしの木だか知らなくて、山で遊んでいて漆に負けてかぶれた経験が何度もあります。
(千姫さんの談)

「あたし、一度目は漆の葉があんまり赤くてきれいなので、つい、触ってかぶれてしったんですけど、二度目は、この葉に触るとかぶれるんだと思って、みていただけなのに、やっぱり、あっちこっちかゆくなって……  (略) 」
「錦秋中仙道」より
随分大人になってから、秋になると燃える火のようにまっ赤に紅葉する木がうるしだと知り、そのあまりにも美しい色にびっくりしました。
   
紅の とんぼにうるし 秋深し
   

つい手を出したくなるような赤、秋にはそんな赤いものがいろいろありますね。
「うるし」「秋深し」と韻を踏んでいていいですね。
(TERAIさん)
夕焼けに染まった秋の峠道を想像しました。
(麦わらぼうしさん)
実は…、恥ずかしながら、漆が真っ赤に紅葉したのを実際に近くで見たことがないのですよ。遠目に見る紅葉のなかには、漆もあるのでしょうね。お句のなかに「そのあまりにも美しい色」が浮かび上がるようですね。
(蛍さん)



 蛍さんの五七五 

大好きなお話なので、詠みたいところばかりでした。それが、どこをどう詠めば良いのか、却って的を絞れなくしてしまったようです。本当に詠みたいところを上手く詠めずの、お手上げの状態に「行く秋に のた打ち回る 五七五」の心境です。(>_<) 母親が違いながらも、お互いを思いやる二人の優しさが、読み終わった後、とても爽やかでした。東吾さん、珍しく良いことを言っていますね。『何人かの涙の上に咲いた幸せ云々…』これって、まるで自分のことを言っているようです。(^^ゞ
(蛍さんの談)

「まことにどうも、毎度のことであいすみませんが、一人、お宿をお願い申したいんで…… (略) 何分、あんまり江戸に馴れて居りませんので、もし、なにかあっちゃあ、頼まれ甲斐のないことになりますんで……」
「錦秋中仙道」より
新蕎麦が手に入りました…と言っていつも届けてくれる長助さんですが、今度は違っていましたね。こんな大事になるなんて、長助さん自身も思ってもいなかったでしょうね。
   
秋蕎麦に 換えて届けた 木の香り
   

そう言えば「美男の医者」なんかもそうでしたね。
「秋蕎麦に〜」先月のこでまりさまの言葉を借りれば「こういうふうに詠みたかったのよ」です!
(麦わらぼうしさん)



るいさんが東吾さんのためにお針をする場面はよくありますね。好きなひとのためにひと針ひと針、それだけで胸がいっぱいになってしまい、ともすれば東吾さんのことばかり浮かんできてちっとも針が進まない…なんてことも可愛らしいるいさんです。
   
ぬくもりを 込めてひと針 思草(おもひぐさ)
   

蛍さんも和裁をなさるんですよね。「ぬくもりを込める」という表現が素敵です。おるいさん気分にひたって、旦那様に一枚いかがです?あっ、ヤマト君の物の方が気持ちがこもる?(失礼)
蛍さまとも同じ発句ポイント、でも、脱帽です。思い草なんてすてきな言葉ですね。
(すみれさん)
「思い草」大好きです。お針をする方ならではの御作ですよね、おるいさんへの蛍さまの深い想いがせまってきます。
(はなはなさん)



寒かろうが暑かろうが関係なく熱い二人ですが、寒いを理由にひっつく口実も出来て…。
   
肌寒や ひとつ褥に 寄り添いて
   



「ええ、お使いが、新助さんに、お前の所の品物で、とんでもないことになったといっているのを、お吉が聞いたそうです」  (略)
るいが、ひどく気にしているのをみて、東吾は朝飯をすますと、屋敷へ帰るといい、その足で永代橋を渡って、深川へ行った。
「錦秋中仙道」より
甘い東吾さんですね。るいさんが東吾さんに振り回されているのではなくて、案外手綱を握っているのは、るいさんの方かもしれないです。こうゆう何気ない優しさって、好きだな〜。
   
うれい顔 美男葛(かづら)も 奮(ふる)い立ち
   

美男葛、これも季語なんですね。すごいです!
(すみれさん)



「幸せになれたならそれでよい。その幸せが何人かの涙の上で花咲いたことを忘れるまい。その人々のためにも、なにがあろうと添いとげて、幸せを全うすることだ」
ふっと、おきぬが両手を顔にあてるのをみて、東吾は立ち上った。
「錦秋中仙道」より
おきぬさんは辛かったでしょうね〜。好きなひとが他のひとと一緒になってしまう。それも仲の良いお姉さんですから、尚のことですね。いっそ、憎いお姉さんだったらそれほどにも苦しまなかったと思います。お互いが思いやりすぎて、それを言葉に出来なかった…。きっとたくさんの涙を流したと思います。その涙のわけを知った姉さんが自分のために身を引いたと気がついたときは、もっと 辛い涙を流してしまいました。流した涙の分、幸せになって欲しいです。
   
人知れず 流す涙に 長き夜
   

いつもながらの読みの深さには感服します。特に「人知れず 流す涙に・・」のコメントはなるほどと思いました。
(TERAIさん)



「自分は、父親が芸者に産ませた子だという負け目もあったと思います。わけへだてなく育ててくれた義理のおっ母さんに、すまないという気持ちも、いちずに角太郎さんを好いているおきぬさんを添わしてあげなければと思いつめさせたんでしょう」
「錦秋中仙道」より
両親の気持ちが妹に家を継いで欲しいために、長女の自分を他家に嫁に出す、というのも寂しいですね。おきぬさんの気持ちを知らない頃には、それでも、大切に育ててくれた義母への恩返しには、そうするのが一番いいことと思っていたのでしょうね。それが、妹の本当の気持ちを知ったときには、板ばさみになって切羽詰ったことだと思います。土壇場での思い切りが、おきぬさんばかりでなく、自分の幸せをも見つけたのですね。
   
惑う闇 出口求めて 蔓(つる)手繰り
   

いろいろ思い悩んで、漆の事を実行するおしまさんの気持ちがよく伝わってきます。
(麦わらぼうしさん)



「今度、なにか買って来たら、とたんに人三化七になったりしてさ」
「存じません。どうせ、るいは人三化七でございます」
怒った笑い声がかわせみ中をつつ抜けて、嘉助もお吉も、毎度のことながら、首をすくめている。
「錦秋中仙道」より
東吾さんは自分で『自慢の女房』ってよく言っていますね。心にもないことを言ってるいさんをからかう他愛無い二人のやり取りの場面は、とても気に入っています。
   
化七も 満更でなし 夜長妻
   



新助さんは故郷の、おしまさんは新助さんのまだ見ぬ故郷の紅葉に思いを巡らしているのではないでしょうか。大切に育ててくれたと分かっていても、おしまさんには、遠慮もあったと思います。自分の居場所が見つかって心底嬉しいでしょうね。
   
旅立ちの 瞼に描く 綾錦木
   

好きな人に添える嬉しさや決意は感じていましたが、「自分の居場所を見つけた」というのには、なるほどと思いました。
そしてこの時、綾錦木を見たのは旅立つ二人だけではなかったようです。るいさんの瞼に浮んだ綾錦木を、またまた蛍さんが寄せてくださいました。
こちらからどうぞ。
るいさんの心情を切り取った短編もなるほどとうなずくばかりで、読み込みの深さ、確かな表現力、終わりの締め、三拍子のそろった文章を楽しく拝見しました。
(すみれさん)



 のばらさんの五七五 

今月のお題も好きなお話です。でもなんだかこうどこに入り込めばいいのか迷ってばかりで…。どうも消化不良気味です。皆さまのを楽しみにしときます(T_T)
(のばらさんの談)

木曾の檜細工は、山仕事の間に村のものが何年もかかって、年長者からその技術を教えられる。
  (略)
雪が深くなって、山仕事が出来なくなると、どこの家でも木をけずる音、叩く音が聞こえてくる。
「錦秋中仙道」より
このシーンを読んでいると木曽の山から鹿の鳴く声が聞こえて来るような気がしました…なんちゃって。うちの裏山で本当に鹿が鳴いてるのでした〜。
   
鹿ぞ鳴く木挽きの音に応えてか
   

鹿の鳴き声って、聞いたことがないんです。短く響くのかな。木挽きの手を休めると、聞こえるような気がしますね。
「鹿」が秋の季語と知って(季語集で見て)いましたが、ぜ〜んぜんお話と結びつきませんでしたワ〜。発想力豊かなのばらさんならではですね。蛍のとこの山にも雉や猿、猪はいますが、さすが鹿は聞いた事ありませんね〜。『恋しくば尋ねきてみよ和泉なる〜』の歌を思い浮かべたのですが、鹿と狐ではま〜ったく関係ありませんでした。(笑)
(蛍さん)



「中仙道、奈良井の宿か」
尾州様の御領内だが、木曾の山の中だと東吾はいった。
  (略)
「中仙道でいうと、江戸と京の、ちょうど半分あたりかな」
二人が寄り添って眠った部屋の外には、今夜も雨の音が続いていた。
「錦秋中仙道」より
床のなかで恋人から聞く遠い土地の物語、るいさんはうっとり耳をすまして思い浮かべているのでしょうね。写真もテレビもない、旅する事も容易ではないこの時代だからなおさらロマンチック。好きな場面です。
   
秋雨や寝物語の遠い国
   

木曽は今でも山の中ですね。(木曽の方、済みません) 東吾さんの腕の中で、その「遠い国」に思いを馳せるるいさんの様子が浮かんできました。もうひとつ奥にある情景を読み取る技に、脱帽です〜。
(蛍さん)



中仙道を奈良井に向って旅している新助&おしまのつもりでよんでみました。訪ねて行って本当に大丈夫かな、大丈夫かな、と心配にもなるのですが、きっと大丈夫!と思える明るいラストでしたね。「旅行けば」の「まにまに」は意味は違うんですが、音だけ百人一首の菅公さんのに引っ掛けました(^-^;)
   
一歩づつすすむ山道野辺の菊
   
山超ゆるごとに深まる紅葉かな
   
旅行けば紅葉の間に間に空澄みし
   

足元に咲く菊、目を上げれば紅葉、そして仰ぎ見る空、三句あわせて読むと、歩くごとに変化する木曾への道が見えるようですね。
旅の途中を詠んだ三句はなるほどこういう観点もあったのかと感心しました。
(TERAIさん)
浅黄裏さんの「木曾の祝言」三部作に対して、こちらは「木曾の旅」ですね! 旅行案内業もやっておられるはなはなさんも「やられた!」って言いそう(笑) これって、作者自身のデート体験とシンクロしてるでしょ〜
(たまこさん)
最後の三句、自分も木曾への道を歩いているような気分になります。新助さん、おしまさんも、共に暮らしていく実感と自信を深めながら、一歩、一歩、歩いて行ったんでしょうね。
(麦わらぼうしさん)
他の方々と同じく、一緒に木曾へと旅している気持ちになります。動いている五七五、こういうのもありなんですね。お見事です。
(すみれさん)
「鹿ぞ鳴く」「旅行けば」「間に間に」など本歌を効果的にお遣いになっていて、イメージが増幅されるのでなおのこと深い御作になっていくのですね。「旅枕三部作」は視点の移動もステキ、まさら「やられた〜」です。何気ないシーンを切り取って、美しい御作の数々ですよね♪
(はなはなさん)



 はなはなさんの五七五 

「錦秋中仙道」も大好きなお話なのですが、詠むとなるとやっぱり難しいです。やはりおしまさんにシンクロしてしまい、すみれさんの「こころ模様」にも少々影響を受けて出来上がりました…やっぱりスランプですね。ことばは出てくるんです…どれだけでも。句そのものよりも、「視点」とか「姿勢」とかいわゆる「気持ちの持ちよう」がスランプなんですよね〜。「気持ち」で詠んでいるのがはなはなのスタンスなんで…。そんなわけで〜今回は情念系はあまりできませんでした(笑)
 (UP後に)
帰ってきてすぐPC立ち上げて「ご本家」と「S.ファロウ」と「はいくりんぐ」…はっ、もしかしてUPされている?提出はビリだったのに拝見するのが一等賞とは誠に申し訳ありません…。今回も長〜〜いスクロールが皆様の傾倒ぶり・力作の数々を物語っているようで…ざっと拝見してきました♪本当にたくさんの投句ですよね〜。それに秀作ぞろいで目移りすることといったら♪「年間ベストテン」今年も苦労しそうで今から嬉し・怖し、です♪またゆっくりじっくり秋の夜長にコーヒー片手に味わいたいです。
(はなはなさんの談)

おるいさんと東吾さんの何気ない会話が好きです。幸せそうで切なくて…。劇的なラブシーンより何気ないやりとりのよさがやっとわかってきました。まだまだ色恋の修行が足りませんなぁ(爆)
   
長雨のしずけさ閨のひまやらん
   
旅を思い行く末夢見る雨月かな
   
「雨月」の句と「口にせぬ思い」の句が好きです。
(TERAIさん)
「色恋の修行」はまだまだこれからいっぱい出来ますよ〜。(笑) 亭主もちではね〜、したくても(爆)不倫する度胸もないし…。『雨』って、けっこうロマンチックな演出ですね。しとしとと音もなく降る雨に、二人のしっとりと心が通う雰囲気が感じられました。小道具を素敵に使いこなす、はなはなさまのお句は、いつもうっとりしています。
(蛍さん)



「女の気持ちって厄介なものですねえ」
るいが、改めて呟いた。
「もしかすると、おしまさんは角太郎さんもおきぬさんのほうを好いていると思ったのかも知れませんね」
明るく利発者の妹に対して、おっとりした分だけ愚図な感じのする姉であった。
「錦秋中仙道」より
おしまさんのコンプレックス、私にも覚えがあります。それが嵩じて未だに一人で居るわけですが(苦笑)
   
秋冷や心の底をそっとのぞく
   
秋思う心の在りかいずこかと
   
木の精に耐える強さを吾は欲し
   
ひとの避ける漆ひとり紅らむる
   
雨やまぬ木曾の檜に寄り添いて
   

物思う「秋の女心シリーズ」でしょうか。言葉はいくらでも出てくるけど、自分としてはスランプ…。はなはなさんらしい悩みですね。
長くやって見えると、句は次々出来るのに自分の思うものではないというスランプになるときがあるのですね。それだけ奥深く見つめて進歩されているのですね。
(ぐりさん)
漆はみなさん、何らかの形で詠んでらっしゃいますが、漆自身(?)の立場を、おしまさんの心情とシンクロしてのこの御句が、漆ものの中で一番心に残りました。
コメントで意外だったのが、「おしまのコンプレックスに覚えがある」と書かれているところ。はなはなさんは外から見たら、おしまよりも、おきぬのほうだと思う人が多いと思うんですけど、人の内と外ってわからないものだな〜と思いました。でもそう言われれば案外そうなのかな?私も、人間関係をシャキシャキとうまくやっていける人には、若い時からずっとコンプレックスを持っていたんですけどね…年をとると「隅っこでイジワルバアサンになる」という居場所がある、これもまたよきかな(笑)
(たまこさん)
大トリにふさわしいお句ばかり、「木の精」わたしもそれは感じたのですが、五七五にはできませんでした。   「ひとの避ける」いつもながら、はなはなワールドで、おんなこころを表現されていて素敵ですね。いつか作品を実際に見てみたいなあ
(すみれさん)
『おしまさんのコンプレックス』、蛍も違った意味で、覚えがあります。性格的なものではないのですが…。性格的にも人見知りが激しくて、社交的な人には憧れたものです。って、愚痴ってどうする〜。(笑) 「そっとのぞく」「心の在りか」「耐える強さ」、ううん…、ジンとしました。
(蛍さん)



「新助を信じて、誰にもいえない頼みごとをしたのだとおっしゃった、おしまお嬢さんのお言葉を考えたら、到底、口外出来ません。 (略) 今日、お嬢さんがすべてを打ちあけて下さるまでは、生きた心地もしませんでした」
「錦秋中仙道」より
新助さんも気の優しい人なんですよね。慣れない江戸へ出てきて、好きなおしまさんが何事か思い決めている、でも打ち明けてくれない、そのやるせなさ、無力感。身を投げたくもなるでしょうねぇ…。今回は新助さんにもシンクロしました。
   
秋の雨止まぬさ迷う心あり
   
人避ける紅き葉かげに吾は居て
   
長雨や思いのたけの行方かな
   

「ひとの避ける〜」と「人避ける〜」は対になっているみたいですね。人には避けられる漆を間に、男女がそれぞれの心を寄せている、静かだけど熱いものを秘めているように感じます。
『思いのたけ』、はなはなさんならではの、言葉使いですね〜。雨が新助さんの思いを届けてくれたのかも しれないですね。
(蛍さん)



でもなんとかおしま・新助の思いは通じ合い、おきぬの思いも遂げられて…。すべては漆が取り持ったこと。劇薬もまた良薬ということで。ま、「無鉄砲」と東吾さんが嘆く気持ちもわからんではないですが(笑) 本当はそういう東吾さんだって、ねぇ?
   
口にせぬ思いを漆に引き出され
   

(はなはなさんの談)を読んで…はぁ〜名人ならではの悩みなのですね〜やっとこすっとこ言葉をひねりだしている私には縁の無い悩みです〜。「口にせぬ〜」本当に漆のおかげで、みんなうまくまとまったんですもんね。今回の一番のお手柄は漆クン(?)ということかな…
(麦わらぼうしさん)
『漆』が取り持つ縁ですか〜。気がつきませんでした。漆とは全く縁のない蛍ですので、盲点でした。やっぱり、小道具使いのはなはなさまです〜。
(蛍さん)



長雨もふたりの旅立ちには見事に晴れ上がりましたね。断片みたいな句ですけれど。おしまと新助です。
   
秋晴れや檜の匂い漆の紅
   

一番最後の作品も「断片的」とおっしゃっているけど、ヒノキとウルシのカップルというの、目のつけどころがいいなぁ♪
(たまこさん)
この夫婦、きっとずうっと言われ続けるんでしょうね、「あの時おしまさんは思い切った事をして・・」とか「新助さんも身を投げようとまでして・・」って。そして、たまこさんの意見に一票!割れ鍋にとじ蓋ならぬ「檜に漆」の夫婦の出来上がり!
(浅黄裏さん)