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 千手観音の謎
「長助の女房」より  (平岩弓枝著:文芸春秋刊)
先月の「女がひとり」には、デビューのお二人を加え、過去最高の参加者をお迎えしました。たくさんご参加くださいまして、ありがとうございました。
またUP後に蛍さんがお寄せくださった「源さんは何故話題を変えたのか」にも、皆様からたくさんのご意見を頂戴しまして、ありがとうございました。

さて今月は「千手観音の謎」を選びました。

昨年九月のお題は「白萩屋敷の月」、通之進さんの遠い日の恋を、皆様とともに思い入れたっぷりに詠みましたね。
今月は奥様の香苗さんのお話です。
頼もしい義弟たちの活躍で、事件は見事に解決、昨年とはまた違った通之進さんの一面も。
最近台頭著しい「冗談系」の皆様、どうぞ腕によりをかけてお詠みくださいね。

さあ、今月はどんな五七五になりましたでしょう。
(平成十六年九月)
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 TERAIさんの五七五 

今月も一日投句です。宜しくお願いします。今月は「冗談系」しか思い浮かびそうにありませんが…。まったく同じ句の方がいるのでは?と思ってしまいます。ちなみに漆芸では、麻布を貼るときに糊漆(小麦粉+生漆)というのを使いますが(漆は接着剤としても使えます)、千手観音の手をくっつけるときはどうやるのでしょうか?
 (UP後に)
「9月の五七五」&「うねうね日記」拝見しました。今月もまた皆さんそれぞれの視点から詠んであって、あぁなるほどこういう観点もあったのか〜と感心しきりです。「うねうね日記」も勉強になりました。
(TERAIさんの談)

手前にひき出そうとして、香苗は紫の組紐に手をかけた。ずるずるとひっぱり出して、紐を持ったまま下へおろそうとしたとたんに、なんということか、決して細くもない紐がぷっつり切れた。慌てて、箱を抱えようとしたが、間に合わず、木箱は鈍い音を立てて蔵の床に落ちた。
「千手観音の謎」より
「切れる」を掛けてみたのですが、ちょっと意味不明ですね…。
   
ぷっつりと 切れた組紐 縁の切れ目
   
取れちゃった 何処へ行ったの 東吾さん
   
取れちゃった 兄もやってた 同じこと
   

「取れちゃった」、「…行ったの」っていう言い方が可愛いですね。香苗さんのおっとりして、娘娘した感じがとてもよく出ていると思います。
(浅黄裏さん)
毎度「ビリ」のはなはなとしては一番乗りは遠い遠い目標です(笑) TERAIさまのは連想ゲームみたいで発想が面白いですよね。同じ場面や視点があっても、言葉までぴったりにはなかなかならないのが創作の面白いところですよね。「取れちゃった」の御作は現代的で面白いですね。特に東吾さんを当てにしている香苗さんが秀逸♪
(はなはなさん)



夫の手前、自分の過失をかくそうというよりも、夫にそそっかしい女、荒っぽい女だと思われるのが悲しかった。
「千手観音の謎」より
   
観音が 観音こわし 大慌て
   
わが君に 知られたくない いつまでも
   

今月のお句はいつもと雰囲気が違っていますね〜。香苗さまのほゎ〜っとした感じを上手く掴んでいらっしゃると思いました。TERAIさまに東吾さんが乗り移ったように、香苗さまを詠むお句が温かいです。
(蛍さん)



「全く、兄上の風流につき合うのは、楽ではありませんよ」
床の間に飾ってある千手観音像を目のすみで見て、東吾は兄嫁に片目をつぶってみせた。
「千手観音の謎」より
   
さりげなく 「大丈夫ですよ」と ウィンクす
   
ねんねん姫 父も昔は 眠り病?
   

この節句の祝の席は、親子兄弟の睦まじい雰囲気がよく表されていて、いい場面ですね。麻太郎君もよく寝る子だったのかな。
文庫新装版をきっかけに、かわせみの人々が意外にしょっちゅう「ウィンク」していることがわかりましたが、早速そのことを詠みこまれたのが面白いですね!
(たまこさん)



ちょっと意味深かも…。ネット検索してみたんですが、千手観音が子宝観音として信仰されているところもあるようですね。
   
胎内に 子供宿らず 大麻(ヤク)宿る
   

私も大麻がらみで一つ詠んだのですが、いまいち決まらなくて…こういう風にスパッ!と詠んでみたかったんです。
(麦わらぼうしさん)



 七歩さんの五七五 

今月の分を送りますので、宜しくお願いします。
(七歩さんの談)

「主人の清兵衛どのに、至急、頼みたいことがあるのですが……」
「よろしゅうございます。お安い御用で。すぐ行って参りますです」
たて続けにお辞儀をして長助は一目散に神林家をとび出した。
「千手観音の謎」より
   
新蕎麦や香苗の願いかなえたり

「香苗」でかけてあるのですね。楽しい一句です。
香苗さんの願いもかなえ、香苗さまに会いたいという  長助の願いもかなえ…さすが七歩さま、うまいです!
(麦わらぼうしさん)
新蕎麦と言えば長助さんですね〜。長助さんと言わずに新蕎麦と言い換えるなんて、まるで源さんの「巻羽織」と一緒ですね。
(蛍さん)



   
菊の綿ひとのなさけの露やどる
   
仏の手菊がからまり家さかえる
   

「ひとのなさけの…」がいいですね。義弟ふたりに長助親分、皆に助けられて菊の宴が開けたのですものね。
(浅黄裏さん)



宗太郎が袋の外から臭いをかいだ。それから慎重に袋の紐をほどく。白っぽい煙草のようなものがのぞけた。
通之進が低くいった。
「鴉片烟か」
「千手観音の謎」より
   
菊節句み仏の背ににおいあり
   



香苗が下をむき、東吾は笑い出したいのを必死でこらえた。
「義姉上は、御存じでしたか」
「いいえ、旦那様は何もおっしゃいませんでしたもの」
「兄上も人が悪いですな」
「千手観音の謎」より
   
菊かおるだまされて嬉し千手仏
   
みなひとは千手観音秘めもちて千に三つの紅バラを挿す
   

「みなひとは千手観音秘めもちて」というのは、何となくわかるような気もするのですが、「千に三つの紅バラを挿す」というのは何を意味しているのでしょうか?なんか奥が深そう。千句応募した中から三句だけ伊勢エビが当たるとか…うっまた食欲系に走ってしまった…
(たまこさん)
三十一文字で含蓄ある詠みです。下七七、解説をお願いしたいです。
(すみれさん)
下の句について疑問が出ているようで、一応自分の考えとしては苦し紛れに次のように考えたのです。「千三ツ屋」というのがありますよね。「千に三つしか本当のことがない嘘つき」という意味ですね。それが紅バラ、ですから、真っ赤な嘘にこじつけたのです。
ひとはみな心の中に大事な秘密(千手観音)を抱えているが、その中にも、言うに言えない、やむにやまれぬ嘘を抱えていることがあるものだ、と考えて、あのような下の句をあてがったのです。
(七歩さん)
なるほど、そういう意味が含まれていたのですね。このように教えていただくと、またお句やお歌がいっそう面白く感じられます。「かわせみ」全編にも言うに言えない嘘がありますし、そう思うと奥深い感じがします。(私などはその上のお句を見て、「かをる」様も登場♪なんて思っていました)
(こでまり)
napoさまは妄想が素晴らしいですね〜。「みなひとは」もそんな深い意味があったとは…。テクニカルでnapoさまらしい御作だと思いました。
(はなはなさん)
七歩様の解説、ありがとうございました。人それぞれが持つ千手観音は「秘密」だったのですね。私は何か「得意ワザ」みたいなものかと勘違いしておりました。七歩様のご説明で、なるほど〜と納得がいきました。
(たまこさん)
七歩様、わたしもたまこ様と解釈が似ていて、千手観音は千の手からみんなに慈悲を与えられるほどの功徳を持っておいでになるほどのありがたい仏様。常人はそこまでは無理だけど3回くらいは人の為になることを出来るのだよ…みたいに思っておりました。千手が秘密だったのですね、なるほど…解説していただいてよかった♪でないと、知識もないままに勝手に解釈して詠み人の思いと正反対になるところでした。(^^ゞ
(すみれさん)
短歌の解釈についてコメント有難うございます。 皆様の解釈の方がよりよいように思います。無責任な発言ですが、すみれさまの解釈のほうが妥当性がありますし、より美しく思われます。どうぞ、そのように解釈してください。
(七歩さん)



 たまこさんの五七五 

「千手観音の謎」考えてみると、一番の大手柄は小太郎くんかもしれませんね〜 「剣客商売」でも、秋山家の孫が小太郎でしたよね。なんとなくイメージがだぶっています。お姉さんの花世ちゃんに比べると、出番の少ない小太郎くんですが、だいぶ大きくなったことでしょうし、これからおおいに活躍してほしいですね。
 (UP後に)
菊綿の写真、ぎりぎりにも関わらず、綺麗にレイアウトしていただいて恐縮です。一緒に「かわせみ」を読むお仲間がなければ、こういう催しも存在じたい、気がつくこともないだろうなぁと思います。このところ、「見ました!」と掲示板に書くだけで、感想を送ろうと思っているうちに、もう次の月のお題…という繰り返しになってしまったので、今月こそと思ってようやく…。蛍さんはじめ、皆さん本当に丁寧に、一句一句感想を送っていらっしゃいますねぇ。頭が下がります。それにしても、15人にもなっているとは知りませんでした!
(たまこさんの談)

女中頭のお吉は早速、知ったかぶりをいって、出来ることなら、余分の綿があったら頂けまいかと、るいにいえば叱られるから、さりげなく東吾にねだったりしている。
「千手観音の謎」より
お吉さん五七五は、「宵節句」の漬物自慢以来かな?「美人に」とまでは欲張らないけれど、せめて出来るだけ若さを保っていつまでも、かわせみの為に役に立てる存在でありたい、という気持ちはとてもよくわかります。
   
身の程は知れどもせめて菊の露
   

見事としか言いようがありません。お吉の心情を汲み取って余りあるものだと感心させられました。
(七歩さん)
お吉さんの心情、見事に詠まれてますね。それに妄想ミニストーリーもおまけについてる(^_-)
(すみれさん)
菊の綿とるいさんが箪笥の衣装を迷っている場面は、たまこさまと同じでした。私のはまるっきりお笑ですが…。お吉さんのキャラクターから情念を引き出すのは難しいです〜。(笑)
(蛍さん)
「身の程」の御作はぴったり決まっていますね〜。かっこいいな。
(はなはなさん)





今週末は、大宮八幡宮というところの(隣の区ですが、歩いて行こうと思えば行けます)お祭りになっており、「菊の被綿(きせわた)」が展示されているというので、今日ちょっとのぞいてきました。
綿のかぶせ方もいろいろあるのでしょうが、ここのはカラフルでベレー帽みたいなので面白かったです。物語を読んだときのイメージでは、クリスマスツリーの雪の綿みたいな感じに、少しずつちぎって置いてあるのかな〜と思っていました。
(H16.9.17 撮影← と文章↑ たまこさん)
菊の被綿 (きくのきせわた)
重陽の節句(九月九日)の行事で、前夜菊の花に花色に染めた真綿をおおって、その露や香りを移しとり、翌朝湿ったこの真綿を顔に当てて、若さを保とうとするもので、平安時代に盛んに行われていました。
殊にこの時代の女性方には菊の持つ「不老長寿・若返の効」をも信じられていた様で、紫式部が道長夫人の源倫子より菊の被綿を贈られて大感激をして詠んだ歌が有名であります。

   菊の露若ゆばかりに袖ふれて
       花のあるじに千代はゆづらむ
(大宮八幡宮の説明書きより)

こうして画像でみることができて由来も教えていただけてあり難いです(^-^) ひとりで本を読んでるときには味わえなかった楽しさです。ところで、あの菊の着せ綿のはげしい真っ赤や鮮やかな黄色の綿って着せ綿用の特製なんでしょうか。そしてたまこさま、あの綿って神社でお守りみたいに売られてるんですか?お吉さんじゃなくとも身のほどは知ってても興味津々〜♪ お守りとか好きなので行った神社で売られていたら、わたしたぶん買っちゃいます♪
(のばらさん)

菊の着せ綿、はじめて見ました。白い綿ではなく、赤や黄色なんだ♪きれいですね。
(すみれさん)
たまこさま、菊の着せ綿の話と写真を有難うございました。napoは菊人形に薄い綿をかけてあるものだ、と誤解していました。ひどい誤解ですね。お陰で大変勉強になりました。
(七歩さん)
本物を見ることができて幸せです。ちゃんとこの世にあるものなんですねぇ。 たまこ様もおっしゃってるようにもっと薄い綿かと思っていたのですが、ものすごい厚みですね。私は真綿を薄〜く引き伸ばして菊の花弁を全部包むようにしてかぶせるのかと思っていたのです。色もすごいです。考えてみれば薄いよりは香りもこもりやすいし、露も含みやすいですよね。色は…なんだか食紅で染めたようなクッキリした色味ですね。 私も売っていたら買うかも。で、夜中にひっそりと顔に…、ちょっとホラー?
(浅黄裏さん)
菊の綿のあの鮮やかな色は私も印象に残り、ちょっと検索してみましたら、島根県のほうでテキスタイルデザイナーの方が染めておられるそうです。黄色は槐(えんじゅ)のつぼみで、赤は茜(あかね)の根で染め、水の質なども関係あるとか…
あ、この綿は売ってはいませんでした。菊も戸外ではなく、お宮の境内に結婚式場があってそのロビーに鉢が並べられていたのです。だから実際には露も含まないわけですが、お節句の日だけでなく1週間くらいの展示なので、やっぱり戸外は無理なんでしょうね。菊の鉢の横に三宝に乗せた綿があって説明書などが置かれていました。「三色肉マンみたい?」とか思ってしまった私、やっぱり菊綿を入手する資格はなさそー。
(たまこさん)
拝見しました。可愛いものなのですね〜。お江戸の当時もカラフルな可愛いものだったのでしょうか。
(蛍さん)
菊の被綿、私も、もっと薄くてふわぁ〜としているのを想像していたのですが、色あざやかできれいですね。
(麦わらぼうしさん)
たまこさん、菊の綿、初めて拝見しました。私も菊の花の上にふんわり乗せているのかなぁと思っていたので、色鮮やかな結構ぼってりした綿の写真を拝見した時はビックリしました。今もこうやってずっと続いているんですね。
(あっちの管理人さん)
菊の着綿、初めて拝見しました。私も、もっとうっすらと雪が積もったようにかぶせるのかなぁと思っていたので、あまりのあざやかさ・分厚さにびっくりしました。中国から入ってきた習慣であれは、このあざやかさも当然かもしれませんが。菊花の上にさらに菊花が乗っかっている感じなのが「重なる=重陽」にぴったりですね♪お能にも「菊慈童」(観世のみ。他流は「枕慈童」)があります。中国の皇帝の枕をまたいだ罪で深山に追われた小姓が、お経の文章を刻んだ菊葉に宿った露を飲んで700年もの長寿を保っていた、というおめでたい曲です。
(はなはなさん)
菊の綿、わたしもはじめて拝見しました。あれなら“ぱふぱふ”と顔にあてたくなります。 わたしも皆さんと同じく薄いものを想像していました。それも1つづつではなくて、真綿を透けるほど薄く延ばして、1メートル四方ぐらいの物にして、いくつもの菊にまとめて覆いかぶせるのかと思っていました。想像と全然違う写真を見てへぇーと感心しきりです。
(紫陽花さん)
菊綿は、紫陽花さんの想像されたような「ウェディングベール風」というのも見てみたいですね〜。
(たまこさん)
薄い真綿をほゎ〜と被せるってのも綺麗でしょうね〜。寒牡丹に藁の覆いがと〜っても似合っていたのを思い出しました。関係なくて済みません。
(蛍さん)



るいのほうは箪笥の前にすわって、明夜、東吾にはなにを着せようか、自分はどうしたものかと思案していた。
「千手観音の謎」より
以前から東吾さんの着るものにはいろいろと気を使っている、るいさんでしたが、このお話ではもう堂々と女房の立場でご亭主の衣装選びができる嬉しさが、とくに伝わってきますね。
   
菊日和衣装選びに時忘れ
   

コメントを読んで「そうか〜」と目が覚めました。まだ、人目を忍ぶ頃のるいさんは、東吾さんの身につけるものは「かわせみ」にいるときだけで、お屋敷に帰るときは香苗さまが支度してくれたものを着せて帰していたのですね。それが却って辛いるいさんでしたね〜。おとせさんが仕立てた綿入れを見て「羨ましい…」と思ったときもありました。たまこさまの深い読みに脱帽です〜。
(蛍さん)



「長助どのは本銀町の要屋と申す道具屋を知っていますか」
「へえ、あちらさんは確か、竜閑橋の近くでお稲荷さんの向い側の……」
「そうです、そうです」
「千手観音の謎」より
何も内容はないのですが、竜閑橋って名前がかっこいいし、秋にぴったりで何か作ってみたかったというだけで…いかにも名人の店がありそうな場所って感じでもありますよね。要屋清兵衛、ドラマ化するなら島田正吾さん!と思っているのですが。島田さんってまだお元気ですよね?
「秋の橋」は前にも使ったかと思いますが…来年3部作でも狙おうかな。
   
秋晴れの竜閑橋の袂かな
   
名人の住まいも近し秋の橋
   

竜閑橋は「江戸東京散歩」で確認したのですが、そこで一句とは思いつきませんでした。やられたぁ〜。
竜閑橋という名前から、こんなふうに発想が広がるなんて…すごいです。
(麦わらぼうしさん)



   
巻羽織仕事に追われ菊は見ず
   

おたま 「畝の旦那、今回もお手柄おめでとうございます。でも、神林の殿様も若先生も本所の麻生先生も皆様、菊の節句を楽しまれたそうなのに、旦那はお仕事ばっかりでお気の毒ですわ〜。ちょっと遅くなりましたが、世田谷村のほうに穴場があるんですよ。今度非番のときにでもご案内しますから、菊見酒などご一緒に…」
源三郎 「そうか、それは楽しみだな。よろしく頼むよ」
そして当日…
源三郎 「やあ女将、よい企画をかたじけない。話を聞いて女房の実家の連中まで喜んでついてきたので賑やかになったぞ。酒と食い物はまかせておけ。」
見るとお千絵・源太郎・お千代に続き、江原屋の番頭・女中・手代に小僧まで、それぞれ重箱や包みを抱えてワイワイと並んでいるのだった。
以前の「朝飯」事件から少しも学習していない、おたまなのであった。
「朝飯」事件はこちらから

「巻羽織」句、本当にありそうなお話で可笑しいったら…。手代さんから小僧さんまでって、ぷぷぷ、笑えます。
(浅黄裏さん)
私も今回、「竜閑橋」で止めておけば、「今回は上品系♪」とちょっと鼻高だったかもしれませんが、ついつい最後に地を出してしまいましたわ〜 それにしても、「源さんを口説いても宴会になるだけ」って、そろそろ学習してもいいのにねぇ。
(たまこさん)
巻羽織句には、オチのお話までついていて、楽しいですね♪
(麦わらぼうしさん)
たまこさまの妄想、こちらも大受けでした〜。「学習」しないおたま姐さん、本当は畝の旦那とふたりっきりになるのが内心怖いのかな〜?なんて深読みです。
(はなはなさん)
たまこさんの「巻羽織」のその後の妄想話。笑えました。 「そうかじゃあ今日は江原屋さんには誰もいないのね」と思ったのは 紫陽花くらいかしら。
(紫陽花さん)
ミニコント(笑)のおまけに大爆ですワ〜。せっかく二人っきりになれる、いい機会だったのに〜 残念でしたね〜。おたま姐さんの切な〜い(?)気持ちに朴念仁の源さんは、はてさて気づいてくれるのでしょうか〜。
(蛍さん)



 すみれさんの五七五 

通之進さまと香苗さまが主役になる数少ないすてきなお話で、内容もほのぼのしていて安心して読めて、これも好きなお話です。香苗さまの心情描写が多いのも際立っていますね。粗忽な面が無い様に見える通之進、香苗ご夫婦にも、なあーんだ♪我々と同じとこもあるのね♪と、思えるところが安心できるところなんでしょうか。
 (UP後に)
初参加がどんどん増えて来て、すみれも回数だけは初心者ではなくなりそうです(>_<) 今月は発句ポイントがだいたい同じですが、それぞれに個性がありますね。香苗さま=観音さま、だけど生きているお方。その純粋さ、可愛さ、美しさを自分もこんな風に詠みたかったーー五七五を沢山みられました。(^^ゞ
(すみれさんの談)

その日、神林家の奥方、香苗が蔵へ入ったのは、知人が茶の催しをするので貸してくれといって来た茶道具を取り出すためであった。
神林家は古い家柄なので、蔵の中にはさまざまの古めかしい木箱が納められていて、その中には香苗が嫁に来て以来、開けたことのないようなものが少くない。
「千手観音の謎」より
   
秋うららくらのたからも出番まち
   
秋意して観音様はくらの中
   
通さまをわがいのちとて桔梗咲き
   

「秋うららくらのたからも」は語感と字面が好きです。「うららくら」が新鮮で〜。「通さま」は「つうさま」ですか?うふふ、いいなぁこの呼び方♪拝借しちゃおう。私もそうですが、浅黄裏さまや宗匠とご一緒で、香苗様を桔梗と例えていらっしゃる「お仲間」ですね。
(はなはなさん)
すみれさんの「秋うらら…」 “うらら”って春だけかと思っていたので“秋うらら”って新鮮でした。秋にもあるんですねぇ。はじめてしりました。
その次の「秋意して」っていうのもわかるようなわからないような言葉です。語彙不足を痛感しています。
(紫陽花さん)



うろたえ狼狽する香苗さんのやや大げさにも見える心持ちが、がさつな私からは考えにくいほど香苗さんらしくもありますね。そのようなお人柄だから長助さんをひとっとびに走らせ、東吾さん、宗太郎さんを懸命に動かすのでしょう。
   
走りそば天女の願いかなえむや (by 長助)
   

蕎麦も「走り」の時期なら、長助さんも「走る」ということでしょうか。うふふ。
「走りそば」、長助の「おつかい」は競作ポイントになったようですが、「はしり」をかけたこの御作は秀逸ですね〜。親分も走りがいがありましたね!
(たまこさん)



「畝の旦那が……お急ぎのようで帳場でお待ちでございます」
  (略)
笑いながら手を振ってから表情を改めた。
「ただ、念のため、ちょっとお訊ねしておきたいと思って寄ったのです」
「千手観音の謎」より
源さんがらみでひとつ、ご婦人がたに囲まれてやにさがっていても、東吾さんの動向にちゃんと第六感が働いています。さすが八丁堀!
   
『秋ですな』勘もさえてる巻羽織
   

「言いたいけれどこの暑さ」に続いての「秋ですな」第二弾、ありがとうございます!うしし〜こんどは巻羽織バージョン♪
(たまこさん)



男達はがやがやさわぎながら酒を飲み、母親同志はもっぱら子育ての話をしていた。
「千手観音の謎」より
兄上の屋敷で菊見の宴、子供たちもいて、これまでは子供が直ぐに授かった七重さんはともかく、香苗さんは子供がなく、るいさんもなかなか授かりませんでしたよね。七重さんとるいさんは恋仇でもあった過去もあるし、るいさんにようやく千春ちゃんが生れても、香苗さんの前では申しわけなさと遠慮があって子供自慢をし難かったと思うのです。今では、るいさんに秘密のいきさつがあるにせよ、香苗さんにも麻太郎さんというかわいい息子ができ、お互いに遠慮なく親ばかぶりを出せるようになったわけですから、特にるいさんの嬉しさは大きい物だったでしょう。
   
菊の庭にぎわいうれし酒うまし (by 男衆)
   
菊さかり吾子ある幸をかくさない (by 女子衆)
   

コメントの部分は、気づかないポイントでした。お互いに打ち解けて、子どもの話に花が咲いていますね。「吾子ある幸をかくさない」には、なるほどと思いました。
「吾子ある幸」は本当にそうかもしれませんね。そしてそれを女子衆は「かくさな い」と表現されたすみれさんに脱帽です。
(浅黄裏さん)
男衆、女子衆のお句のコメント、本当にそうですね〜お句のほうも、宴の楽しい雰囲気が伝わってきます。
(麦わらぼうしさん)



はっと七重が気がついた時、小太郎は床の間に上っていて、右手に千手観音像の背中からひき抜いた数十本の手を握りしめていた。
「小太郎、まあ、なにをしたのです」
「千手観音の謎」より
一番純心な小太郎ちゃんが、観音さまの意を受け取って悪を引きずり出してくれたのでしょう。最後の落ちもくすっと笑えて読後感が良いですね。
   
菊ほとけ無垢な手をかり悪退治
   
天高しお城ほほえむひみつあり
   

「ひみつ」が「ほほえむ」のも好き〜。
(はなはなさん)
「無垢な手」と「千手観音の手」の掛け合わせですね〜。小太郎くんの度胸の良さに、いづれ大物になりそうなそんな気がしますね。
(蛍さん)



 ぐりさんの五七五 

すみません俳句になってないかもしれませんが投句させてください
 (UP後に)
チョットどきどき、でもやはり皆さんすばらしいです。うねうね日記も着せ綿の由来など書いてあってとても面白かったです。私も綿はモット薄い白い綿を菊を包むように着せてあるのかと思っていました。実際に見ると、綿はモット厚くてカラフルなものですね。実際に見ることが出来てよかったです。もし売られていたら内緒で買ってきてそぉっとほほに当ててみたいです。
(ぐりさんの談)

そして、九月九日、夕方から東吾はるいを伴って八丁堀の兄の屋敷へ行った。
庭には見事な菊の鉢がずらりと並べられていて、花には着せ綿がしてある。
   
節句日の 綿かぶりたる 菊の花
   

ぐり様、「はいくりんぐ」へようこそ!謙遜なさっていらっしゃいますが、しっかり俳句になっていますし、「かわせみ」の世界も充分に詠んでくださっていますね。
しっかりと場面を詠んでいらして、とても新人さんとは思えないですよ〜。\(^o^)/
(蛍さん)
本当に新人なんですか!?す、すばらしすぎる…
(麦わらぼうしさん)



まことに申しわけないとあやまられて、東吾は香苗と顔を見合せた。
「二十年前というと、いったい誰が……」
「神林の殿様が、御自身でお持ちになりました。手がすべって落してしまったと……」
「千手観音の謎」より
   
月見酒 昔々の 秘密ばれ
   
秋の日に 千手観音 夫思い
   

今月の新人さんてぐりさんだったんですね。これからもよろしくお願い申し上げます。
(浅黄裏さん)
初めてとは思えない手堅さですね〜〜来月以降が楽しみです!
(たまこさん)
デビューおめでとうございます。初回とは思えない句の出来映えですね。
(TERAIさん)
ぐりさま、ようこそ〜。 きちんとお作りになっていて、やっぱり新人さんとは思えませんね。「秋の日に」千手観音に香苗さんを仮託されていていいなあ、と思いました。
(はなはなさん)
「昔々の」の言葉がと〜っても可愛ゆいです〜。秘密といっても微笑ましい秘密、それをよく表していると感じました。謹厳実直な兄上さまにもそんな時もあったのですね〜。
(蛍さん)



 千姫さんの五七五

「先手観音の謎」は「ほのぼの度10」の大好きな物語です。大好きだから、題名から物語を思い出せるわ、って思っていたら最近のお話なんですね、あは、は…。
ほのぼのとした、からかう様を五七五にしたいと、以前宗匠から教えたもらった立場を変えて詠むを色々考えてみたけれど、どれも下の言葉が決まらなかったり −「心配を からかいでする…」「からかうは 友思うなり…」「からかわれ 心配りに…」 、気持ちが入らなかったり−「大げさな 言葉で粗相 笑となり」「からかいて 事の大小 はかる友」どなたがきりりと詠んでいるのか楽しみですワ。 …と、いっぱい悩んだと言い訳をしておいて、一句だけです…。
(千姫さんの談)

東吾と香苗が蔵から出して来た千手観音像を通之進は手に取って背中の部分を調べた。こちらは手の抜けた部分に四角いくぼみはあるものの、大麻の袋をかくせるような大きな穴はあいていない。
「なるほど、よく似て居るな」
苦笑して、通之進が宗太郎に訊いた。
「千手観音の謎」より
   
観音の 手から秘密が こぼれ落つ
   

結局、いくつもの秘密がこぼれちゃいましたね。
秘密がこぼれて、事件もこぼれて…このお句に、今回のお話のすべてが集約されている気がします。
(麦わらぼうしさん)
お千さまの御作、ぴったしですね〜。手はいっぱいあっても秘密は抱え切れなかったか、それとも悪事(?)は平等にばらしちゃったのか、さすが仏様。
(はなはなさん)



「重陽の節句と申しますのは、菊に綿をかぶせておいて、その露でお化粧をすると、年をとらないとか申すそうじゃございませんか」
「千手観音の謎」より
おまけ
   
菊綿を 通販で探す お千あり
   

お〜っほっほ、私の分もお願いね!
通販のお句、楽しいですね。「通販に綿返品す浅黄裏」効果がないのは不良品だからじゃないの?「次こそはちゃんときくのを(菊のを・効くのを)お願いね」って、こ とで。
(浅黄裏さん)
「通販」にはもう笑いが止まりません(座布団、あるだけ持っといで〜) この発想が、まったく余人をもって換え難いってやつですね。「お千かな」でなく「お千あり」という終わり方がまた、ぴったりハマっていますよね〜
(たまこさん)
「通販」は大爆笑でした♪私も「千趣会」で探したい♪
(はなはなさん)
(爆爆爆〜)な〜るほど〜、通販という手もありますね〜。通販を思いつくというところが、お千さんらしいと言えばらしいです〜。蛍は、母が丹精している菊に綿を被せて…と、とんでもないことを秘かに考えていました〜。(笑)
(蛍さん)



 朝霧さんの五七五 

幼い日からずーーと憧れ思う人の妻になれた、その人にいつまでもよく思われたい、可愛らしい女心の香苗さん。本当はこんな妻に私もなりたい が!!現実はひどいもので可哀想なわが夫、反省を求められる作品でした。あぁ…
(朝霧さんの談)

とんだ粗相をしたというのが、その時の香苗の気持ちであった。
自分の嫁入り道具ならともかく、神林家の先祖代々の由緒ある仏像を取り落して毀したことが情けなかった。
「千手観音の謎」より
   
とつこおつ 思案の妻や 秋の午後
   

こういう雰囲気、朝霧さんって感じでいいんですよね。
「とつこおつ」がステキですね♪あっちへ行ったりこっちへ行ったりして途方にくれている香苗さんが可愛らしいです。
(はなはなさん)



   
着せ綿の 露をしぼりて 若返り
   
御仏も 捕り物が好き 秋の声
   

千手観音が小太郎ちゃんを引き寄せて、自ら捕物に参加しちっゃたということでしょうか。なるほど。
「御仏も捕り物が好き」という発想、面白いな〜と思いました。急に、千手観音も登場人物の一人として、生き生きしたイメージになりました。
(たまこさん)
今回の競作ポイントの一つでしたね。昔も今も、女性は綺麗になるためならば手間隙を惜しまないです。「若返り」にはつい反応してしまいます〜。(笑)
「御仏も〜」の「捕り物が好き」って、やっぱり香苗さまも伊達に花形与力の奥様をしていたのではないのですね。「門前の小僧」というところでしょうか。
(蛍さん)



「お願い。東吾様、今のこと、内緒にして下さいましね。旦那様にも、私達が清兵衛から聞いてしまったこと、決してお話しになりませんように。一生のお願いですから……」
兄嫁の真剣な顔をみて、東吾は大きくうなずいた。
「千手観音の謎」より
   
すみし空 永久(とわ)に賢婦を 願う義姉
   
秋空に 兄の秘密と 書く東吾
   

「…兄の秘密と」いいですね。こういうふうに素直に詠みたかったんですができなかったんです。
(浅黄裏さん)
<朝霧さんの談>に同感です〜〜私も反省してます、あぁ…「すみし空〜」「秋空に〜」私もこの場面詠みたかったのに、出来なかったです…爽やかで、すがすがしい空気が伝わってきますね。
(麦わらぼうしさん)



 こでまりの五七五 

このお話を選んだ時は、まず香苗さんの可愛い女心を詠みたいと思っていたのですが、作ってみたら一句もできてなくて…。本当によく出来ているお話で、なんか入り込む隙がないというか、(他が隙があるというわけではありませんが)、でもやっぱり気持ちよくて、大好きな一編です。
(こでまりの談)

「はじめて気がつきましたがね。この観音様は余分な手がないほうがすっきりしますね」
子供の頃、これをみてまるで蜘蛛の化け物みたいだと気持が悪かったなぞという東吾に、香苗は情けなさそうな顔をした。
「千手観音の謎」より
以前奈良のお寺で千手観音を観た時に、お寺のガイドさんが「倒れて壊れた」って言っていたのですが、その時も「千本も手があるのにダメジャン!」と思った、東吾さん並のバチあたりな私です。うひ。
   
千の手も持宝も守れぬその身かな
   

宗匠が隠し持っている、この辛口の切り口が大好き〜〜
(たまこさん)
な〜んと罰当たりな〜とは思っていませんよ〜。受けまくってしまいました〜。己の身も守れずに他人の身まで引き受けられるのでしょうかね〜。って、もっと罰当たりでした〜。(笑)
(蛍さん)



神林東吾は長助から子細を聞くと、まっしぐらに兄の屋敷へ行った。
東吾の顔をみて、香苗も亦、棚からぼた餅が落ちて来たように喜んだ。
  (略)
顔を見合せて笑い出し、それから東吾は嘘の下手な香苗のために、少々の智恵をつけた。
「千手観音の謎」より
先月の雨宿りの時にも思ったのですが、東吾さんて頼れる弟ですよね。姉上の性格をよく呑みこんだ上でさり気なく智恵もつけ、でも気を遣わせない心配りがあって。そんな東吾さんも平岩先生の手にかかると。。。
   
ぼた餅と思われたとも知らないで胸張って行く文殊の義弟
   

「ぼたもち東吾」もいいです!牡蠣の源さんに、ぼた餅の東吾さん。うーむ、並んでお膳に乗ってると、ちょっと違和感も…
(たまこさん)
「ぼた餅東吾」ウケました〜。東吾さんはそういう自分を楽しんでますもんね。
(はなはなさん)
「ぼたもち東吾」いいなぁ(笑)ちょうどお彼岸も近いし。
(紫陽花さん)



通之進も背は高いほうだが、東吾は兄より上背がある。肩幅も腕の太さも兄を凌いだ。
そんな弟を、通之進は頼もしそうに眺めている。
「千手観音の謎」より
この場面では、通之進さんの嬉しさが特に表されている印象を持ちました。兄として、時には親のように東吾さんを見守ってきたと思うのですが、昔話をして笑う中にも、そのあたたかな気持ちが溢れているようです。
   
情愛を肴に交わす菊の酒
   
着せ綿のふわり並ぶ夜菊節句
   

「情愛を」ーーわたしもこれが言いたかった。味わい深いお句です
(すみれさん)



花世ちゃんという強烈な個性の陰に隠れがちの小太郎くんですが、今回はけっこう大器晩成型かなと思いました。
   
大手柄立てし跡取り菊香る
   

私はまわりの大人たちにしか目がいかなかったのですが、確かに、真の主役は小太郎ちゃんかも。
(麦わらぼうしさん)
剣術のお稽古が大好きだった花世ちゃんも、いつの間にかお姉さんらしくなってきましたね。それぞれに個性のある跡取り息子たちの成長が楽しみです。
(蛍さん)



「白萩」の時は重く切ない秘密でしたが、今回の秘密は何とも可笑しくほのぼのしていますね。
   
二つ目は明るい秘密秋の空
   

朝霧さんの「兄の秘密」句とも重なって素敵ですね。ラストの風景を詠んでみたかったんですが、結局力尽きました。
(浅黄裏さん)
「明るい秘密」ーー好いですね。そうだったなあーーと納得しました。
(すみれさん)
「明るい秘密」もいいなぁ…私もこういうふうに詠みたかったなぁ。
(はなはなさん)
「明るい秘密」説明読んでなるほどねぇと納得しました。それにしてもこの話からなぜ白萩屋敷のお話を思い出せるのか… そこにあるのは通之進様への愛なんでしょうねぇ(笑)浅黄裏さんもお仲間のようですね。
(紫陽花さん)



 のばらさんの五七五

神林夫妻はもちろん、東吾さん、宗太郎さん、源さんの気持ちよいところがぎゅっと詰まった素敵なお話ですね。そして月光のもとの(と勝手に空想)重陽の宴。菊に着せ綿は幻想的でおまじない的。はじめは秋のさわやかな感じで。。。と思っていたのに、わたしは薄暗い蔵とおまじないと夜が好きなようです〜。
(のばらさんの談)

だが、棚の上から慎重に香苗が下した茶道具は自分が嫁入りした時に持参したもので、茶の湯に造詣の深かった亡母が用意してくれた逸品ぞろいであった。
「千手観音の謎」より
重い蔵の戸、開ければシーンとした薄暗い中に、先祖伝来の品々が渦高く詰まれている…というのは嫁に来た身には身の引き締まる思いがするかも知れませんね。亡き母上の用意して下さった品々は、香苗さんを見守ってくれてるようで…。
   
菊の香も届かぬ蔵の箱無言
   
桐の箱撫でる手母に重なりし
   

この、母とお道具の視点は思いつかないポイントでした。嫁ぎ先にそんなにたくさん箱があったらビビリますが、母の心のこもった嫁入り道具、それを見れば励まされあたたかな気持ちになったでしょうね。
香苗さんの母上遺品のお道具っていうのは、独占ポイント賞かな〜?箱を落っことすシーンに気を取られますが、その前の、こういうしみじみしたシーンも見逃さないところが、さすがのばらさん。
(たまこさん)
「桐の箱」「無言」ーー余韻をかんじるお句、ほんとに良いですね
(すみれさん)



さすが神林家の観音様・千手観音&香苗観音!我が身を犠牲にして事件を呼んでくる。。。
   
身を欠いて事件呼び寄せ観音さま
   

「身を欠いて…」も、朝霧さんの「捕り物が好き」とまた違った、観音像の詠まれ方が印象的です。
(たまこさん)



なんにせよ、夫から駄目な女、醜い女とさげすまれるくらいなら死んだほうがま し、というのが香苗の本心であった。
「千手観音の謎」より
ここのところの香苗さんはいつものおっとりぶりとは少し違って、かなり激しい、一種の執念とすらいうほどの思いを秘めているのだと思いました。でも、澱んだ感じにはとれません。香苗さんの心の中の強い願いや「隠しごとをする」という違和感が核になって真珠になるようなイメージ…を空想しました。
   
秘め事の真珠となりぬ星月夜
   

確かに、香苗さんの心根は可愛いと感じるとともに、圧倒される部分もありますね。
のばらさまの発想の豊かさ、表現力、特賞をとられるのも当然ですね。すてきなお句です。
(すみれさん)
のばらさまは相変わらず視点といい、言葉といい、独自の世界を展開されていて素晴らしいですよね。「真珠」「月明かり」どちらもきれいだし…。
(はなはなさん)



「直りますかしら」
「玄人なら、なんでもありませんよ」
「道具屋にお心あたりがございますの」
「勿論ですよ」
「千手観音の謎」より
香苗さんはうまい嘘も言い訳も出来そうになくて困り果てているのですが、東吾さんのここのセリフは嘘とはいわないけれど全くのハッタリですよね。心あたりなんてないけれど「どうにかしよう」と思っている、本当に清々しい堂々としたハッタリぶり!あっさり香苗さんを安心させて去って行く。東吾さんのこういう所が大好きです。
   
颯爽とハッタリかまして拝まれる
   

「ハッタリかまして」はなるほど〜ですね〜。東吾さんの性格がよく表されていると思いました。以前の「凄腕」のお句を思い出しましたよ〜。東吾さんの性格描写が楽しみ〜。
(蛍さん)



お吉さんも欲しがった菊の綿。香苗さんもきっと一心に願って、そっと試してみることでしょう。
   
露うけて閉じるまぶたに月明かり
   

「露うけて」のお句ですが、なにげに情念系かと思っちゃいました。でも「閉じるまぶた」って綿をあてたからなんですね、考えすぎ〜、キャッ♪失礼しました。
(浅黄裏さん)



「千春様はもうよくお歩きになりますでしょう」
七重がるいにいい、るいが嬉しそうに答えた。
「はい、うっかり目をはなしますと、どこへ行ってしまうかわかりませんので、一日中、娘のあとを追いかけて終ってしまいます」
「千手観音の謎」より
かつてはこんな風にこのメンバーで談笑する日が来るとは考えられなかったかもしれません。そう思って感慨深かったシーンです。
   
笑みあつめ座ははなやぎて菊の宴
   



嘘とはいいませんが内心どう思ったかは別にして借り物と知ってはいても素知らぬ顔で謝る宗太郎さん。やっぱり好き♪心の叫びを一句。(句になってない気も…)
   
またとれた!これは借り物どうすんだ〜(~ロ~;) (by宗太郎)
   

情念系から冗談系まで、なんでもうまく詠まれるのばらさま。「またとれた!〜」いいですね〜私も宗太郎ファンとして、たまらないお句です〜。私に情念系は無理だけど、先月の「トロトロよ」といい、この路線、なんとか真似したいと思っております。
(麦わらぼうしさん)



千代田城の御堀の上を秋風が渡っていた。
よく晴れた空に、東吾は指で兄の秘密と書いてみたいと思いながら、兄嫁を乗せた駕籠の後を大股に歩いて行った。
「千手観音の謎」より
   
大股で行く御堀端秋高し
   

冗談系もしっかりフォローしていて幅の広さがありますよね♪最後の「大股で行く」は東吾さんらしくて好きです。
(はなはなさん)
大きくて清々しい御作ですね〜。東吾さんは、「兄上の秘密」と思っていても、通之進さまのことですから、「バレたか…」とわかっているかも。
(蛍さん)



 浅黄裏さんの五七五 

今月は情念系の場面もないし、なんだかつまんないです、(なんちゃって、嘘です!)。
 (UP後に)
なんかおこがましい気がして、今までは掲示板でちょこっと触れるだけだったのですが、毎月いろんな方が拙句にも感想を言ってくださってそれが嬉しかったので、これからは感想をお送りできるときにはしてみようかなという気になりました。
(私は香苗さんの可愛いさやけなげな女心よりは思う苦しさのほうを強めにとらえてしまいました。)嫁いで何年にもなるというのに、香苗さんの通之進さんへの強い思いには気圧されるものを感じますね。そんなにも強く強く嫌われたくないと思っていると自分で自分が苦しくなってしまわないのかなあ、思われてる通之進さんも息苦しくないのかなあ、と。香苗さんの場合はなんといっても旗本のお嬢様で育ったという育ちの良さがあり、また、生来のおっとりさ・心持ちの素直さがあって、苦しさを救っているのかなと思っていたのですが、今回のようなドジ?さが現れることもあって、バランスがとれているのかな?とも思いました。
(浅黄裏さんの談)

「一日一両は高いな」
「止むを得ないでしょう。義姉上のためです。手前と東吾さんで半分ずつというのはどうですか」
「そのくらいなら、なんとかなるよ」
「千手観音の謎」より
香苗さんのイメージは去年の白萩との対比からずっと桔梗になっていて、今月はそれを詠んでみました。
   
青桔梗 静かな笑みの 咲きこぼる
   

お句と直接関係のない引用になりましたが、香苗さんの微笑みは、通之進さんはもとより、素敵な義弟たちが守っているからとも感じました。
普段の香苗さん、私の中では牡丹のイメージなのですが、昨年の「白萩」での印象を「桔梗は香苗さん」と書いたことが、皆さんにもイメージを押付けたようで気になっていました。浅黄裏さんもそう感じていらしたのならと、ちょっと安心。
浅黄裏さまの<UP後に>のコメントになるほど〜と思いました。私は香苗さんのいちずな恋心、素敵!としか考えなかったんですが、確かにそういう風にも考えられますよね。こちらに参加していると、いろんな意見が聞けて、本当にためになります。
(麦わらぼうしさん)
同じ「桔梗」仲間に入れていただいて嬉しいです。
(はなはなさん)
「桔梗」も「萩」のお句もどちらもお話の中には直接に描かれていないですが、それをイメージなさるとは、浅黄裏さまならではですね。登場人物への個々の思いはそれぞれですが、そうして「かわせみ」自体もふくらみのあるものになっているのですね〜。こうゆう詠み方もあると教えて頂きました。
(蛍さん)



香月さんが亡くなってから、その後神林家では秋のある一日はきっと香月さんを偲ぶ日になっているのではないかと思いました。そのことを決して口には出さずに精進料理の膳を整える香苗さんと黙ってそれを食している通之進さん。東吾さんにしても萩の散る季節になればきっと心に疼くものがあったはずです。
   
偲ぶ夜は 萩の忌の膳 囲みいて
   

口には出さなくても、互いにそっと思い出していたかもしれませんね。
え〜浅黄裏さんも情念系志向だったのか〜??昨年の「お題」につなげる、というところがさすがです〜立体的効果になってる感じ。
(たまこさん)
←浅黄裏さんの情念系志向は、わたしく気づいていましてよ、お〜ほっほ
(こでまり)
お話のつながりをふまえて情感あふれる詠みですね。
(すみれさん)
昨年の「萩」と今回の「観音」を結び付けられたのには「やられた」思いです。情念系はうすうす感じていましたが♪
(はなはなさん)



 あっちの管理人さんの五七五 

今月の「千手観音の謎」はほのぼのとしたお話で、こちらも好きなお話です。香苗さんの可愛らしさ、東吾さんと宗太郎さんの義姉を思う気持、長助親分の天にも昇る気持が描かれていて、読後が爽やかなお話ですね。
 (UP後に)
今月の五七五、拝見しました。それにしてもすごい人数&作品数になりましたね!こでまりさんが始められた時から、うわぁ、楽しそうって思わず身の程知らずに参加させて頂いていますが、「かわせみ」好きは俳句好き、というか皆さんどんどん俳句熱にかかっていって、今では各地の俳句大会に入選するまでに。素晴らしいですね。これもひとえにこでまりさんの「かわせみ」と「俳句」を結びつけたアイディアと、毎月の丁寧な更新作業のおかげだと思います。これからも楽しみに参加させて頂きます。
(あっちの管理人さんの談)

その人を夫と呼ぶようになって長い歳月が経っているのに、香苗にとって夫の通之進は今でも恋人であった。
「千手観音の謎」より
「かわせみ」では、東吾さんとるいさんが幼馴染ということが全面に出ていますが、通之進さんと香苗さんも幼馴染。香苗さんはるいさんと同じように子供の頃から通之進さんを思い続け、親同士が結婚を決めてくれ、初恋をかなえることが出来た幸せな女性ですよね。夫婦になって長い歳月が経ってもなお時に東吾さんが目のやり場に困るほど仲の良い夫婦で、香苗さんにとって通之進さんは永遠の恋人なんですね。本当に香苗さんって女性から見ても可愛らしい素敵な女性だと思います。
   
嫁ぎきて変わらぬ想い幾とせぞ
   
わが夫(つま)に昔も今も胸焦がし
   

ひと言でいうと、「あ〜ん、悔しい〜」です。(笑) 香苗さんはおっしゃるように「女性から見ても可愛い女性」、そのかわいさをまとめてみたかったのに、全然できなかったんですよ。で、拝見したら「こういう風に詠みたかったのよ」っていうお句で、可愛さがすっきり素直に詠まれていて、いいなあと思いました。
「変わらぬ想い」も「胸焦がし」もいいですね。香苗さんの素直で一途な気持ちがそのまんま表現されていて、きっとあっちの管理人さんのお人柄なんじゃないかと思い ました。
(浅黄裏さん)
「嫁ぎきて…」「…昔も今も胸焦がし」、あっちっちの(?)管理人さんがこのような御句を詠まれるたびに、「わぁ〜自分のことも一緒に詠んでる〜」と思っちゃうの、ぜったい私だけではないですよね!!
(たまこさん)
香苗さまのお気持ちの捕らえ方、表現が巧みですよね。お自分のお気持ちとシンクロしているのでは?管理人さまご夫妻の仲の良さが察しられました。
(すみれさん)
こでまりさまの感想と同じです〜〜そう!こういう風に詠みたかったです〜。私も同じ場面を詠んでいるのに、なんたる違い…みなさま、おっしゃっているように、きっと、あっちの管理人さまも、いつまでも恋人のように仲のよいご夫婦なんでしょうね〜
(麦わらぼうしさん)
たまこさまと同じく「わ〜ご自分のこと〜」と拝見した最初の御作二句、とても上品できれい。香苗さんのイメージにぴったりです。
(はなはなさん)



日頃、天女様とか観音様とかいうのは、ああいう御方のようなのではないかと夢のように思っている神林家の奥方様が直々に声をかけて下さったばかりか、頼まれ事をしたので、長助の魂はまさに天に舞い上がったようで、宙を飛んで一石橋をかけ抜け、一気に竜閑橋の袂まで突っ走ったのはよかったが、(略)
「千手観音の謎」より
そんな香苗さんを長助親分は天女様とも観音様とも思っていたようですが、それが直々に頼まれごとをして、もう役に立ちたい一心で吹っ飛んで行った様子が目に浮かびます。
   
頼まれりゃ天にものぼる菊日和
   

「頼まれりゃ」も東吾さんの人の良さを表していて好きです。
(はなはなさん)
長助親分の夢のような心持ちを上手く表現なさっていますね〜。「天にものぼる」に親分のその嬉しさを凄く感じました。
(蛍さん)



そして最後は思わずニンマリしてしまうラストシーンで一句。通之進様ったらご自分でも千手観音を壊したことがあったのに香苗さんにも東吾さんにも黙っていたなんて。東吾さんならずとも「あの兄上が……」って思いますよね。香苗さんは通之進さんのそんな秘密を知っても、それを内緒にして欲しいと東吾さんに頼んだりして、やっぱり可愛いなぁ。どこまでも高い真っ青な空を眺めて、東吾さんも香苗さんもさぞ爽やかな秋の空気を胸一杯吸ったことでしょう。
   
秋風に兄の秘密をバラしたい
   
兄上も妻に内緒の秘密あり
   

「バラしたい」って、その気持ち、分かるな〜。コメントにもあります「あの兄上が…」は、そうそうと思いました。「あの兄上が…」だからこそ「バラしたい」。心理描写が抜群ですね。
(蛍さん)



 麦わらぼうしさんの五七五 

相変わらず季語もへったくれも無い、小学生が作る交通安全の標語のようなものばかりですが、まあ私の場合は、とにかく参加する事に意義がある、と思っていますので今月もよろしくお願いします。
 (UP後に)
はいくりんぐ拝見しました。本当にすごいボリュームですね。全部読むのに、一時間ぐらいかかりました。こでまりさまが、あっちの管理人さまの感想で言われているように、「こういう風に詠みたかったのよ!」っていうお句がいっぱいです!
(麦わらぼうしさんの談)

その人にきれいだといってもらいたい、いい妻と賞められたい、そんな願いが娘の時のまま、香苗のすべてを占めている。
「千手観音の謎」より
結婚して何年たっても、母となっても(自分で生んだわけではないけど)娘の時と変わらず通之進さまに恋している香苗さん、素敵です〜 (私には、すでに無いものだ〜〜反省…)
   
妻となり 母となりても 恋娘
   

こちらも香苗さんの可愛さがうまく詠まれていますね。
「恋娘」のお句、香苗さんの姿がそのまんま詠み込まれているようで素敵ですね。
(浅黄裏さん)
どんどん実力発揮されていて、「恋娘」なんか素敵ですね。
(すみれさん)



義弟の話に香苗は泣かんばかりに喜び、一つの木箱は蔵の奥にかくし、菅野家から借りて来たほうのを納戸に入れた。
「恩に着ます」
兄嫁に手を合せられて、東吾はいい気持で「かわせみ」へ帰った。
「千手観音の謎」より
香苗さんが観音さまなので、東吾さんも神様にたとえてみました。
   
観音に 拝まれ韋駄天 いい気分
   

私も同じ視点で詠んでみましたが、冗談系でした(笑)麦さんは「神」、私は「菩薩」で詠みました。
麦さまのお句はテンポよくて、と〜っても気持ちが良いですね。「標語」などとはご謙遜ですよ〜。「韋駄天」と表現なさるあたりは、麦さまの隠れた(笑)才能を垣間見た気がしました。
(蛍さん)



「すると、拙宅も駄目ですか」
「長寿庵がいい。あそこなら安心だ」
大川端町の「かわせみ」を右にみて、東吾は宗太郎をうながし、早足で永代橋を越えた。
「千手観音の謎」より
   
いざという 時のたのみは 長寿庵
   

「長寿庵」も視点が独特で、すでにご自分の世界をお持ちなんですね、すごいなぁ。
(はなはなさん)
なるほど〜でした〜。男三人、長助さんも加えて四人の悪巧み(笑)は、いつも「長寿庵」ですものね〜。「かわせみ」には、怖〜いお吉さんの目が光っていますから、ここなら安心です〜。分かっているようで、言われて最もでした。
(蛍さん)



七重は、小太郎がとんでもない事をしたと思ってドキリ!東吾、宗太郎、香苗は、ニセモノだと知っているのでドキリ!通之進も、かつて壊した事があるので、ドキリ!
   
小さき手 見つめる大人 みなドキリ!
   

「…みなドキリ!」がいいですね〜。ほんと、小さい子って何をするかわからないんですよね!各人各様の立場の「ドキリ!」が面白い〜
(たまこさん)
「みなドキリ!」はなるほどこういう観点もあるのかと感心致しました。
(TERAIさん)
麦さまは「ドキリ!」がユニークですよね〜。小さい子ってほんと、どきどきさせてくれます。
(はなはなさん)
こちらのお句もやっぱりなるほど〜でした〜。それぞれに秘密を抱えているのですから「みなドキリ!」 ドキリを作った張本人がドキリと感じていないのも微笑ましいですね。
(蛍さん)



菅野貞之助は、観音像の胎内から出た大麻の袋をみても、それがなんだかわからなかった。毒物と知らされて顔色を変える。
「千手観音の謎」より
薬代も浮かせて貸料ももらえてラッキー♪と思っていたのに、とんでもない事に!もしかして自分にも罪がおよぶのでは?と不安だったでしょうね。
   
薬代 浮かせてあわや 罪人に…
   



 蛍さんの五七五 

今月は、ストーリーを構成している事柄よりも、日常的な小さな事を詠んでみたいと思いました。普段は何気なく読み過ぎているのですけれども、それが「かわせみ」が唯の捕り物帳ではないふくらみのあるものにしているのですね。登場人物のひとりひとりが活き活きと動いていて、読み終わったあとの満足感にも繋がっているようにも思いました。
 (UP後に)
待望の「初代かわせみ」が始まりましたね〜。\(^o^)/ 嬉しい限りです〜。原作から入ったものですから、イメージ的にはいまひとつ…(すっごく御免なさい)なのですが、原作一番と思っていますので、原作の雰囲気やセリフを大事に再現してくれている初代は安心と言うか、違和感もなく「かわせみ」を堪能出来ます。

(蛍さんの談)

木箱の中から、腕の取れた千手観音を出して、宗太郎がにやにや笑い出した。
  (略)
「どこかにいないか。名人がもう一人……」
ふっと宗太郎が考え込んだ。
「名人の心当りはありませんがね。もしかしたら、なんとかなるかも知れませんよ」
「千手観音の謎」より
爽籟と言うのは、秋風の爽やかな響きのことなのだそうです。それが、まるで「宗太郎先生」の爽やかさとピッタリなような気がしました。「爽」と「宗」を洒落てみました〜。その場面の裏を読みたくなってしまうという、いつもの悪い癖で、この場面の宗太郎先生は、東吾さんの相談と言うのが、麻太郎君のことではないか…と思ったのでは…。それが、そうではないとわかって「にやにや笑い出した」となったのではと勘繰ってしまいました。東吾さん自身はどれほど悩んでいるのか知りませんが、(悩め悩め、笑)、お医者様は守秘義務があるとは言え、重荷でしょうね〜。それでもサラリと受け止めてくれる宗太郎先生はやっぱり名医ですね。
   
爽籟(宗・そうらい)や 隠し事にも 処方箋
   

宗太郎さんと処方箋!うまいなぁ〜
(麦わらぼうしさん)



お吉さんのことではないですよ〜。(爆)最近、タルミとシワが目立ち初めて来てしまって、曲がり角はと〜っくに過ぎ去ってしまったのですが、まだ間に合うかな〜。あっちこっちでいろんな情報を仕入れて来ては、るいさんに睨まれているお吉さんですが、そこがお吉さんのいいところだと思っています。
   
菊の綿 曲がり角にも 効き目あり?
   



お江戸でこんなことをしたら顰蹙ものでしょうね〜。蛍とてしたことないですワ〜。(爆)うちのはこうゆうのが大嫌いなので、せめて家の中で履くスリッパをペアにしました。(笑)お出かけのときに着るものを選ぶのってワクワクしますね。って、選ぶほどには持っていないのですが…。東吾さんてるいさんが身に着けるものにいつも気がついてくれますね。似合ってる〜ってニヤニヤしたり。るいさん、いいな〜。
   
秋袷 着たい着せたい ペアルック
   

めげずにペアのスリッパを買ってしまうあたり、蛍さんもるいさん並に可愛いですよ!
私も新婚の頃(だけ)、パジャマがペアルックだったなぁ〜。蛍さまは今でもペアでスリッパ!いいですねぇ〜いつまでもアツアツで♪
(麦わらぼうしさん)



「では、そういう話にしておきましょう」
「そんなくだらないことをいうために寄ったのか」
「宿帳改めのついでに、東吾さんをからかっただけですよ」
「こん畜生」
「千手観音の謎」より
源さんは「ついでにからかっただけ…」と言っていますが、本当は内心では何事かと心配して来てくれたのでしょうね。東吾さんが「こん畜生」と言った裏にも、その気持ちのあり難さがこもっているように感じました。宗太郎先生といい、長助さんといい、きっとるいさんを悲しませたくないって思ったのかもしれないです。 まったく東吾さんは果報者ですね〜。それもこれも自分が撒いた種か〜。(笑)
   
念のため? 秋の情けの 巻羽織
   
突然のお怪我にもかかわらず、参加してくださってよかったです!巻羽織句も有難うございます。
(たまこさん)
蛍さまは私が詠みたかった「念のため」寄った源さんを上手く「巻羽織」で詠んでくださっていて脱帽です。
(はなはなさん)



掲示板でもちょこっと書いたのですが、今月のお話にはるいさんの登場が少なくて、るいさんファンとしては寂しい気がしました。なので、勝手に作ってしまいました〜。これって、ルール違反かな〜。(心配)
   
秋の蚊帳 薄紅(うすくれない)に うなじ染め
   
菊枕 匂ひ移りて くちびるの かろきに閉じて 我を忘るる
   

蛍さん、そんな所にふわふわと飛んでいってはダメですよ〜。お邪魔というより、目の毒です!(笑)
ルール違反なんてとんでもないです。個人的に大歓迎ですわよ。うふっ♪
(浅黄裏さん)
物語に書かれている以外のるいさんシーンを登場させる、という手腕にも恐れ入りました〜私たちもきっと、源さんが登場しない物語がお題になっても、無理やり詠んじゃうと思いますね♪
(たまこさん)
情念系、忘れずに詠んでいただき、うれしいです。「菊枕」は蛍ワールドがひろがってみえてきます。
(すみれさん)
情念系も蛍さまはステキですよね、さすがおるいさんの味方!「くちびるのかろきに閉じて」の御作はうっとりです。



 紫陽花さんの五七五 

俳句は一句しか出来ませんでした。これで精一杯です(笑)“トリ”になっても困るし…。オマケともどもお願いします。皆さんこの手の話でも情念系に走るのかなぁ。アップが楽しみです。(待ちきれないでフライングする方も多いようですが…その気持ちもわかります)
 (UP後に)
それにしても多いですねぇ。一度で読むのが大変になってきました。その上みなさんの感想までたくさんあって管理するこでまり師匠もご苦労様です。
(紫陽花さんの談)

千手観音像をみると、なつかしそうに、
「やはり、取れましたか」
という。
「御存じかと思いますが、これは今から二十年ほど前に、手前が修理を致したものでございます」
「千手観音の謎」より
千手観音の気持ちになってみました(笑)
本当は先に
  二十年ぶりに背中の荷を降ろす
というのが出来たのですが、腕はやっぱり肩からでしょうということにで肩にしてみました。背中の荷の方がいいかなぁ。
   
二十年ぶりの肩の軽さかな
   

そうか〜、何十本も手があったら、肩も凝りますね。案外さっぱりしているかも。
千手観音の気持ち…考え付きませんでした…なるほど!
(麦わらぼうしさん)
紫陽花さまのはひたすら(爆爆)♪首筋揉んであげたいくらいです。イラスト拝見するとなおさら「ありえる〜」と思ってしまいます。もののけ君たちもぶら下がっているし〜。「おーい放せよ〜」なんて観音様の呟きが聞こえそう。
(はなはなさん)
そうですよね〜。観音さまとて重いですワ〜。その「重い荷物」は、観音様だけでなくて、それぞれに持っていたのですね。荷物を降ろして身も心も軽くなった感じ、皆の想いが伝わってきました〜。
(蛍さん)



イラストを描くために図書館で千手観音をさがしました。とても神々しいというのかきれいな観音様で、これでふざけたら罰があたりそうな感じがするのですが、その本の一節に「私たちを救うためには、どんなことでもして、手を替え品を替えして救ってやると豪語しているのが千手観音です」 とありました。そんな観音様ならとんでもないイラストになっても怒らないでしょうと描いちゃいました。日にちもないもんで、他のものが思いつきませんでした。描いてみて思いました。確かに蜘蛛の化け物のようで余分な手がないほうがすっきりする。うん、うん東吾様のいうとおりです。やっぱり罰あたりです。

バチあたりな私も、うひひでございます。
例のふたりは手を取ろうとしているの?それとも取れそうなのをくっつけているのか な?観音さまが迷惑そうなまなざしで交互にふたりを眺めていらっしゃるのが笑えます。
(浅黄裏さん)
タイトルが千手観音なんですから、千手観音イラストが登場すると予想してもよかったはずなんですが、なぜか全く予想外でした〜 (私は、小太郎と一緒に、3人組が悪乗りして、ひっこ抜いている図を想像していました)目が左右に動くことは、しばらく気がつきませんでした。うーむ相変わらず芸が細かい!!湯のみ・茶托も、すっかり観音様に魅入られてしまったようですね〜
(たまこさん)
千手観音さまのイラスト、かわいい♪トリオにちょっと困り顔がまたくすっと笑ってしまいます。
(すみれさん)
観音様も素敵です。トリオは観音様におすがりしているのでしょうか?あのこれって手書きされているのですか?
(ぐりさん)
なかなか可愛いですね(うっ不謹慎?)。でもちゃんと図書館で下調べをなさるなんて、さすがですね。
(TERAIさん)
紫陽花さまの千手観音はもったいなくも愛らしい(バチアタリ)〜。
(はなはなさん)
あの千手観音はとてもふざけています。立ち止まらないでさらっと見過ごしてください。ちゃんと写真を見て描いたのですが、なんでこうなるのかなぁ。
ぐり様、わたしのイラストは全部ペイントで描いています。ペイントは手軽で簡単です。
(紫陽花さん)
千手観音さまは写真や実物ではとても観音様とは思えない異様(わっ、御免なさい)な雰囲気がありますが、紫陽花様の観音様は温かくて、つい手を合せてしまいそうなほどです。やっぱり悪戯トリオもそう思っているのでしょうね〜。「悪戯して御免なさい、でも止められない…」とでも拝んでいるのかな。
(蛍さん)



 はなはなさんの五七五 

冗談はもともとヘタ、そのうえ近来にないスランプ…ああもう、すべては言い訳ですね。とにかくダメダメでしたので、香苗さんにしぼって詠んでみて、冗談がダメな野暮天にも面白かった長助さんと、能天気で気のいい義弟ふたりを詠んで降参です〜。ほかに、比較的ましなのを添えてお送りします。本当は「からかいに来た」なんて言いつつ心配している源さんも詠んでみたかったんですけれど、歯が立ちませんでした。きっとたまこさんが秀逸なのを詠んで下さると楽しみにしております。
 (UP後に)
このところ提出が遅くってビリばっかりでご迷惑ばかりかけていて心苦しいのですが、皆様の力作を拝見するのはやっぱり楽しいです。
(はなはなさんの談)

「一年ぐらい、飾らなくても……」
「旦那様が、変にお思いになりますもの」
「兄上は、古いしきたりにこだわりはしませんよ」
「私がいやなのです。毎年続けていることを今年に限ってしませんと、なにか不吉で……」
「千手観音の謎」より
香苗さんて本当に可愛らしい奥様ですよね。芯が強いとは言っても、通之進さまの前では少女のような奥様なのでしょうね。
   
秋草や秘すことありて心揺れ
   
みほとけに垂れしうなじの桔梗かな
   

どこがスランプなんですかぁ〜。「垂れしうなじの」がいいですよね。やはりはなはなさんも香苗さんは「桔梗」と思われましたか。
(浅黄裏さん)



香苗さんにお願いされて長助さんもびっくりだったでしょうね。それとも「眼福」と喜んだでしょうか。
   
端近に舞い降りてきた秋の菩薩
   
秋思なる菩薩の頼み聞き届け
   



「あの、私がこわしたと、誰方にもおっしゃらないで……」
「誰も義姉上がこわしたとは思いません。手前が持って行けば、手前がこわしたと……」
「それでは、東吾様に申しわけがありません」
「では、義姉上がと申しますか」
「それだけは、どうぞ御内聞に……」
「千手観音の謎」より
なんといっても掛け合い漫才のような香苗さんと東吾さん、香苗さんに免じてあくまでお上品に。
   
菊薫るほとけの秘密あねおとうと
   

ここでの会話は、本当に掛け合い漫才みたいで楽しいですね。この会話は、やはり東吾さんの雰囲気が引き出すのでしょうね。



子ども達と三夫婦が揃った幸せなシーンですね。寿ぎの句と捕り物の句です。
   
幸願い着綿とりて菊愛でる
   
たくらみも菊に誘われこぼれ出て
   



首尾よく千手観音を借りて、二人は顔を見合せた。
「紀州候というのは、いったい、いつく千手観音を作らせ、どこにくばったんですかね」
おそらく、同じ仏師の作だろうと宗太郎がいい、嬉しそうに笑った。
「これで、義姉上は安心しますよ」
「千手観音の謎」より
爽やかな秋晴れが似合う義弟ふたり、川岸やら長寿庵やらはかりごとはもっと慎重にしなくっちゃ…。でもそれだから憎めない好い男たちなんですよね〜、東吾さんも宗太郎さんも。
   
秋晴れに義弟ふたりはかりごと
   

こちらも掛け合い漫才のような二人。宗太郎さんの口調は源さんとはまた違った面白さですが、「姉上のため」という心がぴったりと合っていていいですね。



それにしても、あの優雅で万事に慎重な兄でも家宝の仏像を落して、ぶっこわすことがあったのかと、東吾は嬉しくなった。
兄らしくないと思い、いや、兄らしいと思い直す。
「千手観音の謎」より
ラストもまた香苗さんの可愛らしさがいとおしいですね。 純愛だなぁ…。「空に吸われし十五のこころ」でしたっけ、啄木もどきになってしまった最後の句ですが、東吾さんは春とすれば、お兄様は秋、峻厳でいて思いやり深い、すべてを包み込むようなゆたかな季節ですね。誕生日はてんびん座あたりかな〜(お兄様フリークはなはな)
   
秋高し恋しきひとの秘密抱く
   
天高く兄の秘密は吸われゆく
   

スランプとおっしゃりながらも、質量ともにこれだけの御作、まったくうらやましい限りです。最後の御句が、何もかも吸いこんでしまいそうな、抜けるような真っ青な澄んだ秋空を思わせて好きです。
(たまこさん)
スランプなどととんでもない、それを言われたら当方などいつものことですよ。
(すみれさん)
え?スランプなんですか?こんなに素敵なお句ばかりなのに!最後の二つのお句、特に好きです。
(麦わらぼうしさん)
はなはなさんの最後2つの「秘密」いいなぁ。二句そろっているところが見せ場(?)なんでしょうねぇ
(紫陽花さん)
はなはなさまのおっしゃるスランプは信用出来ませんね〜。(笑) 一句詠むのにも四苦八苦しているというのに、どこがスランプなのですか〜。どのお句もすう〜っとそのお句の世界に入り込めました。これと言って難しい言葉は使わずにさりげない言葉なのですが、ひとつひとつが光っていますね〜。はなはなさんのレベルにはまだまだ程遠いです〜。
(蛍さん)