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 白藤検校の娘
「一両二分の女」より  (平岩弓枝著:文芸春秋刊)
先月は「わかれ橋」にたくさんご参加くださって、ありがとうございました。
予想通り競作もありましたが、それもまた楽しかったですね。
そして思いがけなく蛍さんから「もう一つの江戸の子守唄」を頂戴し、皆様と再び「江戸の子守唄」の世界を味わうことができました。

さて、今月は「白藤検校の娘」を選びました。

たまこさんや蛍さんによれば、「かわせみの家付き娘は不幸になるお話が多い」のですが、今回のお話も、いわば家付き娘のお話です。世間から疎まれることを生業とする父をかばいながら、一生懸命前向きに生きようとする、おきみさんの姿が爽やかです。

このお話は月がわかりにくいのですが、お話の中の「朝顔の苗」「梅の実」は「ホトトギス季寄せ」によれば六月の季語なので、今月のお話としました。

皆さんの好きな、おるいさんの焼もちシーンもありますよ。
さあ、今月はどんな五七五になりましたでしょう。

(平成十六年六月)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ごぶさたしております。とりあえず、ざっと見て「おっ〜」って思いました。
四人の方の自筆のお句素敵です!
サラサラ〜ってあんな風に書けるなんてカッコイイ
私は超のつく悪筆なので四人の方を見習って字を練習しようっと
(花みずきさん)

今月の五七五を今拝見してきました。
とても充実、中身の濃い集いでいらっしゃいますね。
皆様の素敵な句を毎月「いいなぁ…」とうらやましく拝見しています。
四人の方々の一筆箋、水茎も麗しく。
あんな風にサラサラっと書けたらなぁ、とまたまたうらやましくなりました。
これからもう一度伺って、ゆっくり拝見してきます。
(橘さん)

早速行ってきました。平塚亭句会のみなさまの一筆箋の競演はさすがですねー。
できれば並べて拝見したかったくらい。はなはなさん、その場でお書きになったんですか!
信じられません。やっぱり大奥勤めだわー。
皆様の個性を楽しませていただきました。
千姫さんのお茶目ぶりも楽しいし、紫陽花さまの例のコンビはもうなくてはならない存在ですよね。
また一句一句ゆっくりと吟味させていただきに行ってきます。
(小式部さん)

遅くなりましたが(遅すぎですね)、先月の感想を遅らせて頂きます。
今回はいつもより競作の場面が重なったように思いました。
数えてみましたところ、参加十一名の中「琴」が九名、「朝顔」に九名、
「心の目(見えぬ目」に五名の方のお句があり、
金貸しと言う特殊な商売のせいか四名の方が詠まれていました。
同じ場面を詠んでいても、それぞれに受けとり方の違いに感心するばかりです。
自分ではどうしても肩入れしたい人物には甘くなってしまい、詠み方も偏ったものになり勝ちですし、
読みすごしてしまった場面もあったりと、皆様の着眼点には驚いてばかりです。
おきみちゃんがけなげにも一生懸命に父親を庇う様子や、
その父親も娘を心底愛している気持ち、きっとこの親子は温かい絆で結ばれているのでしょうね。
「一筆箋」が綺麗ですね〜。 皆様、字もお上手ですし、
手筆の字は温かくてとても雰囲気がありますね。
黒い墨がキリリと引き締まり、味わい深く拝見させていただきました。
ミミズに申し訳ないほどに悪筆な自分ですので、もう羨ましい限りです〜。
(蛍さん)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 TERAIさんの五七五 

なかなかしっかりしていて勘働きもいい娘さんですね。少し乱作しすぎたでしょうか?
(TERAIさんの談)

「一曲、きいて下さいますか」
「いいとも、なるべく、むずかしいのを弾いてみせろよ」
  (略)
障子のむこうで、木場の若い衆が大きな鼾をかいてねむっている。
東吾が、あくびを噛み殺した。
「白藤検校の娘」より
   
(おや)思う 琴の音耳に 子守歌
   

今月は一番手、しかも初日にこれだけのお句を揃えて送ってくださるとは!こちらは今月一番の競作ポイントになりました。良い場面ですよね。
私は父との二人暮しなので「ちち」としか浮かばなかったけれど「おや」と読めば随分奥行きが感じられるものですね。この場に居る三方三様、うまく表されているなぁと頷きました。
(千姫さん)
ラストシーンの琴演奏、ここも多かったですね。どれと選べませんが、「むずかしいのを弾いてみせろよ」という東吾さんの台詞が好きです。こういうことを女の子に向ってパっと言えるところが東吾さんならではなんですよね〜。
(たまこさん)



「お留守中に、あの方がおみえになったんですよ」
  (略)
「誰だ」
「若い娘さん、とてもかわいい方……」
るいがつんとして、お吉はくすくす笑いながら部屋を逃げ出して行く。
「白藤検校の娘」より
   
朝顔の 苗持ち帰り 痴話喧嘩
   

『痴話喧嘩』がいかにもいつものるいさんと東吾さんの、犬も喰わない様子で微笑ましいです。まぁ、仲がいいから喧嘩もできるのですよね。
(蛍さん)



「情けが仇」になっても取り乱すことなく借金の十両を香典にするなど、頭が良く気配りができる人のようでした。とても十六とは思えませんね。
   
琴とても 弾いてみなけりゃわからねえ 情けが仇と なりにけるかな
   

折角の真心は実りませんでしたが、その中からも何かを学ぶ賢さを、おきみちゃんは持っているようですね。



「検校どのの、買いかぶりかも知れぬが」
「それでもよろしゅうございます。手前は、手前の心の眼を信じとうございます」
「白藤検校の娘」より
   
盲目の 哀しさゆえに 心の眼
   

TERAIさんのは素直に場面を捉えてするりと詠んでおられるのですね。競作ポイントを外さないのはさすがですね。
(はなはなさん)



本所石原町の白藤検校の家へ行ってみると、奥座敷で初老の侍が脇差を抜き、それを長助や、この家の奉公人たちが必死になって押さえつけている最中であった。
東吾が割って入って脇差を取り上げると、初老の侍は力尽きたように、畳へ手をついた。
  (略)
「商売をやめるってのも、なかなか大変なものだな」
「白藤検校の娘」より
   
金貸しを してもやめても 大騒動
   

直ぐに投句なさったのですよね。すらすらとできるのが、やはり芸術家ですね。
(すみれさん)



 朝霧さんの五七五 

家の中行くところ(せまいのですが)文庫本とメモ。う〜〜ん、う〜〜んと言って居るものですから家族が笑っています。でも今回もえいや!!現代でも借りるときは仏顔、返すは夜叉と人の勝手さも詠みたいのですが出来ませんでした。
 (UP後に)
毎月毎月皆様の頭の中をのぞいてみたい、かき回してみたい。短編のお話から、心の目が違うとそれぞれの特徴が出た句で面白いですね。一筆線の綺麗なこと。いつか仲間に。でも恐ろしい〜〜。(笑)自分を見ていただくのが。
(朝霧さんの談)

翌日、東吾は八丁堀の屋敷で、朝顔の鉢に水をやっていた。
かわせみから二鉢ばかり持って来たもので、鉢に竹の棒をさしてやると、長く延びた蔓がうまい具合に絡みついて行く。
「白藤検校の娘」より
   
朝顔の つるしがらみを 知らずのび

このお句、とても好きです。お話のあちこちに出てくる朝顔は前向きに生きるおきみちゃんに重なりますね。
朝顔とおきみをうまく重ね合わせていてこういう見方もあったんだぁ、と思いました。
(千姫さん)
つるから読み取る発想がいいですね。
(すみれさん)
苗に注目したものと、伸びる蔓に注目したものと分かれましたね。どれもいいですが、中でも朝霧さんの「しがらみを知らず」とはなはなさんの「棒立ててやる世間かな」がいいなぁと思いました。
(たまこさん)
「つるしがらみ」が好きです〜。本当は「朝顔の」に「つる」がつくのでしょうがなぜか「つるしがらみ」と言いたくなる語呂のよさが良いなぁ。
(はなはなさん)
『しがらみ』ですか〜。蔓が巻きつく様子と人生のしがらみに縛られる人間模様との比喩に驚きです〜。生きているといろいろなしがらみと出会うこともありますが、『知らずのび』が胸を打ちました。
(蛍さん)



庭はもう若葉がむせかえるほどの季節で、やや地味に装っている、るいの衣装も夏姿であった。
「白藤検校の娘」より
   
若葉風 るいよそほいし 夏姿
   

宿屋の女将としては地味に装うのはいつものことかもしれませんが、この日の装いは法要から帰る二人への気遣いが感じられますね。



「眼の不自由な其方が、何をもって東吾を信じた。奉行所の与力の弟という身分のためか」
白藤検校が僅かに首をまげた。
「お言葉を返しておそれ入りますが、手前は金貸しとして、随分、御身分の高いお方にもお目にかかって参りました。御身分ではお人柄までわかりかねます」
「白藤検校の娘」より
   
白藤の おわりてひらく 心の目
   

藤の花って紫が普通ですね。それをあえて「白藤」を咲かせることで、金貸し業を していても気持ちは優しい人なのだと言うことを感じさせてくれます。たとえ目が見えていても「心の目」は大事なことですね。
(蛍さん)



おきみちゃんの潔く生きる姿は励みになります。琴という得意のものを持っているおきみちゃん、現代でも通じますね。これが出来るから生きていけると言うものが欲しいです。今更遅いですよね。(化石組の愚痴)
   
初夏(はつなつ)の まどろみ誘う 琴すがし
   

「まどろみ」この言葉が浮かびませんでした、ぴったりですーー
(すみれさん)



 すみれさんの五七五 

さて、今月のお話、難物でした。昔も今も、金がからんでこじれることは変わりませんものね。サラ金会社が法人所得のランク上位を占める現代のほうがもっとすごいかも。このお話は、東吾さんの長所、人への暖かな接し方(これでおるいさんが気を揉むことが多いのだけれど)が、上手く書き込まれていますよね。東吾さんとるいさんのいつもの甘い口喧嘩の場面、すみれは今回パスさせてもらいます。情念系の大家におまかせ、UPを楽しみに待つ事にします。おまけのかわいい方々もどんな登場になるのでしょうね。
 (UP後に)
4巨頭の直筆の一筆箋、どれもお人柄が出ているようで(?) 素敵な絵柄、五七五、筆さばき、ため息とともに見入ってしまいました。さすがの出来栄えですね。(感嘆!)こちらは最近、パソコンばかりに頼って手書きをすることがほとんど無いので、もともとの悪筆がいっそうひどくなるばかり(反省) すらすらと筆を運べる方は、それだけで尊敬してしまいます。
(すみれさんの談)

「怪我というほどのものじゃねえ、心配することはないからこっちへ入って来い」
  (略)
穏やかに訊いたのだが、三人供、定廻りの旦那に石をぶつけてしまったというので、恐れ入って、ろくに口もきけない。
それをみて、東吾が伝法にいった。
「お前ら、白藤検校に金を借りてるのか」
「白藤検校の娘」より
冒頭から、飛んできた小石をすっと避けるし、源さんはそうはいかずにーー、でもその後であやまりにきた若い衆に対して、直ぐに怒らずに穏やかに話し掛ける源さんの良さにひかれます。
   
まずわけを訊こうじゃねえか巻羽織
   
おしらべはあうんの呼吸巻羽織
   

わあぁ、たまこさんのニンマリするお顔が浮びますう〜。
巻羽織句を2句も。たまこ様の所の巻羽織句、いつかいつかと思っていますが出来ません。がくっ!!どうしてこうすらすらと。
(朝霧さん)
「巻羽織」!いよっ、源さんかっこいいっ!!って声かけたくなりますよ〜。
(はなはなさん)



「若先生、畝の旦那、お帰りなさいまし」
かわせみの暖簾をくぐると、番頭の嘉助がまっ先に声をかけ、今まで帳場にいたらしいるいが出迎えた。台所からは、女中頭のお吉がお清めの塩を持ってくる。
「白藤検校の娘」より
重い気持ちで帰って来た二人をあたたかく出迎えるかわせみのるいさん達
   
夏ころもこころづくしにほろり酔い
   
梅の実に憂さをたくして天日干し
   

この場面は、二人を思うかわせみの皆の息がピッタリと合っていて、私も詠みたいと思ったのにダメでした。
私もここで源さん句を一発詠みたかったのですけど…残念!墓参りにこだわらないで、すみれさんみたいにかわせみに帰ってきたところに注目すればよかったかなぁ。
(たまこさん)



「眼のみえない者には、その代りにしみじみと心に触れてくるものがございます。なんと申してよいかわかりませんが、最初にお目にかかった時、なんともさわやかなお人柄を感じました。 (略)」
「白藤検校の娘」より
白藤検校が東吾さんに金を預けに来る場面、他の皆様も色々に詠まれるのでしょう。
   
見えぬ眼に清かに(さやかに)うかぶすがたあり
   
ひととなり信じて温し(ぬくし)撞木杖(しゅもくつえ)
   



「お前さんが、がっかりしていると思ったんだ」
「がっかりはしました。でも、そういう人だってこと、最初からよく考えればわかったことでした。あたしは娘さんがかわいそうだと思ったので……」
「白藤検校の娘」より
金貸しは情をからめてやっていける仕事ではありませんから、おきみさんが選んだ方法がよいかどうかは後にならねば判らぬことではありますが
   
現し世は(うつしよは)貸すも借りるもこころがけ
   

金貸し・物語全般としては、「貸すも借りるもこころがけ」うまくまとまっているなぁと思いました。
(たまこさん)
すみれさまはいつも言葉巧みにお詠みになっていらっしゃいますね〜。『心づくし』『憂さ』『現し世』など懐かしいような響きですね。すみれさまの言葉の使い方がとても気に入っています。
(蛍さん)



琴の腕にたよって生きて行こうとの気持ちが、木場の若い衆にも伝わって、終わりの場面はほっとしますね。
   
安らけし昼寝いざなう琴の音や
   

私は「琴の音」の言葉が浮かんだだけでもやったーとうれしかったのに、言葉の宝箱だぁ(メモしとこっと)
(千姫さん)
すみれさんの言葉選びのセンスってステキですよね。「安らけし」が特に好きです。「ひととなり」とか「ほろり酔い」も…。
(はなはなさん)
もうその場の雰囲気そのままに感じらました。穏やか〜なひと時、その場にいる誰もそう思っていたのでしょうね。拝見させていただいた自分までもが、ついうとうとしそうです。
(蛍さん)



 あっちの管理人さんの五七五 

なんと今月は史上初(そんな大袈裟なものじゃない?)の句会で手渡し、と相成りました(笑) 場所は浅見光彦でお馴染みの平塚神社の境内。蚊に食われながらたまこさん、はなはなさん、こでまり師匠そして私の4人が持ち寄った句を披露、師匠にお渡ししました。いやぁ恥ずかしい恥ずかしい!たまこさんもはなはなさんも一筆箋にさらさらっと美しく書いてあるけど、私のは綺麗なのは一筆箋だけ(笑)おまけに句でもカバー出来ない出来映えではありましたが、師匠に直接お渡し出来たのはとっても嬉しかった。
 (UP後に)
やっぱり油断も隙もないんだから〜!一筆箋、しっかり載せられちゃいました。でも皆さんのと並んでなくて良かった。朝顔の一筆箋は綺麗なんですけどね〜(笑)大らかで力強い琴唄のように読後が爽やかで気持のいいお話、今月も競作ポイントが多かったですね。
(あっちの管理人さんの談)

十本ばかりを、うまい具合に紙にくるんで下げて行けるようにしてくれた。
勿論、それをぶら下げて一番先にたどりついたのは大川端のかわせみで
「方月館から、朝顔の苗をもらって来たんだ」
「白藤検校の娘」より
朝顔は「かわせみ」にも随分登場しますよね。おるいさんや嘉助さんが丹精して、花の終ったあとは東吾さんもよく種をとっていました。朝顔は秋の季語とか、てっきり夏かと思っていたのですが、そこで苗なら夏でもいいのかなと。方月館の善助さんが育てた苗をお土産に、首を長くして帰りを待っているるいさんの元へ、思わず足が速くなる東吾さんでした。
   
朝顔の苗をみやげに道急ぐ
   

管理人さんの一筆箋が朝顔、それも色違いですごく綺麗なので、朝顔の(まだ苗ですが)シーンを選んでよかった〜と思いました。掲示板で「綺麗なのは一筆箋だけ」なんておっしゃってましたが、とんでもな〜〜い!!まさに正統派!の楷書の美しさにほれぼれ致しましたです。
(たまこさん)
あっちの管理人さんの句はいつも「清流の傍にいるような」と感じています、きっとお人柄なのでしょうね。初めて字を拝見、「生真面目な人だ」とも確信!
(千姫さん)



眼がみえないので、信用する人がいないと白藤検校はいった。
「ただ、こちら様だけは安心が出来ます」
  (略)
「娘が申しました。こちら様の前へ出ると、自分の心まであたたかくなると……手前にも、同じ心地がいたしました」
「白藤検校の娘」より
検校さんが神林の家に三百両を預けに来るシーン、好きなんです。通之進さんのなぜ東吾さんを信じたかを聞くところ。その検校さんの答えもいいですね。自分の心の眼を信じる。
弊掲示板でも東吾さんのいいかげんな所がどうも、という方もいますが、私はやっぱり東吾さんてそんないい加減な人じゃないと思うんです。そりゃ女性には弱いところもあるかも知れないけど、気持のまっすぐな大らかな人、自分を飾ろうとしない人だから検校さんや娘さんの心に爽やかな印象を与えたのだろうと思います。
↑でたまこさんもお書きですが
あっちの管理人さんの字は、
本当にきちんとお稽古なさった方の
筆運びですね。
他の二句は同柄でピンク系の
一筆箋に書いてくださいました。



   
心の眼信じて託す娘(こ)の未来
   

この場面も今回人気の場面でした。考えたら大きな賭けですよね。検校さんは登場シーンでは気難しそうな印象でしたが、後になるほど人柄がわかり応援したくなりました。
俳句の場面、競合していて嬉しかったです。綺麗な直筆も拝見できてしあわせな気分になりました。
(すみれさん)
初めてお目にかかって、こでまりさまやたまこさまがおっしゃっていらっしゃったとおりの方だなぁ…と。なぜだかすぐにわかったんですよね〜「あ、あの方に違いない〜」(こでまりさんを見つけて、手を振ってくださってたし)って。御作もお人柄を表してさわやかで愛らしくて(ゴメンなさい、年下なのに)
(はなはなさん)



娘らしくない、力のある声でおきみが歌い出す。琴唄は、どこか子守歌に似ているようなところがあると思ったとたんに、東吾は睡気を感じた。
「白藤検校の娘」より
思わずその風景が想像できるようなゆったり、のんびりとしたラストシーンでしたね。おきみさんが弾く琴唄はさぞ力強く、時に静かに心に染みて。きっといつか素敵な恋をして、強く生きていける女性だと思います。
時代小説に登場する検校って何かいつも悪いイメージがありましたが、この「白藤検校」は娘さんに甘い、心優しいお父様でよかった。
   
琴唄にねむり誘われ夏近し
   

ちょうど今頃の季節、風の通る部屋で琴唄を聞きながら、うとうとしてみたい気分です。
この場面は、なんとなく東吾さんらしいと思いました。飾らない東吾さんだからこそ、却って信頼されたのでしょうね。
(蛍さん)



 はなはなさんの五七五 

「白藤検校の娘」はすっきりした良いお話だなぁと思います。全体のイメージが「梅雨明け」と「白」、はなはなが「詠みたいなぁ」と思ったポイ ントはおきみちゃんの清冽さ、でした。そこへ東吾さんのお節介とおるいさんのやきもちと木場の男達の心地よさが光る、といったところでしょうか。本当は兄上様の良いシーンもあるんですけど… ここはどなたかがお詠みになると思って(今回はそこまで気が回らなかった、というのが本音だったりして)楽しみにお待ちしたいと思います。
 (UP後に)
お疲れ様でした〜。今回は本当に盛りだくさんでしたね♪例のコンビもキュートな登場で可愛らしい♪皆様の御作もすがすがしくて、しみじみゆっくり拝見させていただこうと思っています。
(はなはなさんの談)

「そんなことをおっしゃるものじゃありません。情は人のためならずって申しますでしょう」
「俺が相談にのってやって、るいに文句をいわれたんじゃ立つ瀬がねえや」
「なんにも申しません」
「白藤検校の娘」より
いつもやきもちをやくおるいさんがこんがり焼き上げながら「どうぞお話をきいてあげてくださいまし」と言うのへ「いいのか」と返す東吾さんがとっても微笑ましく思えました。姉さん女房の貫禄かな。
   
姉さん女房ぶり見せて送り出し
   

でも東吾さんとおきみちゃんが出かけていくとなると…そこがまた可愛い、るいさんですね。
最近になって(遅い!!)るいさんよりも、東吾さんの方がるいさんにべた惚れと気がつき ました。東吾さんは実は、焼餅を焼かれて心のうちでニヤニヤとやに下がっているので しょうね。馬鹿馬鹿しくなりました〜。(笑)
(蛍さん)



やがて、案内されて来たおきみは、こざっぱりした単衣に友禅染めの帯を結び、如何にも初々しい娘ぶりである。
「白藤検校の娘」より
そのおきみがかわせみに来た時の印象を詠んでみました。単、というのがおきみにぴたりなような気がしました。
   
さわやかに単着てゐる座敷かな
   

お着物に詳しいはなはなさんならではだし、拙宅掲示板の、袷?単?騒動を読んでいたご常連は思わずニヤリ、喜んだところでしょうね(^o^)
(たまこさん)



案内を乞うと、出て来たのは、木場の若い衆であった。
  (略)
「世の中なんてのは、片っ方から聞いただけを本当にすると、とんだ間違いをしでかすって、みんなで話し合いました」
「白藤検校の娘」より
最初は白藤検校親娘に悪感情を抱いていた木場の連中も、最後にはおきみのすがすがしさと世の中のままならなさを悟りますね。その辺が江戸っ子らしくてとても好きです。
   
水光る木場のほとりの夏初め
   

気持ちの良い場面が気持ちの良いお句になりましたね。
水光る…の句、めちゃ好きです。
(朝霧さん)
水光る、棒たてて、−−読みが深いながら、すてきないいまわしですね。
(すみれさん)
競作ポイント以外の独自ポイントというか、「あ、ここか〜やられた!」と思うのも楽しみの一つですよね。今回は「水光る木場」などがそうかな。
(たまこさん)
「水光る」が涼しげですね〜。荒っぽくても心根は悪くない木場の衆の気風の良さ、お江戸の風情を感じさせていただきました。
(蛍さん)



東吾さんが持ってきた朝顔が伸びていく様は、おきみの成長にも重なるような気がしました。素直に、あるように伸びてゆけ、と助けてやる東吾さんや源さん、長助、木場の連中、そして白藤検校と通之進お兄様…。弥平のこともおきみの生き方には支えになるような気がします。
   
あさがほに棒立ててやる世間かな
   

助けを借りながらも全ては頼らない、でも何かあった時には助けてもらうことを拒まない。そんなおきみちゃんの柔軟で強いところがいいですね。
「あさがほに…」のお句、好きです。世間につなげてあるのがいいですね。
(浅黄裏さん)
拙いはなはなの句を好きといってくださった朝霧さま、浅黄裏さま、ありがとうございます。うれしいです〜。私も「水光る」も「あさがほ」も気に入っています♪二つともするっと出来た句で、かえってそれが良いのかなぁ…。
(はなはなさん)
う〜ん、と唸ってしまうような見事な俳句です。もし「芭蕉の句ですよ」と言われても納得するでしょうね。
(千姫さん)
「あさがほ…」はうんうんって思いました。その場でさらさら書いた一筆箋はやっぱりすごいです。↓
(紫陽花さん)
世間て冷たいときもあるし、温かいときもあるし、泣いたり笑ったりだから浮世は捨てたものではないですね〜。朝顔を育てていると棒は立てて当たり前と思っていました。その当たり前のことから導いたはなはなさまにもう脱帽です〜。
(蛍さん)



ゆったりした曲が流れ出した。
白い琴爪が絃に触れたり、はじいたりするのを、東吾はもの珍しく眺めていた。
「白藤検校の娘」より
せっかくですから白藤検校にあやかっておきみの生き方を詠んでみました。琴もおきみの分身のような気がします。その琴糸のつよさがおきみの強さなのかなぁと思いました。
原作ではもう少し後の季節かもしれませんが、梅雨明けととらえて「半夏生」と詠みました。漢方薬にもなる、葉っぱが半分白い植物「半夏(はんげ)」が生える頃、という意味だとか
二度目の登場のはなはなさん。
当日も愛用の筆と一筆箋を持参されて
その場でサラサラと書いてくださいました。
はなはなさんの字は絵のようで、
その筆運びの勢いは、以前テレビで見た
片岡鶴太郎さんのようでした。



   
冴え冴えと下がりし藤の真白さよ
   
白き琴いと強かりし半夏生
   

いつながらのはなはなワールドが広がっていて、うっとりしてしまいます。達筆の俳句も個性があっていいですね。
(すみれさん)
「半夏生」私の中には存在しない言葉です。思わず国語辞典をひいてしまいました。勉強になります。
(紫陽花さん)



 たまこさんの五七五 

実は、平塚亭に到着する前、「はいくりんぐ」史上に残る境内での「句会」が行われた。まさに「ここで行うべし」というご託宣のごとく、スツール様の切り株が数個集まっている木陰があったのである。詳しくは、ご本家掲示板の管理人さんご報告のとおりであるが、雰囲気に飲まれてしまった私は、今ひとつ記憶が定かでない。皆様のお句をもっとよく拝見すればよかったのだが…「はいくりんぐ」のUPを待つしかないようである。
6月も今日で半ば、はいくりんぐの今月のアップも着々と近づいているようで。一筆箋をどう使おうかって、まさかアップするなんて考えていないでしょうね。私のは文字のところにモザイクをかけるのを忘れないように。
 (UP後に)
すごいです!史上最高?の盛りだくさんな「はいくりんぐ」。いろいろ感想は来週回しとして、とりあえず師匠にお疲れ様!!紫陽花さんのオマケもまたまた意表をついてやってくれます。
(たまこさんの談)

ばらばらと石つぶてがとんで来て、東吾は避けたが、その一つが畝源三郎の肩をかすって、背後にいた長助の頭に当った。
「白藤検校の娘」より
源さんがアザを作るんですよね。(東吾さんが自分だけよけたせいで)どう見ても色っぽくないアザひとつ(キスマークにはどうしても見えない…)あ、脱線しちゃった〜
   
親友も楯とはならずアザひとつ
   

うひひ、アザがキスマーク?そんな心配するのはおたま姐さんだけですよ!
源さんの立場で五七五を作るのは一緒なのに、うーむ、やはり、ちがいますね。冒頭の場面から見事に作られています。自分は出来なかったのでーー
(すみれさん)
たまこさんの源さん句は貫禄ですよね〜。千姫さんの長助さん句とセットで東吾さんに謹呈したいくらいです。
(はなはなさん)
この場面は、東吾さんは東吾さんらしく、源さんは源さんらしく、長助さんは長助さんらしいです。ちゃっかりな東吾さん、律儀な源さん、お人よしな長助さんと、このお句から想像しました。あざさえもキスマークに見えてしまうなんて、そりゃ〜考え過ぎってものですよ〜。(大爆)
(蛍さん)



私もすっかりアガっていて、いつも、紙のメモなどは全然しないので、今思い出そうとしてみたら、
「口には出さぬ」親心、としたのか
「口には出せぬ」親心、としたのか
自分でも覚えてません。
書くときも 迷っていたんですが…アップの時に見るのを楽しみにしてます(って こんなんでいいのか…?)
たまこさんの字は、とても伸びやか。
サイトから感じられる
お人柄そのものです。
原作名も添えてくださいました。



   
藤散りて口には出さぬ親心
   

一文字に迷うことってありますよね。私もここは「出さぬ」が好きです。
以前お手紙をいただいているのでふっくらしたステキなお手蹟だとは承知していましたが、一筆箋ではなおいいですねぇ。
(はなはなさん)



「昨年、頂いたのの種子をとっておいたんですよ。先月の終りに、鉢に播いたんですけど、いい具合に芽が出て、この苗ほどじゃありませんけど、随分、のびているんです」
陽がよく当る所へ並べてあったのを、るいが持って来てみせた。
「やっぱり、善助さんが下さった苗には、かないませんね」
「白藤検校の娘」より
朝顔は「かわせみ」では、よく出てきますよね。
   
朝顔や咲かせる前の苗談義
   

「苗談義」とはうまいなぁ、と。やっぱ、甲羅の厚さ・ですかね(失礼しました) 
(千姫さん)
この場面をお詠みになったのはたまこさまだけでした。たわいの無い朝顔の話題にほのぼのとした雰囲気がよく表れていると思いました。「甲羅の厚さ」などとは申しませんよ。(笑) 年の功でしょうか〜。(^^ゞ 失礼しました〜。
(蛍さん)



陽気も睡気を誘う午下がりである。
うっかりすると舟を漕ぎそうになるのをこらえて、神林東吾は神妙な面持で琴をきいていた。
「白藤検校の娘」より
ラストのお琴のところ、原作には「琴唄」と書いてあるのに、うっかり「琴歌」 と書いてしまいました。「子守歌みたいに聞こえた」って書いてあるからまぁいっか(例によって大雑把な私)。でも子守歌も「江戸の子守唄」は「唄」でしたよね。漢和辞典ひいてみたら「歌」は人が大きく口をあけて歌うことで、「唄」はもともと仏の功徳を称えて歌うということだったそうです。へぇ〜〜〜。

本当はこの瓢箪柄の
一筆箋を使いたかったのに
なかったそうです。
うん、こっちの方が
おたま姐さんらしいですね。



   
緑陰に琴歌ゆるり午下がり
   

歌と唄の違い、初めて知りました。おきみちゃんの琴唄にはどんな思いが込められているのでしょうね。
琴唄・琴歌ちゃんと辞書引かれる、こうでなくては言葉は増えませんよね。みならいます〜〜。
(朝霧さん)



 千姫さんの五七五 

「俳句」と思い込み、もともと文系でない私は回を重ねる毎に落ち込んでいましたが、たまこさんは「謙遜」とおっしゃるので「意外と受け入れられているのかな」とちょっと気を持ち直したり、それでも季語を入れて俳句に近づけ・と悪戦苦闘してはみるのですが、掲示板ではなはなさんの「日々浮かんだ句をノートに書き付けて」を読んだ時に「そりゃ、次元が違わぁな…」と開きなおって元通り。やはり私は「三の線」で行きます、です、ワ。
 (UP後に)
私は朝顔の苗から咲く花の色の楽しみを、 五七五に詠みたいと随分悩んだのですが結局、いい言葉が浮かばなくて意味の違う五七五になってしまいましたが、UPされたのを読むと同じ「朝顔」でも私が表せなかった言葉や、考えもつかなかった五七五に感心しました。
(ということで、競作ポイント『朝顔』編として、朝顔のお句に丁寧な感想を頂戴しました…ここの管理人)
(千姫さんの談)

盲目の老人と若い女を取り囲むようにして、六、七人が小石や古草鞋など、手当り次第に投げている。それが、たまたま、逸れてこっちへ飛んで来たものらしい。
「なにをしやあがる」
「白藤検校の娘」より
この五七五は、私の「傑作」です。頭の中にドラマが浮かびました。一歩前に居る源三郎、もう一歩前に居る東吾が振り返っていて横鬢を押さえた長助が上目遣いに見上げ、頭の中は「?」状態。石が当たったんだと気づいた長助が心の中でつぶやいているのです。「なんで、避けんねん!」関西風な長助の嘆きに、ひとりで受けまくっています。
   
なぜさける 見えねぇ前から 小石飛ぶ
   

たまこさんは「源さん」の立場、千姫さんは「長助」の立場ですね。初代NHKの「大村昆さんの長助さん」を思い出した人も多いでしょう。
冒頭の場面を、長助の目線からーーすごいなあーーと、うなりました。
(すみれさん)
源さんって東吾さんに比べて運動神経がにぶいのかな?と思う向きもあるかもしれませんが、源さんまで完全によけたら、長助さんはかなりの重傷になったかもしれないですよね。
(たまこさん)
千姫さんのコメント、毎回秀逸で大ファンなんですよね〜。「何で避けんねん」って関西弁の長助さんもいいかなぁ。
(はなはなさん)
お千さまのコメントに大爆でした〜。『心の中で…』底抜けにお人よしの長助さんなら、やっぱり口には出さずにいるのでしょうね〜。長助さんの気持ちが手に取るようにわかりました。お千さんの発想のとっぴさに受けまくりました〜。
(蛍さん)



「父とお琴を教えて暮して行きたいと思います。いくら、お上が盲人の金貸しは悪いことではないと決めて下さっても、世間の人は後指をさしますもの」
「金って奴には、どうしても怨みつらみがつきまとうからなあ」
  (略)
「お父様……」
老いた父が娘の背を抱きしめた。心配のあまり、ここまで迎えに出たという様子である。
「白藤検校の娘」より
この度、読み返しておきみは江戸ッ子なんだなぁと思いました。東吾に対する態度に甘えたところがないのが気持ちいいですワ。
   
志 立てた琴の音 親ゆずり
   
勝ち気な娘(こ) ゆえ親もまた 子を思う
   

この二句とも、とても好きです。おきみちゃんと検校さんは琴を絆に互いを思いあっている。普段は弱さを見せない勝ち気な娘だけに、父はいっそう心配しながら思っている…。いかにもこの父娘らしい二句だと感心しました。
「勝気なーー」は娘さんの性格がうまく表現されてますね。「志ーー」この句も好きです。しっかり親子の様子がでてますね。
(すみれさん)
金貸し業に反発する娘と娘の行く末を思う父…は、私も考えたのですが、琴を教えたのも父である、というのは気づいていなかった視点でした。なるほどなぁ〜と思いました。
(たまこさん)
さらりとおきみのさわやかさが出ている「志」が好きです。
(はなはなさん)



これはやっと季語が入ったので「俳句」です!よね?この蔓は支柱に巻きつく前の蔓のつもりって事で…。
   
朝顔の 延びたる蔓が 風にゆれ
   

一味違う解釈にいつも「ほぉ〜」と感激しています。「風にゆれ」の文字に、危なっかしいおきみちゃんがとてもよくあらわされていると思います。
(蛍さん)



通之進が弟を眺めて、微笑した。
  (略)
手文庫から料紙を出して、通之進は自筆で証文を書いた。
「不肖、神林通之進、弟、東吾と連名で、検校どのの三百両をおあずかり申そう」
「白藤検校の娘」より
通之進はよほど嬉しかったのでしょう、東吾の返事も聞かず「検校どのの、買いかぶりかも知れぬが」な〜んて言いながらも自ずから証文を書いたのですから。
私はこういう嬉しさの時、頭の中で「ミニ千姫」が阿波踊りを輪になって踊るのです…顔はあくまでたおやかに。
   
心の眼に 映る弟 兄うれし
   

うひゃひゃ「ミニ千姫」の阿波踊り!しかも顔はたおやかに…わはは、見てみたい〜〜。輪になるって、何人もいるの?例のコンビもいたりして!
千姫さんも今月はいつもにも増してパワー全開みたいで(何かいいことあったかな?) 
(たまこさん)
ミニ千姫いいなぁ〜手乗り千姫様を想像しちゃいました。お姫様が5人くらい輪になって踊っています。(笑)
(紫陽花さん)
千姫さんも今月はいつもにも増してパワー全開みたいで(何かいいことあったかな?) 
(たまこさん)
お千さんのお句はいつもシャッキリとして気持ちがいいです。それ以上にご自身のコメントを楽しみに拝見させていただいています。(ごめんなさいね、お句ももちろん楽しみですよ)
あはは…、ミニ千姫の阿波踊りですか〜。 それ、いいな〜。今年の百選にこのコメントも載せてほしいくらいです〜。
(蛍さん)



 紫陽花さんの五七五

今月の五七五送ります。本当は日曜日に送ろうかと思っていたんですが、楽しく忙しい土日をお過ごしだった(笑)ようでなので、きっと月曜日はいろいろと楽しいお仕事から切羽詰った本当のお仕事までたくさんあり、さぞ忙しいだろうと思い、今日送ることにしました。
(ご配慮ありがとうございました……ここの管理人)
 (UP後に)
見てきましたよ〜。とりあえずざっと“見た”だけで読み込んでいません。またあとでゆっくり楽しませてもらいます。 それにしても素敵な一筆箋4枚。皆様達筆。せっかく上品にまとまっているはいくりんぐなのに、あいつらは“場”の雰囲気がよめないようです。すみません。皆様がお世辞半分としてもかわいがってくれるので紫陽花はあいつらをどうしていいのかわからなくなって しまっています。
(紫陽花さんの談)

金持の商家からの援助もあって、やがて本所に家を持ち、大方の盲人達がそうするように、琴や鍼療治の片手間に金貸し業も始めることになった。
  (略)
徳松の白藤検校が、格別、阿漕な金貸しというわけではないが、僅かの間に、かなりの蓄財をしたらしい。
「白藤検校の娘」より
   
「かわせみ」で学ぶ江戸の金貸業
   

今年は「狐の嫁入り」でも検校の金貸業を取り上げましたが、同じ生業でもやはり人柄が出ますね。



善助が、よく湿った藁の中に囲って、紙に包んだ朝顔の苗は、るいとお吉が早速、鉢に植え、たっぷり水をやっている。
「白藤検校の娘」より
これは五七五になっていないし、気持ちとしてはどんな色の朝顔が咲くかなぁと思って水をやっていると、朝顔から東吾様の顔を想像してしまい、つい水をやりすぎてしまうって感じなんですけど、ぜんぜんまとまりません。で、結局小学生の作文風になってしまいました。
   
咲く花は 赤かな?青かな?今日も水やる
   

ということは、「るいさん成りきり」五七五ですね。朝顔を見てもラブラブゥ〜。
「ぜんぜんまとまりません」って、お気持ちよくわかります。
(千姫さん)



ついでのオマケは小学生の観察日記風になってしまいました。鉢が多いような気もするのですが、やっぱり八個ないとまずいかなぁと思いならべてみました。
湯飲み茶たくは最近暴れすぎのようなので “おとなしくするように”と、きつく叱ったのですが、どうも“おとなしくする”というのがわかっていないようです。
最初は見逃していたのです。
朝顔の蔓ののび具合もいろいろだなあって目で追っていったら、例の二人がいるではありませんか!そのあまりの「はまり具合」に、本当に声を出して笑ってしまいました。
それに貰って来たのが十で、神林に二つ届けたので、残りは八つ。さすが、紫陽花さん!
今月のコンビはさりげなくお澄まし顔が目に 浮かんで思わずくすっ!
(朝霧さん))
おまけのあの二人もちゃっかり登場していて、動き出すんじゃないかって暫く眺めちゃいましたよ〜!
(あっちの管理人さん)
あのふたり、「もしかして、動くの?」っておもわず、クリックしてしまいました(笑) あのままじっとしているわけないですよね〜 今度はどこに行くのかな?
(花みずきさん)
あのお二人も絶好調のようですね。私も「動くのかな?」と しばらく見つめてしまいました。
(橘さん)
紫陽花さまのアノ二人は叱られてじっとしていたのでしょうか・・。 なんとなく健気だわぁ。
(浅黄裏さん)
紫陽花さんの湯のみ・茶たくコンビは、今回もほんとに予想外 でビックリ!茶色・緑・グレーの3色がそれぞれ朝顔の土と 芽と鉢に自然になっているなんて天才的って感じです。 今回は「おとなしくしていなさい」って叱られちゃったので 狐火クンは蔓のからむ「棒」に?夜中にはここだけ、こっそり 光ったりしているんでしょうね。お吉さんは全然気がつかない で、毎日水をやっていて(気がついたら目を回す)。 先代の棟梁ですが、まだ親父橋の下あたりに居座ってるんでしょうかね〜?
(たまこさん)
例の二人組が!!すごい発想の面白さにもうすっかりあの二人に夢中です♪ 「ん?」と思って「おおお〜〜」と思わず声にだして笑っちゃいました。
(のばらさん)
あのコンビはやっぱり「かわせみ」に忍び込んでいたんですね♪ でも愛らしい隠れ方! どんなお花を咲かせてくれるのかなぁ…。あ、咲かない?
(はなはなさん)
おまけの挿絵には座布団10枚!です。スクロールしながら見ていて「あっ、やられたぁ!」と。数も、色使いも、うなってしまいました。
(千姫さん)
いつもながらいったいこの二人は何をしているのだろうと、しばらく見つめていました。蔓がスルスル〜と伸びるのかな〜とか、ためしにクリックしたりとしばらくは遊んで しまいました。鉢と並んでのお澄ましが可愛いですね〜。
(蛍さん)



湯飲み
茶たく
湯飲み



茶たく
湯飲み茶たくにたくさんのコメントうれしいです。ありがとうございました。

「ありがとうございます」
「へへへっ」
「もし出歩いているところをおたま姐さんに捕まったら、檻に入れられて読売屋の前で見世物にされちゃうぞって脅かすから大人しくしてたけどさ、肩こっちゃったよ」
「ぼくはおたま姐さんは美人で優しいからそんなことしないよって言ったんだけどね」

てなことを言っています。くだらないことを書きましたが、この会話は載せなくていいです。上の一行だけにしてください。おたま姐さんが怒るとこわいから(笑)



 こでまりの五七五 

先日あっちの管理人さん、たまこさん、はなはなさんにお会いしてきました。その時の模様はすでに皆さんからお話があったとおりです。事前の連絡の途中から何故か「一筆箋」に今月の句の中から3句もちより披露することになり、どこでやろうかと思っていたら、思いがけなく平塚神社に腰を掛けられる場所があったので、そこで「にわか句会」となりました。と言っても、本式にやって誰も私のをとってくれなかったら落ち込むので、互いのを見せ合う感じで後は私が没収、じゃなかった、お預かりしてきました。 うひひ、この一筆箋、どう使おうかなあ。。。皆さんとっても美しい文字なんですよ。サインペンは私だけでした(反省)
(こでまりの談)

「身勝手でございます。借りる時は仏、返す時は夜叉……どいつもこいつも身勝手なものでございます」
「白藤検校の娘」より
「片陰」は夏の強い陽射しで、道の片側にできる日陰のことですが、建物と陰の関係が、人の心に住む夜叉と仏の心のようで。結局、誰かがそう見えるときは、自分自身の心を映しているのでしょうね。
   
片蔭や人の心も夜叉仏
   

片陰や…夜叉仏、この言葉を使って詠みたかったのですがさすがです。
(朝霧さん)
今月は私も「片陰」を使ってみようと思ったのですが、無理でした…。
(浅黄裏さん)
「片蔭」と「夜叉仏」の組み合わせにはう〜んとうなりました。これは今年の選抜にはもう決まりですわ〜(あ、ちょっと早かった?) 
(たまこさん)
「片蔭」も勉強になりました。これも私の中にはない言葉。説明付はありがたいです。
(紫陽花さん)
するりと心の不思議を詠んでいて好きです。
(はなはなさん)



もともと、久三の親は小梅村の百姓で、親の墓もその寺のすみにある。香華をたむけながら、東吾も源三郎も心が晴れないのは、あの時の真犯人がその後、杳として行方がしれないことであった。
「白藤検校の娘」より
   
梅雨間近墓前の誓いあらたなり
   

済みません、まったくの私事です。このお句を拝見して、一年前の出来事と重なりました。先日、友人とお墓参りに行って来ました。もう一年と思ったり、まだ一年なんだ…と思ったり、今でも嘘のようです。何年たっても忘れることは出来ないと思いますが、忘れないでいて上げるのも供養なのですね。『生きている者が思い出すことが供養になる』と聞いたことがあります。東吾さんと源さんの気持ちに久三さんもきっと喜んでくれていると思います。
(蛍さん)



「苗の中にお持ち下さったほうが、数多くても重荷になりませんし、少々、お手間はとらせても、花を咲かせるおたのしみがございましょうから……」
「白藤検校の娘」より
善助さんて、本当に優しい人ですね。
   
花咲かす楽しみ持たせくれし人
   

「善助さん」も「そうそう!」と思ってました。いつも地味な登場だけど、まさに名前のとおりのいい人ですよね〜。いくつくらいの人なんでしょうね、わりと歳いってる人(男やもめとか)と初めは思っていたのですが、案外若いのかな?「黄菊白菊」では、親もまだ元気そうだったし。お嫁さんとかどうなってるんでしょう?
(たまこさん)



弥平一家は路地の表まで出てきて、土下座して見送った。
  (略)
「よくわかりません。なんだか、不安な気もします」
茶を飲み、東吾の分まで団子を食べた。
「白藤検校の娘」より
緊張してやってみたら、思ったより気持ちが晴れず、むしろ不安をかかえることに…。
緊張がとけてお団子をいっぱい食べたおきみちゃんが可愛いですね。
   
夏空や伏し拝まれて路地抜ける
   
二皿の団子でもどる幼な顔
   

読み込んでいくと深くってすごいなぁと思います。「路地抜ける」というのは、「伏し拝まれて」も割り切れないおきみの心情を表しているんだろう、とか。
(はなはなさん)
「路地抜ける」の言葉に、おきみちゃんの決心のような、先のことは分からないながらも自分を信じている綺麗な心を感じました。それでも精一杯背伸びをして、気を張り詰めているおきみちゃんの複雑な気持ちをこの二つの句を対比させて表して、それが迷い続けているおきみちゃんの心の中をあらわしているように感じました。
(蛍さん)



「あんた、琴は上手なのか」
「四谷の祖父の所にいた時は二十人もお弟子を教えていたんです」
「そりゃあ、たいしたものだ。あんたは誰に習ったんだ」
「父です。あたしが六つの時から、四谷までそっと稽古に来てくれました」
「白藤検校の娘」より
   
一面の琴を絆の父娘(おやこ)かな
   

他の方々と同じく親娘の心情が見事に現れていてすごいです。
(すみれさん)
眼の見えない人には音の世界がすべてですね。親が娘に琴を教え、娘は親から習う。言葉にならないいろいろなことを琴の音に託して伝え合っていたように思います。お江戸の時代は眼の見えない人は結構優遇されていたようですが、それでも眼が見えないって辛いことです。肩を寄せ合い、辛さに耐えて来た父娘の幸せを願いました。
(蛍さん)



皆さんもおっしゃってますがこの一編に時々出てくる朝顔は、どこかおきみちゃんのようです。伸び伸びと成長してほしいです。
「一筆箋で句会」なんてのを読んだら
人によっては「近寄りがたい」と思ったでしょうが
あっはっは、どうです、
コレを見たら安心したでしょ。
(あ〜〜恥ずかしい…)
去年はなはなさんに頂戴した「かわせみ」の
箋ということだけが、救いの一枚です。
はい、失礼しました。
   
天を指し朝顔の蔓どこまでも
   

意外な言葉にびっくりしましたが、おきみへの応援句なのですね。思わず「おきみと豆の木」を想像してしまいました…
(千姫さん)
4人の方の一筆箋、皆に披露してもらえて、ご当人はともかく、ほんとに嬉しかったです。平塚亭にバーチャル参加した気分になれました。
(すみれさん)



 のばらさんの五七五 

さわやかな初夏にピッタリのお話でした。でもなんでかお話に入りこめず、もうパス〜と心の中で嘆きつつ、取り合えずお送りします(T_T) 参加することに意義があるってことで…。
 (UP後に)
一筆箋と二人組、読み応えあって見応えあって楽しんで拝見しました。 すごいなあ。わたしもふだん字を書く事が少なく なってるし、いつも記帳とかするたびに 「習字習おう・・・(T_T)」と思うのですが 今また思ってます(^-^;) お句もそれぞれ楽しんで拝見しました。
(のばらさんの談)

「どなたかさんは、とてもお優しそうにみえるんでしょう」
「なにいってやがる。俺が甘い顔をするのは、誰かさんの前だけだぞ」
酒の肴を運んで来たお吉が廊下でふき出して、漸く、甘すぎる口喧嘩の幕が下りた。
「白藤検校の娘」より
東吾さんるいさん、焼くのも焼かれるのもうれしそうで結局アッツアツ。
   
困ってるあなたの顔がちょっと好き
   

「困っている…」好きです。情念系とはチョット違う“恋する乙女”を感じます。
(紫陽花さん)
「ちょっと好き」が「とっても好き」。おるいさんのうふふ笑いが眼に浮かびそう。これはぜひ真野るいさんの微笑で見たいシーンですねえ。
(はなはなさん)
ハハハ…、内心では東吾さん、面食らっているでしょうね〜。(笑) いつもはこんがりと焼餅のるいさんですもの、半信半疑?後が怖い?でも、焼餅を焼いてくれなくなって一番寂しいのは、東吾さんでしょうね。
(蛍さん)



もう一枚は、新しい証文であった。
「父が書いてくれました。今までの利子は切りすてて、あと三ヵ月の中に元金の十両だけ返せばよいようにしてもらいました」
「白藤検校の娘」より
ただの素朴な疑問なんですけど…。
   
どうやって証文書かれていたんだろう
   

私も気になっていました。
本当に不思議というか謎だとおもいませんか〜。東吾さんに300両あずけるくらいだからほかに信頼して、手伝ってもらってた人もいないんだろうと思うし今は点字があるわけですが、江戸の頃の検校さんや目の見えない金貸し業の人は証文どうやって作ってたんでしょう。・・・とか余計な事ばっかり気にしてた今月でした(T_T)
(のばらさん)
のばら様するどいです。言われてみると、たしかに証文作成は検校本人では 無理かも…で、林美一先生の「時代風俗考証事典」の該当しそうな部分を読んでみると(中略)検校ともなると、武士と同等と考えられていたようで旗本なみに用人がいて、屋敷に住んでいることが許されていたようです。おそらく事務的なことは目明きの用人が行なっていたのではないか?と思います。(想像なので確証なしです)「白藤検校」の場合も父娘だけでなくそういった用人がいたはずではないか?と思います。ちなみに「切絵図」を図書館で借りて、八丁堀細見を見ると、与力・同心の家の間に医者などと並び、検校の家も見受けられました。八丁堀の旦那方が地所を貸す相手に検校なども含まれていたようです。
(麻生花世さん)
白藤検校の金貸し業ですが、私も、父娘の二人だけの営業ってのはやっぱりちょっと不自然な気がしました。証文作成その他の事務担当として番頭や手代、それに当然用心棒とかもいるはずじゃないんでしょうかねぇ?
(たまこさん)
検校や座頭の金貸しの証文の考察、興味深いです。確かに誰か使用人がいないと検校も生活できないだろうし、証文を書くにしても保存するにしても誰かの手を借りないと出来ないですもんね。もし用人がいるんなら途方もない給金払って仕事に正確を期しているだろうな〜、とかもしかして横領して私腹を肥やす用人とお人よしの検校や座頭の取り合わせなんかも考えられるよな〜などと、またまた果てしない妄想が…だから「うねうね横丁」が繁盛するのかしら…。
(はなはなさん)
何も考えなかったのに、着眼がするどいですよね。おかげで勉強になりました。
(すみれさん)
のばら様、はなはな様…「白藤検校の娘」読んでてもう一つの疑問が娘さんが四谷で弟子を二十人とれるほどの腕前になったのだから、教えた父検校は琴の奏者としても名のある人のはず…琴の弟子をかなり抱えていたのではないか?と思うのですが…用人の使い込みの想像…私も妄想してしまいました。当時は刑罰が厳しかったことが、あるいは抑止力になっていたのか…それと、横領する側もほどほどを心得ていたのか…?(この程度なら見逃せるという限度内で行い、内済にできる範囲というか…寄生虫の極意は、宿主を殺さずに長く寄生することらしいです) 
(麻生花世さん)



16歳の女の子にはキツイ商売ですよね。
りりしくて賢いおきみさん、今ごろはもうしっかりもののお琴のお師匠さんになってるのかも。
   
白藤や風に揺れても空めざし
   

おきみちゃんを朝顔に喩えたお句はたくさんありましたが、のばらさんは白藤ととらえたのですね。
随分、遅くなりましたが「風の一句」に続いての快挙おめでとうございます!朝顔に集中しているなか、白藤に目を向ける所やはり、只者ではないですね〜
(千姫さん)
「空めざし」におきみちゃんの真っ直ぐな人生を見たような気がしました。紫の藤はるいさんを思い描きますが、白藤の清楚さは本当におきみちゃんのようです。
(蛍さん)



「口惜しいよりも、悲しいんじゃありませんか、人の好意のわからない人が、この世にはいくらだっているけれども…それを、まともに受けるのが、お金を貸す商売かもしれませんもの」
「白藤検校の娘」より
自分を省みず何事も人のせいにして、分からない人ってのもいるもんですね…。(「麦の秋」の季語はもう6月初め頃かとも思ったのですが)
   
とどくことなかった想い麦の秋
   

想いは届かなかったけど、おきみちゃんは相変わらず前向きで一生懸命ですね。
おきみは東吾さんが好きなんですよねぇ…「とどくことなかった」私も何とか詠みたかったんですが上手くいきませんでした。
(はなはなさん)
「麦の秋」を調べてみました。麦が黄色く熟すことだそうです。日でリの日もあり、雨の日もあって自然は過酷でね。そうしてやっと刈り取られるまでに成長するのは大変なことと思います。おきみちゃんはまだまだ青い麦、自分を信じて人生の花を咲かせてほしい…。そう願いました。
(蛍さん)



「その中、すかんぴんになるぞ」
「かも知れません。でも、お琴がありますから……」
「白藤検校の娘」より
結局、ある意味お金よりも確かなものをしっかりおきみさんに授けていた検校さん。しっかり身に付けた娘。
親子の絆を感じました。
   
父賜う財は琴の音風かおる
   

暮らしの糧となり心の支えともなる、何よりの財(たから)を父親から受け継ぎましたね。
同じく、親娘の生き方、心情が見事にでていて素敵です。この方向から自分は作れませんでした。
(すみれさん)
「父賜う」もいいなあ。。。お父さんの白藤検校が割りと好きなので、この御作はとても嬉しかったです。
(はなはなさん)



 浅黄裏さんの五七五 

今月の競作ポイントはどのあたりでしょうか。PTA活動も7月のバザーを控えてだんだん佳境?に入ってきました。そのうち修羅場に入って、ラストの土壇場へとなだれ込むのだそうです。ワハハ。もう笑うしかありません。もし掲示板で浅黄裏が妙にハイになっていたら 壊れたのだと思ってください(笑)。
 (UP後に)
今月は(も?)皆様素敵なお句が多くて、素晴らしいです。 四巨頭の一筆箋も素敵。どんな柄・色合いを選ぶかもセンスの問われるところで 私なんぞは怖くて近づけない世界です。
(浅黄裏さんの談)

実をいうと、この日、東吾と源三郎が連れ立って、向島まで出かけたのは、橋場の久三の法要のためであった。
日本橋の江嶋屋の事件で非業に死んだ一人の岡っ引のために、東吾と源三郎が施主となって小梅の寺で経を上げてもらった。
「白藤検校の娘」より
橋場の親分が亡くなったときには何故?と、平岩先生の筆を恨んだものです。東吾さんや源さんにとっては、その悲しみと怒りはどれほどのものだったかと察します。
   
炎天に 先(せん)の悲しみ 炙られて
   

日頃は表面に出てこないけど、何かの時にふと思い出す深い悲しみ。ここは私も詠んでみました。
二人の悔しさが見事に表現されていて素晴らしいです。
(すみれさん)
「女難険難」で源さんは大事な人を亡くしていますね。大口屋さんの非業の死に出会い「八丁堀が辛い…」と嘆いていました。久三さんはお役目柄危険な時もあると分かっていても、やっぱり「八丁堀は辛い…」と源さんは思ったでしょうね。「炙られて」にその辛さ、悔しさが表れていると思いました。色のセンスは浅黄裏さまもとても素敵にお持ちと思いますよ。「浅黄裏」って風情のある色ですもの〜。田舎侍なんて揶揄されますけれど、 るいさんも結構浅黄裏の手柄を髪に巻いていました。
(蛍さん)
橋場の久三さんのことでは、本当に心を痛めていた源さんたちでしたよね。この物語ではありませんが、久三の息子夫婦が「親父も、あの世でお袋に手柄話をしているでしょうから。」と言って逆に慰めるところも、とても心に残っているところです。
(たまこさん)



深川から永代橋を渡って、東吾は「かわせみ」へ畝源三郎を誘った。
「るいの奴が、精進落しの仕度をして待っているんだ」
  (略)
夜が更けない中に源三郎は八丁堀へ帰り、東吾はそのまま、かわせみへ泊った。
「白藤検校の娘」より
東吾さんが訪れる日は、いづれ解かれるとわかっている帯を締めるわけですね。何年も馴染んだひとの訪れを待つのに、いつまでも緊張感を保ち続けているのってすごいことですよね。結婚しているしていないに拘らず、これはるいさんの心栄えのなせることなのでしょう。見習わねばと思います。
   
夏衣 やがて解く帯 締めにけり
   

う〜む、体重を惑惑組にもどした浅黄裏さんのおっしゃることは、説得力がありますです!
夏衣…色っぽい!!こういう句が詠みたい。
(朝霧さん)
むむ、ソフト情念系ですね、雰囲気が出てて良いですね。
(すみれさん)
浅黄裏さんのはやっぱり「夏衣」ですねえ。…解くとわかっているのに結ぶってとても色っぽいと思うんですよね。「濃密情念系」ですね。
(はなはなさん)
ううムなるほど〜、浅黄裏さまのコメントにうなりっぱなしです〜。 その緊張感が大事なのですね〜。緊張感の無さが、どっぷりと胴回りにくっついて います。(大爆) 「解くと分かっている…」って、いゃ〜もう熱いの一言。 きりりと締めた帯をスルスルと解く女性の姿は本当に色っぽいですね。 そうでなくても色っぽ過ぎる、るいさんに、東吾さんはもうメロメロ〜って感じです〜。
(蛍さん)



おきみさんはとても賢い娘さんだとう思うのですが、その後お話には出てきませんね。是非ともいいお婿さんに恵まれて欲しいと思うのは私だけではないでしょう。
神林家に預けられた三百両も気になりますし…。
   
朝顔や 心の張りの 鉢並ぶ
   

植物の成長するさまからは楽しみや励ましを受け取ることもできますね。三百両…じゃなくて、おきみちゃんはどうしているでしょうね。
これから神林家の朝顔=おきみ=三百両と思い出しそうです
(千姫さん)