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 わかれ橋
「恋文心中」より  (平岩弓枝著:文芸春秋刊)
先月は「春の企画・独楽吟」と、切ない「江戸の子守唄」にたくさんご参加くださって、ありがとうございました。

さて、この季節、掲示板でも筍掘りや蕨取り、木の芽田楽などの楽しい話題で賑わいましたね。
今月は「新芽」…と言ってもちょっと物騒な芽の出てくるお話、「わかれ橋」を選びました。

るいさんと東吾さんの祝言もいよいよという時に、お二人より少し若いご夫婦とかかわります。
その一途でちょっと滑稽な恋物語と、初夏の季節感もたっぷり。
いつもより短いお話で、競作になりそうですが楽しみです。

さあ、今月はどんな五七五になりましたでしょう。

(平成十六年五月)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「祝言」前のから騒ぎ的要素を持ったこの話、
皆様明るい作品が多かったので、楽しかったです。
ハハハそのとーり!なんてツッコミながら、PCの前でニタニタしてました。
今回は五月雨や長雨の語が多かったようですが、
たしか、百人一首での小野小町のにも
「我が身世にふるながめせしまに」ってありましたよね。
あの「ながめ」は物思いにふける、という意味の「ながむ」と、
「長雨(ながめ)」とをかけているので、「長雨」と出てくると、
ついつい「いつまで経ってもやまない雨を見ながら物思いにふける」
という解釈をしてしまいます(笑)。
(ゆいさん)
今月もまたパスになってしまってごめんなさい。
なんかばたばたして、結局本も読んでいません。
皆さんの句を見させていただいてお話は思い出しました。
本当はあのお仲間に入りたいなあ…と思ってはいるし、
指折って考えることはとても楽しいのですよ。

次こそと 思えど本の 紐解けず
皆の句を 読んで詠んだ気に なりにけり

という心もちです。
(茜雲さん)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 千姫さんの五七五 

今回は一番を狙った訳では無いのですが、これ以上粘っても出てこないのがいつもの事で分かっているので、お送りします。私のが一番先になっていると「品位」が下がりそうですが、カラオケだって下手な人が一番に歌って後の人が歌いやすくするそうですので(そういう問題じゃない?)…
新助 = 「どじ野郎 身投げさえまで ヘマをする」ような優男
喜久 = 「誤解です ええまったくの 誤解です」きっと、我儘娘のまま大きくなったのでしょう。昔のツテと言うにはちと厚かまし過ぎましょう。
(↑ ここですでに五七五になっていますね! : ここの管理人)

(千姫さんの談)

「女房がそっけなかったら、他に女遊びでもしたらどうなんだ。金箱は自由になるんだろう」
「そんなことは出来ません。手前は喜久に惚れて居ります」
「わかれ橋」より
東吾の前で「喜久に惚れて居ります」なんて、いけしゃーしゃと言う男が、なんで?と思うほど不器用な愛の表現!
   
「惚れて居り」 役者くずれに 芸がなし
   

トップバッターの千姫さん、ずいぶん謙遜してらっしゃいますが、第一句など「うまいっ」と声をあげてしまいましたよ。新助さんの元役者、という視点はすっかり見逃していましたが、すみれさんの「台本」とか、皆さん鋭いですね。
(たまこさん)
お千さまのきつ〜いひとこと、「我儘娘がそのまま大きくなったような…」うゎっ、コレまるで私のようです〜。反省反省…。「東吾さんの前でシャーシャーと…」受ける〜。(爆)
(蛍さん)
さて、千姫さまのは…並々ならぬ炯眼ですよね、「役者くずれ」だと言うことをすっかり忘れてましたよね。やることなすこと確かに芝居じみてはいるのに、なぁんか間抜けな、でも可愛げのある新助さんを上手く表現されている、と思いました。
(はなはなさん)



信州では春先、二輪草というのが自生して、その新芽は味噌汁に入れたり、煮びたしにしたりして土地の者は食べるのだが
  (略)
「うちの人がしつっこく、その話を聞いていました。ちょうど、乳母が冬物の始末を手伝いに来ていて、植木屋にお茶うけを運んで行って聞いたんですけど、うちの人は、とりかぶとは江戸の近くに生えているんだろうかって、しきりに訊ねていたそうです」
「わかれ橋」より
私には夫に殺されると考え始めたのか、よく解かりませんが
   
疑えば 大根役者も それらしく
   


本人は気づいていないのに、なかなかの名演技だったわけですね。「惚れて居り〜」もこのお句もビシッと突っ込んでいて面白〜い!でも新助さんて、全然憎めない人ですね。
新助さんを大根役者とばっさり呼んでらしておもしろいですね。台本とからめたわたしよりも読みが深いです。
(すみれさん)



東吾も通之進も万が一があった後のるいを心配しているのでしょうね
愛の証だけでなく「東吾の妻」という心の支えが…
   
明日が日に 妻という名の 証あり
   

こんな時代なので、東吾さんに何かあったとしても、るいさんは他の誰とも添わない…だからこそ妻にという思いもあったのでしょうね。
東吾、るいさんのこの句、素敵ですね。
(すみれさん)
お千さまのコメントの「心の支え」、いい言葉ですね〜。現在の平和な時代でも、大切ですね。不安定なるいさんであれば尚の事、必要なんですよね。
(蛍さん)



 TERAIさんの五七五 

S.ファロウやご本家にお邪魔する前は東吾とるいが祝言を挙げたとか、子供まで産まれたなんて全然知りませんでしたよ。たしかに昔よく元祖かわせみは見ていましたが…。
(TERAIさんの談)

大和屋では、夏の保養に、向島の綾瀬川の近くに別宅を一軒持っている。
「庭の藤がとてもきれいに咲くので、ついこの春、私は三、四日、そっちに行っていました」
  (略)
「突然、それも夜になって、芳弥が訪ねて来たので、どうしようかと思ったのですけれど、外は雨が降っていて……結局、居間へ通しました」
「わかれ橋」より
   
庭の藤 役者来たりて 困り顔

TERAI様、ようこそ「はいくりんぐ」へ!
すでに「みんな大好き〜」ではすっかりお馴染みになられていますね。これからもよろしくお願いします。
TERAIさま、デビューおめでとう御座います。
お庭に咲いている藤さえも困るほどのお邪魔虫。喜久(菊)さんとシンクロしています。
(蛍さん)



「手前は女房に見放されました。喜久は手前と同じ部屋に寝てくれまくなりました。もう、死ぬしか仕方ございません」
「いい加減にしろよ。喜久は自分がお前さんに殺されるんじゃねえかと、店を逃げ出したんだぜ」
新助が腰を抜かすほど驚いた。
「わかれ橋」より
   
勘違い コミュニケーション ないからだ
   

あはは、そう言いたいお気持ちはよくわかりますが、そこが男女の仲の難しくて面白いところなんでしょうね。
初参加なるもすでに五七五をこよなく愛して、日々研鑚されているご様子、すっぱりと切り込んだ読み口で、なるほど!と、脱帽しました。
(すみれさん)
「コミュニケーション」には大笑いしました。「それを言っちゃあお終めぇよ〜」と膝をたたきつつも、喜久さん・新助さんを弁護したくなっちゃったわぁ。やっぱり男性視線というのは新鮮ですね。平岩先生も苦笑いしちゃいそうな…♪
(はなはなさん)



「世紀末」は徳川の治世ももうすぐ終わりだという記載からですが、もうちょっといい言葉がないかな〜と思います。
   
祝言の 日取り定める 世紀末
   

TERAIさんの初参加も嬉しい限り、もう掲示板などでも何度か投句してらっしゃるし、すっかり板についてますね〜
(たまこさん)
なんとな〜くそんな気がしていましたよ〜。男性の方の感じ方は結構サッパリとしてお句が気持ちいいですね。
(蛍さん)
TERAIさんの世紀末。昭和の戦争を思い出しました。出兵前にとりあえず大急ぎで結婚した人もいたとか。東吾さんもなんだか似たような感じで、もし徳川の天下泰平の世が続くのならどうしたんだろうとちょっと考えてしまいました。
(紫陽花さん)



 たまこさんの五七五 

以前、かわせみシリーズの家つき娘はなぜ不幸になるケースが多いの?平岩先生ご自身も「家つき娘」なのに…と拙宅掲示板で話題になったように記憶しています。「鬼女」をはじめ、「ほととぎす啼く」「王子の滝」「水戸の梅」「露月町白菊蕎麦」「酉の市の殺人」「筆屋の女房」「鬼の面」「橋姫づくし」「猫一匹」など、多いですね。平岩先生ご夫婦のおしどりぶりは文壇でも有名ですが、もしかしたらご自身の経験もふまえて「反面教師」として描かれているのかも…。そんな中で、「わかれ橋」は家つき娘ものには珍しいハッピーエンド、 夫も妻も可愛い気があって、殺されたり死んだりする人もなく、後味がよいです。新助さんの今で言うなら「昇進うつ病」も、おおいにシンパシーを感じるところですし現代的な視点ですね。「祝言」の露払いともいうべき佳品だと思います。
 (UP後に)
きゃぁ投稿してみたら、もう「わかれ橋」UPですって!さっそく飛んでいって見てきました〜 もう夏が来たみたいだったのはいつの事やら、冷たい雨の夜だというのに、すっかり残業させてしまって、いつもながら本当に申し訳ないで〜す>師匠
(たまこさんの談)

「今夜あたり、若先生がいらっしゃいませんかね。うちの屋根に上ったら、花火がいいようにみえるんだし……」
お吉がいいかけた時、表戸が軽く叩かれた。
「俺だ。開けてくれ」
「わかれ橋」より
   
五月雨の晴れ間に待ちし人の声
   

あっちの管理人さまと対句になっていて楽しいです。
(はなはなさん)
噂をしたとたんに東吾さんの声が。るいさんを思いやるお吉さんにすれば、なおさら嬉しいでしょうね。「晴れ間」がその嬉しさを表わしているように思いました。
(蛍さん)



「夏衣」は、せっかくここで、おるいさんが帯を解いてるのに(きゃ!) なんとか情念系にしようと頑張ったのですが、ギブアップです…。「夏帯や…」では何だかピンと来なくて「夏衣」にしてしまいました。またも、はなはなさん・のばらさん達のを指くわえて見てることになります。
   
夏衣嬉し涙は隠すまじ
   

せっかくなのに私も指をくわえている組です。(笑)そういえば、涙は隠すものという意識がありますが、嬉し涙は見られてもいいですね。
私も指を咥えて見ていた組です〜。(笑) るいさんから夏衣の発想はご一緒でした。薄物の着物って色っぽくていいですね〜。
(蛍さん)
今回のたまこさまの御作のベストは「夏衣」かな。「隠すまじ」ってすごく江戸の女の強さとか心意気を感じる言葉です。でもやっぱり「鰻飯」もいいし…。
(はなはなさん)



大串を注文した東吾に、源三郎が笑った。
「土用にもならないのに、鰻というのは、東吾さんも年ですかね」
「なんだと……」
「わかれ橋」より
「鰻」シーンは競作になりそうで、もしかしたらまた「巻羽織」句もいただけるかもしれないと、期待大です。
   
大串の鰻で一本取られたり
   
毒舌も友なればこそ鰻飯
   

おっしゃる通り、競作ポイントの一つです。
気に入っていた場面でしたが、上手い言葉が見つからずに断念しました〜。(泣) 鰻は串を刺して焼くのでしたね〜。忘れていました。その串と「一本取った」の掛け合わせが、上手い!見えていないものを使うなんて、グッド・アイディア〜。
(蛍さん)
競作が多いか?って、予想したけど、たまこさまとあっちの管理人さまとすみれだけ?源さんと東吾さんの友情の気のおけなさが良く描かれていて好きです。
(すみれさん)



   
五月雨に地も固まりて夫婦橋
   

ここは二組にとっては「夫婦橋」。
「地も固まりて」は流石の言いまわしです。



 こでまりの五七五 

先月のお題「江戸の子守唄」で、兄夫婦にるいさんとの仲を知らせようと、わざと大川端に泊ったことを思えば、遂に祝言が決まったこの一編は、感慨深いです。
(こでまりの談)

金のある人間はあらかじめ屋形船を借りて、川の上からの見物だが、そうでないのは橋の上や屋根に上って、玉屋、鍵屋と威勢のいい声を張り上げる。
「わかれ橋」より
川開きの花火って、いかにも「今日から夏ですよ!」って感じでいいですよね。
   
人垣の玉屋鍵屋と夏を呼び
   

「見ているだけ〜」ですか〜。(笑)川開きと別れ橋はご一緒で嬉しいです〜。
(蛍さん)
「玉屋鍵屋と」も江戸の川開きが目に浮かんでくるようでいいなぁ。
(はなはなさん)



実際には見られなかったこの日の花火。
でもるいさんにとっては忘れられない花火の夜だろうと思いました。
   
祝言と 君言葉にす 初花火
   

めでたいことがよく表現されていてさすがです。とても好きな句です
(すみれさん)
「君言葉にす」が大好きなんですよ〜。こういうふうにはなかなか詠めないです、はなはなには。「初花火」という語感もすてきです。
(はなはなさん)
るいさんにとって「忘れられない花火」なのですね〜。気がつきませんでした。花火を見るたびに、このときの幸せを思い出すのでしょうね〜。な〜んか、お師匠さまの思い出もあるのかな〜。(笑)
(蛍さん)



東吾さんやかわせみの皆の力添えと勢いのいい大川の流れが、すべてを洗い流したみたいですね。
   
川浪に憂きこと流し夏はじめ
   

この川浪や憂きという言葉は私の中には存在していません。同じ発想でもなんでこんなに違うのか、私の語句の貧弱さがなさけないです。
(紫陽花さん)
実は「川浪」ははなはなも試みて、あえなく捨てた言葉なんです。大川端だしどうしても使いたくて書き抜いておいたんですが、とうとう満足するのはできませんでした。お江戸の情緒とおるいさんの静かな喜びが伝わってきて好きです。「夏はじめ」とも呼び合っていますよね。
(はなはなさん)



二組の別れるところに小川がある。
昔は不忍池から小石川へ続く小さな川だったが、今は更に川幅がせまくなって、形ばかりの橋が架っている。
橋の名が「わかれ橋」であった。
「わかれ橋」より
「わかれ橋」の袂にいたのは幸せな二組の男女。
そしてページをくれば「祝言」の始まり…
心があたたかくなりました。
   
わかれ橋渡るすんでの仲直り
   
わかれ橋渡り娘の日と別れ
   

「わかれ橋」をどう詠みこむか、皆さん苦労されたのではないかと思いますが(私は結局、別れなかったんだからと早々ギブアップ)、「娘の日と別れる」という発想、なるほど師匠ならでは…と目からウロコです。さすがだなぁ。
(たまこさん)
本当の夫婦になるために、娘気分からの別れと、そこまでは、わたしは読み込めませんでした。
(すみれさん)
「娘の日との別れ」にはなるほどな〜と唸ってしまいました。世間知らず、苦労知らずの娘の日との別れと見立てたお師匠さまは、さすがです〜。
(蛍さん)



 すみれさんの五七五 

(1)東吾、るいのペア(祝言はこれからだけどベテランカップル)と、(2)新助、喜久のペア(まだまだ新米カップル)の好対照でほのぼのとしたお話にまとまっていますね。
 (UP後に)
皆様からせかされて(?)早目に載せていただいてようで、昨夜寝しなにのぞいて『アツ!もうできてる!』なんて、読み出してしまい、遅くなっちゃいました。(笑い) ご本家にも書いたのですが、私も含めて11名の参加でしたね。師匠をはじめ皆様がやさしく迎えてくださるから、参加数が増えていくのですね。
(すみれさんの談)

世の中がこれほど激しく揺れて、明日が日、なにがあるかわからないだけに、せめて、けじめをつけておきたいという東吾の気持ちはるいにも通じていた。
「わかれ橋」より
東吾・るいのカップルの場面から
   
長歳(ながとせ)の願い叶えむ夏間近
   
さきゆきの見通せぬ世も主とならこぎだす舟に川開きなむ
   

不安の翳りが見えつつある時代、でも、この人とならという決意がよく表されていて、「さきゆきの〜」にはう〜んとうなりました!
「川開きなむ」に脱帽です。「さきゆきの見通せぬ」とあっても最後の七が希望に満ちていて。。。こでまりさま同様うなりました。
(はなはなさん)
るいさんにとって本当に長い長い年月でしたね〜。「長歳」の響きに、やっと叶えられた思いがよくあらわれていると思いました。
(蛍さん)



「一緒に暮らしていればわかります。商売は番頭や手代がみんなやってくれますし、手前がいなくても、大和屋の暖簾はびくとも致しません。甲斐性なしの手前に、喜久は愛想が尽きたんでございます」
「お前の思い込みじゃないのか」
「いいえ、喜久は手前が上方で求めて参りました土産を、ちっとも喜んでくれませんでした。着物も帯も、まるっきり着ることなしで……」
「わかれ橋」より
新助・喜久のカップルの場面から
   
台本は教えてくれぬ胸の内
   
愛し方知らぬ同士の鬼ごっこ
   
五月雨や疑心暗鬼にわかれ橋
   

この三句もとてもいいですね。特に「鬼ごっこ」はお上手なたとえだと思いました。
「ベテランカップルと新米カップル」、それぞれに見立てたお句に目からウロコとびっくりしました。「鬼ごっこ…」のお句、好きです〜。
(蛍さん)
今月のお句の中では「鬼ごっこ」がいいなぁとおもいました。新助・喜久のかけあい漫才のような被害妄想?をなんとか句にと思ったのですが、結局出来なかったんです…。う〜む、やられたという感じです。
(浅黄裏さん)
嬉しいお言葉をかけていただきありがとうございます。身体的年齢だけは、皆様方の中でも年長組なのですが、五七五はまだまだ初心者、青葉マークをつけて練習中ですので、これからもよろしくお願いします。
(すみれさん)
「鬼ごっこ」いいですよね〜〜。新助が元役者だった、ということに注目された句もいくつか合りましたが、それぞれ「おお〜そうかあ」と膝を打ちつつニンマリ笑ってしまいした。
(のばらさん)



さて、東吾さんと源さんがうなぎやでーーここは、皆様、欠かさないだろうなー。つたないながらほんとに美味しそうで、読んでいるだけで食べたくなりますね。
   
悪態を薬味にそえてうなぎめし
   

東吾さんにとっては「ギャフン」でしょうが、読んでいるこちらにはたまらない薬味です。
「うなぎめし」はなはなから座布団差し上げて良いですか?(笑)「薬味にそえて」なんてしゃれてます〜。
(はなはなさん)
「薬味」の使い方が絶妙です〜。源さんのいい味が出ていますね。実は…、葱がダメ、紫蘇もダメ、蕎麦も饂飩も納豆さえも薬味を使わない自分には絶対に思いつきませんでした。もちろん、鰻の山椒もダメです〜。
(蛍さん)



 のばらさんの五七五 

こでまりさまの「今月のお話」にもあるように、ほんとうにちょっと滑稽で、でも一途な夫婦、ちょっと異色のお話かもしれませんね。東吾さんるいさんの祝言が具体的に決った、感極まる切なさと絶妙な対比で面白いお話ですね。
(のばらさんの談)

考えれば考えるほど、店には居たたまれなくなって、遂にとび出して来て、乳母の家へ行ったのだと、 最後は涙声で打ちあけた。
「わかれ橋」より
この一見おバカな世間知らずに思える夫婦、一度子供を流産している、と源さんのセリフにあって、ふたりの心にはお互いに向かい合うのがとても辛いものがあって、その思いに囚われてしまったのがそもそもの齟齬の始まりだったのかもしれないと思いました。(昔の源さんのセリフにもあったように…) また深読み…。
   
五月雨や思いの渦を絶ち切れず
   

このセリフは見逃していました。二人の間にはそういう思いもあったのかもしれませんね。
「おばかな世間しらず…」と言いながらも結構この二人をお気に入りのようですね〜。お句のなかに温か〜い気持ちが凄くかんじられました。
(蛍さん)
のばらさんが「流産」という言葉にちゃんと反応されているのが印象的でした。たしかにそういうことがあるときちんと向かい合えなくなるのかも。お互いがお互いを責めたくはないのに、顔をあわせればそのことを思い出してしまうのですね。
(はなはなさん)



さきゆきは又、考えるが、今はどんな形であれ、るいと祝言をしてしまいたいといった東吾の気持ちの奥には、この頃の穏やかならざる時世がみえているからで、八丁堀育ちとしてはまことに無念だが、徳川の治世も末という予感がある。
「わかれ橋」より
東吾さんおるいさんの祝言が具体的に決ったお話なんですね。おめでたく感極まる中にも、ただ若く周りのお膳立て、本人たちの情熱だけで決ったという祝言ではない切実さも…。時世の行く末を思う時、自分たちの暮らしの足もとが揺れているんですね。そんな不安の中、揺るぎない決意もあったという事で。
   
来る日なら夫婦(めおと)で見たし果てなる日
   
そしてやっぱり、お二人のこの先の日々に祝福を!!
   
重ね合う新しき日々喜雨つつむ
   

のばらさん「喜雨」も、お「喜久」さんの名前ともつながっていて素晴らしい発想ですね〜。
(たまこさん)
どちらも情念系シリーズにふさわしいすてきな句ですね。若い感性が感じられてすてきです。
(すみれさん)
「喜雨」はたまこさまが「お喜久」とも字が合って、とおっしゃってくださいましたが・・・偶然でわたしは気付いてませんでした〜。でもそういうことにしとこうかな〜。おるいさんの涙を喜雨に例えてみたんですがちょっと分かりにくかった気もしています(^-^;)
(のばらさん)



新助と喜久は別人のように明るく、色っぽくなっていた。
「手前の命の恩人でございます」
と新助が手を合わせ、喜久も涙ぐんで頭を下げた。
「わかれ橋」より
今までのマイナス思考スパイラルから一気に目を覚ましたような明るいふたり。お話のはじめで降りしきっていた雨もラストでは上がったように、暗いトンネルから抜け出せて生命力を取り戻した新助・喜久夫婦に万歳です。
   
目覚めれば万緑の中雨上がる
   

「万緑」「雨上がる」という言葉が若く希望にあふれた二人にピッタリ。気持ちのいいお句ですね。
最初の句と最後の句の対比が素晴らしいです。
(はなはなさん)
このお句はるいさんと東吾さんにも当てはまるようにも思いました。日陰の身のるいさんが、万緑に祝福されているように感じてしまいました。清々しい良いお句ですね〜。
(蛍さん)



 浅黄裏さんの五七五 

このお話はもともと大好きでした。読後感が気持ちいいので、印象的でもありました。謎や事件といっても誰も怪我をするわけでなし、血が出てこないのがいいのですね。新助と喜久のふたりが「別人のように明るく、色っぽくなっていた」というところがゲスト版の情念系でしょうか。みなさんとの競作ポイントになりそうなところは外してしまった感あり、ですが、三句できました。
 (UP後に)
新しいお仲間のご参加、うれしいですね。これもこでまり師匠の日頃のご努力の賜物かと…。私なんかでも毎回きれいにアップしてもらえて、コメントがもらえて、それだけでまた来月も頑張っちゃおうかなぁなんて思いますもん。6月のお話はなんでしょうか?
(浅黄裏さんの談)

縁側には蚊やりが煙をあげている。
川開きの花火はもう終ったらしく、夜空には月が出ていて、大川のほうはひっそりしている。
「折角、お出で下さいましたのに……」
「わかれ橋」より
なんだかあたふたとして相談にのってあげている間に、年に一度の川開きの花火も終わってしまって…。「かわせみ」の面々の人の好さが出てますね。
   
五月雨や謎を解く間に川ひらく
   

時として花火より好きな捕物!それも「かわせみ」らしさですね。



「私は、東吾様のよろしいように……」
みつめ合ったとたんに涙があふれて、るいは東吾に抱かれたまま、涙の眼を閉じた。
「わかれ橋」より
毎度おなじみの「涙」と「青蚊帳」です。たまこ様のお句にありましたよね、○○と●●は対でくる、というお句。源さん風に言うならば「涙と青蚊帳も対ですなぁ。」です。
   
眼の際に涙あふれて青き蚊帳
   

いかにも源さんなら言いそう〜。昨年の「夏の夜ばなし」にも青蚊帳のお句がありましたね。大好きなお句で、確か十選に選ばせて頂きました。
るいさんと東吾さんと青蚊帳はこれ以上ないくらいの熱〜い場面ばかりですね〜。
(蛍さん)
るいさんの心情があふれています。
(すみれさん)



恋猫は春の季語だと思うのですが、5月6月って、難しい月ですね。春ではなし、夏にもなりきれず、の感じです。
   
恋猫がまたいで通るわかれ橋
   

「猫がまたいで通る」の飄逸さといい、皆さんの自由柔軟な発想に比べてなんて自分のアタマは固いんだ〜
(たまこさん)
すてきな言い回しですね。
(すみれさん)
浅黄裏さんの「恋猫が」が面白くって♪「猫がそっぽを向くような二人の思い違い」が良くあらわれてますよね。「夫婦喧嘩はイヌも喰わぬ」と言いますが、「猫」なんですね〜。
(はなはなさん)



 紫陽花さんの五七五 

のばらさんのおめでたい報告もあって先週末は大賑わいでHPの更新も大変そうです。でもこでまり師匠にはうれしいお仕事かなとも思います。
 (UP後に)
やっぱり鰻飯は多いですね。語呂もいいし、私も考えたんですが、できませんでした。“わかれ橋”もとうとうできませんでした。皆さん、きれいにまとめてあってすごいなぁという感じです。
(紫陽花さんの談)

雨がやや小降りになったところで、東吾はいやがる新助を力ずくで「かわせみ」へつれて行った。
出迎えたるいにざっとわけを話し
「とにかく、二人にしてさしでゆっくり話をさせてくれ」
「わかれ橋」より
“な”を並べて、“長雨が” にしようかなとも思ったんですが、もしかして秋の季語かなと思い五月雨にしました。
   
五月雨が悩みも涙も流し去り
   

調べましたら「長雨」は季語ではありませんでした。でも「な」並べなんて面白い!私は「川浪」としましたが同じ発想のお句で嬉しかったです。
なるほど〜、雨降って地固まるですね。「な」を使ったテンポのよさが、まるで幸せを表わしているように感じがいいです。
(蛍さん)



「兄上が、遅くなったが、来月、内輪だけで祝言をしたらどうかとおっしゃったんだ」
「わかれ橋」より
   
祝言を来月挙げよう またせたな by東吾
   

この句のストレートさ、東吾さんらしさとも重なり好きです。
「またせたな」さわやかで好きです♪「ば〜い☆TOGO」ってメールでも打ちそうじゃないですか(爆)
(はなはなさん)



オマケも付けておきます。
なかなか見つからなくて
強引に描いてしまいました。
このままでは狐火は
風前のともしびとといったところです。
この頃すっかりコンビの仲間入りした「狐火」。自分の肩(?)を濡らしながら里芋の傘を差しかける湯呑みくんも男らしくて素敵!(男の子ですよね?) そして、紫陽花さんのコンビ改め、狐火も加えたトリオのますますの活躍が楽しみ〜
(たまこさん)
可愛いオマケを有難う御座います。湯のみ君は男の子、茶たくちゃんは女の子と思っていましたが、相合傘の様子ではそうなんですね〜。何気にこの二人も熱い〜。
(蛍さん)
いつもすてきなおまけ、楽しみに待ってました。雨続きのこのごろに相応しいイラストがかわいいです。狐火は、いまは、蛍火に化けているみたいに見えて楽しいですね。茶碗と茶たくの名コンビ、ますます仲がよろしいようでーー
(すみれさん)
湯飲みと茶たくの性別は考えたことがなかったです。ああいった者達にも性別というものがあるのかなぁと、いわれて今ごろ考えています。気分的には両方とも男の子かなって感じです。
(紫陽花さん)
なんといっても真打は「トリオ・もののけ」じゃないですか〜。傘を差してどこに行こうとしているんでしょうね、まさかまた「青蚊帳」の中をうかがっているんじゃ?
(はなはなさん)



 蛍さんの五七五 

今月のお話は、祝言の前のお話というのもあるのでしょうか、ほのぼのと温かくて、その気持ちのままに「祝言」を読んで、またまた感動してしまいました。
今月は、出来ないものは出来ないと、情念系はスッパリ諦めました〜。(内心では、未練タラタラなんですが…笑) ドロドロ系のお話ではないので、サラリと詠んで見たいと思ったのですが、これが難しいです。もっと情緒的に詠みたいとひねったのですけれど、いつまで考えてもまるでいけませんでした。五七五を始めたばかりの頃は、怖い物知らずでしたので、字数さえあっていれば出来具合はどうでもよかったのですが、最近では語彙のなさにへこんでいます。感じたままを言葉にするのは、本当に難しいです。
 (UP後に)
今月は皆様のお句そのものよりも、解説が面白いですね〜。ちょっとお間抜けな二人に皆様の温かい気持ちが凄く感じられたお句ばかりでした。
(蛍さんの談)

五月二十八日は両国の川開きで、両国界隈は勿論、江戸のありとあらゆる所から花火見物の客が集って、大川の両岸は大層な人手となる。
「わかれ橋」より
江戸っ子は賑やかなことが好きですね〜。
お江戸の風情を詠んでみたいと思いました。
   
江戸っ子の 胸が高鳴る 川開き
   
川風に 人肌恋(こ)うる 江戸の夏
   

ここは私も詠んでみましたが、気持ちのいい場面ですね。



噂をすれば…ですね。
   
あれ 嬉し 暖簾も招く 白絣
   



「お帰りなさいまし」
いつの間に来たのか、るいは立ちすくんでいるお吉の前をすり抜けて、上りかまちに手を仕えた。
「わかれ橋」より
凄い字余りに困ってしまって、遊んでみました。「〜し」の言葉の響きは、柔かくていいですね〜。
   
………なさいまし 三つ指恥らう 夏衣
   

こういう省略の工夫は初めてですね。時々るいさんが使う「…あそばせ」というもの好きです。
(私は言えないけど)
蛍さんの「夏衣」つながりも嬉しいな〜。きっと蛍さんならお着物関連一つは入ってるだろうなと思っていたんです。
(たまこさん)
「…」無言の間、いつも感心してしまいます。
(すみれさん)



「ここは端近かでございます。よろしければ、どうぞお上がりくださいまし」
「お宿をお願いしたいのですが……」
「ともかく、上りなさい」
東吾が「かわせみ」の亭主の口調でいった。
「わかれ橋」より
祝言を挙げなくても気持ちはとっくに夫婦(めおと)ですね。
   
夏の宿 惚れ惚れ亭主に 胸がキュン
   

どの御作もほのぼのとしていて、思わず微笑んでしまいそうです。「… なさいまし」「胸キュン」「あれ嬉し」「惚れ惚れ」など新しい感覚ですよね〜。こ れも脱帽です〜。蛍さまの御作っていつもおるいさんが可愛い恋女房なんですよね、らぶらぶな二人を描かせたら蛍さまの右には出られませんね〜。
(はなはなさん)
わぁ〜い、嬉しいな〜。へへ…、可愛い恋女房ですか〜。そう仰られるといつもそんな気分で詠んでいるように思います〜。私的には相手は東吾さんでなくてもいいのですがネ。(^^ゞ るいさんは東吾さんでなくてはダメか〜。健気な女性って理想なのです〜。
(蛍さん)



惚れて一緒になった人の心が見えない。
そんなのは辛いです。
   
冷え冷えと 忍び寄り来る 五月闇
   

夫婦の間隔の加減がうまく表れてますね。
(すみれさん)



神田川は水かさが増していて岸辺すれすれまで川浪が激しくぶつかっている。
和泉橋の袂をすぎ、新シ橋がみえて来て、東吾は橋の上の男に気がついた。
傘もささず、濡れねずみでじっと川をのぞいている。
「わかれ橋」より
お互いが傷つけないようにしていたことが、悪い方に行ってしまいました。ふたりとも遠慮しすぎたんですね。
   
すれ違う 心を濡らす 夏時雨
   

「コミュニケーション」ってTERAIさんがおっしゃいましたが、やっぱり東吾さんみたいに「惚れてる、惚れてる」って言ってくれないと、わかりませんよね〜。



大騒ぎも済んでしまえば、笑い話になって良かったですね〜。
   
絶望の 渕の向こうに 虹の橋
   



 はなはなさんの五七五 

「江戸の子守唄」とちがって、作品全体が明るい雰囲気ですよね。少々コミカルな味もあるハッピーエンドだし、おるいさんがながーい春にピリオドを 打つ、ということもあって、五月雨が作品全体を支配していながら、暗さがあまり感じられない作品ですよね。
それだけにもしかしたら難しいのかも、と思いました。そういう時は無理せず素直に…を心がけて詠みました。
 (UP後に)
今回は多いですものね〜。私ももう少し絞ればよかったかな〜と後悔しています。こでまりさんも大変だったでしょう。。。最近は喜んでやっていらっしゃる、というのはわかってきたのですがそのしわ寄せがお仕事にでるのでは〜と少々心配です。
(はなはなさんの談)

五月雨は細くて絡まるように降るような気がします。どこかで見失ってしまった夫婦の信頼…これも心の闇かもしれませんが…。おるいさんも、東吾さんが直参になったとはいえ、それだけに身分の違いや姉さん女房、長年の忍ぶ恋、そして事実上の夫婦。。。すべての不安が雨のなかにぼんやりと形を取って現れた気がして憂鬱だったのではないか、と妄想しました。
   
さみだれて行方分かたぬ夫婦みち
   
かたちなど望まぬ恋は恋なれど
   
すれちがう思いのたけのあまりにて
   
走り梅雨心のすきまに忍び入る
   

ご自分でおっしゃっているように、どれも素直にそのまま詠まれていながら、しっとりと香ってくる風情が…うーんこの境地に至る道は?
(たまこさん)
どれも素敵な言葉のお句ですね〜。その場面にはない言葉をつかって描写するところなんて、さすが「はなはなワールド」です〜。「心のすき間…」ですか…。ううん…、やられた〜という感じです。
(蛍さん)
ソフト情念系にて、すらすらと詠まれたような気がする素敵な句の連続です。「すれちがう」「心のすきま」「さみだれて」やわらかい言い回しは私には苦手な部門。疑心暗鬼なんて四文字熟語しか浮かんでこない、トホホです。恋愛経験の数の違いでしょうか?
(すみれさん)



「そういうことは、蚊帳の中へ入って話をしようじゃないか」
次の間には、夜の仕度が出来ていた。青蚊帳独特の匂いがしている。
「わかれ橋」より
打って変わって、ついに東吾さんから祝言の申し出を受けることになりますが、そのあたりの対比が印象的でした。
ちょっとだけ情念系もオマケしました。
   
川花火思い焦がれて今ひらく
   
よろこびの涙の雨の大川端
   
蚊帳吊りて女房の涙吸いにけり
   
夏草の匂いたつような夜更けなり
   

五月雨のような不安もあるけど、そこは江戸の女、惚れた男に祝言と言われれば心を決められるのですね。オマケもありがとうございます(笑)
試みたのですが、こんなに上手には読めません
(すみれさん)
まいりました〜。言葉のかけ合わせが絶妙です〜。見えている文字のその奥にも風景があるように感じています。登場人物のその場の雰囲気を凄く上手く表現 しているんですよね〜。「川花火…」のお句などは、るいさんの気持ちそのままのようです。
(蛍さん)



「ずっと以前は、ここらが江戸の境界だったんだ。江戸を追放になる者は、この橋を渡って行った。だから、この名前が残っているんだとさ」
だいぶ前に畝源三郎から聞いた知識をひけらかした。
「お前ら、わかれ橋を右と左に渡らなくって、よかったじゃないか」
「わかれ橋」より
エンディングの明るさに心救われるように思いました。じれったい大和屋夫婦ではありますが…丸く収まってよかったですよね。そして東吾さんとおるいさんの喜びに満ちた晴れやかな笑顔、 次の「祝言」につながる終わり方だと思いました。
   
見返りて風かがやけりわかれ橋
   
青春のおわりを告げる夏支度
   

近作を読むにつけ「青春の〜」の一句には切ない思いがよぎります。
結局「わかれ橋」は渡らなかったのですから「見返りて」なのですね。渡らなくて良かった〜という気持ちが凄く良く わかります。
(蛍さん)



 あっちの管理人さんの五七五 

締め切り寸前、すべりこみセーフかな。遅くなりましたが、今月の「わかれ橋」なんとか出来ましたのでお送り致します。このお話、小品ながら最後の結末が明るくっていいお話ですよね。しかも祝言前の一話ということで、二人もかなりラブラブ。
 (UP後に)
みんなのフライングに耐えかねて、一日早くアップして 頂き恐縮です!実は私もフライングクリックをした一人です(笑)お陰で一日早く楽しめました。 でも私が大ラス、ぎりぎり滑り込みセーフってところでした。今回の「わかれ橋」、皆さんの競作ポイントは やはり鰻飯、青蚊帳、そしてラストシーンでしたね。鰻も蚊帳も夏の季語。幕開けは川開きとくればもう江戸の皐月は夏。五七五の短い言葉に秘められた深い深いを堪能させて頂きました。
(あっちの管理人さんの談)

この年、江戸は天気が定まらないで、殊に五月になってからは雨が多かった。
「冗談じゃありませんよ。五月晴れって言葉があるのに、きれいさっぱり青空が出たのは一日か二日、あとはびしゃびしゃ雨ばっかりで……」
お吉がこぼし
「まあ、五月雨って言葉もあるんだから仕方がねえやな」
嘉助に変な慰められ方をしていた毎日であった。
「わかれ橋」より
幕開けは雨。
まるで梅雨のような雨降りが続く「かわせみ」でやっぱりぼやきが出るのはお吉さん。るいさんも口には出さないけれど東吾さんの訪れをずっと待って、さぞ雨を恨めしく眺めていたことでしょう。
   
五月雨を眺めて待たる夫(つま)の声
   

このお句、たまこさんの一句目とまるで対のようですね。
あっちの管理人さん「たぶんここお詠みになるんじゃ?」と思っていたところで、うまく合奏(?)できたみたいで嬉しいです!
(たまこさん)
たまこさまとは息ぴったりの対句で惚れ惚れします。
(はなはなさん)
この場面は競作ポイントの一つですね。沈んだ雰囲気のなか、待ち焦がれた東吾さんの訪れ、「眺めて」が凄く雰囲気あります〜。
(蛍さん)



長いこと、本当に長いことかかってやっと兄上の許しを得、祝言をあげられることになった二人。今までの歳月を思えばるいさんにとってまるで夢のような気がするのでしょうね。
この時点では「かわせみ」をどうするか、神林の家をどうするかまだ問題はいろいろあるものの、穏やかならざる治世なればこそ、晴れて夫婦になることが東吾さんのるいさん対する精一杯の愛情なのだと思います。
   
待たせたと誰も邪魔せぬ蚊帳のうち
   

「さりげない情念系」もあってサスガ〜
(たまこさん)
何気に情念系ですね〜。サラリと熱〜く、管理人さまの優しいお気持ちが凄く感じました。
(蛍さん)
実は「ソフト情念だわ〜っ」て思っていたんですが、ご本人は全然そんな風に思っていらっしゃらない様子だったので、私があおったら悪いかな〜と思っていたんですが、皆さんも同じように感じられていてちょっと安心。
(こでまり)
東吾さんの心情、さすが管理人様ならではのことば選びです。
(すみれさん)
私の青蚊帳の句がソフト情念系?そ、そ、そうですか?あんまりそんな意識なかったんですが、言われてみれば・・・ちょっと情念系 入ってるかな(*^.^*)エヘッ
(あっちの管理人さん)
ふふ、わたしもあっちの管理人さまソフト情念系♪って思いました。
(のばらさん)
「それとなく情念系」上品で良いですよね。ピロートークも句になりますね〜。
(はなはなさん)



「昨夜は、おるいさんの所だったんでしょう。今朝は、顔に描いてありましたよ」
「源さんも年寄りになったもんだ。嫌味なことをいうもんだぜ」
悪態を叩き合いながら、運ばれた鰻飯を食う。
「わかれ橋」より
源さんって前からさりげなく東吾さんやるいさんをからかっていたけれど、お千絵さんと祝言をあげてからは更にあけすけになってきた気がしますね(笑)東吾さんもるいさんも熱い夜を過ごした朝は、きっと源さんならずとも皆にバレバレ?イヤン!勿論嘉助さんもお吉さんも口には出しませんけど(*^.^*)エヘッ
   
鰻食べ友の嫌みに苦笑い
   

そうですね。祝言前の源さんは「手前には…」なんて朴念仁をよそおっていたのにこんなことも言っちゃうんですね。



涙ぐんで頭を下げる新助夫婦に手を上げて、東吾は町の辻で駕籠を頼み、るいを乗せて大川端へ帰って行った。
「わかれ橋」より
今回の「わかれ橋」の競作ポイントは、東吾さんとるいさんの蚊帳のシーン(笑)とラストシーンかなと思います。詠んでみたいけど、でもなかなか難しくて…
でも右と左にそれぞれの道をいかなくて本当に良かった。やっぱり大事な人にこそ、言葉にして想いを伝えないといけないのですね。
   
わかれ橋夫婦二人のもどり道
   

おっしゃる通り、ここはかなりの競作ポイント。「わかれ橋」の詠み方はいろいろですが皆、明るいお句になりました。
夫婦の機微がよく解かる句ですね
(すみれさん)