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 江戸の子守唄
「新装版 江戸の子守唄」より  (平岩弓枝著:文芸春秋刊)
先月は素晴らしい五七五のほかに、たまこさん&紫陽花さんから素敵なオマケも送っていただき、拙宅に花を添えていただきました。ありがとうございました。
ついついその後のお話も盛り上がって、狐のことから江戸の貸し金業のことまで、話題が広がりましたね。

ところで、数年前から出版界では文庫本の新装化が進んでいましたが、ついに「かわせみ」も先月から、新装版が発売となりました。
先月は2冊、7月以降は毎月1冊ずつ出版されるそうです。

そこで今月はその新装版の中から「江戸の子守唄」を選びました。

るいさんと東吾さんはもちろん、二人を取り巻く人々の切実な思いが交差する、初期の忘れられないお話ですね。

さあ、今月はどんな五七五になりましたでしょう。
(平成十六年四月)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

ちょっと忙しくてこのところPCにたどりつくまでがなかなか。
今月は勝手ながらパスいたします。
皆様の句を楽しみにしています。
(朝霧さん)
江戸の子守唄は代表作ですものね。
参加したかったのですが読み返す時間も、
見直す時間も取れなかったので、
残念ですが今回は見送りました。
今回も皆さん力作のようですね。
(茜雲さん)
私事ですが、今月から幼稚園の役員をすることになり、
毎日毎日なぜ?と思うほどの 忙しさです。
ご本家もたまこ様のところへも三日に一度くらいしか
お邪魔できないでいます。しかもロムのみです。
今月は使いたい言葉が浮かんでもそれをまとめることも
展開させることも出来ませんでした。
以前読んだ英語俳句についての記事に「俳句は説明ではなく描写だ」
ということが書 いてありました。難しいですね。
(浅黄裏さん)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 あっちの管理人さんの五七五 

この春の企画独楽吟は本当に素敵な企画で、皆さんの楽しいことをこちらも一緒になって楽しませて頂きました。俳句熱が高まっていたところにドンピシャリの企画でしたね。掲示板をみてると皆さん苦吟されているいるようで、きっとまた素晴らしい句が集まることと思います。いつも思うのですが、こんな拙い句で参加させて頂くのは心苦しいのですが、オリンピックの精神で大目に見て下さい!
 (UP後に)
投稿順ということで一番最初に載せて頂いて、とっても恥ずかしい・・・ しかも始めっから情念系(?)で申し訳ありませんでした。大好きなお話なんですが、好きだから何か浮ぶってものでもないんですよねぇ。好きなシーン、好きな台詞が沢山あって、どこを 纏めたらいいのか、なんて考えてたらよけいまとまらなくて(笑)でもこの頃の東吾さんとるいさん、お互い好きだってことは心の中では分かっているのに、まだ自分達の間柄をどうしたらいいのか思案している感じで、意地を張ったり、本心を開かさなかったり、恋の駆け引きってとこなのかな。ワクワクドキドキしながら、頁を繰ったものです。東吾さんの困惑、るいさんの寂しさ、七重さんの哀しさ、香苗さんの決意、源さんの友情、嘉助の不安、お吉の心配、いろんな思いの詰まった「江戸の子守唄」でしたね。
(あっちの管理人さんの談)

東吾の帰りを待ち、彼の返事を待ちかねているのを知っていて、故意に「かわせみ」へ泊ったのは、この際、るいのことを兄にも兄嫁にもはっきりさせようと考えての上である。
  (略)
東吾の腕の中では、夜ごとに新鮮な燃え方をみせるるいであった。
「江戸の子守唄」より
東吾さんが七重さんとの縁談をいよいよ詰められて、どうするのかという展開で、るいさんとのことを兄上に打ち明けようと決めた時…ちょっとはなはなさんの情念系、入ってます? 私にはせいぜいこのくらいしか出来ませんでした!(笑)
   
心決め 春暁に妻を抱く

今月はあっちの管理人さんのソフト情念系で幕が開きました〜(きゃ)
あちらの管理人さまの「ソフト情念系」で幕が開く、というのは「江戸の子守唄」にふさわしいですよね。このお話が東吾さんとおるいさんの恋のターニングポイントになったと、花みずきさんが言われましたがまさにその通りだと思います。切ない恋の行方を決める東吾さんの気持ち…ステキな御句だなぁ…と思いました。
(はなはなさん)
「江戸の子守唄」って「かわせみ」のエッセンスが凝縮しているような作品なので、いつもは比較的、抑えた感じの詠み方をなさっているように思える管理人さんが、今回全開!なのもうなずけるし、とても素晴らしかったと思います。
(たまこさん)
「心決め」に東吾さんの強さと生一本さ、凛々しさも感じました。いつもおるいさんに対してまっすぐな東吾さんですよね。
(のばらさん)



当分の間、東吾は「かわせみ」へ出かけることを慎んだ。 (略)
桜はあっという間に散って、春は初夏へ小走りに走って行ったが、東吾はそんな毎日を神妙に八丁堀の道場へ通ったり、終日、机にむかって居たりする。
「江戸の子守唄」より
七重さんにもるいさんにも気をかねた東吾さんが、一月近くも「かわせみ」 から遠ざかっていて、るいさんがどんな気持でいたかと思います。辛い辛い時間、お吉さんや嘉助さんにも言えないで、一人でじっと待ち続けたんでしょうね。ちょうど八重桜が咲き始めた頃…
   
八重桜 花の盛りは待つばかり
待ちわびて 暦重ねて 春寒し
   

桜の盛りがいつの間にか八重にという時の経過の表現に、ハッとさせられました。
私の好きなのは「八重桜…」かな。さりげないようでいて、しっとりした情感が感じられますね。
(たまこさん)
「待つばかり…」にるいさんの辛く深い心の内が見えるようです。東吾さんを待つことしか出来ない自分の立場、遣る瀬無いですね。
(蛍さん)



捨て子に夢中になって辛さを紛らわそうとするるいさん、稽古で憂さをはらそうとする東吾さん。つまらない意地を張って、るいさんも「かわせみ」 のみんなも、そして自分をも傷つけてしまった東吾さん、やっぱり罪作りですね。そして七重さんはるいさんと同じように子供の頃から好きだった東吾さんをきっぱりあきらめようと、辛い選択をする。そんな人々のいろんな思いの上に、東吾さんとるいさんの幸せがあるんだなぁと思いました。幸せになって添い遂げないと罰が当りますよね。
   
(つま)の背に うっとり添いて 春うらら
   

最後の御句は、管理人さんご自身のことだったりして〜§^。^§
(たまこさん)
管理人さまらしい優しいお句ですね〜。拝見している私も優しい気持ちになります。「春うらら…」にるいさんの幸せな心を感じました。
(蛍さん)
「夫の背に」にはほのぼのしつつ、おるいさんの祈るような心を考えてしいました。
このひとときを大切に思いつつこの幸せがどうか続いて欲しい…、というような。考えすぎちゃったかしらとも思いますが、初期の不安なおるいさんだからこその幸せなひとときのお句、のように思えました…。
(のばらさん)



 すみれさんの五七五 

ご本家管理人様が一番手で提出とのこと。今月の五七五は皆様にも手ごわいのですね。(~_~;) おそるおそるですがーーよろしくお願いします。今月の競作場面はどこなんでしょうか?−−名場面がありすぎますね。
 (UP後に
今月の五七五、どなたもさすがの出来栄えです。わたしのつたないはいくにも皆様の温かいコメントをいただき、舞い上がって、たまこさまの掲示板へもデビューしてしまいました。(ワクワク)
(すみれさんの談)

知らない人がみたら、母親が我が子を遊ばせている風景とみるであろう。実際、それくらいの娘があっても可笑しくないるいの年齢でもあった。
「江戸の子守唄」より
東吾さんもるいさんもお文ちゃんではなく、自分たちの子供(将来の千春ちゃん)を夢見ているような綺麗なシーンですね。
   
まぼろしの吾が娘が拾う花しずく

今月の競作ポイントの一つです。ホント、綺麗なシーンですね。
「花しずく」、素晴らしい表現ですね。私もこのシーンは花のはかなさをおるいさんの思いのはかなさに託したかったのですが…上手くいきませんでした。お文ちゃんと花びらに引っ掛けた恋の行方が良いですよね。
(はなはなさん)
「花しずく」きれいな言葉ですね。素敵…。そしてなるほど、今まですすんだお話を知っているわたし達には千春ちゃんを思って「まぼろし」にも思えるシーンですね。
(のばらさん)



二人の熱いシーンは、情念系の大家におまかせですが
   
忍ぶ仲せつなく燃えて春愁い
   

「忍ぶ中…」もう、ロマンチックな響きですね〜。恋は障害がある程に燃えるものです。
(蛍さん)



「あいつの子供好きは、いささか度がすぎているらしいな」
「人間誰しも苦しいものが心にある時は、なにかに夢中になることで、憂さを忘れようとするものですよ」
「苦しいものが心にある……」
「江戸の子守唄」より
このときのるいさんは
   
耐えてなほ恋慕いよよに春哀し
   
その気持ちをわかってやれない東吾さんは、まだまだ青いです。
   
行く春やさびしい肩に子守唄
   

源さんの「人間だれしも…」の言葉は、名言ですね。「春哀し…」にるいさんの耐え忍ぶつらい心が伝わって来ました。「さびしい肩」ですか…。ううん〜、一本も二本も取られた思いです。このひとことに全てが込められているように感じました。
(蛍さん)



「私が、おるい様をお呼びしましたの。東吾様を本当にお好きなら、深川までお出でくださるようにと…・・・お出で下さらねば、七重が東吾様を頂戴いたします・・・・・・」
七重が泣いた顔で笑った。
「江戸の子守唄」より
七重さんが現代娘のように、積極的に行動をおこして、でもるいさんにゆずるシーンはなかなか五七五に作れなくてーー『かわせみ読本』文庫のきれいな挿絵が浮かんできました。
   
恋ゆずりいつか幸よぶ花衣
   

この時期の七重さんは本でもドラマでも敵役って感じですが、泣いた顔で笑える心根が、その後の幸せにつながったのですね。
すみれさんも要所要所をピタリと決めて実力派〜って思いました。「花しずく」「花衣」などの季語の使い方が素敵ですよね。なんせ自分が「春」とか「桜」とか単細胞な使い方しか出来ないもんであこがれてしまいます。
(たまこさん)
わたしも「七重さん泣かないで〜宗太郎さんが待ってるから〜」と思いました。でも句には作れませんでした。ぴしっとはまってすごく素敵なお句ですね〜。こでまりさまのお句とも響きあってる感じです。
(のばらさん)



嫁いで五年して子が出来なければ離縁するという家のきまりに従って、お才を離別したに違いない夫にも、未練はないとお才はいった。
「江戸の子守唄」より
香苗さまやお才さん、立場は違うけど。現代までも続きかねない男の理不尽さに喝!を入れたいです。
   
かすがいは子供だけぞや夫婦みち
   

「かすがいは…」も、硬くなりがちな内容が、すんなりと詠まれて心に残る一句ですね。
(たまこさん)
男の理不尽に「渇」!!そうそう、その通りですよ〜。
(蛍さん)



 たまこさんの五七五 

今月は(も)皆さん、苦吟されてたようですね〜。私も、もっと推敲したいところではあるのですが、えいやと送ってしまいます。
 (UP後に)
今月の五七五、皆さん苦労のかいあって名作ばっかりですよね。長くなるのでまたメールしたいと思いますが、あっちの管理人さんもブレイクだし、悩んでらっしゃったはなはなさんも境地を開いてらっしゃるし、わわ〜と思うばかりです。紫陽花さんのオマケも2つもある!一読して反省したことは、季語以外の語彙をもっと深めなきゃ〜ということです。
(たまこさんの談)

満開とみえた時が桜はすでに散りかけているというが、風があるとも思えないのに、間をおいては一片、二片と舞い落ちてくる花片を、二、三歳の幼女は木の下を走り廻って、紅葉のような両手に嬉々として受けとめている。
「江戸の子守唄」より
   
花びらを追うて幼き手の揺れる

幼子の手そのものが花のようですね。
「花びらを」今回の競作ポイントのシーン、わたしもうっとり読んだものの句は思い浮かびませんでした。子供といっしょに桜の下で遊んでたのに〜。このたまこさまのお句もいいですね。その時の自分の子どもを思い出してしまいました(^-^)(あつかましいです〜。)
(のばらさん)



「どこかへお出かけでございましたの」
後へまわって着がえを手伝いながら、るいは東吾が他行着であったことに気がついた。
  (略)
「麻生殿まで行った帰りだ」
「江戸の子守唄」より
   
他行着の男の春着胸を刺す

この時期のるいさんが七重さんの存在をどの程度知っていたかはわかりませんが、恋する女性の微妙な心理を鋭くついたお句で、心に残りました。
本文の他行着は何も考えずに読んでいました。そうか〜、一緒に暮らしていないからこそ、そういうことにも 敏感になるんですね。たまこ姐さんの年輪の深さ、もとい女性の気持ちを読み解く鋭さに感服です。
(蛍さん)



「実は、今朝早くに麻生様の七重様がおみえになりました」
  (略)
「差し出たことをする奴だな」
東吾はいささか中っ腹であった。  (略)
「そうですかな」
源三郎は穏やかに受けた。
「江戸の子守唄」より
   
朝風呂の友を待ち居る春の居間
   
穏やかに友たしなめて朝桜
   

いつもながら着想の鋭さが光りますよね。「幼き手の揺れる」にしても「他行着の」にしても「朝桜」にしても。
(はなはなさん)
この場面は、お坊ちゃん東吾さんと苦労人源さんが良く現れている場面と思います。七重さんの気持ちに対して八つ当たり気味な東吾さん、源さんの心配りが光っています。
(蛍さん)



「それもございますけれど・・・・・・半分は私の願いのようなものだったと思います」
「願い……」
「東吾様が本当にお酒をおすごしになって、私どもへお泊り下さるほど、お心を許して頂けたら」
「江戸の子守唄」より
最後のは、たぶん初の「七重ちゃん五七五」だと思いますが、ちょうど、ご本家の山吹イラストや、もう一つのはいくりんぐサイトつながりで、「七重八重…」の歌が話題になったのも嬉しいですね。
   
行く春よ願いを嘘と呼ばないで
   

七重さんの心情を見事に切り取った切なくて、涙が出そうな一句です。
七重さんの句は「ああ、七重さんも苦しんでるんだよね」ってあらためて気づきました。このときばかりは東吾さんを「もててると自覚のない、ヤな男」と思っちゃいます。
(はなはなさん)
生意気そうに振舞っている七重さんですが、そうしなければ気持ちがくじけてしまうのでしょうね。東吾さんにその辛さが分かるかな〜。「行く春」に「行ってしまう東吾」さんが重なりました。はなはなさんのコメントにも拍手〜。
(蛍さん)
いつも情念系は遠い〜とおっしゃってるたまこさまですが、やっぱりふところが深いです。本当に切ない恋のお句です。。。本当に東吾さんのお嫁さんになるんだって、当たり前のように七重さんは信じていたかも、それを思いきる、そしてその人から責められるのはどんなに辛かったか…。わたしも「行く春」の東吾さんが行ってしまう、のが重なって切なく感じました。
(のばらさん)



 のばらさんの五七五 

「江戸の子守唄」を改めて読み返して、改めていいなあ〜って思いました。東吾さんるいさん七重さん香苗さんのそれぞれの思いがすごく濃密で、切なくて。全体通してみんな若いなあ〜!と感慨しきりでした。そのみんなの若さ、苦悩、恋がこの時期の散る桜から葉桜の時期にすごく重なるんですよね。この時期がすごくぴったりで。。。ひたってしまいました。(でも苦しかった…)
 (UP後に)
今月も読みごたえいっぱいでした。お話にひたったのとおなじく、皆さんのお句もゆっくり何度も読んでました。改めて濃い、切ないお話だわ〜とひしひし実感。。。 かわせみレギュラー陣オール出演という感じのお話も、初期の頃にはあんまりないですよね。
(のばらさんの談)

東吾さんおるいさん、そして七重さんに香苗さんの恋心や想いが幾重にも重なっているお話なのですね。毎年、毎年、季節がくれば咲く桜。それぞれどんな思いで夜を過ごし桜を見つめていたのでしょう。(七重さんの名前いれて見ました♪ご本家の話題からぱくったんじゃないんですよ〜(T_T)偶然なんです〜)
   
約束も誓いもなくて桜咲く
恋う心桜月夜に七重八重
   

もちろんパクッたなんて思っていませんよ(笑) 重なり合って咲く桜のように、個人の思いはより深く、互いの思いも交差していますね。
「約束も」は季節が来れば桜は咲いてくれますが、人の気持ちはそうは行かないですね。桜との対比に、どうにもならない人の世の無常を感じました。「恋う心」はやられた〜の思いです〜。(笑) 今月は名前を読み込む余裕もありませんでした。「桜月夜」綺麗な言葉ですね〜。
(蛍さん)



割切ったつもりでも、心のどこかに七重との縁談がひっかかっているらしく、東吾はいつもより激しくるいを愛撫した。明日こそ、兄にるいのことを告白するのだという興奮も手伝っている。
「江戸の子守唄」より
この頃はおふたりの切ない思いが嵐のよう。そして七重さんも嵐の中にいたのではないかしらと思います。
   
ふれるひと思えば熱き胸乳抱く
絡み合う全て振りきれ春嵐
   
花となリこの身昇らせ白き空
   

やーん、のばらさまエッチ!!情念系三部作ですね。最後の「白い空」も実は深読みするとすごいエッチなの…。
(はなはなさん)
わたしの句にはなはなさま蛍さまからキャ〜うれしはずかし感想が〜。与謝野晶子の歌集を読んだりしながら練っていたので、このくらい大胆でもいいんだあ〜と思ってちょっと大胆だったかも知れません。わはは。「花となり」は花吹雪が空に吹き上げられるのを見ながら作りました。(ふふふ)
(のばらさん)



寝ぼすけ東吾さんを置いてそっと先に起き出したおるいさんの気持ちで。
   
(かいな)解き起きいだす春朝惑い

(はなはなさまを真似て)キャ〜のばらさま〜エッチ(笑) 東吾さん、朝までしっかりるいさんを…。これ以上はとても言えません。(熱〜)
(蛍さん)



「本所から八丁堀まで、夜明け前の道を走って、手前をおたずね下さるのは、七重様のような世間知らずのお嬢様にとってどんなに思いつめてのことかと存じますが……」
「江戸の子守唄」より
源さんの名台詞の一つだと思います。七重さんは川も橋も渡って八丁堀に行ったのだと思ったので。七重さんも大好きです。 (ちょっと意地悪な事言う東吾さんも若いなあ。)
   
傷つかぬ恋などなくて川渡る

江戸の地図を見ながら「川沿いの道を走ったんだなあ」と私も思いました。
「傷つかぬ恋などなくて」「約束も誓いもなくて」この二つは今回の私のだけのベストです。良いなぁ…そうなんだよなぁ…となんだか御句の中に吸い込まれていきそうでした。のばらさま、さっすが〜♪
(はなはなさん)
のばらさんも絶好調!ですよね〜情念系の解説は、はなはなさんにおまかせするとして(笑)「傷つかぬ恋などなくて」はドキっとしますね。
(たまこさん)
まったく〜、東吾さんは人の気持ちが分かっていませんね。どれほど皆を傷つけているのか、ちょっとは自覚しろ〜。(笑)
(蛍さん)
「川渡る」のこのシーンは、万葉集の但馬皇女の「ひとごとをしげみこちたみおのが世に今だ渡らぬ朝川渡る」という歌(忍ぶ恋人との事を人々から責められそれでも恋人にあいたくてわたしは朝の川を渡る、というような歌)が思い浮かんだんです。七重さんとは状況も思いもちがうんですが。
(のばらさん)



東吾さんが1ヶ月もこなかった間のおるいさんの気持ちなりきりです。 このお話の本文にはないのですが東吾さんのための着物もおるいさん、沢山縫ってますよね。それを空蝉になぞらえて。
   
時めぐり知る日来ただけ空蝉や
   
空蝉の軽さ抱く宵音も無く
   

「空蝉」への連想も、見事やられたという感じです。
(たまこさん)
「空蝉」という発想に、のばらさんの感性の豊かさを感じました。着てくれるあてもないのに、そうせずにはいられない切ない女心、ううん〜私には足りないです〜。
(蛍さん)



「お文は、私の命でございます」
二度とお文を奪われないためにも、知らない土地でひっそり暮らしたいという。
  (中略)
大川を威勢よく漕ぎ下る櫓の音が、如何にも、初夏であった。
「江戸の子守唄」より
ちょうど赤ちゃんぽい時期から幼児らしい愛らしさに変わる時期のお文ちゃん。健やかに育って欲しいです。
   
若葉の子育てや育てと櫓が唄う

お文ちゃんを囲むみんなの心が集まったようなお句ですね。お文ちゃんが櫓の音を覚えていてくれるといいな。
情念系とうってかわって、若葉と櫓の音に子供の健やかな成長を願う一句も、さわやかで素敵ですね〜
(たまこさん)



 こでまりの五七五 

「江戸の子守唄」は手が出しにくいなあと思っていたのですが、避けては通れないお話ですね。東吾さん・るいさんはもちろん、神林家・麻生家の人々が、それぞれの立場で覚悟をしたお話。誰も悪い人はいないのに、読み返すたびに切なくて、感慨深かったです。今月は「独楽吟」のせいか、五七五七七が多くなってしまいました。
 (UP後に)
「苦吟・苦吟」の大合唱で、一時は自分も含めてどうなることかと思いましたが、さすがに皆様、きちっとまとめてこられましたね。いろいろと感想を書かせていただくのは、勉強にもなるし楽しいのですが、気になるのになんて書いていいかわからない五七五があって、(すみれさんの「耐えてなほ〜」とかはなはなさんの「思うしか〜など)、皆さんがどんな感想を寄せられるのかにも期待しています。
(こでまりの談)

神林東吾は「かわせみ」の宿のわきに立って、そんなるいと幼女を眺めていた。
  (略)
心に屈託があるので、東吾は暫く、そんなるいをみつめていた。
「江戸の子守唄」より
   
花びらと戯る妻のまぶしくてかける言の葉胸に浮かばず

「言の葉」…。はぁ〜、胸に沁みます〜。その時の東吾さんの気持ちそのもののようです。
(蛍さん)



七重さんはすぐに、東吾さんが泊った先を察したはず。それを知りながら、ゆうべ言ったことへの後悔と、東吾さんにわずかでも心情を受け入れてはもらえないかという、かすかな期待を持ちながら走ったのではないかと思うとひどく切ないです。
   
波のごと寄せる願いと後悔を抱(いだ)きて走る朝の川端

この歌、好きです〜。七重さんのいじらしさ、大好きな東吾さんに嫌われたくない一心、それだけですね。甘く哀しい七重さんの心に打たれ ました。
(蛍さん)
「朝の川端」わたしも朝早くひっそり道を急ぐ七重さんが思い浮かびました。七重さんはこの時はまだ願いの糸は繋がっていて欲しいと一途に思っていてかもしれませんよね。「波のごと寄せる願い」という表現が、思いがゆきつ戻りつして揺れる七重さんの切なさにはまっていて、うなってしまいました。
(のばらさん)



それに海をみて酒を飲んでいると、何故か、しきりにるいのことが心に浮ぶ。
  (略)
一カ月近くも遠ざかっていて、るいがどんな気持ちでいるかと思う。
「江戸の子守唄」より
   
沖見ればただ妻恋し暮れの春

東吾さんが海を見ながら…のシーンは、トライして挫折したシーンなのでちょっと悔しかったです(笑)。
(たまこさん)



深川での七重さんは、言いたいことだけ言って帰った勝気なお嬢さんのように思っていましたが、この時の会話をよく読むと、みな過去形なんですね。区切りをつけた自分の恋心が後戻りしないように、わざとるいさんまで呼びだして…、そんな七重さんがいじらしいです。
   
頬つたう涙ぬぐわず過去形で恋語る女(ひと)春は過ぎ行く

るいさんを呼び出した理由…。私も同じように感じていました。そうしなければ東吾さんを諦める心が挫けてしまいそうになるのでしょうね。自分から東吾さんに背を向けて帰って行く七重さん、「春は過ぎ行く」に七重さんの辛さを感じることが出来ました。
(蛍さん)
「頬つたう」の前がきにまずはっとしました。過去形…。 そうだったんですね。るいさんを呼び出してまで、思い切ると言うのは気付きませんでした…。改めて七重さんが好きになっちゃったかも。「春は過ぎ行く」のおさえ目の表現がこのシーンの七重さんにぴったりですね…。
(のばらさん)



自分が傷つくのは耐えても、人を傷つけることは……ならぬといわれました。私がどうしても東吾様をあきらめないのなら、自分もすべてをあきらめて、神林家を出るとも……
「江戸の子守唄」より
人生はサバイバルですから、無理にも東吾さんの妻になることはできたはず。でもそうして妻になったとしても、いずれ七重さん自身が耐えられなくなる、そのことを一番知っている香苗さんなのだと思いました。
   
他の人の不幸の上に成る恋に甘んじられぬ姉妹にしあれば
   

なんだかうんうんとうなづきながら拝見しました。とくにラストの香苗さん・七重さん姉妹のかなしさ、につまされました。そうか、七重さんにシンクロしたのか…それともわかんなかったからあえて七重さん視点で詠まれたのか…どちらなんでしょうね。不思議です、ここまで御句が考えさせてくれるのですね。
(はなはなさん)
前書きの部分ですが、「無理に妻になったとしても、いずれ七重さん自身が耐えられなくなる」そして姉としての香苗さんの思い、何度も読み返した話ですが、改めてなるほどと思いました。
(たまこさん)
このお句の前がきにもハっ!わたしはそこまで思いがいたりませんでした。いつも聡明で清らかな香苗さんらしい、切実で誠実な言葉ですよね。七重さんだって素敵な人、「一緒になっちゃえば こっちのもんよ!」と言っちゃう姉妹もいたっておかしくないのにそれをしないまっすぐさが、なお切ないですね。でも宗太郎さんが待ってるからね〜!って叫びたいです(笑)
(のばらさん)



 はなはなさんの五七五 

できない、できない、と悩んでいたのですが、あちこち詠むところを迷っていた、浮気をしていた、というのが正しいのかもしれません。「ここだけでいい」と切り捨てて、自分の思いだけ見つめていたら、書きとめていた断片も何も必要なく、「江戸の子守唄」を読み返す必要もありませんでした。
今回は「どこを詠みました」というのも、「こういう思いで詠みました」というのもあらためて申し上げることはないような気がしました。あまりお話に添いすぎていては、私は詠めないのかもしれません。
 (UP後に)
切ないなぁ…と思わせてくれるお作が多いんですね。で、ことばもすごーく考えて選ばれてますよね、そんな気がしました。それがお作の切れのよさになっているんでしょうか。たまこさまが季語以外の語彙を増やさなければ…なんて掲示板でおっしゃっておいでですけれど、そんなの必要ないんじゃないか、と思うぐらい新しいことばに挑戦されているのがステキでした。
(はなはなさんの談)

   
淡き夢降るような花受け留めて

今月は拙宅に参加し始められた頃のはなはなさんを思い出しました。
お使いになっている言葉全てが美しくて、うっとりしてしまいました。桜の色のような印象のお句です〜。
(のばらさん)



   
思うしかできぬゆずれぬ春なれど

平岩先生は東吾さんを「春風のよう」と描写していますね。その春を巡ってふたりの女性の複雑な心の内を、見事に表現なさっていらっしゃるように思いました。
(蛍さん)



   
やさしさのむごきことばがつもりゆく
   

恋している最中やはじめの頃、相手に投げかけられる言葉はちょっとしたことも倍以上心に響くんですよね。うれしい言葉も辛い言葉も。おるいさん七重さんの心情を思ってしまいました。どのお句も今回も素敵で…。春らしい、でも切ない淡い色合を感じてしまいました。
(のばらさん)



   
紅花の終い染めにも似たる恋



   
春の宵迷いの川の横たわる
   

いろいろな人の思いを容れて流れる川。越えられそうで越えられない心の川ですね。
はなはなさんは、「情念度」(?)こそ今回やや薄めだったかもしれませんがどれも深いものがあって、新境地という気がします。とくにどこのシーンというのでなく、「江戸の子守唄」全体を象徴するような作品が中心でしたが、そういうのも、とても楽しみですよね。
(たまこさん)
るいさん、東吾さん、七重さん、香苗さん、みんなそれぞれに迷っているんですね。やっぱり「はなはなワールド」健在です〜。
(蛍さん)



 紫陽花さんの五七五 

今月の俳句を送ります。よろしくお願いします。最近はどっちがオマケなのかわからない感じです。みなさんの俳句楽しみです。よろしくお願いします。
 (UP後に)
あの2人組を二つも載せていただいてありがとうございます。一度はボツにした桜拾いも復活することができ、あいつらは大変喜んでいます。 「こでまり師匠はやさしくていい人だなぁ」と感激の様子です。 最近はみなさんがかわいがってくれてうれしい感想をいただくので、湯飲みと茶たく図に乗って大きく巨大化しています。
(紫陽花さんの談)

「お前が来なくったって、俺はここに来る。つまらないことを考えるな」
るいの肩が、はっとするほど薄くなっている。
「子供はどうしたんだ……」  (略)
「今夜は、お吉があずかりますって……」
はにかんで、るいが赤くなった。大川端は久しぶりに夜霧が出た様子であった。
「江戸の子守唄」より
お吉は子供をあずかり夜霧はムードをもりあげる
   
この夜をお吉も霧も気をきかせ


「この夜」に注目したのは紫陽花さんだけでしたね。夜霧も粋です。あらら、狐火まで便乗していますね。そのうち赤くなったりして(笑)
紫陽花さまのはお吉視点ですね。意外性がさすが紫陽花さまですね。でもお吉が「まぁ、ま(にっこり)」なんてお文ちゃんに添い寝しながら一人でほくそえんでる感じかな。
(はなはなさん)
2人の覗き見も笑えるし、やや紫がかった背景に映える桜の花びらの色の美しさ(千姫さん、いいなー!)にもうっとりしましたが、 お吉と夜霧の連携プレーに注目!というのが、誰にも真似の出来ない所ですよね〜。これだから、皆「はいくりんぐ」にハマっちゃうのですよね。
(たまこさん)
何にでも首を突っ込みたがるお吉さんですが、この夜だけはね〜。(笑)ロマンチックな夜の演出には「霧」が似合いますね。
(蛍さん)
キャ〜〜かわいい(*^-^*)こんなかわいい二人組がのぞいてるのに気付いたら捕まえちゃいたい♪それにお句はしっとりシーンもぷって笑っちゃうようなお吉さんもちょっと照れちゃうよな、って思っちゃうようなほほえましい感じですね〜
(^-^)
(のばらさん)



オマケですが、本文にはないシーンです。
説明がなければわからないと思います。
例の2人組は、るいさんの部屋の
“この夜”を覗いているんです。
障子に穴あけて。
この夜を詠んだ人は多いと推測します。
覗かれています。
紫陽花さんの、おまけも最高です、あの二人、「はいくりんぐ」の 名脇役ですね〜、情念系のお句で「ホワ〜ン」とし、あの二人を見て 「ぷっ」と吹いてしまいます、わたしにとってあの二人「癒し系」かも。
(花みずきさん)
障子に穴あけてるおふたりさん、ついに「かわせみ」に侵入したのですね。あれ?きつね火さんは湯呑みくんになついちゃったの???
(はなはなさん)
紫陽花さまの「おまけ」、可愛いですね〜。気持ちが暗くなっても、お茶目なコンビに出会うとホッとします。紫陽花さま、いつも有難う御座います。
(蛍さん)



 花みずきさんの五七五 

「江戸の子守唄」は東吾さま、るいさんには、ターニングポイントだったと勝手に思い込んでいるのです、だから七重さんと東吾さんの場面を中心に考えようと思ったのですが出来ませ〜ん!甘かった…
 (UP後に)
やはり、情念系炸裂してましたね〜(笑)私も乱入!したかったのですができませんでした〜(最近そんなん、ばっかり)
(花みずきさんの談)

「すまない。お吉……俺がつまらぬ意地を張っていたのだ。もう二度と、るいにもお前達にも心配はかけない」
「江戸の子守唄」より
   
やせ我慢 つまらぬ意地が 妻泣かせ

愛情の裏返しなのかもしれませんがちょっと意地を張りすぎましたね。でもちゃんとわかってくれたから
許します(笑)
意地なんて張らないで、さっさとるいさんに逢いに行けばいいのにね〜。まったく東吾さんて子供なんだから〜。
(蛍さん)
「やせ我慢」本当にそうですよね。全くやせ我慢です。そういう東吾さんの若さも好きなこのお話です〜。
(のばらさん)



「ああ、これでございますよ。これも紅花染めで……」
番頭が俄かに声を低くした。  (略)
「もしや、お名前はお文さまとおっしゃいませんか」
番頭の問いに、今度はるいが絶句した。
「江戸の子守唄」より
   
紅花が 親子の証し 立てにけり


ここは詠んでみたかったのですがうまくまとめられませんでした。
私もここでもうんうん唸っていたんですが結局ペケでしたので…拝見してこんな風に素直に詠めばいいんだな、と思いました。
(はなはなさん)
花みずきさんの「紅花」、私も紅花で一つ…と思いながら出来なかったんです。花が人間を導く、というテーマは「卯の花におう」などもそうでしたよね。
(たまこさん)



 千姫さんの五七五 

六分咲きの桜に、三日続きの雨が降って、江戸の人々をやきもきさせていたのが、今朝はからりと晴れ上ってすがすがしい春日であった。  (略)
るいは、又、その子と一緒になって、袂に花片を受けていた。
「江戸の子守唄」より
一句めはもしかしたら、どなたかの句の記憶かもしれません
   
ぱっと咲き ぱっと散りゆく 桜かな
桜咲く 命短し 嬉々と舞え
   
散る桜 その姿さえ 美しく

先日も実感したのですが、桜は花びらが一枚落ちてきただけでも本当に心を動かされる美しさがありますね。そして何故だか、「命」とも重なります。
三つのお句が連動しているんですね。お師匠さまの仰る通りに、桜には「命」を感じますね。他の花にはない桜の潔さ、その桜を三連のお句が見事に表わしているように感じました。
(蛍さん)
「嬉々と舞え」って勢いもあってきれいでキップのいい表現ですね〜、すごく好きです。お茶托くん&お湯のみくんがここでもラブり〜♪
(のばらさん)
今月はもう一つ
紫陽花さんからオマケがありました!
今月の競作ポイントとなったこの場面
桜をたくさん詠んでくださった
千姫さんに添えさせていただきます。
桜の三部作もステキですね。茶托くんが可愛いなぁ…紫陽花さま、どうしてこんな可愛いアイデア思いつくんでしょう。
(はなはなさん)
紫陽花としては千姫様の素敵な俳句の余韻を楽しむところをぶち壊しているようでおろおろしています。それにしてもあいつらには桜は似合わない!
(紫陽花さん)
このふたりは何をしても可愛いです〜。湯のみ君は茶たくちゃんをお花で飾って、楽しんでる〜。風に舞う桜の花びらを手にしたくなる気持ち、良く分かります。
(蛍さん)



男の我儘で、東吾は赤の他人の子に夢中になっているるいが不満だった。女というものは、他に夢中になる対象があれば、亭主のような男の存在を忘れていることができるのだろうかといまいましい。
ちょっとした意地もあって、東吾はやせ我慢をして「かわせみ」へ行かなかった。
「江戸の子守唄」より
   
会わぬ訳 何ひとつ無し 意地っぱり

二人とも意地を張っていたんでしょうが、これがきっかけでお互いの存在の大切さをより実感したんでしょうね。
千姫さまの「会わぬ訳」って覚えがあるのでちょっと困ってしまう…。で、取り返しのつかない目に遭っちゃうんだもん、もうやめましたけど…若いときは意地張っちゃうのよねぇ…としみじみ遠い目(^^;)ゞ
(はなはなさん)
相変わらず、発想がとてもいい所をついていて、ズバっと言っているのが、真似の出来ないところです。はなはなさんの感想も「そうだったのか!」目からウロコです(笑)。
(たまこさん)
このお句を拝見しながら、そうそうとうなづいていました。るいさんが東吾さん以外のことに夢中になれるはずもないのに、そこが分からないのでしょうかね〜。
(蛍さん)



 蛍さんの五七五 

いつも以上に全く言葉が浮かびませず、送ろうかどうしようかとズルズルと考えているうちに、UPの日になってしまいました。でも、「江戸の子守り唄」は二度とありませんし、そう思うとお恥ずかしい句ばかりなのですが、やはり送らせて頂こうとご迷惑を承知でまとめてみました。源さんの男気、我儘な東吾さんと詠んでみたかったのですが、これ以上はギブアップです。
皆様のお句を拝見すると、くじけてしまいそうですので、送らせて頂いてからゆっくりお邪魔いたします。
 (UP後に)
江戸の子守り唄」は、るいさんと東吾さんの複雑な間柄が随所に描写されていますね。それぞれの登場人物も、性格がよく分かります。律儀な源さん、我儘な東吾さんとよく出来た兄夫婦とちょっと気の強い七重さん。そういった性格描写のようなものを、皆様凄〜く読み込んでいらして、それを五七五にまとめていらっしゃいます。るいさんと東吾さんの微妙な関係を、切なくて甘くて、とても心に沁みました。「かわせみ」の数多くのお話の中で、この「江戸の子守り唄」は 一番多く読んでいると思います。去年の今頃はまだ俳句の「は」の字にも縁がありませんでした。「江戸の子守り唄」が今年で本当に良かったです。
(蛍さんの談)

本文の描写とはまったく的外れなのですが、この頃のるいさんの不安定な立場が、散っていく桜の花びらと重なりました。
   
絶え間なく 何故にそれほど 散り急ぐ 愛しき人と 燃え尽きるまで

散る桜と不安定な立場…そういう観点もあるのですね。るいさんファンの蛍さんらしい視点です。
今月、蛍さまのお句がない〜?!と思ったのです〜。(やっぱりいつも皆様それぞれのお句を楽しみにしてるので)「燃え尽きるまで」このお句は美しくて激しい感じですね。東吾さんとおるいさんとの恋、燃え尽きず、散らずに実のって良かったですよね…。
(のばらさん)



「催花雨」の意味は、ひと雨ごとに花を咲かせる春の雨のことなのだそうです。それを知ったとき、思わず東吾さんのようだと思ってしまいました。さしずめ東吾さんという雨に、花を開かせるるいさん、そんな風に詠んでみました。
   
催花雨(さいかう)の ような貴方に 包まれて この身も心も とろけゆくまま

「催花雨」という言葉は初めて目にしました。お二人の関係、その通りですね。
もう大人の色気がたっぷりでいいなぁ…。とくに「絶え間なく」「催花雨の」はしっとりしていてやるせないおるいさんの身もだえが(あ、結局私も…)垣間見えるような…。あとの御作も濃密で余韻がありますねぇ…。
(はなはなさん)
蛍さんの「催花雨」という言葉は全然知らなくて「ほぉぉ」でしたし、さらに「東吾さんが催花雨みたい」とは、鋭い!と膝を打ちました。
(たまこさん)



東吾さんの足が遠のいた時は、別れの時なのですね。いつもるいさんはそう思っているのではないでしょうか。晴れて添える筈もない自分の身がどれほどに辛いでしょう。東吾さんが「つまらない意地を張って、逢いに来てくれない」、その時のるいさんの気持ちを詠んでみました。
   
身悶えし 独り寝長き 春の夜半(やわ)
あぁ… 逢いたい… せめて夢の中だけ 抱きしめて
   

今月も人気の「…」が入りましたね。先日「師走の客」(H14/12)を見ていてやはり同じように待っているるいさんを思いました。
前書きの「東吾さんの足が遠のいた時は、別れの時」わたしもこのお話ほど、おるいさんが東吾さんとの別れを切実に実感した時ってなかったんじゃないかしらと思いました。「独り寝長き」 1ヶ月も東吾さんの足がとおのいておるいさんは絶望に胸もふさがる気持ちだったのでしょうね。。。本当に「夢の中だけ」でしかもう会えないのかと思ったかもしれないですね。
(のばらさん)



「私、どんなに傷ついてもいいから、東吾様のお嫁様になりたいと思いました。でも、姉は、傷つくのはおるいさまと東吾様だと申しました。」  (略) 
ぽろぽろと七重が泣いているのに東吾は気づいた。
「江戸の子守唄」より
うまく行かないものですね。条件的にはピッタリの七重さんなのに…。るいさんの存在をまだ知らない頃は、七重さん自身も東吾さんのお嫁さんになれるものと思っていたのではないでしょうか。その想いを自分で断ち切らなければならないのですから、なによりも辛いですね。
   
切なさに 春の別れの この涙 つのる想いも 今宵限りと



「紅花染めの肌着を着て、お文という名の女の子というだけでは、広い江戸のこと、めぐり合えるとは、まず思いませんでしたが……」
「江戸の子守唄」より
紅花が引き裂かれた母子を引き合わせてくれました。不思議な縁があるのですね。二度とお文を奪われたくない。「お文は、私の命でございます。」 お才さんのその気持ちで巡りあえたのですね。
   
母と子の 絆つむいだ 紅の糸